140字短文まとめ
4
リエ⋮ 1/7インテC23a @rie_tkm

「……ったく、散らかしたまんまで」 熱々の蕎麦を両手に、吐きかけた小言を飲み込んだ。 色紙遊びの痕跡が語るそれぞれの器用さ、健やかな寝息と安らぎ。 ふ、と小さく笑んでから──まあ、それはそれとして。 「オイ、そこ片づけろ!メシだ」 食わせてやれるおれの幸福も、仲間に入れてもらおうか。

2023-09-03 12:11:26
リエ⋮ 1/7インテC23a @rie_tkm

「……学校で迷子になんなよ」 剣道場はアッチ、と親指で示せば、うるせェ知ってると生意気な返事。 「だったらなんだよ。まさか……」 おれに会いにきたとか? 射し込む西陽。さりげなく背中で閉めるカーテン。違うとも、そうだとも言わない、正直さのご褒美に。 「いいモンやるから、こっち来い」 twitter.com/honyarara00/st…

2023-06-29 16:37:19
リエ⋮ 1/7インテC23a @rie_tkm

警察官美容師っぽいゾサ落書き5つ、せっかくなので小綺麗に整えてみました☺️ pic.twitter.com/hrghL1x5Hu

2022-12-10 06:30:13
拡大
拡大
拡大
リエ⋮ 1/7インテC23a @rie_tkm

「なんで待ってんだよバカ!おれァ弁当でも買えっつったんだ」 テーブルに置かれた白飯単品。大急ぎで回鍋肉を作りつつ叱れば。 「……食いてェモンがなかったんだよ」 拗ねたツラが零す言い訳に、はあ?と返してから気づく。 こいつをこんな、面倒臭くて可愛いヤツに、育てちまったのはおれだった。 twitter.com/rie_tkm/status…

2022-07-21 07:16:40
リエ @rie_tkm

急な仕事入って、今夜は遅くなるから弁当でも買えよって伝えたら白米だけ買って待ってたゾに、なんで待ってんだよバカって怒りながらおかず山盛り作ってあげるサ……を想像してニヤニヤしてる朝

2022-07-21 04:48:43
リエ⋮ 1/7インテC23a @rie_tkm

「キスマークならまだしも……」 いやよくはねェけど、と気怠げにぼやく男の、体中に残る情痕。 「なんで噛むんだよ……うわ、こんなとこまで」 煙草片手に、大きく開いた股の間を覗き込む姿は滑稽かつエロい。 (……きれいに忘れてやがるな) 嚙めよ、もっと──上擦った声で何度も強請ったことを。

2021-09-29 11:26:06
リエ⋮ 1/7インテC23a @rie_tkm

「……てめェが無茶するからだろ」 「……てめェが催促したんだろうが」 哀れなくらい軋む音が、気にはなっていたのだ──最初のうちは。 真っ二つに折れたベッドに挟まり、なすり付け合う罪の気まずさ。往生際悪く繋がったまま、良心と、心許ない小遣いを秤にかけて。 「ずらかるぞ。縮めろ」

2021-09-28 07:10:15
リエ⋮ 1/7インテC23a @rie_tkm

互いの矜恃を譲ることなく、同じ未来を見据えて闘う。あの時も、今だって、呆れるほどブレないおれ達にゃ。 (これが、似合いだ) 見つめあうより、抱きしめあうより。 てめェに半身を預けることが、心強いと素直に思える。 勝つために。守るために。 ひとりじゃない──今度こそ、背中合わせで。

2021-09-27 18:14:17
リエ⋮ 1/7インテC23a @rie_tkm

「かぬれ?」 「おう。こないだ型が安く手に入ってさ」 値切りに値切った銅製の古物を、自分で磨き直したのだという。 「……焦げてねェか?」 「焦がしてんだよ。中はしっとり……ラムが効いてるぜ」 黒光りする奇妙な菓子は、きっと旨い。まあ食えよ、と自信ありげに、こいつが差し出すのだから。

2021-09-25 14:49:26
リエ⋮ 1/7インテC23a @rie_tkm

てめェにゃまだ早ェ、と言われるものには、なんだって挑んでいった。 煙草、酒、スーツに、それから。 「辛ェか?」 「まあな。けど、うめェ」 自分好みに仕上げた海鮮パスタを、ふたりで頬張る昼下がり。 大人になった舌、カラダ──やっと追いついた心が選んだ、背伸びのいらない、こいつの隣。

2021-09-23 08:24:54
リエ⋮ 1/7インテC23a @rie_tkm

盛りつけたそばからひょいとつまむ、艶々の白い団子。 「……そこから食うなって」 「ここから食うのがうめェんだ」 なんだそれ、と笑う男の目尻。 教えた通りのススキと、満月。 「永遠に積み上がんねェだろ……おいコラ」 いい気分で攫う、もうひとつ。膨れた頬を抓る指は、団子同様ほんのり、甘い。

