即位礼正殿の儀で登場する装束について過去の事例などから自分なりに考えたことをまとめてみました。
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まもなく行われる令和の即位礼。過去の事例をもとに、どのような感じになるか勝手に予想してみます。

(予想と結果の突合せもしてみました~)

まずは天皇陛下。

襲色目bot @dongein

天皇のみ許された至高の色を用いる黄櫨染御袍。平安初期に天皇専用装束の一つと定められましたが、即位礼で使われ始めたのは大正からです。(それまでは袞衣(こんえ)という赤地に龍が躍る中国風装束を着用。)今となってはこの渋さが日本的で逆に良いな♡ 模様は桐竹鳳凰麒麟を四角くまとめた筥形文。 pic.twitter.com/PTFMV5jCaQ

2019-10-16 14:56:31
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さっそく間違える。

襲色目bot @dongein

❌大正 ⭕明治 すみません大間違い💦 維新後、王政復古と改革が推し進められる中、若き明治天皇の即位礼も唐風から脱却した御一新に相応しいものをということで、このタイミングで袞衣は廃止されています。

2019-10-16 20:41:46

皇后雅子さまの装束を予想すべく過去三代の皇后様を比較

襲色目bot @dongein

即位礼までまもなくですね。本日は大正の大礼での貞明皇后の装束をご紹介。準備はされたものの、ご本人は懐妊中で儀式は欠席されています。唐衣は菊襲ねかな、表着は松襲ね(お印が藤なので紋はそれ由来か)、五衣は葡萄染重ねっぽい。 唐衣:白/蘇芳 表着:萌黄/紫 打衣:紫 五衣:紅/二藍 単:紅 pic.twitter.com/hIxmby4nBd

2019-10-01 12:49:26
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襲色目bot @dongein

昭和の即位礼での香淳皇后の装束。大正大礼が唯一の前例だったせいか、貞明皇后のデザインをほぼ踏襲して新調されました。表着の藤紋はその名残かな? 五衣の紅/薄紅は桃襲ね(唐紅/紅梅)を連想させます。桃は香淳皇后のお印なのでビンゴかも?? 唐衣:白/蘇芳 表着:青/紫 打衣:深紫 五衣:紅/薄紅 pic.twitter.com/XuJMIDMFqZ

2019-10-02 12:45:09
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襲色目bot @dongein

平成の即位礼での美智子さまの装束。菊襲ねの色目は白/蘇芳以外に白/紫の説もあるので、唐衣は同じ菊襲のバリエ違いと言えそうです。表着は松襲ねからは離れましたが変わらず薄緑系。柳襲ねかな。表着の文様は美智子さまのお印の白樺です。 唐衣:白/紫 表着:白*萌黄/萌黄 打衣:紫 五衣:紅匂 単:紅 pic.twitter.com/HIXbRarePg

2019-10-03 12:40:13
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襲色目bot @dongein

三代の即位礼を踏まえて雅子さまの装束をテキトー推理。外れるのがデフォよ。でも結構制約があって、ぱっと見は前とそんなに違わない?ってなりそうな予感。 唐衣:菊襲ね(小葵地に鶴紋) 裏地と紋の色は赤から紫の濃淡の間で変動する可能性有。紋の一色使いは踏襲される気が。 pic.twitter.com/vIN9WzegqA

2019-10-04 13:00:12
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襲色目bot @dongein

表着:薄緑系(紋は雅子さまのお印ハマナスをアレンジした物になるかも) 五衣:表は紅。裏の配色が今回どうなるか。これまでは紅と紫が濃さを変えつつ使われています。ハマナスが薔薇科なので薔薇襲ね(紅/紫)、令和から梅絡み、それとも前例に拠る? 打衣は紫、単は紅。

2019-10-04 13:00:12
襲色目bot @dongein

シミュレーション。五衣は表を紅に限定するとホントに選択肢少ない。 個人的に好きなのが美智子さまや女性皇族共通装束に使われている、五衣の裏の色だけでグラデーションをつけるタイプ。胸元を細かく重ねておめり(表側に少しはみ出して折った裏地)しか見えなくても無問題、むしろ良しって感じで。 pic.twitter.com/Kwkr4cUMDx

2019-10-04 13:00:13
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結果

襲色目bot @dongein

即位礼で皇后の唐衣が白なのはたぶん決まっているのでしょうが、裏地が萌黄になったのはかなり新鮮でした。菊襲ね(白/紫)は表着に移行し、これによって表着=緑系統とは限らないということになりそうです。でも全体的に見ればやっぱり皇后に白と青、という組み合わせは残ってはいるのかな? pic.twitter.com/jsIvb6gP0b

2019-10-23 13:42:06
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襲色目bot @dongein

唐衣:白/萌黄(小葵地に向松喰鶴) 表着:白/薄紫(花菱襷にハマナス) 打衣:紫 五衣:紅/紅の匂(松立涌) 単:紅(幸菱) ※映像から起こした色目、文様です 白/青の襲色目は名前違いでいろいろあって断定し難いんですけど、有名なのは柳襲ねですかね。表着の特別紋は再現ムリ、薄目で御覧ください♡

