お題「てんき雨」「一生に一度」「繋ぎ止めて」
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花滝ちかる @chikaru_toka

私は初恋の男の子の顔を知らない。彼は狐のお面を被っていたから。 「お前《こんな日》にうろついてたら連れて行かれるぞ。逃がしてやる」 彼は私の手を握って走った。ぱらぱらお天気雨。止んだら彼は消えていた。 「連れて行かれるぞ」 「連れて行って」 背が伸びた彼は、白無垢姿の私の手を取った。

2021-05-29 22:03:33
RAY/※※※ @growler_ray

晴れた太陽が注ぐ中で行われた、ささやかな結婚式は、あいにくのてんき雨によって中断を余儀なくされた 「ところで君、なんて呼ばれてたっけ」 「……女狐」 「ぴったり」 けれど、そんな会話をするうち、雨に濡れながら私たちは外に出た てんき雨の別名は、狐の嫁入り。ほら、むしろいい感じでしょ?

2021-05-29 22:06:47
香狩優雨 @Kagari_yuu_s2

てんき雨が降った日にだけ現れるお店があるという。一生に一度だけ、来店出来るという不思議な幻想みたいなお店。私はまだ、見つけたことがないけれど、彼は見つけたみたいで、私と彼を繋ぎ止めて離さないで、と願ったらしい。 そんな形無き物まで叶うなら、もう少し、私に愛情をくれてもいいのに。

2021-05-29 22:07:11
ゆきやまイマ@鶏林書笈 @keirin_syokyu

#深夜の真剣140字60分一本勝負 @140onewrite お題: ①てんき雨 ②一生に一度 ③繋ぎ止めて #木槿国の物語 数年前、ぼやけた二重の虹🌈を見たことあります^ ^ pic.twitter.com/3609VqLz7k

2021-05-29 22:07:53
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春野ゆき🌽 @710_ambassador

#深夜の真剣140字60分一本勝負 @140onewrite 今宵もご開催をありがとうございます🌈 お題:てんき雨/一生に一度/繋ぎ止めて ※てんき雨を狐の嫁入りと曲解し、どうか一つよろしくお願いしまぁす! pic.twitter.com/KfQ8saqVNc

2021-05-29 22:07:58
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秋月蓮華 @akirenge

一生にただ一度の恋をした。 お互いにだ。 とある町にある神社にいる妖狐の少女と 神社の世話役である少年。 「つなぎとめてくれますか?」 「言うまでもない」 幼いころにした約束を果たす。 神社の鳥居の下で彼は彼女を抱きしめた。 晴れた空から天気雨が降る。 全てが二人を祝福していた。

2021-05-29 22:09:56
木之下ゆうり @yuyuyuuri777

もし、一生に一度の願いが叶うとしたら、何を熱願するだろう。富める人生、敵無き環境。目指すは賢者か自由人、それとも。どの名誉も、決め手に欠ける。何れも衷心に落ちてこない。ねえ、何が欲しい? 『君の唇に触れたい』 私は私の願いに目を閉じた。 #深夜の真剣140字60分一本勝負 (@140onewrite)

2021-05-29 22:11:37
そすぅ @paralyzed_fish

初恋の相手に、たまたま街で会って、お茶に誘うなんてドラマのようだ。懐かしさに背中を押され誘ったものの、僕は正直戸惑っていた。何年も経ったというのに、未だに彼女を恋しく想っていたことに気づいた。会計を済ませ、外に出る。空は快晴。てんき雨が繋ぎ止めてくれたらと、青空を憎らしく思った。

2021-05-29 22:19:00
夢夜 @ruya_reve

満天の星の下で二人並んで空を眺めていた。 隣にいる貴女の瞳に星の光が映り込んですごく綺麗だ。 そっと貴女の名前を呼ぶと貴女が俺を見た。 「なあに?」 一生に一度しか口にしないであろうその言葉を唇に乗せるのは勇気がいるけれど。 「     」 貴女の瞳に涙が、唇に微笑みが浮かんだ。

2021-05-29 22:19:47
夢夜 @ruya_reve

右手の薬指に嵌めた指輪に口づけを落とす。 「どうか、ご無事で」 愛する人は同じ指輪にチェーンを通したものを首から下げているのが見える。 彼を私に繋ぎ止めておくそれは同時に私が彼のものだという証でもあって。 ――お願いです、神様 どうか、彼を無事に私の元に帰してください……

2021-05-29 22:20:11
ケンタシノリ@童話&小説書き屋さん @kentasinori

僕が彼女を連れて近くの山へきた理由、それは一生に一度見ることができたら奇跡という彗星を見るためである。 「ねえ、あれが龍樹が言ってた彗星なの?」 「ああ、これほど明るい彗星はもう見ることができないかもしれないぞ」 真夜中の天体ショーは、2人の恋を繋ぎ止めるのにぴったりの舞台である。

2021-05-29 22:20:35
みやふきん @38fukin

私は赤であなたは緑。正反対の組み合わせ。惹かれたのに相入れなかった。一生に一度の白いドレス姿を狐の嫁入りだとからかうくらいなら、あの時繋ぎ止めてくれたらよかったのに。あいにく空は晴れて雲ひとつないけれど、心のなかではてんき雨。思い出を切り裂いて白を赤に染めて泣き笑いでさようなら。

2021-05-29 22:21:50
てい @orztee

笑っているその頬に光るものを見た時、思わず君を抱きしめていた。苦しいよ、と呟く声はいつも通りだけど、私の髪を濡らす温かい涙が、これが最後だと報せる。君を繋ぎ止める最後の機会。見過ごしてきたサインの数々を思いながら、君の唇に唇を重ねる。一生に一度の「初めて」は、この為にあったのだ。 pic.twitter.com/cUTXsrroXJ

2021-05-29 22:10:10
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