(一部の文献しか取り上げていないため不完全ですが、覚書もかねて纏めています)
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ウーサーの死因関係

(毒殺か、病死か)

Shion@ @Shion_Sak

ジェフリーオブモンマスのブリタニア列王史だと、アウレリウスもウーサーも、兄弟どちらも毒殺されているんだなぁ… 気になってマロリー(筑摩書房=キャクストン版の邦訳)を確かめたらウーサーは病死になっている。後は、流布本メルラン(Estoire de Merlin)も病。

2020-01-31 02:26:16
Shion@ @Shion_Sak

ブリタニア列王史(下記の洋書)メモ p211 "...they made up their minds to kill him with poison.This they did.." 彼ら(サクソン人)は彼(ウーサー)を毒殺することを決意し、彼らはそうした。 amazon.co.jp/progress-track…

2020-01-31 02:35:24
Shion@ @Shion_Sak

少し前(p187)にも、毒殺されるとの記載あり(...his days too will be cut by poison ※tooとあるのは、前文で兄であるアンブロシウスも毒殺されるとの説明があるため)

2020-01-31 02:40:14
Shion@ @Shion_Sak

一方、流布本メルラン(全10巻本の流布本英訳版の2巻)だと、p86で、 "..he happened to fall gravery ill with a crippling of his hands and feet..." 彼(ウーサー)は、重い病気にかかり、手足の自由がきかなくなった、 という感じで書いてあり(※ふわっと訳)、毒ではなさそう…?

2020-01-31 02:49:25
Shion@ @Shion_Sak

(※ブリタニア列王史の方でも、ウーサーは病にはなっているのだが、死因は毒殺ということ…でいいのかな…読解に自信が…)

2020-01-31 02:53:20
Shion@ @Shion_Sak

This they did…(かれらはこうした)以下で書いてあったこと(出先から思い出したメモのため、間違いあれば修正します) ○スパイを乞食のふりをさせて送り込み、様子を探った ○ウーサーが飲み水にしている井戸(だった筈…)の水に毒を入れた ○それを飲んでウーサーは死んでしまった

2020-01-31 08:58:22
Shion@ @Shion_Sak

原文確認しました!井戸ではなく泉ですね…。 "Near the royal residence there was a spring of very limpid water which the King used to drink...(英訳本のp211)"

2020-02-02 22:13:23

アーサーの王位継承について

Shion@ @Shion_Sak

ブリタニア列王史だと、アーサーが剣を抜いて…の話もないし、毒殺でウーサーが急に死んでも、その点で揉めることはなかったのかも…?

2020-01-31 08:35:06
Shion@ @Shion_Sak

アーサーの王位継承に関して ○マロリーでは死の直前のユーサーが「アーサーに、神の恵みとわたしの祝福を与えよう(略)権利を持つ者として 正々堂々と王位を要求するように命ずる」(筑摩書房p29)と明示するが、

2020-02-03 20:38:31
Shion@ @Shion_Sak

○流布本メルランでは、王の最期の言葉はマーリン以外は誰も聞き取れなかった、とある。(王の死後、マーリンの口から、次の王の出現について語られる) ※流布本メルラン英訳p89 "…not even one of them could hear what the king had said except Merlin."

2020-02-03 20:38:31

ブルートについてあれこれ

(反省の意味も込めて)

Shion@ @Shion_Sak

ブルートのメモ。 こちらもウーサーは毒殺。アーサーが、自分が彼の子であることを知っていたのか不明だけど、十五歳でブルターニュにいたとのこと。 使者は「ウーサーが亡くなられた時、ブリテンをあなた(アーサー)に委ねた」と言うけど、突然亡くなったんだよな…いつ言ってたんだ…

2020-02-01 23:34:12
Shion@ @Shion_Sak

・アーサーの妹アンナの子供として、ワルワイン(ガウェイン)とモドレッドが出てくる。また、王妃のウェンハーヴァ―(グィネヴィア王妃…?)が、完全にモドレッドの味方だったりするのが新鮮。

2020-02-01 23:46:21
Shion@ @Shion_Sak

アーサーがケイを「最も身分の高い家老」、べドウェルを「ここで最も身分の高い、酌取りである。私は生きている限りおまえを優遇するつもりだ」って… しかもイワインとケイとべドウェルがみんなウリエンの息子で、アーサーと親戚…最高では…(ウリエンはアンナの夫であるロトの兄弟)

