大包三日と、ふたりの間に舞い降りたちい包平(大包平写・4歳)とうぶちか(三日月宗近生ぶ・0歳)の4人家族の日々の話。
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きりはら🕯🌙 @kirihara_novel

トーハクの裏庭で、大包平から稽古をつけられているちい包平。何度も吹っ飛ばされて泥だらけ。見かねた三日月が助け舟を出してきた。大包平、そのくらいにしてやってはどうだ。母上…。フン、それでも俺の写しか。だらしない!転がっていたちい包平の小さな身体がビクリと動く。まだ幼子ではないか。

2018-12-21 22:12:32
きりはら🕯🌙 @kirihara_novel

皆がお前と同じように動けるわけではなかろうに。ほら、ちい包平よ、おいで。差し伸べられた手を取るか幼心に迷う。これで三日月に縋ったら、大包平に嫌われるのではないか…。視線を巡らせれば大包平と目があった。ふん、勝手にしろ!大包平は目を逸らし、中へと戻っていった。父上…。

2018-12-21 22:12:33
きりはら🕯🌙 @kirihara_novel

大きな瞳からぽろぽろ涙が溢れる。ひっく…うぅ…。嫌われた…。打ちひしがれた幼い身体を三日月は抱き上げた。ははうえ、よごれ…て…ひっく…。大事ない、あとではたけばよいよい。袖でそっと涙を拭い、三日月が微笑む。がんばったなぁ、ちい包平。大包平には涙を見せたくなかったのだろ?

2018-12-21 22:12:34
きりはら🕯🌙 @kirihara_novel

しゃくりあげながらも頷くちい包平。よしよし、愛いなぁ、ちい包平は。そうやって意地を張るところは大包平にそっくりだ。父上に?ああ、そうさ。あの大包平にも幼い頃があってな?鶯丸や俺に意地を張って、ようこっそりと泣いておったよ。明日またがんばればよいよい。

2018-12-21 22:12:34
きりはら🕯🌙 @kirihara_novel

明日は一太刀入れてやれ。がんばれるな?はい、母上!ん、よしよし。パンパンと泥をはたいてやり、厚が持ってきた濡れタオルで顔を拭けば大包平にそっくりな銀の瞳が笑う。ははうえ…。ん?…おや…。三日月に抱きついたまま、ちい包平は眠ってしまった。ほんに幼いなぁ…。眠るちい包平をだっこして

2018-12-21 22:12:35
きりはら🕯🌙 @kirihara_novel

中に戻ろうと歩き出すと、途中に大包平がいた。心配で待っていたのだろう。だがそれを指摘すれば途端に機嫌が悪くなる。せっかくちい包平の涙も止まって眠っているのだ、三日月は薄く微笑むにとどめる。…世話をかけたな。いいや、この程度何でもない。三日月にだっこされたちい包平を引き取ろうと

2018-12-21 22:12:36
きりはら🕯🌙 @kirihara_novel

大包平が手を伸ばすも、ちい包平は三日月の狩衣を握りしめて離さない。こいつ…。よいぞ?このまま連れ戻っても。目覚めたら送り届けよう。微笑む三日月を眩しそうに見つめたあと、大包平は呟く。…少し一緒にいても…いいか?無論だ。ちい包平を抱えて優しく微笑む三日月は、いつかの展示で見た

2018-12-21 22:12:36
きりはら🕯🌙 @kirihara_novel

聖母のようで。大包平はそれを思い浮かべた自分を内心で叱咤した。天下五剣など!!…そう、思うけれど。ねんねんころり、ねんころり…♫三日月のやわらかな声が紡ぐ子守唄に、付喪神達が集まろうとするのを鳴狐や厚藤四郎が止める。いいからあいつらだけにしてやれよ。…自覚なしって怖いよねぇ。

2018-12-21 22:12:37
きりはら🕯🌙 @kirihara_novel

柱の影からのぞき込んでいた亀甲貞宗がクスクスと笑う。あのチビ助が、自覚させてくれかもしれないだろ。ほら、野次馬は帰った帰った。集まりかけたのを戻しつつ、振り返る。月明かりの入る飾り窓の下、ちい包平を抱えた三日月の肩をそっと、大包平が抱き寄せていた。 #大包三日 #ちい包平と三日月

2018-12-21 22:12:37
きりはら🕯🌙 @kirihara_novel

母上が大切そうに抱きかかえた赤子の顔を見たくて、ちい包平は三日月の隣によじ登って覗き込む。生まれて間もない三日月宗近生ぶがすやすやと眠っていた。かわいい…。まろい頬はほんのりと桃色で、三日月の腕の中で安心して寝息をたてている。ははうえ。ん?ちいもこんなに小さかったのですか?

