#ダイアクロン ブンドドストーリー セントラルシティ警備隊 リブート版 『My Way』 pic.twitter.com/bTKLEv6r8h
2023-01-03 19:10:00私がダイアクロンに志願しようと決めたのは、学生時代、街にワルダーが侵入してきた時です。 運悪く逃げ遅れた私は、巨大なワルダーに踏み潰される寸前でした。 その瞬間、白いダイアクロンの機体がそのワルダーに切り掛かって、僕を守ってくれたのです。 pic.twitter.com/OpY9hDzKea
2023-01-03 19:10:03ワルダーは棍棒のような武器を取り出して、その白い機体……あとで知ったのですがトライジェッターに攻撃を仕掛けました。 だけどトライジェッターは一歩も引かずに応戦して、それがとてもかっこよく見えたんです! pic.twitter.com/n5DIpvQvO6
2023-01-03 19:10:06あの時感じた迫力と、市民を守るために闘うダイアクロンのかっこよさ、その感動を忘れることが出来ませんでした。 しかし私には隊員としての適性が足りないことがすぐに分かりました。操縦技術が無かったんです。 だからこの公募を見た時、すぐに志願を決意しました。 pic.twitter.com/DorejohDHk
2023-01-03 19:10:09自分が戦えなくても、せめて戦う隊員のサポートをしようって。 自分の出来ることで、市民のために最善を尽くそうと。 ……以上が私が事務官に志願した理由です。 エドガー・コール事務官の入隊面接時の記録より pic.twitter.com/aHSzv101V5
2023-01-03 19:10:13Scene1 僕がダイアクロン隊員になって2年目の冬。突然異動命令が下った。 僕の所属しているセントラルシティ警備隊は、「専守防衛」を掲げており、中小部隊でありながらそこそこの成果を挙げていた。 しかしながらこの一年ほどの活動は芳しくなく、大幅な部隊再編成が行われたのだ。 pic.twitter.com/tSFEBmenPI
2023-01-03 20:10:34そんな中言い渡された異動先は「警備隊第5分隊」 「問題児の左遷先」 「上官に逆らったら送り込まれる」 「昔日本に存在した『窓際族』の忠実な再現」 「一度入ったら本隊に二度と帰って来られない」 などなど、良い噂を聞かない……そんな分隊だ。 pic.twitter.com/UPZgBasWUw
2023-01-03 20:10:38「エドガー君! 街の最果て『第5分隊』にようこそ!」 「君の転属を大いに歓迎しよう! 俺の名前はマイルス、マイルス・ロビンソン大尉。この分隊の“帝王”だ」 転属先の噂を聞いて気落ちしていた僕に機嫌よく話しかける黒いスーツの隊員。 pic.twitter.com/RgVnzlkjHe
2023-01-03 20:10:41バイザー越しの素顔は二枚目のアフリカ系であり、聞いた噂だと相当な女好きらしい。 「……」 もう一人、マイルス大尉の横に座る全身真っ赤なスーツを着た隊員。 こちらはバイザーが黒く反射していてどんな人相なのか判別できない。 pic.twitter.com/7wkspotigT
2023-01-03 20:10:44「あぁ、こいつはフランク中尉。 見ての通り無愛想な奴だが、腕の立つ良いパイロットだ」 「……ノックスだ」 呟くようなフランク・ノックス中尉の声は意外にも低音の効いた太い声だった。 「本日よりここ第5分隊に配属されました、エドガー・コール一般事務官であります」 pic.twitter.com/W1exffRxPB
2023-01-03 20:10:47「先日まで防衛隊本部にて書記官補佐を務めておりました。 今回、部隊編成に伴い事務官として」 「あぁ、そんな堅苦しい挨拶なんて良いから」 自己紹介をする僕の言葉を、マイルス大尉が遮った。 pic.twitter.com/p5ZqQlB9rA
2023-01-03 20:10:50徐に立ち上がる二人の隊員。フランク中尉が僕の肩に手を置き言った。 「俺たち、そしてお前の仕事を教えてやる。 行くぞ」 そうして引き摺られるように、僕は分隊基地の外に連れ出されるのだった。 pic.twitter.com/CaEX2DtMX4
2023-01-03 20:10:54scene2 上官二人に連れられた場所には 『タクティカルキャリア』が一台停められていた。 「車の運転ぐらい出来るだろう? 今からこれに乗って“現場”に向かってもらう」 「ボレットコア程度だったら入隊時に何度か操縦しましたが……」 実際、僕は機体を間近に見ることすら久しぶりだった。 pic.twitter.com/YIq5GA9Qf9
