277機関とは「どの自創作作品」や「どの時代」にも属さず、罪を犯した者に罰や猶予を与えたりする存在【機関者】と呼ばれている者達が所属している場所である。 ――暴食の機関者と呼ばれている青葉 丈が、灰田チームに入るまでのお話を収録。 (※連載当時のまま掲載しているので、誤字脱字があります)
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伍条 月斗(創作アカ)⇒ネップリ登録中!! @5jyouTsukito

「俺の、チームに入りませんか?」 「ほー……」 感嘆の声を小さく上げた後に、青葉は聞いた。 「何故だ?」 「な、何故ってそれは……」 質疑に答えようとした時、お店に新たな客がやって来たかと思えば、カツ丼を頼んだ客の隣に座って話出したかと思えば、その二人は話込んで外へ出ようとしている。

2020-05-20 19:14:05
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その様子を見て、誰よりも先に反応したのは青葉だった。 直ぐに席を立ちあがり、カツ丼を頼んだ方の客を引き留めたのである。

2020-05-20 19:15:16
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青葉に引き留められた男は「おぉん?なんだ、にーちゃん?」と聞く。 「お前、コイツとグルだな?」 「なーにいってんだ、おめぇ」 「そだそだ」 「二人で会話しながら店を出ようとした、お金も払わずにな」 「失礼なやっちゃなぁ!?」 #Rhapsody277

2020-05-21 18:57:41
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「にーちゃん、俺らとやる気か?」 その時、青葉の目つきは更に厳しくなり、相手を睨みながらに申す。 「やるつもりはねぇよ、ただ、せっかくココの大将と女将さんが作った料理を……ご飯一粒も味噌汁もたくあんもロクに食べねぇ…。無銭で帰ろうとした、お前さんが許せないのさ」

2020-05-21 19:03:14
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その態度に思わず男達もたじろぎ、吠えて噛みつく犬のように向こうは打って出ようとしたのを見た灰田は直ぐ様に鎌を出して応戦しようとした直後、青葉は男達二人相手取り、瞬く暇もない位に制圧したのであった。

2020-05-21 19:07:34
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青葉が制圧した二人は外に縛り上げられ、後は警察が来るのを待つのみ。 今は、少々荒れてしまった店内を片している所であった。 「女将さん、すまなかった。店をこんな風にしちまって」 「私達だけでしたら、止めれなかったと思いますし…かえって、助かりました。ありがとうございます」#Rhapsody277

2020-05-22 20:05:20
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確かに、女一人と年配な男一人とでは、男二人でかかってきたら敵わない可能性の方が大きいだろう。 灰田はそんな事を思いつつ、椅子を元の位置に戻すと、誰かの視線を感じ、その方を見る。 深緑色の髪に、黄土色の目をした男の子が、そちらを見つめている。

2020-05-22 20:08:17
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「どうした、少年」 「さっきの大きな音、おにーさんの?」 「いいや、さっきのは俺じゃないよ」 「じゃあ……」 その視線を上げると、青葉がやって来て「まぁ、灰田には出来ん事をしたまでさ」と言い、男の子を軽々と持ち上げた。

2020-05-22 20:10:18
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――俺だって、アレくらいは出来る…と思うわい。 そんなことを思いつつ、灰田は愛想笑いを浮かべつつ、軽い返答をする。 「若葉、また大きくなったなァ!」 「そう、かな?おにーさん、この間もココ来た時にそう言ってた気がするよ」 「気にすんな、気にすんな。俺がそう言いたいだけだからさ!」

2020-05-22 20:12:22
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最初にご飯を食べに行った後も、青葉に何度かアプローチはかけてみたものの、結局は何時もうやむや状態で返され、未だに灰田の中ではモヤモヤが残るばかり。 「青葉さんからはまだ、オーケーが出てないんですか?」 八重島に声をかけられ、灰田は「あぁ…」と元気なく返す。#Rhapsody277

2020-05-23 20:09:41
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「いっそのこと、声かける機関者を変えるっていうのも一手かもしれませんよ?」 「それもそうだが…」 「それこそ、私達みたいな機関者をメンバーにしたいなら、青木さんとかどうなんです?適任だと思いますけども」

2020-05-23 20:12:18
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八重島が元いたサイバー犯罪専門部署の機関者でもあった青木を推薦してみるものの「青木さんにも声をかけたが『俺にはもっと、することがあるー!』と言われたよ」と、灰田は返す。 「なんだか、青木さんらしい断り方ですね」 「んでもって、その青木さんから紹介されたのが青葉さんって訳なんだよな」

