優秀な元愛玩用の白髪長髪従者×優秀さを買っているからこそ絶対に奉仕させない令嬢（R18）

道草家守@コミック龍恋4巻発売中！ @mitikusatanoi

白髪キャラにだめにされたいって話で、友と語った魔力を使えば性欲を覚える中で、平然を装うために貴族の間では「奉仕」の名目で従者に慰めて貰う。そのための見目麗しい従者を雇うのが公然の秘密の中、優秀な美貌の従者×優秀さを買っているからこそ絶対に奉仕させない令嬢の話を思い出した。

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とりヤりと同時空の話なんですけど。彼には白髪の流麗な長髪が似合いそうだなぁって妄想です。

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とりヤり世界観について友と話してて思い知ったんですけど、ここの貞操観念って危うい均衡で成り立ってるんです。魔力消費で手軽に性欲発散できるから、一歩間違うと爛れた倫理観が蔓延する。だから神の教えとして「一人に身を捧げる尊さ」と「分け隔てなく身を捧げて癒しをもたらす尊さ」が尊ばれる

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貴族の間では血筋を守るため令嬢には「一人に身を捧げる尊さ」が教えこまれ処女が尊ばれる。 まあここで"ただし"がつくんですよ。 貴族は魔力が多いからノブレスオブリージュの精神で魔術での奉仕活動が慣習なんです。そして魔力の多さが優れた血筋を示すから、魔術を使って平然と出来るのがいい。

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この令嬢の家系は、治癒の魔術が使えるのだが、患部に触らなければ施せない。だから、正妻の子である姉が平民に触れたくないと嫌がるため、妾の子である令嬢が自分と姉、二人分の慰問と貴族の義務を果たしていた。 体も心も疲弊するが、家で生かされている理由は自分か治癒の魔術を使えるからだ。

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貴族の令嬢として気が抜けず、辛く苦しい日々で、慰問の度に体がおかしくなる。それでもなんとかやってこれたのは、令嬢が唯一自分の意志でそばにおいている、従者の青年がいたからだった。 従者は令嬢が無理やり家に引き取られて間もないころ出た茶会を開催した屋敷の使用人だった。

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真っ白に近い銀髪に、紫の瞳をした妖精のように美しい青年だった。茶会の余興でされたヴァイオリンの演奏が素晴らしく、参加者はほうと見惚れている。けれど令嬢が注目したのは、彼が影で円滑にお茶会を回す立ち振舞だった。過不足なく指示を出し、ミスを仕掛けた使用人をフォローして出しゃばらない

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その社交性と能力は、令嬢が持ち合わせないもの。頭がいい人なのだと思った。 お茶会は滞りなくすみ、帰宅の時間になる。しかし令嬢は忘れ物を思い出して会場に戻る。 そこで、令嬢は見てしまう。 会場の東屋で、主催者の貴婦人が官能に浸る姿を、彼女の前に跪き奉仕する青年を。

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まだ少女ではあったが、それが魔術を使ったあとに必要な「奉仕」だと知っていた。けれど浸る貴婦人とは裏腹に、従者の表情は冷めている。 令嬢は初めて、望まない行為は相手の苦痛なのだと思い知った。 そうこうしているうちに、貴婦人の旦那が行為の最中に乗り込んできて、口論になる。

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「間男」「顔以外価値がない」ひどい言葉を投げつけられて殴られても、従者はされるがままだった。 従者はその場で解雇を言い渡され、屋敷から放り出される。 ぐったりとする従者に、隠れていた令嬢は手当をしようとした。 「…治す代わりに、慰めればいいのか」 投げやりな態度に、令嬢はすぐ否定する

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「私はあなたに絶対求めません」 社交が苦手な自分の補助をして欲しい。あんな苦痛を覚えることを、令嬢は彼に強いたくなかった。 「まずは演奏者として、私の従者をしてくださいませんか」 「…あんたが俺に奉仕を求めたら、俺は出ていく」 乱暴な口調は彼の本性だった。 そして彼は令嬢の従者になる

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令嬢が突然連れてきた従者を屋敷の者は大混乱で迎えた。 素性もしれぬ…しかも問題を起こした従者を置くなんて。当然彼も彼女も反対するが、令嬢は今までの覇気のなさが嘘のように譲らなかった。 「この従者がいれば、私は姉様の活動まで肩代りできます」 彼女の一世一代のわがままはそうして許された