2021-09-22 19:40:40
リエ⋮ 1/7インテC23a @rie_tkm

ひくひくと震える腹を、確かめるように這う手のひら。 だめだ、触んな。早口でそれを制する、おれの唇はだらしなく涎を垂らしたまま。 なんで、と訊く意地悪な声も、眇めた瞼も震えている。 汗に塗れた情けないツラ。火傷しそうに熱い肌。あふれる想いが呼ぶ名前──誰も知らない、秘密を晒して。

2021-09-21 16:33:06
リエ⋮ 1/7インテC23a @rie_tkm

「お前……なに泣いてんだ」 他の奴らはとうに食っていたらしい、こいつの蕎麦を。 「うるせェ、泣いてねェ」 啜りながら、鼻を啜る。 舌に馴染む出汁の味。食っても食っても満たされなかった腹の奥を、じんわりと埋めるぬくもり。 そうかよ、とだけコックは呟き、栓の緩んだおれをただ見つめていた。

2021-09-15 12:42:51
リエ⋮ 1/7インテC23a @rie_tkm

「お疲れさん。よく頑張ったな」 寝落ちた船医をそっと撫で、囁く声は甘く優しい。運んでやれよ、とおれを顎で使うそれとは雲泥の差だ。 「おれにも言え」 「……てめェが今日何を頑張ったってんだ」 鼻で笑いつつ緩めたネクタイ、誘う首筋。 筋トレ、昼寝、朝昼晩のメシと、 「てめェを、残さず食う」

2021-09-10 15:34:16
リエ⋮ 1/7インテC23a @rie_tkm

「わかったわかった、好きに食え」 生キャラメルとやらに群がる男連中。諦めて鍋ごと明け渡す寸前、味見すっか?と差し出されたひと匙を、ねぶりつつ首を捻る。 「……てめェみてェだな」 「あ?なにが」 なめらかな舌触り。甘ったるく蕩け、絡みつくぬくもり。 「夜、とろっとろにしてやったときの」

2021-09-09 14:26:57
リエ⋮ 1/7インテC23a @rie_tkm

あれだけ鍛えているくせに、マリモはなぜか口が緩い。 幸せそうに酒を煽るとき、汁気の多い食い物やなんかを頬張るとき──ああ、ほらまた。 「おら、垂れてんぞ」 「ん」 つい拭ってやるクセ。当たり前のようにそれを待つクセ。仲間たちの前でうっかり披露して死にたくなったあの日も、今は懐かしい。

2021-09-05 07:14:10
リエ⋮ 1/7インテC23a @rie_tkm

「へへ……これでてめェはおれのモンだな」 揃いの指輪を嵌めたコックが、観念しろ、と抱きついてきた。 「あァ?てめェがおれのモンだろうが」 負けじと抱きしめ、ぶつける額。 照れ臭そうで、幸せそうなツラが囁く。 「は……おれをモノにしたけりゃ、その生きザマで──」 一生かけて口説きやがれ。

2021-09-04 05:36:40
リエ⋮ 1/7インテC23a @rie_tkm

「貸し『1』‼︎」 てめェはてめェで、その脚で、ここまで生き抜いてきたはずだ。 大丈夫か、でも、しっかりしろ、でもない。なりふり構わず、見据えた同じ未来を拓く──おれ達に必要なのは。 「借りなし‼︎」 信じ合う、想いひとつ。 言われねェでも、と返事の代わりに、力強い蹴り音が響いた。

2021-09-01 15:54:03
リエ⋮ 1/7インテC23a @rie_tkm

すげェ、と細める片眼、紅らんだ頰。 「なあ、この棍棒で」 指先が野太い幹をゆっくりなぞる。 「突いて、捏ねて、ぐちゃぐちゃにしてくれよ」 「……てめェ、わざとだろ」 目の前には巨大な摺鉢、山盛りの茹で大豆。 「あ?いーからさっさとやれよ」 忌々しいきつねは、ほれ、と擂粉木を差し出した。

2021-09-01 11:16:37
リエ⋮ 1/7インテC23a @rie_tkm

「終わっちまうなァ、夏休み」 剣道とバイトにそれぞれ明け暮れ、手つかずの宿題を前に。 「今年こそ作りたかったのによ……めくるめく夏の思い出」 溜息混じりにベッドへ凭れたアホが、晒す喉元──生白い急所へ、気づけば唇が触れていた。ビクンと跳ねた指を掴む。 「そんなもん、おれがくれてやる」

2021-08-26 08:01:14
リエ⋮ 1/7インテC23a @rie_tkm

「硬ェけど、なんか……っ」 「あァ?」 トイレを借り、戻ろうとした部屋から漏れるふたつの声。 「おい、垂れてきてんぞ」 「う、るせ、しょうがねェ、だろ、ア、ア!」 「ぉおおい君たち!そーゆーのは!おれが帰ったあと、で」 筋トレ中の男と、棒アイスを折りかけた男が、は?と揃って首を傾げた。