2020-05-23 20:15:21
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ミヨシノと河田モコが偶々同じ頃に仕事終わり、一緒に自分達の居る部署へ戻って来た時だ。 部署の前に見たことない機関者がウロウロとしている姿を目撃し、モコは「ミヨシノさーん、なんかあの人あやしーね?」と小さな声で話しかけてくる。#Rhapsody277

2020-05-24 20:10:33
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「もしかしたら、誰かに用がある方かもしれませんわよ」 「そーかなー?」 「兎も角、声をかけてみましょう。それからでも遅くはありませんわ」 二人の視線に気づいたか、相手は少し驚くような素振りを見せる。

2020-05-24 20:12:50
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「失礼ですけど、どなたかに御用でしょうか?」 相手の様子を伺いつつも、ミヨシノは何時ものように聞くと、相手は自信なさげに返答する。 「あ、あの……ココに、灰田くんが居るって、聞いたんですけれども……」

2020-05-24 20:15:55
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「灰田さんなら、いるんじゃないのかなー!?…あー、も、お仕事に行ってたらいないかもだけどねー!」 ミヨシノの横からモコがいきなり現れて話すが、向こうは「あー…そう、ですよねぇ……」と、元気なく返す。 「まぁ、どちらにせよココまで来たのですから、お茶でもいかがです?」

2020-05-24 20:19:36
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外が妙に騒がしいな、と灰田は思い、部署の扉を開けるとミヨシノとモコが見知らぬ者と話している所に出くわした。 「あら、灰田さん。いらっしゃったんですね」 「あぁ、そうですけども…」 「ちょーどね、灰田さんに用事があるっていう機関者さんなんだってー!」#Rhapsody277

2020-05-25 19:32:32
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へぇ、と短い声を漏らし、改めてその方を見る灰田に対し、向こうは少し怯えたような表情で「お、お久し振り…です」と小さな声で言う。 ――なんか、見覚えあるような…ないような…。ん~~? 「あ~、こんなに姿が変わって居ちゃあ解りませんよね…。僕です、青葉 丈です」

2020-05-25 19:34:53
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余りにも変わりすぎている、灰田が会った時は痩せていたし、喋り方も朗らかではなかった。 が、今はその正反対の印象を受けてしまう。 「えぇッ?!青葉さんって、あの青葉さん?!!」 「はい~…」

2020-05-25 19:38:33
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ミヨシノが淹れた紅茶とクッキーを遠慮気味に頂く青葉を横目に「本当にあの、青葉さんか?」と疑いの眼差しで見てしまう灰田だが、そこは首を横に振り、本人に問う。 「俺に用があると、先程、ミヨシノさんから聞いたんですけれども」#Rhapsody277

2020-05-26 19:42:48
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「はい~、前に、灰田くん、僕の事誘いましたよねぇ」 「えぇ、覚えていますよ」 青葉を誘った事は、確かに覚えている。 しかし、それなりに月日経っていたし、空中分解状態になったと思っていた。 「その答えを言いに来たんですよ~」

2020-05-26 19:49:56
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「それはつまり、俺の所に来るか否かっていう話、ですよね…」 「えぇ~、そうですよォ。色々考えてたんですけど…、仕事が立て続きに入って来たし…。答えるに時間が開いて、今に至ります」

2020-05-26 19:52:10
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灰田と青葉が話している所から少し離れた給湯室で、八重島・ミヨシノ・モコと三人集まって小さな声で話している。 「あの機関者って、青葉丈さんって言うですよね?」 「えぇ、そのようですわね」 「前に灰田さんに青葉さんの写真見せてもらったんですけど…、雰囲気全然違うなって」#Rhapsody277

2020-05-27 20:05:30
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「えー、どんな感じだったのー?」 「なんて言うのかな、あんなに太ってなくて、いかにも近づき難い機関者っていう感じでしたねぇ~」 「いずれにせよ、彼の身に何かが起きて、今の姿になったということは、間違いありませんわね」

2020-05-27 20:08:07
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差支えのない程度に聞こうと灰田は思っていたが、逆に青葉から現在の姿になった理由を静かに語り始める。 「僕、食べる事が大好きなんです。でも、ただ食べるだけじゃあ、駄目なんです。僕が美味しいと思ったモノを口に入れないと、力も、機関者としての僕も発揮はしない――」#Rhapsody277

2020-05-28 20:25:31
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「だから、常に動き回る仕事に対するように、僕は美味しい食事をする。でも、それがかえってみんなと距離をとられているなんて事を知ったけど、それは関係ないと言い切って、僕は食べて、仕事を続けていた時に、あのお店に出会ったんです」

2020-05-28 20:28:24
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灰田は思い出していた、青葉を誘おうとした時に寄った料理屋の事と、その時の出来事を。 「あのお店で提供される料理は、どれも心が籠っていて、今まで食べて来た中で、とても美味しかったから、何度も何度も通い詰めて、女将さんやその息子さん達にも顔も覚えられたけど……」