2019-04-05 08:36:59
きりはら🕯🌙 @kirihara_novel

ああ、とても小さかった。生まれたばかりのちい包平も、俺のだっこでよう眠った。お前の父上はだっこが下手くそでなあ、大包平がだっこするとぐずっておったよ。懐かしそうに、愛おしそうに、三日月が目を細める。そんな母の横顔を見るたびに、母上は父上のことが大好きなのだろうな、と幼心に思う。

2019-04-05 08:36:59
きりはら🕯🌙 @kirihara_novel

ちい包平、お前よりもずっとずっと小さなこの生ぶを、可愛がっておくれ。お前はあにさまなのだから。はい!自分はこの赤子を兄として守っていかなければ。大好きな母上から頼まれたのだから。…おい、三日月。おや、大包平。厚や獅子王との手合わせは終わったのか?終わった。…それが生ぶか。ああ。

2019-04-05 08:37:00
きりはら🕯🌙 @kirihara_novel

…フン。お前にそっくりな寝顔だな。そうか?そっくりだ、この無防備な寝顔などな。ふふ、さようか。そなたにしか見せたことないからわからぬ。…俺以外に見せたら、見た奴のことは叩き折る。おおこわやこわや。クスクスと口許に袖をあてるその仕草が艶やかで。ん。大包平が両手を差し出すと、察した

2019-04-05 08:37:00
きりはら🕯🌙 @kirihara_novel

三日月が眠る赤子を抱き渡す。動いたことで生ぶがぱちりと目を開けた。ないてしまう!ちい包平はハラハラしたけれど、生ぶは大包平を見上げると、笑顔を見せた。おや、笑った。愛いなあ。大包平のだっこが気に入ったと見える。ちい包平の時はあんなに下手くそだったというのに。うるさい。言い合う

2019-04-05 08:37:00
きりはら🕯🌙 @kirihara_novel

父と母を見ても、生ぶは笑うばかり。この子にもわかるのかもしれない。大包平と三日月が本当は心が繋がっている夫婦なのだと。ちちうえ、ちいはうぶのあにうえになりました。ちちうえもうぶのちちうえですか?キラキラとした目を向けてくるちい包平を見て、それから三日月を見た大包平は、頷いた。

2019-04-05 08:37:01
きりはら🕯🌙 @kirihara_novel

そうだな。俺は古備前の大包平、池田家の宝にして国宝だ。俺が父なら、この赤ん坊も誇らしいだろう。おい、生ぶ。俺が父だ、ようく覚えておけ!声を張り上げたところで生ぶの泣き声があがった。な、何⁉慌てる大包平から生ぶを取り上げた三日月は、泣きやまぬ赤子をぽんぽんと宥めて笑う。生ぶや、

2019-04-05 08:37:01
きりはら🕯🌙 @kirihara_novel

この先いくらでもこの声が響くだろう。早う慣れねばなあ。はっはっはっ。撃沈した大包平を残して三日月がちい包平を連れて戻っていく。これからあの家族ドラマを毎日見せられるのかい?覗いていた亀甲貞宗は笑う。いいんじゃねえの、三日月のじっちゃん楽しそうだし。俺も赤ん坊見に行こうっと。

2019-04-05 08:37:01
きりはら🕯🌙 @kirihara_novel

獅子王が走って追いかける。人には見えぬ、トーハクのどこかで繰り広げられているお話。 #大包三日 #ちい包平とははうえ

2019-04-05 08:37:02
きりはら🕯🌙 @kirihara_novel

これを、こうして…。母上の白く美しい手が、魔法のように紙を折る。ちい包平はわくわくとそれをずっと見つめていた。飽きもせずに…。まだ乳飲み子の生ぶをだっこしている大包平が小声で悪態をつくが、そんなことは気にならない。だって母上が作っているのは…。そら、ちい包平よ。そなたの兜だ。

