
生きることを肯定的に描き、生きろと語るものはすでに氾濫していたけど、生きることの無意味さと加害性を原稿用紙3000枚以上を費やして語り尽くした上で、それでも生きろと言ってくれたのは『屍鬼』だけだった
2022-05-01 12:39:35
屍鬼たちが抱えるマイノリティがゆえの苦しさの描写も細かくてリアル(個人の意見であり、屍鬼と違う経験や感情を抱く人がリアルでないと言っているわけではありません)で良かったのでそういう話もしたいな
2022-05-01 17:58:03
屍鬼の話するうちに自分の価値観の話になるの、傍観者であることをゆるさない小説って感じで好きだし、屍鬼という作品が傍観者にならせないのめちゃくちゃ解釈一致(???)
2022-05-04 15:16:37
人狼となった静信と沙子が出会う場面、本当に好きなんですよ。 「沙子に奇蹟を施してくれる神はいない」のに静信が救ってくれた。人間でありながら屍鬼を助ける彼が、まさしく沙子にとっての神になるかと思われた次の瞬間に、「沙子の驚愕に見開かれた目が、ふいに悲嘆を浮かべる」 これは次のページに
2022-05-05 10:42:18
書かれているように静信が人狼となっていることに気がついたから。 静信が人狼であるために彼に救われたことは「仲間に救われた」だけの話になってしまい、正志郎から得ていたような屍鬼を抑圧する側の人間という"他者"からの承認の意味を失う。 沙子を救う神はいない。
2022-05-05 10:46:03
ここからは憶測が混じりますが、人狼となった静信に出会うまでの沙子は生きようとあがいていた。 それがこの気づくシーンの後、沙子は自死を決意する。 twitter.com/huyu2022/statu…
2022-05-05 10:48:59
なによりも、その凶器から逃げないではいられなかった。 まだ命が惜しいのか、と沙子の内側で声がする。(中略)けれども、死にたくない、自分を喪失したくないという衝動に逆らうことはできなかった。(中略)どんな形であれ、「生」あるものの、それは根源的な本能だ。(屍鬼下巻p.696) 「逃げない。
2022-05-05 10:57:09
……室井さんも、ここにいて」 「逃げても意味がないのよ、室井さん」 「逃げても自分からは逃げられないの」 「絶版に逃げられない」 「逃げられないの、絶対に」 同p.713-714 人狼となった静信と出会った後は、逃げることを否定するセリフがパッと抜くだけでとこれほどある。
2022-05-05 10:57:10
生きることにも何もかもに意味はないという虚しさを抱えて生きていく静信と、自分の存在には意味があると証明しようとする敏夫 それぞれのニヒリズムの克服の仕方だなって思う
2022-05-05 11:48:00
自分の存在は決して、世界にとって無価値な泡沫のひとつにすぎないわけではないことを、自分にも他者にも証明したかった。 (中略) 自分はおそらく、生のある限り、そうやって泡沫にすぎない自己に抵抗し続けるのだ。(屍鬼下巻p.720)
2022-05-05 11:50:07
静信の場合はもちろん 「けれども、生きるということは結局のところ、存続のための存続に奉仕するということなんだよ。ただ存続のためにだけ存在する、その虚しさを抱えて、それでも諦めずにいるということなんだ」(屍鬼下巻p.717)
2022-05-05 11:52:44
「自分の存在は決して、世界にとって無価値な泡沫のひとつにすぎないわけではないことを、自分にも他者にも証明したかった。」 から始まる独白が 「自分はおそらく、生のある限り、そうやって泡沫にすぎない自己に抵抗し続けるのだ。」 で終わるのえぐ… 「泡沫にすぎない自己」を否定したいと望む独 twitter.com/huyu2022/statu…
2022-05-07 23:33:58
白が、「泡沫にすぎない自己」が覆せない事実であることを意味する文章で終わる。 それでも生涯抵抗し続けるだろうと言う敏夫。 それはきっと静信が「ただ存続のためにだけ存在する、その虚しさを抱えて、それでも諦めずにいる」ことと対になっている。
2022-05-08 00:17:41
辰巳が屍鬼の食事への考え方の変遷を語るシーンあるけど、辰巳自身にも「自分の食事のために人間を殺してしまうことへの葛藤」とかがあったのかどうか疑問
2022-05-08 00:27:38
とても好き! 十二国記で、花。の。名。 nico.ms/nm17465204?ref… #nm17465204 #ニコニコ動画 pic.twitter.com/DRLOjDHCvh
2022-05-08 00:40:33

好きです 十二国記「幾千/年ラヴ/ソング」 nico.ms/sm31004259?ref… #sm31004259 #ニコニコ動画 pic.twitter.com/TUz7Qv3o8G
2022-05-08 00:45:56