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だが、この世界でも令嬢は処女が望ましいとされる。万が一があっては困る。故に従者には令嬢相手には立たない呪いが解された。 さらに令嬢は一つの呪いを追加した。 それは従者の意に沿わぬ行為を強いれば、自分の体が焼ける呪い。 それは貴族の令嬢として死ぬよりも酷いこと。それを自ら引き受けた。

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令嬢は徹底的に従者を従者として扱った。勉強が大好きだった令嬢は従者を同じ勉学に付き合わせる。 魔術の訓練から本来令嬢がやる必要のない経済学まで。更には屋敷の家令に頼み、積極的に他の仕事を覚えさせるようにした。 従者はみるみる成長し、愛玩従者と見ていた使用人は屋敷の中に居なくなる。

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令嬢は姉の慈善活動を引き受けて13の時から方々を回った。幸い魔力が多かったおかげで、ほんの少し、体が火照るくらいで済んでいた。そういう時は、従者の弾くヴァイオリンを聴いているうちに収まる。 慈善活動のあとにはそれが聴ける。 今まで苦しいばかりだった、慈善活動が楽しみに乗るほどだった。

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令嬢が少女から娘になる頃。 ある日父に言われてしまう。軍病院で人手が足りない。姉の分も含めて、治癒の奉仕をして来いと。 貴族令嬢として誉ではあるが、二人分の働きとなるときつい仕事だ。でも逆らうことは許されない。令嬢は軍病院の慰問に行くことになる。

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前線ではないものの、国のために働いている人達は、とてもひどい有様だった。ヴェールをかぶった令嬢は一つ一つ心をこめて、治していく。彼らが立ち直れるように、生きて帰れるように。いつの間にか、許容量を超えていることにすら気づかなかった。ようやく帰宅して数時間たった夜、体が疼き始める

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いつもよりも多く魔力を使ってしまったからだ。 従者の演奏を聴いても一向に熱が引いていかない。 「もう、下がっていいわ…」 あとはもう、耐えるしかない。 令嬢が体を丸める中、従者は逆に一歩近づいた。 「奉仕の、許しをいただけませんか」 それは令嬢が最もやらせたくなかった行為だった。

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「あなたはそれをしなくていい」 「ですが今宵のあなたは限界を超えております。このままでは命も危ういでしょう」 己の状態が常とは違うとわかっていた。それでも頭を振って拒む令嬢の膝下に従者は跪く。 「従者として、あなたが損なわれるのは見過ごせません」 彼は令嬢を主として扱ってくれる。

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目の前で死なれるのは彼も気に病むだろう。 そして、自分ではどうしようもない。 従者の慈悲だと納得した令嬢はそれでも悔しさに手を握る。そこに従者の手が重なった。 「大丈夫です。俺が拒絶しない限り、貴女は焼かれない」 「ごめんなさい、私が未熟だったから…」 唇が塞がれる。

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「黙って。あなたはただ、気持ち良くなればいいんです」 そう、語る従者の顔はいつもと変わらずひどく静かだった。 初めてした口づけは、罪の証なのに許されないのに、震えるほど嬉しかった。なぜなら、静かな表情に、その立ち振舞いに、さり気なく与えられる優しさに、令嬢は恋をしていたから。

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従者の手によって、初めて高みを知る令嬢は翻弄される。 それでもオーバーフローからは抜け出した。しかしそれ以降、高ぶるたびに、従者が奉仕を願い出てくるようになる。 「これ必要なことなんですから。あなたは素直になればいいんです」 言葉通り、従者の態度はいつも通りだった。

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それを仕事で引き受けても良いほど、従者が自分を認めてくれたのだとほっとした。けれど彼を求めてしまう自分があの貴婦人と重なり、罪悪感が募ってゆく。 「お嬢様、お望みはなんでしょうか？」 あなたの心が欲しい。 そう答えかけてしまうから、奉仕されている間、声を殺すのが習慣になった。

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戦争が終わり、慈善活動は終わった。 しかし、戦争特需に乗り遅れた令嬢の家は、少しずつ傾き始める。 使用人が減ったため、従者の外出も増えている。 没落するのも時間の問題だ。退職金が出せる今の内に、従者を解雇すべきだろうか。けれど父から思わぬことを聞かされる。 自分に縁談が来たと。