2019-10-23 13:42:07
襲色目bot @dongein

表着の裏地と打衣の紫が連続するので、ぴりっと濃いラインが入って締まりますね。雅子さまはスーツの時も淡い色にリボンや襟元などで濃い色がアクセントに入るのがお似合いなように思ってたので納得。

2019-10-22 13:30:18

皇嗣殿下(秋篠宮さま)

襲色目bot @dongein

黄丹色と皇太子の関係は、実は黄櫨染と天皇の関係よりも歴史が古く、奈良時代まで遡ります。 文は鴛鴦の雄が下向きに羽を広げる様子。黄櫨染御袍と同じく、文様が互い違いにならずまっすぐ並ぶのが特徴です。 今回の即位礼では皇太子を皇嗣に読み替えて、秋篠宮さまが着用されることになりました。 pic.twitter.com/BA8zuhwpUe

2019-10-17 12:42:14
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襲色目bot @dongein

「皇太子の礼服。礼服の冠。黄丹の衣。牙笏。白き袴。白き帯。深紫の紗の褶。錦の襪。鳥皮の舃。」(養老律令・衣服令)

2019-10-17 12:42:14

皇嗣妃殿下(紀子さま)

襲色目bot @dongein

今回、共通装束の紅版(既婚U-60)を着用される方はおられないと踏んでいます。紀子さまは皇嗣妃として参列されるからです。前例のないこのポジション、どんな装束になるのか全く想像つきません。白の唐衣を皇后が纏われるのでそれ以外の色で目立ちすぎず、でも他の皇族方、供奉員とも違う色合いで…。

2019-10-10 12:32:07

※共通装束というのは皇后さま以外の女性皇族が共通して着用するものを指しています。後述。

結果

襲色目bot @dongein

紀子さまの装束は皇族共通(高年版)の唐衣と皇后陛下の五衣を合体させたような雰囲気です。 唐衣の紋は共通が鶴であるのに対し、尾長鳥。表着の紋は共通の八曜菊と非常によく似て見えるんですが、秋篠宮様のお印・栂も組み込まれているようです。(こちらの特別紋も再現は到底ムリなので脳内補完で~) pic.twitter.com/FUUdnINnhU

2019-10-24 12:44:27
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襲色目bot @dongein

唐衣:深紫/深紫(亀甲地に白の向尾長鳥) 表着:白*紅/蘇芳(唐花菱地に窠に菊と栂) 打衣:紫 五衣:紅/紅の匂(松立涌) 単:紅(幸菱) ※映像から起こした色目、文様です 唐衣の紫は共通装束のどれよりも濃く深いですね。雅子さまの紫と相通じるような色合いです。

2019-10-24 12:44:27
襲色目bot @dongein

表着は経白緯紅織りの桜襲ねでしょうか。この辺りは美智子さまの装束(経白緯萌黄)を参考に…?と考えるのは穿ちすぎかな? 表着を白っぽくするのは他の女性皇族との差別化にもってこいなので、今後も即位礼に参列する皇太子妃に受け継がれるんじゃないかと思っています。

2019-10-24 12:44:28

親王殿下(常陸宮さま)

襲色目bot @dongein

黒袍。大河に登場するお公家さんがこぞって着てますね。みんな同じように見えてなにげに地模様が違うかもよ? かつては摂家の人々など家独自の模様を持っていたりしたそうです。 現在は親王の袍は地紋が雲鶴。今回は常陸宮さまだけが該当ですがご体調の事もあり着用されるかどうか…。 pic.twitter.com/jtDNxTe4Ey

2019-10-18 12:51:33
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女性皇族共通装束について考察

襲色目bot @dongein

大正の即位礼では当時数多くいた宮妃用の共通装束も制定されました。(「宮廷の装束展」ではこの大正の共通装束も展示されていたみたい?) 手持ちの乏しい資料から推測するに、昭和の大礼で年齢別(この時は40歳が境目)の2種類に分かれたように思います。色も少しずつ分散して反映されてる感じ。 pic.twitter.com/IfhnTLrC7P

2019-10-07 16:46:24
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襲色目bot @dongein

大正共通…唐衣:深紫/深紫(亀甲地に白の雲鶴丸) 表着:紅/薄紅(入子菱地に黄で窠に八葉菊) 打衣:浅紫/深紫(繁菱) 五衣:青/紫(松立涌) 単:紅(幸菱)

2019-10-07 16:46:25
襲色目bot @dongein

昭和共通(若年)…唐衣:紫/紫(亀甲地に白の向雲鶴丸) 表着:紅/黄(入子菱地に白で窠に八葉菊) 打衣:紫/紫(無地綾) 五衣:萌黄/萌黄匂(松立涌) 単:紅 昭和共通(高年)…唐衣:深紫/紫(亀甲地に白の雲鶴丸) 表着:二藍/青(入子菱地に白で窠に八葉菊) 打衣:深紫/深紫 五衣:白/蘇芳(松立涌) 単:紅(幸菱)

