#青の楽園 さるカフェさんにて:なんでもない冬の日 ’19

青の楽園／「羊たち」 @nowhereao

#青の楽園 今がいつかすっかり分からない。いつだったかサバ缶を食べたことまでは覚えているのだが、それが昨日のことか今朝のことかもはっきりしない。よしんばそれを思い出せたとしても、屋敷の中で自由に寝たり実験したりすることができないので時間などあまり意味もないような気もする。

青の楽園／「羊たち」 @nowhereao

#青の楽園 最近は街もとんと静かで、そうなるとあのバイクマニアの子供も姿を見せないのだった。あれは勘がするどいのか、来るときは大体街でなにかが起きているときなのだ――事前に知らせてもいないのに。 黄緑の髪を掻きあげ、ふらふらと夜になだれこむ。冷えた空気が疲れた頬に優しかった。

青の楽園／「羊たち」 @nowhereao

#青の楽園 両手を突き出しながらしばらく道をうろついて、とうとう体を起こしていられなくなり倒れこむ。レンズをつけたピアスが鳴って慌てて飛び起きた。 飲食店のある方向からの音を聞きつけ、見えてはいないのに首だけはしっかりそちらに回る。今更のように空腹であることをまた思いだし、

青の楽園／「羊たち」 @nowhereao

#青の楽園 灰間の細い肩と眉がさがる。 寒い上に暗い。冬だったことも今思い出した。自己嫌悪に呻きながら壁に支えを得ようとして、そのままの姿勢で #さるカフェ につっこんだ。 「うわ」しまった、情けない。ここは自分とは縁のないところだと思っていた善良な店だ。「こ、こんばんは…」 @IrhnIhht

ちりぬるをわか @IrhnIhht

@nowhereao いつもより強く鳴ったドアベルに驚いて見ると、あら、お客様…でいいのかしら。#青の楽園 なんだかお疲れみたい。「いらっしゃいませ！暖炉の前のソファが温かいですが、カウンターでも膝掛けをご用意致しますので、お好きなお席でどうぞ！」#さるカフェ

青の楽園／「羊たち」 @nowhereao

冬の夜のさびしさなどものともせぬ笑顔と声に、こちらの表情筋もつられて動いた。「……じゃあカウンター」ちょうどいい。こういうときもある。まだ眠るわけにはいかないのだし、これも何かの思し召しだ。「すみません、変な入店の仕方で。コーヒーいただけますか」 @IrhnIhht #さるカフェ #青の楽園

ちりぬるをわか @IrhnIhht

@nowhereao かしこまりました、コーヒですね。ミルクとお砂糖はお付けしますか？#青の楽園 良かった、少し笑ってくれた。寒い夜には、今日の豆はぴったりだわ。スッキリ目を覚まして、濃くて甘いコクで包んでくれる。#さるカフェ お待たせしました、『満月に寄り添って』のコーヒーです。

青の楽園／「羊たち」 @nowhereao

「ありがとうございます」 できる限り優しく受け取る。作業ができるほどまで目を覚まそう、と思いつつ懐から包みを取り出した。予約もなしに入ってしまったのだし、礼と謝罪がしたかったのだ。「これは植物の種なんですが、時にあなたは家庭菜園とかお好きですか？」 @IrhnIhht #青の楽園 #さるカフェ

ちりぬるをわか @IrhnIhht

@nowhereao コーヒーをすすったその人が、温かさに緩むような息を吐く。良かったわ、温かい物をお出しできて。そして何やら包みを…#青の楽園 「まぁ！何の種かしら？仕事柄、自分で育てられるものはいくらあってもありがたいです。」初めての物だとドキドキする…「あの、育て方、難しいですか？」#さるカフェ

青の楽園／「羊たち」 @nowhereao

相手は素直な人物らしい。自己嫌悪を深めながら、とげとげした種子を掌で広げてすぐ戻す。「“爆発”っていう名前の植物でして、その名のとおり世話を間違えるとちょっと愉快なことになります。とはいっても気を付けることは『水やりを忘れないこと』だけです」→ @IrhnIhht #青の楽園 #さるカフェ

青の楽園／「羊たち」 @nowhereao

→まさか自分が他の研究に夢中になって、これを屋敷で爆発させたとは言えない。「一応実は食べられるので……ちょっとすっぱいかな……、もちろんお店に出せますよ。あなたさえよければですが」ご馳走さまでした、とカップを置く。目が覚めてきたのがありがたかった。 @IrhnIhht #青の楽園 #さるカフェ

ちりぬるをわか @IrhnIhht

@nowhereao 思いもよらない物騒な…いやいやコホン、取り扱いの難しそうな説明にギョッとする。え…育てるのも試食するのも命懸けじゃない…？私で大丈夫かしら…。#さるカフェ 「ほ…本当に水をあげてれば…安全は保証されます…？」恐る恐るその人に尋ねる。そりゃ私だって爆発は怖いわ…。#青の楽園

