会社役員晴×警備員道

泥あんこ @V4v7mV9cKzIIWs9

晴さんの家、キッチンが広いので収納の棚は別にあり、わざわざ天井の収納棚を大きくする必要がない。 道「あべさんの家、広いですからなぁ」 晴「私はお湯を沸かすぐらいしか使ったことないんですけどね。何か手伝うことは？」 道「では、皿を出してくだされ」

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部屋の隅に片づけられていたちゃぶ台を出して、いそいそと皿を出す晴さん。炊飯器は床置きなことにびっくりした。コードを伸ばしたら、ちゃぶ台そばにおけて便利ですぞお代わり的な意味で。 晴「ガスコンロも使うんですか？」 道「すき焼きですからな。卵はいりますか？」 晴「いただきます」

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100均のお椀に菜箸、100均のお玉をもって鍋をもってくる道。小さい時から食欲旺盛な道とꘐは肉が煮えるまで待てないので、基本的にあしや家では野菜を先に似てから後で肉を煮るシステム。 晴「肉いれていいですか？」 道「ええ、どうぞ。野菜は先に煮えておりますので、いつでも食べられますぞ」

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晴「糸こんにゃく……？」 道「マ□ニーですぞ。以前鍋にした時のものが余っていたので」 晴「これおいしいです（もぐもぐ」 道「（味がしみてるものが好きなんだな）たくさんお食べくだされ」 晴「マ□ニー、おいしい（もぐもぐ」 道「マ□ニーばかり食ってないで、肉も食いなされ肉も」

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まあ、今日は卵でタンパク質とれてるからいいのか……？と思いつつ、煮えたお肉を晴さんのお椀につぐ。野菜は晴さん割と食べるのでまあいいとして、本当に肉を食べない。 道「あべさん、肉を余り食べませんよね」 晴「あー……うん、そこそこ食べますよ？」 道「今日は更に進んでないようなので」

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晴さんのそこそこ食べるは、肉3枚程度なので、道から見たら全然食べてない。今日は白菜とねぎとマ□ニー食べた。 今日の肉は道が利用してる激安スーパーの高級肉なので、晴さんの舌には余り合わない（言わないけど）。たくさん食べる道を見ながら、ここにお酒があったらなぁと思ってる晴さん（本日車）

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道「あべさん、肉食べないのにそこそこ筋肉ついてますよね」 晴「うちの会社、福利厚生でジムの月謝が安いので」 道「……まさか」 晴「タンパク質はプロテインで……」 道「（無言で肉盛り）」 晴「ああああ！やめてください！そんなに食べれません！！あああ！！」

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道「不摂生はおやめなされ！」 晴「食べてますよ」 道「炭水化物も必要なエネルギーです。毎食とは言いませんが、たまには白米を食べなされ」 晴「炭水化物はとってますよ、ビールで」 道「（無言で白米つぐ）」 晴「ああああ！やめてくださいやめてください！さすがにその量は無理です！無理です！」

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晴「……白米、割と美味しい、ですね」 道「実家が寺でして。檀家さんからいただいた米を送ってくれているのです。新米ですぞ」 晴「おいしい（もぐもぐ」 道「（あべさん、多分ビタミンも不足しがちでしょうし、今度から白米に麦混ぜるか……）焼き豆腐も味がしみてますぞ」 晴「おいしい（もぐもぐ」

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今までで一番よく食べたあべさん。お片付けをやると言いましたが、勝手が違うので儂がやりますと言われて、渋々絨毯の上に座る。狭いんですが、割と落ち着きますね。 晴「実家の蜜虫の部屋みたいで落ち着きます」 道「蜜虫さん？」 晴「ええ、つぶらな瞳がチャームポイントのダックスフントです」

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道「飼い犬に部屋が……どんだけ広いんですか……」 晴「母の飼い犬で、学生時代、お散歩は私の仕事でしたよ。実家出る頃はすでにおばあちゃん犬でしたから、社会人になってから亡くなって……それ以来使ってないと思いますね……」 道「そうですか……」 晴「とても懐かしい狭さです」

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狭さで郷愁を覚えないでほしいのだが、道は空気を読んだ。 晴「ところで、明日付き合ってほしいところがあるんですよ」 道「明日ですか？いいですぞ」 晴「良かった。晩御飯は期待してください。すごく美味しいところなので」 道「楽しみにしてます」 晴「ええ、私も楽しみです」

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以前、あべさんに作ってもらったスーツを着てこいと言われ、アパート前で待っていたところ、タクシーで迎えにきたあべさん。明らかに高ぇスーツな上に、髪も軽く上げるセットしてて思わず回れ右した。 晴「待て待て待て待て」 道「嫌です！あなたがそんなキメた格好する場所に行きたくありませぬ！」

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無理やりタクシーに乗せられた道。もう嫌な予感しかしない。 晴「今から向かう場所に着く前に、お前に話しておきたいことがあります」 真剣な顔で前方を見つめるあべさんに、道もつられてごくりと唾を飲み込んだ。

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あべさん、今でこそ小食も小食ですが成長期はそれなりに食べてた。道やꘐのように成長期1人1升食べるほどではないけど、成長期はそれなりに食べてた。 晴「私の両親は、昔から1年の殆どを海外で生活してます。私は乳母に育てられました。学校の行事も両親が見にきたことはありません」

