「いやアンタらほんとはめちゃめちゃ相性悪いんだと思いますよ?だってお互いの望み阻害してるでしょ」 (常闇の教団リプレイ二次創作「恩讐の彼方に」/庵)
2018-03-25 21:17:39白に濃いと淡いとがあるのを教えたのは鶴丸だった。匂い立つ光というのがあるのを示したのは山姥切国広だった。そのどちらをも愛してはならないと諭した一振りの名を、さて口にすべきか否か。 (とうらぶ「こいとあわいと」)
2018-03-25 21:39:36あのさあ、とテーブルに片頬をつけたままでレイルが問う。平生の子どもらしい物言いとは似ても似つかぬ、少女の色めく声音が男の首筋を撫ぜる。 「しあわせすぎて泣きそうになることって、ある?」 (バカノ・レイル「サニーサイド」)
2018-03-25 21:46:12「待たぬか、そこの白鳥」 呼び止められたメルトリリスはお世辞にもごきげんとは言えなかった。自室に引き上げるところだった彼女の頭の中はガレージキットのことでいっぱいだったし、妄想を横から邪魔されるほど無粋でつまらないことはない。 「あらごきげんよう、鳩の親分さん」 (FGO「翼か喉か」)
2018-03-25 21:50:38ああ、とキドは自分の顔が強張るのを知った。カノの横顔はそれほど静けさに満ちていた。 (……おとなに、なってしまった) 無音でつぶやいた確信が、降りしきる雨みたいに脳内で繰り返し鳴った。おとなになってしまった。おとなになってしまった。 (カノキド「おしゃべりな案山子」)
2018-03-25 21:54:23「もし本当に百年ののちに会えたとして、会えたから百年がたったと気づくような愚か者にはなりたくないんだ。会って初めて気づいただって?そんなの忘れていたと同じじゃないか」 (馬鹿・ヒュモニ「夢より地獄をくれ」)
2018-03-25 22:00:05これが正しいのか分からない。これがおまえの本当に言いたかった言葉なのか分からない。おまえの言い残せなかったことを遺したくてこんなふうに抗ってみせてるけどお前のこと何もかも分かってなかったなんてどこかで思い知らされるのが怖い。おまえは何も言ってくれない。死人には口がない。 (創作)
2018-03-25 22:04:34「あんた好きそうだと思って気づいたら買ってた」 そんなことをさらりとなんでもないように言う。 「…………かっ」 「かわいいって言ったら殺すよ」 「可愛いすまん我慢できなかった可愛い。でも殺すのは俺が逆に殺してしまいそうだからやめてくれないか」 (馬鹿・クレレイ「滅べアラビアータ」)
2018-03-25 22:11:07「空で人と別れてきたんだ」 自分の王がそう話してくれた日のことを、クロは言いようのない疼痛とともに思い出す。王も自分も誰かを悼んだのは同じなのに、傷の形があまりにも違うのだと思い知らされた痛みをもって。 (K・シロとクロ「影をひく」)
2018-03-25 22:16:34「己の虚を愛に置き換える術を知っている点において、お前は私が崇拝するに足るだろう」 馬鹿じゃないのかと思った。置き換えられるわけがない。語るだけ冗長になって脆く拙くなるから愛なんて陳腐な形に丸め込んでいるだけだ。だから女は美しいのだ。 (北神創作・主神×フレイヤ「戦場で愛し合え」)
2018-03-25 22:23:18手のひらがいい。胸では鼓動が分かりすぎるし肩口では体温が足りない。手のひらが欲しい。ただそれだけで息ができる。 (ティムアデ「肺と青」)
2018-03-25 22:32:21「お前は身内を失ったことがあるのか」 「お前に想像できるような離別ならいくらでも」 だが悪魔は不意に笑みを消して言った。 「だが俺に、お前の悲壮は把握しようがない。……この世でほかの何者にも奪われずにすむものは慟哭だけだ、マイザー・アヴァーロ」 (バカノ「メフィスト不在の煉獄にて」)
2018-03-25 22:39:54もう願いは変容して最初のかたちを喪ってしまったかもしれないし、最初に願いがあったことなどもう忘れているかもしれないけれど。それでも、 「それでも、お前の錨になるって約束したからなあ」 (創作あるいはエルマーCアルバトロス)