2019-05-03 22:41:15
きりはら🕯🌙 @kirihara_novel

わあ!ありがとうございます、ははうえ!三日月が折っていたのは端午の節句に合わせた兜。ちい包平が健やかに大きくなるように、と母上が手ずから折ってくれたのだ。小さな兜は生ぶのもの。出来上がったのを父上が受け取り、眠る生ぶの頭に被せる。よう似合うぞ、ちい包平も生ぶも。そろそろ鯉のぼりも

2019-05-03 22:41:15
きりはら🕯🌙 @kirihara_novel

あがるかな。博物館から見えるところに大きな鯉のぼりが毎年飾られるのだと父上と母上が教えてくれた。みんなに見せておいで。はい!ははうえ!獅子王達が待っているところに駆け出すちい包平を見送り、三日月は生ぶを覗き込む。なあ、大包平。…なんだ。こうして家族のような真似事をしておるが…

2019-05-03 22:41:15
きりはら🕯🌙 @kirihara_novel

真似事?真似事だと?三日月の言葉に納得がいかないらしい大包平が声を上げる。生ぶが起きないように小声ではあるが。俺は真似事のためにこの生ぶの父となったわけではない。俺はちゃんと、お前を妻として扱い、ちい包平と生ぶを我が子として育てている。お前はそうではなかったのか。!…お、おい、

2019-05-03 22:41:16
きりはら🕯🌙 @kirihara_novel

泣くな三日月、なんで泣く…。ぽろぽろと涙を流し始めたので慌てる。生ぶをだっこしていなければ抱き寄せるところだが、どうしたらいいのかとおろおろしてしまう。だって…言葉にしてくれねば、ただのままごとではないか…。そこまで言われてやっと大包平は気づいたらしい。通りかかった鳴狐に生ぶを

2019-05-03 22:41:16
きりはら🕯🌙 @kirihara_novel

預けて外してくれと頼むと、三日月を抱きしめた。すまない、お前が俺を父上とか言ってくれるからつい、その…。共寝もしているし、こうしているのが当たり前になってしまって…。悪かった。俺はお前を心から愛している。俺はお前を妻としてちゃんと…あの写しのちび達も俺達の子として考えている。

2019-05-03 22:41:17
きりはら🕯🌙 @kirihara_novel

…な、あ、あほう…そんな、真剣な顔で…そんなに近くで…もう…!三日月は真っ赤な顔で大包平の胸に縋る。あほうとは何だ。…そなたの顔が良すぎるから息ができぬ…あほう…。お前こそ殺人的な美貌をしておいて何を言うか…。わかってくれたか?…あい。踊り場で繰り広げられるラブシーンに、

2019-05-03 22:41:17
きりはら🕯🌙 @kirihara_novel

厚と亀甲は目をそらして他の付喪神に回り道を指示していた。よかったよね、三日月。生ぶはお供の狐に任せた鳴狐も、交通整理に加わった。 #毎月03日は大包三日の日 #毎日スパダリ右三日祭り

2019-05-03 22:41:17
きりはら🕯🌙 @kirihara_novel

上野公園の片隅では今日が母の日だからとワゴンでカーネーションを売っている。きょろきょろと見渡すちい包平。きょうはちいがうぶのおせわをします!と母上にお願いして生ぶをおんぶ紐で背負わせてもらった。三日月はハラハラしていたが、大包平がまあ俺が見ているからと影から見守っている。大包平は

2019-05-12 11:05:44
きりはら🕯🌙 @kirihara_novel

ちい包平が今日何の目的でそんなことを言ったのかわかっていたからだ。次の日曜日は母の日だよ、母上にありがとうを言う日、と鳴狐が教えてくれた。内緒で母上にお花をあげたい、と相談されたのである。では生ぶとおつかいに行ってこい、と勧めたのは大包平だ。あら、坊や。なあに?お花かな?

2019-05-12 11:05:45
きりはら🕯🌙 @kirihara_novel

花屋さんについているのか、花を纏った付喪神がしゃがんでちい包平と目線を合わせてくれた。赤ちゃんのお世話してえらいね。博物館の子?はい!ちいかねひらです!まあ可愛らしい。お母さんにお花あげるの?はい!一生懸命伝えようとしている姿は微笑ましい。花の付喪神はちい包平の向こうの方で

2019-05-12 11:05:45
きりはら🕯🌙 @kirihara_novel

少々ハラハラと見守っている大包平を認め、頷いた。ちい包平ちゃん、葉っぱのお金は持っている?ちい包平は握りしめていた桜の葉っぱを出した。父上がこれを持っていけと渡してくれたのだ。まあ、桜の葉っぱのお金ね?たしかに受け取りました。毎度ありがとうございます。ワゴンから小さなブーケを