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相手は20以上年上の貴族だった。 令嬢が嫁げば、姉の結婚資金を援助してくれる話が纏まったのだ。 貴族は何人か愛人がおり、前の妻は死亡していたが、その体にはおびただしい傷があったらしい。 「治癒が使える娘を所望された。お前なら適任だ」 はじめからこの家の道具だったのだと令嬢は理解した。

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騙し討ちのような婚約式のあと、従者が現れる。 「解雇を言い渡されました」 令嬢付きの従者なのだから、当然だった。 母から離され、それでと血に恥じぬように立ち振る舞いを身に着けた。ここで生きるしかないのだと思っていたのに。僅かな幸せすらこぼれてゆく。 もう良いか。

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令嬢が最後の慈善活動に向かった際。近くで大きな事故が起きる。おびただしい怪我人が出る中、令嬢は率先して治癒を使い続けた。 その隣には、効率よく彼女が治癒を行えるよう、従者がその場を取り仕切った。 命の危機がある者を先に。貴賎なく平等に。 奇跡的に一人の死者も出さずに切り抜ける。

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魔力を出し尽くせば、それが訪れる。 ーーオーバーフローだ。 こんな状態でなければ、己が培ってしまった貴族の矜持はつき崩せない。 令嬢は二人きりになった部屋で従者が何かを言う前に、服を脱ぎ始める。 一糸纏わぬ姿になった令嬢は、あの時の貴婦人のように従者へすがりついてみせた。

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貴族の風上にも置けない男の元に嫁ぐのは己の矜持が許せなかった。 だから、あえて従者が嫌悪する女のように振る舞い拒絶され、この身を焼かれたかった。 彼に残された傷ならきっと一生愛せるから。 表情の変わらぬ紫を見上げて、令嬢はそれを言う。 「あなたが欲しいの」

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体も心も全て。自分はなんと浅ましくなったか。彼に欲望をぶつける人間と変わらない。 傷を負えば命を落とすだろう。よしんば生き延びたとしても、もう令嬢としての価値はない。そうしたら、厳しい規則のある修道院に入ろう。治癒の力を役立てて、一生を過ごそう。 業火に焼かれるのを待っていた令嬢は

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燃えるような熱い手に、捕らわれた。

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紫の瞳が鮮やかに燃えていた。 「やっと、言ったな」 今の今まで、静かに凪いでいたはずの従者の表情が一変していた。ぎらぎらとした欲望をたぎらせて、焼けそうなほどの熱と…渇望を宿している。 だが、令嬢が思っていた熱ではない。混乱する彼女を囲いこんだ従者は笑った。

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彼に施されていた術は2つ。 1つめは家に連なる女に不能になること。 2つめは令嬢が性行為を要求した時、従者が拒絶すると、令嬢が焼けること。 ーーつまり、令嬢に願われなければ、自分は奉仕を…性行為に及べない呪いだった。

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「望まなければ私の渇望すら表に出なかったということです。あくまであなた自ら望まなければ、呪いは解けなかった。私がどれだけ尽しても口に出さなかったくせに、傷物になって逃げるために言うなんて」 だから望みを聞かれたのかと令嬢は、思い至る。 あれは、早く求めろという合図だったのだ。

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「婚約した時点であなたは、あの家の人間じゃない。 私に焼かれると思ってたんでしょう？望みどおり焼いてあげます。私がどれほどあなたに焦がれて望んで欲していたか。この熱で、ありったけ」 扇情的に笑った従者は、ただの男として令嬢をベッドに放り投げた。 「そして一生、愛して差し上げますよ」

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令嬢は知らなかった。 どれほど虐げられたとしても、貴族たれと己を律し、救いの手を差し伸べる姿の気高さを。努力を怠らぬ誠実さを。従者の前だけで見せる笑顔の愛らしさを。 従者が己の音色に身を委ねる令嬢の艶めかしい姿を見て、どれだけ衝動を押さえ込んでいたか。 全て、思い知らされた。

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翌朝。令嬢は今まで与えられていた物が児戯に思えるほどの一夜を思い出して赤面する。 別の意味で傷物になってしまったが、これはこれで良いのでは。 修道院…と無意識につぶやくと傍らの従者に押し倒された。 「あなたの考えていることは…お見通し、というわけではありませんね。私も臆病だった」

