ドキュメンタリー映画『水俣一揆─ 一生を問う人びと ─』(監督 土本典昭、1973・昭和48年)の感想。
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タケ @take_all_a

先日、中洲大洋(福岡市)で映画『水俣一揆─ 一生を問う人々 ─』(監督 土本典昭、1973・S48)を観賞した。水俣病患者とチッソ社長との直接交渉の模様を記録したドキュメンタリー映画である。 #水俣一揆 #水俣病 #水俣 pic.twitter.com/DkYThgCsGS

2021-09-14 22:20:10
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タケ @take_all_a

土本典昭氏(1928〜2008)は記録映画作家・ルポルタージュ作家として活動された方で、特に水俣については長年現地に通って数多くの記録映画を製作した。『水俣一揆』はその第2作になる。 pic.twitter.com/AMG6wgcMxb

2021-09-14 22:21:21
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タケ @take_all_a

水俣をテーマにした昔のドキュメンタリー映画をなぜいま上映するのかというと、新作映画『MINAMATA─ミナマタ─』の関連企画による。土本監督の水俣第1作『水俣 ─患者さんとその世界─<完全版>』とともに全国数カ所で9月中に2週間ほど上映。九州は中洲大洋のみ。 pic.twitter.com/AMjnan8O6G

2021-09-14 22:22:42
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タケ @take_all_a

映画『MINAMATA』公式サイト内、 土本典昭監督作品特別上映のページ longride.jp/minamata/tsuch… 上映劇場一覧 eigakan.org/theaterpage/sc…

2021-09-14 22:23:30
タケ @take_all_a

ご存じの方も多いと思うが、映画『MINAMATA』は、水俣病を世界に知らしめた写真家ユージン スミスを人気俳優のジョニー デップが演じるという注目作だ。9/23から全国公開。 予告編 youtu.be/3AGMAHDZFLk

2021-09-14 22:24:47
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タケ @take_all_a

私も『MINAMATA』は観るつもりだが、この映画は史実を元にしてチッソの社名まで出しつつ、基本的にはフィクションである。それで、ノンフィクション作品も観ておいた方がいいかと思って『水俣一揆』を観賞した次第。

2021-09-14 22:27:05
タケ @take_all_a

1973(昭和48)年、熊本地裁は水俣病第一次訴訟の判決で原因企業チッソの責任を明確に認定。チッソは控訴せず判決は確定した。これを受けて原告の患者達は東京のチッソ本社に乗り込み、社長と補償交渉を直接行う。

2021-09-14 22:27:45
タケ @take_all_a

『水俣一揆』は主にこの直接交渉を記録した映画だ。本作で土本監督は解説を最小限に抑え、患者達と社長が対峙する場面を延々と見せている。率直に言って見続けるのが精神的にしんどかった。いや本当にキツかった。

2021-09-14 22:28:53
タケ @take_all_a

工場廃液で取り返しのつかない体にされた恨みを怒鳴りながら、または涙ながらに、あるいは怒鳴りたい気持ちを抑えて絞り出すように、ときには諭すように患者達は社長に訴える。言語障害を負った者も懸命に話す。

2021-09-14 22:30:43
タケ @take_all_a

満足に仕事ができない体で生活していくには十分な補償が必要だ。しかし会社存続を第一に考えなければならない立場の社長は補償額を抑えたい。文書に「できるだけ」という文言を入れるか否か、補償項目をどこまで含めるか等々。本作はそういう生々しい交渉過程をさらけ出す。

2021-09-14 22:32:39
タケ @take_all_a

とりわけ印象深いのが、当時のチッソ社長である島田賢一氏の表情だ。自分たちの会社が大勢の命を奪い、人生を滅茶苦茶にしたと分かっていながら、会社側に有利となるよう交渉しなければならない。板挟みとなった彼の心中や如何に。

2021-09-14 22:34:07
タケ @take_all_a

感情を表したら終わりと自覚しているのだろう。患者達の怒声や悲痛な声を浴びながら、島田社長はずっと寡黙な表情を保ち続ける。土本監督は彼の顔を何度もアップで映すのだ。あの表情は忘れられない。

2021-09-14 22:35:01
タケ @take_all_a

そんな場面がひたすら続くわけ。108分の全編中、8〜9割は直接交渉のシーンだったと思う。鑑賞中、比喩ではなく本当に胸が痛むというか体調が悪くなって、途中から目をしばらく閉じてはまた開けるを繰り返して何とか最後まで観たよ。

2021-09-14 22:36:37
タケ @take_all_a

観るにはそれなりの気合いが必要だし、そもそも上映館と上映期間がかなり限られているが、興味と機会があるなら『水俣一揆』はぜひ観てほしい。

2021-09-14 22:38:43
タケ @take_all_a

補足すると、『MINAMATA』には水俣病患者の救済運動に尽力するヤマザキ・ミツオという人物が登場する(演じたのは真田広之)。この役は複数の人物がモデルとされるが、『水俣一揆』で先頭に立って社長と対峙した川本輝夫氏もその一人である。

2021-09-14 22:40:26
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まとめたひと
タケ @take_all_a

福岡県を中心に、建築・団地・土木・産業遺産などについて、ツイッターにつぶやいたことをまとめています。個人サイトの方は放置中。