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晴「別に両親がそばにいないことについて特段何も思いませんし、むしろ忙しい中、息子の顔を見るためにわざわざ帰国してくれる事に感謝してました。ちなみに私が一番ご飯を食べてた時期は高校生の時です」 道「何となく言いたいことがわかりました」 晴「両親と最後に顔をあわせたのも高校生の時です」

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道「帰っていいですか？」 晴「お願いですから、私の代わりにご飯食べてください！！！！」 道「どこに久しぶりの家族の団欒に他人連れて行く奴がいますか！？」 晴「ここにいます！！！」 道「いばるな！！！！」 タクシーの中で喧嘩した

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某有名ラグジュアリーホテルで、物凄い美女を紹介されました。 葛「まあ、晴がご友人を紹介してくれるのは初めてだわ！どうぞ末永く仲良くしてくださいな」 道「は、はい……よ、よろしくお願いしま、す……？」 母親が誤解してるなとは察したけど、まあいずれはと思ってるので訂正しなかった晴さん

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ママの注意が道に向いたことで、食え食え攻撃から逃げられてる晴さん。色んなお話聞かせてくださいなと言われて、戸惑いながら自分のこと喋る道。情報収集能力激高ママ。実家が寺、双子の兄弟がいることとかバッチリ情報収集されてる。 ところで、お前がジンギスカン好きって初めて知りましたが？

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葛「ラム肉がお好きなの？癖の強いお肉も平気なのね。すばらしいわ。あら、ではここは蝦夷鹿肉のロティがあるの。追加で頼みましょうか」 道「あべさん、ろてぃって何ですか？（ボソボソ」 晴「フライパンに具材を入れて、それごとオーブンで焼く料理です（ボソボソ」 葛「たくさん食べてね」

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晴「……今度、美味しいラム肉出す店探しておきます。あとジビエとか」 道「はい？え、いや……それは嬉しいですが、なぜに？」 葛「道さん、蝦夷鹿はお口にあったかしら？」 道「とっっっても美味しいです！！！（力説」 葛「まあ！たくさん食べてくださいな！」 ママに張り合う晴さん。

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晴さんはさっきからワイン飲みながら、少しずつ摘まんでる。 葛「道さんはお肉が好きなのね。まだ入るかしら？ここの和牛のポワレはとても美味しいの」 道「とても美味しいです……！」 晴「（なんか母に餌付けされてませんか？）」 和牛のポワレは黒トリュフがかかってた。

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晩御飯会終了。お腹いっぱい食べた道、たくさん美味しそうに食べた道がとても気に入ってママにこにこ。「今度は是非チェルシー（両親の現住所）にいらして」とにこにこ。パパも美味しそうに食べる道が気に入ってにこにこ。「是非チェルシーのパーティーに招待させてほしい。私達の友人に招待したい」

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道「パ、パ、パーティーは、儂、私はマナーなどわかりませぬゆえ……」 葛「まあ、そんなこと気にしないで。私達が主催するホームパーティーなの」 父「そうそう。だから気負わずに参加してくれると嬉しいな。私達の友人は君を気に入ると思うんだ。気さくな人たちだから、マナーは気にしなくていいよ」

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晴さん、黙ったままニコニコ笑いながら両親と道のやり取りを見守ってるけど、そもそも両親の現住所。チェルシーとはロンドンの最高級住宅街がある地区だし、友人たちを招いてのホームパーティーとか言ってるが、普通に大使や大手企業のCEOを招くいわゆる社交界のパーティーの一種である。

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晴「お二人とも、道も困ってますから。それに、道も社会人ですよ？いきなりパーティーに招待といっても、仕事の都合もありますから」 道「ええ、ええ！大変喜ばしく感じますが、残念ながら仕事が忙しく……！」 葛「まあ……残念だわ……」 父「うん、そうだね。真面目で良い子だ」

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来て来て攻撃から逃れてほっとしてる道。今日はレストランのあるホテルに宿泊するとのことで、ホールでチェックイン手続きする両親を後目に晴さんと一緒にホテルの小売店でお土産みてる道。 道「どれも美味しそうですなぁ」 晴「折角だから実家に送るのはどうです？地方発送もできますよ」

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道「では、ジャムにしましょうか……とても美味しかったので……」 お値段も一般的には高いが、商品の中では比較的安い。 道「では、購入してきます」 晴「はい、待ってますね」

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晴さん、ショップの中でもそこそこ値段のするホテルのタオルセットをさっと店員に渡す。 晴「彼と同じ発送先に。宛名は私の名前をよろしくお願いしますね」 このホテルの会員カードを渡して、にっこり笑う。かしこまりましたと頭を下げる店員に、晴さんは更に笑みを深めた。

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道の実家にて。 道母「道から凄いプレゼントが届いたの！」 道父「うわっ！帝□ホテルのジャムじゃないか！！高そうなジャムだ！」 道母「あとね、多分そうだと思うんだけど……」 道父「え、知らない宛名から……メッセージカードつき？」 『道さんにはいつもお世話になっています。　晴』

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帝□ホテルのタオルセット。高級タオルだと見ただけでわかるもの。おそらく、同じホテルの商品だ。道と一緒に買い求めたのであろう品物を、こうやってメッセージカードつきで送る程度にこちらへ配慮する抜かりないあたり。 道母「いい人ができたから帰れなかったのね……」 道父「道もそんな歳かぁ」

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如才ない相手がいるのだと。そういう関係の相手がいるのだと、向こうのご両親にも思わせておこう。 晴「まあ、外堀は埋めておくに限りますからね」 まあ、そのうち内堀も埋めるとして。うんうんと晴さんは頷いた。