2019-05-12 11:05:46
きりはら🕯🌙 @kirihara_novel

取った花の付喪神は、ちい包平の両手にぎりぎりおさまるくらいのそれを持たせてくれた。気をつけて帰るのよ?はい!ありがとうございました!ぺこりと頭を下げたちい包平は博物館へと駆け戻る。背中に生ぶがいるから速くは走れないけれど。ははうえ!ははうえ!中庭に三日月を見つけたちい包平は

2019-05-12 11:05:46
きりはら🕯🌙 @kirihara_novel

膝を折った母上の腕に飛び込む。如何した?ちい包平。は、ははうえ、ははのひの…おはなです…。抱きついた拍子にちょっと不格好になってしまったのに気づいてちい包平は唇を噛んで俯く。馬鹿者、このくらいで泣くやつがあるか!横にいた大包平が形を整えてやる。ほら、もう一度。何というか決めていた

2019-05-12 11:05:46
きりはら🕯🌙 @kirihara_novel

のではないのか?父上から頭を強めに撫でられて、ちい包平は浮かんだ涙をぐしぐしと拭う。は、ははうえ!きょうはははのひです!いつもちいとうぶのことだいすきでいてくれてありがとうございます!幼いちい包平が何度も何度も練習した台詞。改めてブーケを手にした三日月は、幼い身体を生ぶごと

2019-05-12 11:05:47
きりはら🕯🌙 @kirihara_novel

抱きしめた。こちらこそ…健やかに育ってくれてありがとうな。母の日など、よう気づいたものだ。なんとよいこであろうか。愛いなぁ、ちい包平も、生ぶも。幼子は優しく頭を撫でられているうちにうとうとし始める。全く…と呆れながらも大包平の目元は優しい。おんぶ紐を解いて生ぶを抱えると、あとは

2019-05-12 11:05:47
きりはら🕯🌙 @kirihara_novel

任せた、と三日月に言いおいて去っていく。ほんに愛いなぁ…。眠るちい包平をだっこして、三日月もベンチでしばし微睡んだ。 #大包三日 #ちい包平と母上 #毎日スパダリ右三日祭り

2019-05-12 11:05:48
きりはら🕯🌙 @kirihara_novel

ははうえ!中庭で生ぶをあやしていた三日月のところにちい包平が駆け寄ってきた。ははうえ!ははうえ!ぴょこぴょこと構ってほしそうに跳ねるのを、クス、と笑って見守る。どうした?ちい包平よ。ははうえ!かがんでください!ちいがとどくくらいに!!袴を握ってねだるので、三日月はゆっくり膝を折る

2019-05-23 21:27:13
きりはら🕯🌙 @kirihara_novel

さてさてちい包平はどうしたのだろうな、生ぶよ。生ぶを抱きかかえたまましゃがんだ三日月の頬に、幼子の唇の感触。外つ国の人々がよく挨拶のようにしていることのようだ。まあ、大包平も戯れにしてくることがあるが…。んん?どうしたのだ?これは。へへ。きょうはちゅーのひだときっこうがおしえて

2019-05-23 21:27:14
きりはら🕯🌙 @kirihara_novel

くれました!だいすきなははうえにしておいでって!はっはっはっ。さようか。なれば俺からもしてやろ…なんだ大包平。急に大包平が現れて、三日月とちい包平の間に立った。まったく油断もスキもない。ガキだからと甘やかしていたらつけあがりおって…。たとえ頬でも許せぬらしい。お返しがもらえると

2019-05-23 21:27:14
きりはら🕯🌙 @kirihara_novel

わくわくしていたちい包平はすっかりしょんぼりと俯いている。まったく、どちらがややこやら…。ちい包平、おいで。三日月はちい包平を空けた片手で抱き寄せて、頬に優しくキスを落とした。なっ…あっ!おい!!さあ、厚達に遊んでもらっておいで。生ぶも連れて行っておくれな。おんぶ紐で生ぶを

2019-05-23 21:27:15
きりはら🕯🌙 @kirihara_novel

背負わせると、大包平が爆発しないうちにと逃してやる。わがままな父上はどうしてくれようなあ?…クソッ。ほら、機嫌を直しておくれ、大包平。パッと開いた扇子で隠して顔を寄せた三日月は、少し背伸びして大包平にキスをする。…今はこれで我慢してやる。大包平は噛み付くようなキスをして、笑った。

