
ドキュメンタリー「キューブリックが語るキューブリック」(原題 Kubrick by Kubrick)を観る。映画監督スタンリー・キューブリックへのインタヴューを中心に、作品に出演した俳優、スタッフへの取材も挟まれる内容。氏の映画制作への動機付け、哲学を探るが、やはりそれは迷宮の如き様相であった。
2020-07-14 18:43:30
自分の映画制作を「ナポレオンの戦争論」に例え、「映画作りは戦争と同じだ」と語るキューブリック。俳優ジャック・ニコルソンは、彼を「真の完璧主義者」と評すが、その直後に紹介されたエピソードは、キューブリックがあるシーンで、俳優に75テイクもの撮り直しを命じたこと。…鬼である😅
2020-07-14 19:18:03
あとキューブリックは、英国の自宅の15km圏内で映画を撮っていたのだと。「シャイニング」のホテルは米国コロラドではなく、ロンドンに建てたセット。「フルメタルジャケット」も、ヴェトナムのフエやサイゴンではなく、ロンドン郊外の工場地で撮影。そして映画の編集作業は、自宅で行なっていた。
2020-07-14 19:31:23
自作を俎上に、キューブリックは様々語る。「フルメタルジャケット」で、戦争と政治を。「時計仕掛けのオレンジ」では、暴力、人間の本性、性悪説を。「2001年宇宙の旅」で、人類の行く末、人工知能と超知性を。そして「アイズワイドシャット」では、無意識たる性的妄想と嫉妬を。ある種、とても冷淡に
2020-07-14 20:35:54
語るキューブリックの、理路整然たる思考。しかし、そこには偏執的な狂気も垣間見える。あたかも映画「シャイニング」の舞台となったホテル、その広大な迷路の庭園のように。終盤、キューブリックは映画制作の困難さについてこう述べた。「良い映画を作るのは奇跡であり、奇跡を起こすのは難しい」と。
2020-07-14 20:49:53