青の楽園／「羊たち」 @nowhereao

「大丈夫ですよ。これは一番大人しいやつの種ですし、ひどくてもせいぜい15センチ四方ほど弾けるだけ。たとえると鳳仙花みたいなものです」五十株を連鎖で爆発させたとはますます言えなくなった。 「そろそろ退散しますね。おかげですっきりしました、ありがとう」 @IrhnIhht #さるカフェ #青の楽園

ちりぬるをわか @IrhnIhht

@nowhereao 「あ、え、あ、ありがとうございましたー！」変にリアルで余計に怖い説明を付け足して、その人は帰って行った。#青の楽園 一番おとなしいって…あの人何者…こわごわカウンターに残された種を…どうしよう…絶対火の側には置けないわ…植物の種だし、水で濡らしたペーパーに包んでおこう。#さるカフェ

青の楽園／「羊たち」 @nowhereao

#さるカフェ を後にしながら肩越しに目配せひとつ。「他の要因で弾けたりはしませんから、そんなに警戒しないで。花は艶やかで夢みたく綺麗ですよ」お礼のチョイスがあまりうまくないことに、灰間は自覚がない。 「突然お邪魔しちゃってすみませんでした。では、よい人生を」 #青の楽園 @IrhnIhht

青の楽園／「羊たち」 @nowhereao

#青の楽園 ズボンのポケットに手を突っ込んで暖を取りながら灰間は家路につく。予定になかったことだったが、そんなことを言えばこれまでも不規則な生き方をしてきたのだし、さっぱりと覚醒したのでいいことなのだろう。 ものの見すぎですっかり悪くなった目を酷使して玄関を開ける。

青の楽園／「羊たち」 @nowhereao

もうひと頑張り、と気合いを入れて頭上からぶらさがるランプを一斉にうるさくして―― 五十株の植物にひきつった笑いがこぼれた。冬の夜の、まだまだ長いこと長いこと。 #青の楽園

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#青の楽園 片付けが終わったと思ったら次の嵐だ。突如として襲来したバイク好きの子どもに引きずり出され、夕暮れの屋敷の外に灰間は這いつくばっていた。 「貴方って突然来ますよねえ」 「そりゃ小まめに来ないとお祭り逃しちまうから。連絡手段もないし、おれはここに住んでるわけじゃないんだし」

青の楽園／「羊たち」 @nowhereao

ララも住めばいいじゃないですか、と灰間は思っていても言わない。厄介だからだ。今はまだ、国に帰るわけが残っているのだろうし、困らせても悪い。 「バイクは？」灰間が訊ねると相手は若干拗ねたように濃い眉を寄せ、長身を揺らして答える。「まだ動かない。エンジンと燃料が揃わなくて」 #青の楽園

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それよりお腹すいた、と背が高い子どもは話を逸らしてきた。 「お金もないのにどうしようってんです」 「それは……」この子どもは街に来ても、買い物をしたりされたりということは一度もしていないらしい。いずれは器用さを活かして何かしたいとは言っているのだが。 #青の楽園

青の楽園／「羊たち」 @nowhereao

憮然として黙りこんだ相手を見ていると、いじめているようで落ち着かなくなってくる。 「すみません。貴方が訪ねてきたら食と宿の提供をするって約束ですもんね、分かりました。食糧切らしてたんでよそ行きましょう。向こうにいい店があってね」いい加減日も落ちて寒さが増してきた。 #青の楽園

青の楽園／「羊たち」 @nowhereao

長年住んで慣れ親しんだ屋敷から上着を引っ張り出している間、ララは表でエンジンのないバイクを停めなおしていた。食糧がなかったのならいつからどう生きていたんだ、と声を投げられ、最後のサバ缶を食べきったのだと返事をする。肝心の食べた日がどのくらい前のことかは結局思い出せない。 #青の楽園

青の楽園／「羊たち」 @nowhereao

「まさかお前、食べないで生きてたり」 「……いいからそういうの。ほら、店が閉まっちゃったら大変でしょう、さっさと歩いた」 「ちょっと待った」 ひょろりと長い体が布をばたつかせて往来で立ち止まる。「出不精のくせになんで店を知ってるんだよ。俺の知る限りどこにも行かないくせに」 #青の楽園

青の楽園／「羊たち」 @nowhereao

「夕べ親切なお店に助けてもらったんです。何を疑ってるか知りませんが安心してください」 確かに相手の驚きは最もではある。ふだんの自分は魚市場や実験器具の買い付けに時々こっそり行くくらいで、基本的には他人と関わるのも億劫なのだし、こう言われても仕方がない。 髪が北風に靡いた。 #青の楽園