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淡い憧憬なのか、敬愛なのか、友愛なのか。己と同じ温度で求めてくれるのか。求めてくれたとしても、彼女は貴族として生きるべき女だと考えていた。 「けれど、あなたはどこまでも不幸だ。それが許せないので、引きずり落とすことにしました」

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婚約者である貴族の男を調べ上げ、警察に密告した結果、内々に取り潰しが決まっているという。 さらに従者は令嬢の前に跪く。 「貴族でなくしてしまいますが、あなたに不自由はさせません。従者風情でありますが、私の妻まで落ちてくださいませんか？」 「私のような重荷を背負うことはありません」

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市井が嫌なわけではない。むしろ水は合うだろう。ただ、従者の足枷になる事だけは許せなかった。 「私と一緒になるのが嫌ではないのですね？」 「そんな、幸せになって良いはず、ありません」 その言葉に嬉しそうした従者が、令嬢を引き連れてたのは、街の一等地に立つ大きな建物だった。

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社員に頭を下げられる従者に驚く令嬢。引き合わされたのは、彼の友人であり、この会社の社長だという男だった。 そこは、令嬢でも知っている有名な貿易会社だった。従者はすでに役員として働いているのだという。 「上流階級向けの商売を始めようとしている。これと一緒に助言をしてくれたら助かる」

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社長は令嬢にずっと就職に誘っていたにも関わらず、つれなくされていたのに、あなたの為に来てくれた。 「しかも本物の貴婦人だ。我社にとってもあの男にとっても大層有益なのだよ」 「お嬢様に余計なことを吹き込むな馬鹿野郎」 久々に聞くぞんざいな従者の口調に令嬢はここが彼の居場所なのだと知る

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そして、自分すら欲してくれていると。 「きっと勤勉なあなたは、役員の妻として良い働きができます。あなたの役割もちゃんとあります。どうか私の傍らにいてくださいませんか」 跪く従者に恋願われた令嬢は、彼の前に膝をつき、その手を押し抱く。 ずっとあなたと同じ世界を見たかった。

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「私が、望んでも良いのなら……」 「ご存じありませんか？ 互いに求め合うのであれば、全て許されるのですよ」 そして私があなたを求めている。 だから、あなたの望みは全て叶えられるんです。 ひときわ美しく微笑んだ従者は令嬢を腕に囲った。 「あなたの望みは？」 「あなたに、愛されたい」

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「ええ、あなたが愛してくださるなら。私以外で満足できなくなるくらい、一生愛して差し上げます」 そうして令嬢は、美貌の従者あらため、美貌の旦那様に、ぐずぐずになるまで愛されて駄目にされたのでした。 おしまい

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ちなみに令嬢は、一挙手一投足に品のあるどこに出しても恥ずかしくない貴婦人なんだけども、その実屋敷の取り仕切りから収支まで管理していた才女。完全に家を掌握してたら没落しなかったんじゃないかレベルです。ただずっと血筋で令嬢らしくないと言われてたから自己評価が激低な頑張り屋さんです。

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従者の方は見た目が魔性の妖艶な美人なんですが、中身はめためた擦れてるヤクザ。 2桁になる前にスラムから半ば売られる形で愛玩従者になり、貴族の闇に浸かっていた。 でもいつかは絶対抜け出してやるという上昇思考は持っていたんです。 貞操守るために喧嘩は強め。 そんな時に出会ったのが令嬢。

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どうせ一緒だろう？と思ってたら、時間を縫って盗むしかなかった知識を惜しみなく与えてくれるだけじゃなく、外見ではなく自分自身を尊重してくれるのに間もなく陥落。 半ば妄信的に令嬢を主と考えてます。 そのため周囲にはガンガンタメ口ですが令嬢の前でだけ物腰優雅に取り繕ってます。

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社長と知り合ったのは従者をヘッドハンティングしたのがきっかけ。 従者は教育と努力のおかげで、上の貴族の屋敷でも通用する教養と立ち振る舞いを身に着けてたんですね。あま美貌のおかげで広がった交友関係からくる情報網を買われた。でも令嬢の従者でいたかった彼は保留そこから交流がはじまる。

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このあと、令嬢は従者と家に特攻仕掛けて結婚資金という名の手切れ金叩きつけて市民になる。 そんでもって上流階級部門のアドバイザーとして手腕を発揮するかたわら、治癒の力の慈善活動もするんだろうな。 まあでも、ようやくタガが外れた旦那さんに昼も夜もいろんな意味でとろ甘に溺愛されると思う。