2023-01-20 17:38:16そんな僕が運転なんて出来っこないと思った。 「その、実は機体操縦が……」と断ろうとするとマイルス大尉が 「お前さんの操縦適正については目を通したよ」と続きを遮った。 「事務官でも上級事務官にでもなれば前線に立ってオペレーターを兼任したりするだろ? その予行演習とでも思えば良い」 pic.twitter.com/Xz4MojGCmL
2023-01-20 17:38:18「しかし」と尚も食い下がろうとする僕の発言を 「うるせぇ!! つべこべ言わずにとっとと乗れ!」というフランク中尉の怒号が打ち消した。 そのままフランク中尉はキャリアの横に同じく置かれたチェンバーのハッチを開け、中に入って行ってしまった。 pic.twitter.com/c7gMsjQmnl
2023-01-20 17:38:21チラリと覗いたチェンバーの中は暗く判別できないが、どうやら機体が搭載されているようだ。 「ほら、フランクもああ言ってるし、な?」 いきなり怒鳴られて固まってしまった僕だったが、マイルス大尉からの促しも有り、中尉に続いて渋々キャブの運転席に乗り込んだ。 pic.twitter.com/DCgTHBCGdt
2023-01-20 17:38:23車両の中は思っていたより狭く、コンソールも一般車両にボタンやレバーが増えたような見た目だった。 「確かに操縦というより運転だろ?」右に乗り込んだマイルス大尉が、僕の心配を汲んでか話しかけてきた。 「複雑な操作はこちらでやる。実を言うと運転と操作を一辺にやるのはどうも面倒でな」 pic.twitter.com/FgEqKLR2Bh
2023-01-20 17:38:26それなら別に正式な隊員を配属すれば良いのでは?)という疑問を飲み込み、僕はキーを回して車両を発進させ後ろにチェンバーを繋ぎ、キャブマシンを所定の位置に移動させた。 「よぉし、『第5分隊』出撃だ!」 マイルス大尉の号令の下、僕は目的地に向かって車両を走らせるのだった。 pic.twitter.com/EYcxBpQHFJ
2023-01-20 17:38:28#ダイアクロン scene3 街を離れて十数分。僕は慣れない運転に四苦八苦していた。 隣のマイルス大尉が苦笑いを浮かべて言った。 「いやぁ、聞いていた通り下手くそだねぇ」 しかしこちらは初めて触る機器ばかり。それを試走も無く動かしているのだ。 pic.twitter.com/i7XIKM2J3K
2023-02-11 17:20:00事故を起こしていないだけでも僥倖ではないだろうか。 「これでも俺たちは最新鋭機体を預かっている精鋭部隊だからな! これくらいはやってのけてもらわんと後々が思いやられるぜ」 「そうだろうフランク?」マイルス大尉がチェンバー内のフランク中尉に通信で話しかけた。 pic.twitter.com/STF5s0KiXL
2023-02-11 17:20:03「全くだ、上はなんでこんな下手くそをこっちの隊に送り込んだのか……」 「おい新入り、もう少しまっすぐ走れないのか!」 通信越しにフランク中尉が僕に怒鳴ってきた。 「……お言葉ですが申し上げた通り、私は一般書記官で、機体運用はからっきしだと……!」 pic.twitter.com/dZU1Juc4az
2023-02-11 17:20:05咄嗟にハンドルを切ったため、大きく車体が揺れた。 「言った側から! おいお前!」 「いや違うよく避けた! フランク、お客様だ!」 眼前の地面がえぐれ、土煙がもうもうと登っている。 その奥から数体のワルダースーツがこちらに向かって接近してきていた。 pic.twitter.com/Oj6jxqVEjj
2023-02-11 17:20:08「エドガー、レバーを倒してチェンバーを開けろ!」 マイルス大尉の指示で、僕は目の前のレバーを思い切り倒した。 すると車体の後ろからガチャリと音が鳴り、後ろのチェンバーがゆっくりと開いた。 「よぉし、新入りよく見とけよ」 格納されていた機体に乗ったフランク中尉が声をかけてきた。 pic.twitter.com/AMC2OmBB14
2023-02-11 17:20:10「こうやって街に絶えず迫り来るワルダー共を残らず排除する、それが俺たちの任務だ」 青みがかった灰色の機体、『トレッドヴァーサルター』がゆっくりと変形しながら立ち上がり、傍の武器、『パルスビームライフル』と『コンバットソード』を手に取った。 pic.twitter.com/ZkLemtAzaS