2020-05-28 20:33:33
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うっ、という短い声を発した途端、青葉の目には涙が零れ落ちてゆくが、当の本人は話を続けてゆく。 「そんな矢先だったよ、あの事件が起きて……」 「表裏、事件…ですね」 「双方の壱ノ笠を崩壊する程の出来事だったから、あの時の僕は、任務を遂行していても、内心じゃあ気が気じゃなかった」

2020-05-28 20:37:56
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その腕で涙を拭いた青葉は、嗚咽が混じりつつも、語った。 「一通り、治まった時。僕は、芽吹屋に行ったけど……。そこには、なにも……」 その先はもう、青葉からの口から言葉が続かずの姿を見た灰田は、声を発する事もなく、先を察するにとどめていた。

2020-05-28 20:42:07
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「そこで僕は、初めて泣きました。それと同時に、僕自身を恨みました。大好きな場所や大好きな人達を、この手で守れる程の力があったのに、守れなかった僕自身を…」 静寂の時の中で頭を下げていた青葉は、ようやく上げたが、その眼には涙が溢れんばかりに零れていた。#Rhapsody277

2020-05-29 19:53:11
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上着の袖で涙を拭く青葉の姿を見た灰田は、何か拭く物はないかと思い、辺りを見渡すと、ミヨシノが静かにティッシュボックスを手に持ち、目配せを送ると、灰田は感謝の意で頭を軽く下げ「青葉さん…」と小さく呼び、その手に持つティッシュボックスを渡した。

2020-05-29 19:56:20
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「ありがとう、ございます…」 何度も何度もティッシュを抜き取っては拭き取りを繰り返し、ようやく落ち着いてきた頃に、青葉は再び話を続ける。

2020-05-29 19:59:12
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「僕が今の姿になったのは、その後なんです。あの時よりも、力を得る為には、何をすべきなのかを考えて……以前よりももっと沢山食べて、食べて、食べ尽くして力を得ようって。そして、気づいたら……こんな姿になっていました」

2020-05-29 20:02:05
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青葉さんの話によれば、今の姿になった後に何度か元の姿に戻る為、様々な努力をしたものの…どの努力も無駄となった上に、前居た部署のお荷物状態になってしまい、様々な部署を転々としている中で青木さんに出会い、俺の所へ薦めたという話だ。#Rhapsody277

2020-05-30 20:27:44
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「わかりました、改めて聞きます。――俺のチームに、入りませんか?」 「うん、入りたい…!」 『暴食の切り札』なんて呼ばれていた面影はない、今、目の前に居るのは穏やかで、食べる事が大好きな機関者・青葉 丈だ。

2020-05-30 20:32:38
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青木さんが来てからというものの、俺達の部署は以前よりも食べ物の種類を見る機会が増えた。 これまでならば、最低限の食事で済むような食べ物や、片手でつまめる食べ物が主だったが、今や、それ以外の食べ物たちも集まるようになった。#Rhapsody277

2020-05-31 20:12:04
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しかし、変わらない事もある。 機関者は基本的に「お腹は空かない」が、口の中に入れたモノの味は解るようになっている。 ただ、それを理解するしないかは個人の勝手な所もあるが、少なからずは俺らみたいな機関者には解る感覚だろうと、俺は信じている。 【Rhapsody277 青葉 丈編 完】

2020-05-31 20:17:37
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#Rhapsody277 次回予告的コーナー 青葉「いやぁ~、今日は暑いですね~。こういう時は、冷たいアイスキャンディが恋しくなりますよね~」 ?「だが、そういうモノを食べすぎるのは如何なものかと思いますけどねぇ…」 青葉「上杉さーん、お仕事、お疲れ様です~」

2020-05-31 20:20:21
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上杉「青葉君は何時も食べてばかりな印象を受けますが、それ以外は何をしているのですか?」 青葉「そーですねー、寝たりしています!……勿論、お仕事もちゃんとしていますよ!!」 上杉「成程、だからそういう風になるのですね、留意しておきましょう」

2020-05-31 20:22:26
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青葉「上杉さん、そこはメモ取らなくてもいいんですよ?」 上杉「おっと失礼、前に居た所の癖が――」 青葉「まぁ、そう言う事ならば仕方がないですねぇ~」 To be continued…

2020-05-31 20:23:46
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まとめたひと
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

基本は自分が考えた創作ッ子達の事を呟いたり、絵を上げたり、お話も書いたりします。偶に違う話等もしておりますが……ようは気まぐれだが基本は創作用アカウントです。(※食べても美味しくない鶏野郎で無言フォローをしたり、時として話すとアツくもなりますがそれでもよろしければです)御用の方はDMまで。

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