青の楽園／「羊たち」 @nowhereao

相手もこちらが百年単位で街から出てすらいないとは思いもよらないだろうが――教えていないのだしこれも仕方がない。しかししっかり訊かれてもいないのだから教える気も起きず、灰間は面倒になって夕べの店の方向へ歩きだした。 「灰間」布を煽らせながら、慌てたようにララが隣につく。 #青の楽園

青の楽園／「羊たち」 @nowhereao

「置いてかないでよ」「分かってますよ。お店はここです」 今日も開いている #さるカフェ の戸を叩きながら挨拶する。「こんばんは。すみません、昨日の今日で。夕べはお世話になりました、おかげで片付けが終わりました。――空腹の子どもを一人任せていってもいいですか？」 @IrhnIhht #青の楽園

ちりぬるをわか @IrhnIhht

@nowhereao ろろがパッと身を起こす。誰か来たみたい。ドアベルが鳴る。#さるカフェ 「いらっしゃいま…あ、夕べの。お2人…えっ、お1人様？」#青の楽園 ひょろりとした青年が店の中に押し込まれた。そりゃあ全然いいけど、一緒に食べて行かないのかしら？青年に向かって声をかける。「どこでもお好きなお席に！」

青の楽園／「羊たち」 @nowhereao

「よろしくお願いしますね」 @IrhnIhht 「結局置いてくのかよ」「ええ、朝食の買いだしとか寝床の整えとかやることが山積みなんです。じゃ」 置いていくのはどちらだと思っているのか。長い足の年若い相手を温かな店に押し込み、金を握らせ、灰間は #さるカフェ を後にするのだった。→ #青の楽園

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@IrhnIhht #青の楽園 ＊＊＊ #さるカフェ に残されたララはというと、店員とおぼしき二人がこちらを見ていることに気付き急に俯く。街の人とろくに話をしていないのはララの方も同じだ。 「こんばんは」かろうじて挨拶して、緊張しながら暖炉の前の席に腰掛け、そのあとどうしたらいいか分からない。

ちりぬるをわか @IrhnIhht

@nowhereao 青年は温かな暖炉の前のソファに腰掛けた。「ろろ、お願い」声を掛けると、ろろがすぐさま持って飛んで行く。本当にすっかり手馴れたものだ。自分が今どうしたらいいか、ちゃんとわかっている。#さるカフェ #青の楽園 「ごちゅーもん、どうぞ」初めてのお客様には優しい声で。それもちゃんと。

青の楽園／「羊たち」 @nowhereao

飛んできた子にララは勢いのあまり怒ったように告げてしまう。「熱いシチューにする」指しながらも頭が大混乱だ。一見少年なのに翼があるなんて、どういう仕組みなのだろう。 いやそれより、 「俺、ララって名前なんだ。ララ・エイビス。お前はろろっていうの？」 #さるカフェ #青の楽園 @IrhnIhht

ちりぬるをわか @IrhnIhht

@nowhereao 人間の感覚を思い出す。#さるカフェ 体が人間になったのを確認してお客様の質問に答えた。「はい。僕はろろと言います。お客様はララさんなんですね。ちなみにあっちの店主はるるです。なんだかみんな似た名前ですね。」#青の楽園 急に姿を変えて驚かせてしまっただろうか。会話は人間の方がスムーズ。

ちりぬるをわか @IrhnIhht

@nowhereao 「シチューですね。かしこまりました。少々お待ちください」緊張していそうなその人に笑いかけ、今度はちゃんと転ばずに歩いてるるの元へ戻る。「るる、シチューひとつ」「はーい」#さるカフェ #青の楽園 あれ、変わってももう驚かないのか。つまんないの。

青の楽園／「羊たち」 @nowhereao

#さるカフェ #青の楽園 @IrhnIhht つい感嘆の声がもれる。姿を変えた少年は、口調も落ち着いていて自然だ。 「るるさんとろろって言うんだ。なんかカッコいいな、二人で店やってるなんて」素直に思ったことを言ってみる。暖炉には見慣れた炎がちらついていて、その柔らかさが心地よかった。

ちりぬるをわか @IrhnIhht

@nowhereao 改めてお水を持って行った青年に声を掛けられた。かっこいいってさ、へへ。それにしても、飛んで行った勢いで驚かせてしまったみたいだ。今までは気付かなかったけど、今度から誰にでも少しゆっくり飛ぼう。#青の楽園 #さるカフェ 「はい、僕、るるの相棒なんです」つい誇らしげに言ってしまう。