2019-10-07 16:46:25

※八葉菊は八曜菊の間違い

内親王・女王殿下(眞子さま・佳子さま・彬子さま・瑤子さま・承子さま)

襲色目bot @dongein

共通装束の濃色版(唐衣等はそのままに打衣、単が濃色)は昭和大礼時には存在していなかったのではと考えてます。美智子さま御成婚時に編み出された?(皇族の婚儀に濃色を用いるのは大正時代ぐらいから前例有り) 平成の即位礼では未婚皇族の装束として紀宮さま(黒田清子さん)が着用されました。 pic.twitter.com/Vke0DznZsq

2019-10-08 12:49:30
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襲色目bot @dongein

令和の即位礼では眞子さま、佳子さま、彬子さま、瑤子さま、承子さまが着られると思います。平成度の再利用と発表されたので、唐衣などの上の装束は華子さま、信子さま、久子さま、紀子さま、紀宮さまの物が引き継がれるのでしょう。ただ、濃色の打衣・単の数が足りないような?ここはさすがに作る?

2019-10-08 12:49:30
襲色目bot @dongein

また、厳密には前回の即位礼での未婚と若年の唐衣の裏地色は微妙に違っていたようです(物の本によると紫と薄紫)。写真見ても私には区別つかないんですが、今回同列の扱いっぽいとこ見ると、実際見ても区別つかなかった?それともお手入れの一環でなにがしか手が入るのかなぁ。妄想はふくらみます。

2019-10-08 12:49:30

妃殿下(華子さま・信子さま・久子さま)

襲色目bot @dongein

共通装束の高年版は平成の大礼から60歳が境になっています。前回、勢津子さま、喜久子さま、百合子さまが着用された物が華子さま、信子さま、久子さまに引き継がれると思うんですが、皆さん若々しくておられるので若干渋すぎないか…。 百合子さまは今回はご体調を考慮して洋装でのご参列と思います。 pic.twitter.com/4IDQxVotsQ

2019-10-09 12:38:26
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(百合子さま、ご欠席が発表されました。)

男性供奉員

襲色目bot @dongein

宮内庁長官など昇殿する男性供奉員が着用する黒袍は輪無唐草の地紋です。表袴も藤の丸の模様入りで、三位以上の高官か勅許を受けた人であることを指していました。 親王以下は一人ですたすた動けるように、下襲は裾を引きずらない纔着(さいじゃく)というバージョン。 pic.twitter.com/td1oP1c1JM

2019-10-18 13:14:08
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女性供奉員の装束のルーツは?

襲色目bot @dongein

平安時代・国風文化発の華やかな女房装束は、その後簡略化が進み戦国時代で一旦断絶。江戸初期に徳川家康の孫・和子の入内に伴いかなり試行錯誤して再現が試みられました。その後、享保年間(8代吉宗の頃)に再整備が行われ、それが大正の大礼での装束考証のベースになっているように思います。

2019-10-15 17:12:32
襲色目bot @dongein

享保の再興で「内侍」用と記されたものは、即位礼で皇后に付き従う供奉員の装束に似ています。 大正で大礼装束に生まれ変わってからは、表着と五衣の柄が入れ替わった模様(大きい唐花文⇔唐草文様)。 大正の頃は(昭和も?)参列する女官に勅任官と奏任官とあって、これは奏任官用に当たります。 pic.twitter.com/Ot4FBFD6Fo

2019-10-15 17:12:32
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襲色目bot @dongein

再興…唐衣:萌黄/紅(入子菱地に藤の丸) 掛帯:唐衣と同地に桐唐草の繍 表着:緋/紅(亀甲地に唐花) 五衣:白/紅(唐松唐草) 打衣、単の記述なし(典侍と同じの意なら打衣紅、単萌黄) 大正…唐衣:萌黄/萌黄(入子菱地に海松丸) 表着:紅/薄紅(松唐草) 打衣:紅/紅 五衣:葡萄/葡萄(唐花) 単:紅幸菱

2019-10-15 17:12:33
襲色目bot @dongein

昭和…唐衣:萌黄/萌黄(唐花菱地に浮線綾?) 表着:紅/薄紅(唐花唐草?) 打衣:紅/紅 五衣:葡萄/薄い葡萄 単:紅幸菱 平成…唐衣:青/青(唐花菱地に浮線綾?) 表着:紅/薄紅(唐花唐草) 打衣:紫 五衣:薄色/薄紅(桜柄?) 単:紅幸菱 ※昭和・平成は資料不足で、写真から起こした色目、模様です。

2019-10-15 17:12:33

再興装束には内侍の上の位の「典侍」用もあるんだけど、これは今どうなってるのかな…?→使われてた!!

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まとめたひと
襲色目bot @dongein

古典に描写された装束の襲色目を再現してつぶやきます ◆即位礼正殿の儀 装束まとめ https://t.co/Arh4s7fffS 《御注意》 原文に描写のない部分は想像です。全くの素人なので有職故実がなってなかったり、原文の解釈が間違っている場合も多々あると思われます。終始生暖かい目で御覧ください。