2021-08-21 14:37:16
リエ⋮ 1/7インテC23a @rie_tkm

「……ったく、いい歳こいてせっかちだな」 ドアが閉まるのも待たず、ケツを掴んで引き寄せた。ふわりと弛むその目尻、覗き込むように首を傾げて。 「待ちきれなかったか、んん?」 おれの可愛いクソマリモ。 広く、蒼い、奇跡の色。甘やかされ慣れたおれはその瞳に揺蕩い、おうそうだ、とキスを待つ。 twitter.com/oeooo019/statu…

2021-05-17 05:37:59
リエ⋮ 1/7インテC23a @rie_tkm

「おい、もう行かねェと」 解っているのに、離れない腕。それを確かめるように甘く、溜息で受け止める。 (年食うほど可愛くなりやがって……) 狙う場所はちっとも可愛くないけれど。 「そこじゃねェだろ」 行ってらっしゃいのキスは。 叱るつもりで呼んだ名前も、やわらかな陽射しにとろりと溶けた。 twitter.com/makimaki1127/s…

2020-10-04 07:42:27
リエ⋮ 1/7インテC23a @rie_tkm

まどろむ半身をあたためる、ずっしり心地良い重み。 朝陽が差すまで傍にいることも、こんな風にべったりはりついてくることも、滅多にない男だから。 滅多にないついでにそろりと片腕を擡げ、金色の頭を抱いた。 ん、と小さく漏れた寝息を、いいから寝てろ、と指先であやす。 夢なら夢で、あと少し。 twitter.com/yyovoyy32/stat…

2020-10-04 05:51:00
リエ⋮ 1/7インテC23a @rie_tkm

「何考えてんだ、こんな時に……ッ」 珍しく尻込みする剣士に、じり、と詰め寄り顎を取る。 「何って、ナニだろ?」 着替えたおれをねっとり眺め、火をつけたのはそっちのくせに。 「大体おれ達に『こんな時』じゃねェタイミングなんかあるかよ」 明日をも知れない海賊稼業。 こんな時──だからこそ。 twitter.com/Honyarara00/st…

2020-10-03 18:40:40
リエ⋮ 1/7インテC23a @rie_tkm

「……寝てんじゃねーか」 人のことを蹴って小突いて、さんざん起こしておきながら。 常時ムカつくこの男を、なぜか憎めないことに気づいた。 舟を漕ぐ小さい頭。さらりと流れる金色の髪。 柔らかそうな光につられ、思わず触れてしまった指から── 「おい、起きろ」 あふれた答えを、教えてやりたい。 twitter.com/honyarara00/st…

2020-10-03 18:37:40
リエ⋮ 1/7インテC23a @rie_tkm

「てめェに惚れられたレディは気の毒だなァ」 へらへら絡んでいった酒の席。 「刀バカだし、身勝手だし、そのくせ執念深そうだし、ムッツリだし」 あとマリモだし、と指を折り数え上げるおれを、いつしか剣士はじっと見ていた。 「よく知ってんじゃねェか」 余裕ぶった口元に、見えない牙を光らせて。

2019-09-04 07:16:31
リエ⋮ 1/7インテC23a @rie_tkm

顔を合わせれば喧嘩になる。口を開けば悪態しか吐けない。なのに背中を任せて闘うときだけ、どうしてあんなにしっくりくるのか。 「な、なんだよ」 「……別に」 正面から抱きしめ、おずおずと抱き返されて、なんだそうかと気がついた。 ふっと綻んだ唇は今夜こそ、間違えずに言葉を選ぶだろう。

2019-05-02 04:38:40
リエ⋮ 1/7インテC23a @rie_tkm

「おれが食いたかったから、ついでだ」 ぽいと置かれた夜食の皿。 「そりゃどうも」 手を合わせ、頬張る温かい握り飯。逸らされた目の奥にチラつくもの。 昼間の喧嘩の傷が疼いた。 「おい」 「なんだ」 「こっち来い」 「……なんで」 腹に隠した同じ本音が、ナカを突いたらあふれるような気がして。

2018-11-27 05:17:30
リエ⋮ 1/7インテC23a @rie_tkm

「待て」 「なんでだ」 「なんでもクソも……真っ昼間からこんなキスされたら」 我慢できなくなんだろ。 甘えた声で、膨らみを撫でつつ言い渡すおあずけ。 (つけ込みやがって、あの野郎) 愛しさと憎らしさの狭間で、ジリジリしながら夜を待つ。 手懐けた余裕を噛み締めていられるのも──今だけだ。

2018-11-22 05:45:42
1 ・・ 5 次へ
4
まとめたひと
リエ @rie_tkm

書き散らした文章まとめ