2023-02-11 17:20:13「『セントラルシティ警備隊第五分隊』所属のフランク・ノックス、トレッドヴァーサルター軽装型……これよりワルダー迎撃任務を開始する!」 pic.twitter.com/190d4TgpvB
2023-02-11 17:20:15#ダイアクロン scene4 フランク中尉の乗るトレッドヴァーサルターはゆったりと車両の横に降り立ち、銃を構えた。 そのまま駆け出し、敵ワルダースーツの一体に向け発砲。 その射撃は的確であり、全弾見事に命中。ワルダーは大きく体勢を崩した。 pic.twitter.com/JMN8gfjKsS
2023-03-01 19:48:29フランク中尉はその隙を見逃さず、接近して背中に懸架したコンバットソードを抜剣。 その勢いのまま剣を振り下ろし、ワルダースーツの頭上を叩っ斬った! pic.twitter.com/sBh0WWn50B
2023-03-01 19:48:31バチバチと煙を上げて崩れ落ちるワルダースーツを勢いよく蹴飛ばした。 敵機を足蹴にした姿勢のまま別の機体に目標を変え、ワルダーを蹴飛ばす勢いを使って機体を加速させた。 pic.twitter.com/Qg5tJlEs8b
2023-03-01 19:48:33しかし今度はワルダーの方がこちらにに向かって跳躍、機体中央の天蓋が輝いたかと思うと、 トレッドヴァーサルターが持っていたビームライフルを撃ち落とした。 「危ない!」咄嗟に僕は叫んだがフランク中尉は慌てる様子も無く。 pic.twitter.com/NFtmynRWqF
2023-03-01 19:48:35「ふん。舐めんなよ!」と、腰部に備えたハンドガンを抜いた。 向かってくるワルダースーツを撃ち落とした上に左手の剣で追撃。 敵機中央、コックピットであろう部分に向けてハンドガンを連射した。 「うわ……」思わず声が漏れた。 なんと言うべきか、僕にはとても乱暴な戦い方に見えたからだ。 pic.twitter.com/puZ6mOPbQX
2023-03-01 19:48:37「アイツは見た通り、ダイアクロン隊の誓約すらまともに守らない乱暴者だ。だがさっき紹介した通り、機体操縦の腕は良い上に指令を聞けないほどバカなわけではない。 口の悪さが災いし、扱いに困ってたらい回しにされた末にここに配属されたが、ここ以上にアイツに合う部隊は無いと俺は思っているよ」 pic.twitter.com/ksrFM8S20M
2023-03-01 19:48:40マイルス大尉がこちらに話しかけてきた。確かにフランク中尉の苛烈な戦闘スタイルは“優しい”や“正しい”と言った言葉とはかけ離れていた。 突然トレッドヴァーサルターが吹き飛ばされた。最後に残っていた一機に撃たれたのだ。 pic.twitter.com/YBHlLFuR3n
2023-03-01 19:48:41すかさず飛びかかるワルダースーツ。 しかしフランク中尉は先ほど弾かれ…そして偶然傍に落ちていたビームライフルを再び構えて敵機を撃ち抜いた。 撃たれた衝撃で勢いを削がれたワルダーはそのままトレッドヴァーサルターに向けて落ちてきた。 pic.twitter.com/PN5YiLuIPg
2023-03-01 19:48:43「うぉら!!」 フランク中尉は渾身の力を込めて剣を振るい、胴体はおろか内側の『ワームポッド』ごとワルダースーツを切り裂いた。 最後の一機が破壊され、辺りには僕たちと動かないワルダースーツの残骸が残されるのみとなった。 pic.twitter.com/vcj1JhJeXx
2023-03-01 19:48:45ゆっくりと体勢を直し、立ち上がったトレッドヴァーサルター。 敵機の骸を踏みつけて立つその姿は、僕の憧れたダイアクロンとは違い、ひどく恐ろしく見えた。 初めての戦場……つまり隊員としてのはじめの一歩で僕が感じたのは、高揚でも達成感でもなく“味方への恐怖”だった。 pic.twitter.com/cz24wxW6bs
2023-03-01 19:48:48ダイアクロン ブンドドストーリー セントラルシティ警備隊 File 1 第5分隊活動記録 『My Way』 記録者:エドガー・コール事務官 END pic.twitter.com/rRhHhEYUH6
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