2019-05-23 21:27:15
きりはら🕯🌙 @kirihara_novel

ほう、次の連隊戦は海へ行くのか。ちい包平とうぶも連れていけるだろうか。三日月の言葉に遊びではないんだぞ、チビ達まで連れていけるわけが…。と大包平が言いかけたところで、いっしょじゃないの?と泣きそうな顔で見上げてくるちい包平。ちい、いいこにするからつれてって…と、大包平の脚に文字数

2019-07-03 19:41:57
きりはら🕯🌙 @kirihara_novel

本当にいいこに出来るんだろうな?わがまま言わないか?弟の面倒は見れるか?すでに浮き輪だのパラソルだの用意されているのだが、父上の念押しは続く。できます!いいこにする!ははうえのいうこともちゃんときく!よし…ん?おいチビ助、俺の言うこともちゃんと聞け!!親子漫才に三日月が笑い文字数

2019-07-05 15:25:40
きりはら🕯🌙 @kirihara_novel

そうだ。先日世話になった燭台切のところは来るだろうか。それならちい包平もうぶも退屈せぬだろう?しょくだいきり…?ああ、ういちゃんのところだ。また遊びたいと言うておったろう?ういちゃん!!ぱぁっと顔を輝かせるちい包平に、大包平もつい目元が緩む。ふふ、父上はお許しくださるそうだぞ?

2019-07-05 19:51:44
きりはら🕯🌙 @kirihara_novel

おい、まだ許すとは…!慌てて怖い顔を作ろうとした大包平だったが、ういちゃんにあえる!きゃー!と三日月に抱きついて喜ぶ我が子を見てはもうお手上げだ。はぁ、と溜息をついてちい包平を抱き上げる。本当に言うこと聞くんだぞ。いいこにできないならすぐに連れ帰るからな。はい!ちちうえ!

2019-07-05 20:17:38
きりはら🕯🌙 @kirihara_novel

返事ばかりうまくなるな。まあそう言うてやるな。…誰に似たんだろうな、三日月。うぶをだっこしながら大包平達を見上げていた三日月は、すす…と視線を逸らす。だ、誰であろうな。小狐の兄様かな?そんなわけがあるか。とにかく、連れて行くならしっかり準備だ。あいわかった。わーい!うみ!

2019-07-05 20:17:38
きりはら🕯🌙 @kirihara_novel

こうして大包三日ファミリーの夏の予定が決まった。 #大包三日 #毎日スパダリ右三日祭り

2019-07-05 20:17:39
きりはら🕯🌙 @kirihara_novel

さてちい包平は短冊に何と書く?笹飾りに揺れる色とりどりの短冊に目を輝かせるちい包平の頭を撫でながら、三日月が言う。大包平は揺れる短冊を追いかけて腕の中で大暴れのうぶを必死で宥めている。ははうえは?なんとかきましたか?ん?俺か?俺は皆が健勝であるようにとな。あとはちい包平やうぶが

2019-07-07 21:31:37
きりはら🕯🌙 @kirihara_novel

健やかであるようにと。ちちうえも?似たようなものだ。ちいは…。うーん、と考えるその仕草の愛らしさに思わず笑ってしまう。あ!ははうえ!ういちゃんとまたあいたい!ん?また会えるぞ?次の連隊戦では会えるように手配すると主が。じゃあ!もっとなかよくなりたい!はっはっはっ。随分と

2019-07-07 21:31:39
きりはら🕯🌙 @kirihara_novel

気に入ったものだな。わかった、ではちい包平の短冊には、初月どのともっと仲良くなりたい、と書いておこうな?はい!おねがいいたします!獅子王達のところに駆け出したちい包平を見送って、三日月は短冊をしたためる。書けたか?ああ。大包平はもう吊したのか?吊した。お前は?俺はこれからだ。

2019-07-07 21:31:39
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まとめたひと
きりはら🕯🌙 @kirihara_novel

成人済。前ジャンル黒バス(右緑)。とうらぶ燭三日最推し、右みかを大体節操なく書く。全方位型光のふじょし。安定のスパダリ、安心のハピエン。アイコンはみけ(@MICHE_POO)さん、ヘッダーはにがい(@nigaikaraiamai)さん作。唐突にスランプに陥るし、軽率に復活する。まとめはmint(↓)にあります。