2018-03-25 22:48:12センダードには夢が注文できるコーヒーショップがある。特に隠しメニューというわけではなくごく当たり前にお品書きの左上くらいに載っていて、注文すると天鵞絨色のカップが雲母のきらめきをはらみながらテーブルに運ばれてくるのだ。 (創作「銀河を飲む人たち」)
2018-03-25 23:26:03やられた。シャフトは帽子の位置を直す気力もなく、つばに隠された視界の下で呻くように言った。 「なんでこんな時だけ簡潔に言うんだ、アンタ……」 (バカノ・シャフトとグラハム「アルジャーノンの過失」)
2018-03-25 23:21:09「だってどういうふうに生まれたって、貴方が貴方であるかぎり、目指してしまう場所は同じでしょう?迷いながら痛みながら、きっとそこを目指すの。……だからどんな世界に生まれても、貴方を愛してしまうと思う」 (レッドラ・忌エィ「ランダムウォーク」)
2018-03-25 23:51:04(ラドクレ「青年の霹靂・続」) 「なにしてるラッド・ルッソ」 「目が覚めねえか確かめてる」 「そこは自分を殺そうとするところじゃないのか」 上半身を真っ赤に染めたクレアの鮮血は乾いてみるみる黒ずんでいき、平生のクレアが纏っている黒いシャツへと変じた。車掌の制服もコートに変わっている。
2018-03-26 22:53:20「愛しているなんて言わないでね」 お願いよ。顔をくしゃくしゃに歪めた妹は、それでも翡翠色の瞳を自愛で濁らせることはなかった。そのしなやかな強さがきっと妹を嬲り続けるのだろうと予想はついた。 (北欧神話・フレイ→フレイヤ「もしも神がいるなら」)
2018-03-26 22:56:54「キリツグはね、衛宮切嗣として生まれるかぎり正義の味方を目指してしまうの。どの世界に生まれたって、どんな犠牲を払ったって、最後はそうなってしまう。……だからお母様は、キリツグを愛さずにはいられないの。どのキリツグのことも、ひとりにしたくないから」 (fate・アインツベルン「恋」)
2018-03-26 23:01:31「ごめん、悟浄を救ったら自分も救われるような気がしてた」 とてもじゃないが顔を上げられなかった。それでも悟浄の上履きがキュ、と鳴るのが聞こえたのでこの静謐な同級生を乱してしまったのが申し訳なかった。本当にそれだけは、代替としてではなく悟浄本人のこととしてすまなかった。 (創作)
2018-03-26 23:33:27在るだけで、人を呪う刀があるとは聞いたことがある。だが在るだけで、同じくろがねの士に傷を負わせるような刀があるとは思わなかった。この本丸で最初の同胞を損なうのがまさか己が身とは。平野は身の内が凍るような心地がした。 (とうらぶ・平野と山姥切「左手を伸べる日」)
2018-03-26 23:39:16「置いていかれる人の気持ちを考えられるのは、置いていかれたことのある人だけなんだ」 修は痛みに耐えるような顔でそう言うと、千佳に深く頭を下げた。 「ごめん、千佳。……麟児さんのこと思い出させるつもりじゃなかったんだ」 (ワートリ・大規模侵攻のあとの修と千佳「メロスは戻らない」)
2018-03-26 23:50:07あいつはきらいだ。涙まじりに呟く詩神の言葉がはらはらと、ヘイムダルの膝に降る。 「盲目のくせに私が隠してる無様さばかり見つける」 「盲目ゆえであろうよ」 「きらいだ……」 きらいだ。人を罵るのに慣れていない男の声は尖りきることもできずに揺れる。 (北欧神話・ブラギとヘイムダル)
2018-03-26 23:57:32正直想像もつかない。母親に忘れられるというのはどんな気持ちがするのだろう。母を殺された怨嗟ひとつを持ち物としてこの国に来た身ではずいぶん遠い話に聞こえた。すぐ隣で語られた話だというのに、そういう現実があるとは知らなかった。 (北欧神話・?と?)
2018-03-27 00:02:25とりあえず25個?書いたのでこれで打ち止めにします タグふぁぼありがとうございました いっぱい書けたので楽しかったです よかったらどれが好きかとかマシュマロにください marshmallow-qa.com/morgenacht?utm…
2018-03-27 00:04:38