静信と都会で暮らしているだろう沙子は、もう外場村で試みたように屍鬼の社会をつくろうとはしないんだろうな…という印象がある 世界のどこにも自分の居場所がないことに耐えられなかったから屍鬼の社会を作ろうとしたが、沙子はその過程で、たぶん芯から絶望した 外場を閉じる行為は失敗した。そし
2022-05-09 16:25:51
て何よりも『屍鬼である自分を許してくれた人間』であった正志郎と静信を失った これによって沙子は自分の最大の望みが決して叶わないことを思い知り、諦めを知ったのだろう そうして絶望しきったからこそ、あれほど生きたがっていた、死を恐れていた沙子が『自分を投げ捨てる気になれた』んだと思う。
2022-05-09 16:25:52
「相手が存在すると自分が生きていけないから殺す」と沙子が語った場面や、「どちらにしても私は死んでしまうの」と語った律子の場面を読むと、 屍鬼という存在は、それ自体が矛盾を抱えているんだなとつくづく思う。
2022-05-09 16:41:56
この矛盾は要するに「生物としての在りようは変わってしまったのに、精神はもとの人間だったころのままなのが悲劇だ」と同義なんだろうな。 そう思う一方で、人狼はこういった矛盾を抱えているように(私には)見えないんですよね。静信は人間だったころこそ悩んでいるものの、人狼となってからは迷いを
2022-05-09 16:47:32
見せず沙子を諭し、作中作の結末を語るし、 辰巳が語る屍鬼のもつ苦悩は、沙子や徹の語るそれとは違い、あくまで一般論を外から語っているだけと解釈できる範囲内にある。 (私は辰巳自身の悩みというのが話されるシーンは無いと記憶しているけど、これは確認不足かもしれない)
2022-05-09 16:47:33
外場にいて静信と話していた時間は沙子にとって得難い時間だっただろうし、外場村を屍鬼の集落にするために動いていた時期は屍鬼としての人生の中でかなり幸福な部類に入るのかもしれない……
2022-05-09 16:53:01
良くも悪くもこの前から自分がすごく大きく変わってしまって、世の中の見え方が変わっちゃって、音楽とかの好みも聞き方も変化してしまってさみしさ?がある
2022-05-11 20:57:15
私は幸福なことに何も知らずに12国記読めたので(月影からですが)、彼のことすら信じようか躊躇って、それでも陽子と一緒に信じようと決めたさきにあの結末を得たので、本当にとても幸福な読書体験だったと思う
2022-05-12 19:20:05
選べそうにないけど今パッと浮かんだのは 墓地で徹と静信が会話するところ 沙子が教会に来てもいいかと静信に許可を求めるところ 終盤の沙子に生きろという静信
2022-05-12 23:31:02
いよいよ村がおかしくなってきてるとこで「こんな時だからこそ霜月神楽は盛大にやろう」って話してるシーンからみんなどこかで祭事の力を信じてるんだな〜〜〜…!!ってわかるのも大好き……
2022-05-12 23:36:49
こんな時だから霜月神楽をちゃんとやろうって言ってできる限り当時のやり方を復元しようとする村人たち好きだ……と思えるし、あの踊りを覚えてた〇〇は去年に…的な話から知識の散逸〜〜〜😭😭にもなれる
2022-05-12 23:38:23
生命維持っていうのがなかなか厄介で、厳密に言えば人間殺さずに食べられるんだけど、血を吸い続けないと自分たちの存在バラされて狩られるから続けて吸血すると死んじゃうって話なんですよね、屍鬼は。
2022-05-13 01:01:06
ここで完全に吸血すると即死ぬ設定にしなかったがゆえに、人によって屍鬼の食事をどう思うかが変わったり屍鬼自体への考え方も変わるからこの設定にしたのやっぱり天才だな……になります
2022-05-13 01:02:54
月の影影の海、私はスマホもテレビも見せてもらえなくて小説(ラノベは読ませてもらえなくて児童書だけだった)ばっかり読んでたから、初読のときも別に鬱展開とかまったく思わなかったけど、私が最近の読者に負荷をかけない何も考えず読めるラノベに慣れてたら鬱すぎて途中で辞めてたかも
2022-05-13 01:10:05
私も初読のとき陽子が異世界にすんなり順応しなかったところで「信頼できる!」と思ってワクワクと続きが読めたし、何で言葉通じるの問題の種明かしシーンで「とんでもない作品に出会ってしまった……」になった
2022-05-15 18:27:45
ゴーストハント未読の人絶対見ないで欲しいんですが、麻衣が恋愛感情を抱いてるのは○○○○○そういう描写があるのは一貫して○○○○○○○○○○○に対してだけだった。麻衣はずっとナルに対して笑ってくれたらいいのに、と思っているけど fse.tw/QAsSM4Tx#all
2022-05-17 17:51:13
「王朝の存続のために、国土の安寧のために、王は血を流すことを命じる。たとえ王自身が命じなくても、臣下が王のためにそれを行えば、流血の責は王にかかる。いかなる意味においても、無血の玉座はあり得ない」図南の翼
2022-05-18 17:33:26
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