青の楽園／「羊たち」 @nowhereao

#さるカフェ #青の楽園 @IrhnIhht 礼を言って水を受け取って、無邪気だが安定感のある言葉に途方にくれてしまう。 「すごいよ、そんな相手がいるなんて。俺はバイク作って旅したいんだけど、一緒に行ってくれる奴なんか見つかる気がしないし」透き通っている水面に、己の藍がかった髪が反射していた。

ちりぬるをわか @IrhnIhht

@nowhereao 少し肩を落としそうなその人に、僕は思わず言った。「何かを作れるのは、素敵です！」あっ…と。ちょっと強く言っちゃった。僕、るるに似て来たかもしれない。#青の楽園 「あ、いやすみません。ほら、るるも料理や飲み物を作れるし、みんな喜んでくれるし。作るってすごいとは思います！」#さるカフェ

ちりぬるをわか @IrhnIhht

@nowhereao 「お願いしまーす」カウンターから声がかかる。「はーい」と答えてシチューと取りに行き、ララさんへ運ぶ。「お待たせしました、『無限街道』のミルクと『鉢合わせの妙」の畑から取れた野菜のクリームシチューです。こちらは『未来と運命』のパン。」パンはお代わり自由です。 #青の楽園 #さるカフェ

青の楽園／「羊たち」 @nowhereao

#さるカフェ #青の楽園 @IrhnIhht 相手の言葉で目の前がきらきらまばゆく見える。作ること。誰かの役に立って自分が楽しいのなら、いつか自分にも相棒と呼べる存在ができるだろうか。 シチューと一緒に食べたパンはまるで飲み物のようになめらかだった。「ありがとう、ろろ、るるさん」

ちりぬるをわか @IrhnIhht

@nowhereao 僕は嬉しくなって笑みがこぼれた。ララさんが何を考えてお礼を言ってくれたのかはわからないけど、喜んでもらえたのは確かみたいだ。#青の楽園 カウンターに戻ってるるに報告する。「るる、あの人にありがとうって言われたよ。ララさんって言って、バイクを作ってるんだって！」#さるカフェ →

ちりぬるをわか @IrhnIhht

@nowhereao 「バイクを？すごい！すごくお話してたね。楽しかった？」目をキラキラさせて戻って来たろろに聞けば、「うん！」と元気よくうなづく。ああ、この子はきっと、嘘じゃなくてこの仕事を楽しんでくれてる。そして私の事も。少し安心しちゃった。#青の楽園 #さるカフェ 嬉しくなって、ララさんに手を振る。

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「るるさん、ごちそうさま。ろろも言ってたけど、ごはん作れるのすごいよ」カウンターの向こうの笑顔を見て、おかわりのパンをちぎった。なんだか悩みがちっぽけに思える。 「ろろさ、さっき励ましてくれたんだろ。ありがとう。お前るるさんのこと大好きなんだな」 @IrhnIhht #さるカフェ #青の楽園

ちりぬるをわか @IrhnIhht

@nowhereao 「ありがとう！私も食べてもらえるのが嬉しいわ」思いがけず声をかけてくれたララさんの言葉に思わず笑顔になる。#さるカフェ …励ます？僕はララさんを励ましたのかな？わかんないけど、ララさんが本当はすごいのにシュンとするのをどうにかしたくて。これって“励ます”ってことなのか。#青の楽園 →

ちりぬるをわか @IrhnIhht

@nowhereao あとでるるに聞いてみよう。るるのこと…「うん！るるのことは大好き！」これははっきり言える。#さるカフェ その言葉を聞いて、私は思わず泣きそうになった。何ょ、心配してバカみたいじゃない。ろろが私を好きって言ってくれた。嬉しくて泣きそう。#青の楽園 「ララさん、こちらこそありがとう」

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「いや、俺は別に、何も」急に気恥ずかしくなりミルクを飲み干す。エンジンをつけてバイクが動くようになったら、ろろたちにも見えるように堂々と道を走ってやろう。その頃にはきっと灰間も子供扱いなんかしないだろうし。 「お会計」気づけばパンの山もなくなった。 #さるカフェ #青の楽園 @IrhnIhht

ちりぬるをわか @IrhnIhht

@nowhereao ララさんは若者らしくよく食べた。やっぱりお腹空いてたのね。食べたら表情まで明るくなったみたいだわ。ありがとうございました。「あと、これ。どうぞ」ララさんが食べた同じパンをいくつかと、自家製のジャムを包んで渡す。#さるカフェ #青の楽園 あの昨日の方にお土産。

青の楽園／「羊たち」 @nowhereao

#さるカフェ #青の楽園 @IrhnIhht 「いいの？」何も店員二人の信頼しあった様子だけに驚いているのではない。さっきからたべものがいっぱい出てくることも夢のようだ。 「俺、ちょっと焦ってたんだけど。限りある人生だからこそちゃんと食べてゆっくりしたほうがいいよな。ありがとな、また来る」