2020-02-01 23:57:48
Shion@ @Shion_Sak

ワルワインに対しても、アーサーが「私の最も大切な男」と呼んでたりするのがとても良い… そして意外だったのは、ワルワインがローマで育ってローマの言葉が分かるとされていたこと。 ガウェインの成長記でも、彼はアンナの子(庶子)で、ローマで育ったとされているけど、関連はあるんだろうか。

2020-02-02 00:04:16
Shion@ @Shion_Sak

ブルートのケイとべドウェル、一緒に登場するシーンが多くて微笑ましい(しかもアーサーにとっての良き相談相手だったりする)けど、二人の最期…

2020-02-02 00:17:06
Shion@ @Shion_Sak

・ケイやべドウェルも伯爵(領地を持っているから?)。ケイがアンジュー伯で、べドウェルがノルマンディー伯。 ・ケイの連れている騎士が料理を運んだとの記述が。司厨長的なお仕事もしていたということかもしれない。 ・円卓は二重で、内側と外側に席があって、1600人かそれ以上が座れる

2020-02-02 00:14:17
Shion@ @Shion_Sak

ごめんなさい、ケイとべドウェルがウリエンの息子というのは取り違えでした! 英訳を確認したところ there was Urine's son, named Ywain; there was Kay and Beduer, and commanded the host になっていたので、ケイとべドウェルは息子ではありません…申し訳ありません。訂正します twitter.com/Shion_Sak/stat…

2020-02-02 15:46:13
Shion@ @Shion_Sak

(穴があったら入りたい)

2020-02-02 15:47:13
Shion@ @Shion_Sak

ちゃんとよく見ようね…願望じゃなくてテキストをね…

2020-02-02 15:48:00

アーサーの出生と、ゴルロイス(コルヌアイユ伯)に対するウーサーの心情の違い

Shion@ @Shion_Sak

ついでに確認したところ、ヴァースのブリュ物語(のうち「フランス中世文学名作選」所収のアーサー王の生涯の部分)では、やはり泉の水にサクソン人が毒を仕込み、その毒で死んでしまう。 アーサーは、周囲にウーサーの子供として認知されていると考えて良さそう。

2020-02-02 22:25:11
Shion@ @Shion_Sak

ブルートの方は、イグレーヌ自身が「ゴルロイスが軍勢を進め、戦いに出かけたことが事実で、ウサ―王が自分のもとに来ていたのは嘘であると思っていた(邦訳p206 )」らしいので、前夫の子供と思われていた可能性もある…? そのあたり判然としないな…。

2020-02-02 22:45:18
Shion@ @Shion_Sak

ブリュもブルートも、マーリンはウーサーとイグレーヌを引き合わせるのに見返りを求めていないのは共通だけど、 ○ブリュ…アーサーを身籠ったのは、ウーサーがイグレーヌを娶った後 ○ブルート…アーサーを身籠ったのは、ウーサーがゴルロイスに化けた夜 で違いがあったり、

2020-02-02 22:32:12
Shion@ @Shion_Sak

あ、待て、ブリュ物語、アーサーを身籠った下りが二回ある…!?

2020-02-02 22:51:49
Shion@ @Shion_Sak

ブリュ物語だと、イグレーヌが子供を身籠った記述が二回あって、 コルヌアイユ伯(ゴルロイス?)に変装してイグレーヌと密会したところ(p103)と、妻にしたあとの夜(p104)…

2020-02-02 22:57:31
Shion@ @Shion_Sak

ブリュ物語の方のウーサーは、コルヌアイユ伯(ゴルロイス?)の死は望んでいなくて心を痛めたという記述がある(邦訳p104) ブリタニア列王史だと、ウーサーは彼の死を悼んではいるけど(イグレーヌのことでは)嬉しくもあった(英訳p208)と書いてあって、 そういう違いも面白いな…。

2020-02-02 23:14:36
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まとめたひと
Shion@ @Shion_Sak

のんびりしがち。読んだり調べたり書いたり(描いたり)するのが趣味です。 アーサー王物語ではランスロットとガウェインが最推し(と言いつつみんな好き)。FRBご自由に。 何か書く時の名前→森峰紫苑