とてもおもしろい
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時間地理学とは

あなぐま亭 夜あなぐま🌸 @anagumatei_iz

「いつ」「どこで」じゃなくて「いつどこで」。 地理学には、20世紀半ばスウェーデン発祥の「時間地理学」という下位分野がありまして、要は地理学って時間切り捨てて空間しか見んけど、人間実際は時間も空間もこんがらかった世界に生きとるやないかって反省から立ち上がった分野です。続

2020-12-07 22:31:30
あなぐま亭 夜あなぐま🌸 @anagumatei_iz

で、最初何やったかって言うたら、それまで地理学が単に「地図」の上で色の塗り分けして表現してたあれやこれやを、「地図+時間軸」の三次元座標で考えるための概念とか理論を整備していったわけです。続

2020-12-07 22:38:08
あなぐま亭 夜あなぐま🌸 @anagumatei_iz

時間地理学は、それまで道具立てのせいで文化社会現象を「大きな塊」でしか見られなかった地理学に、個人の日常的な行動と空間・場所・地域の制約との関わりを考える大きな手助けになった発明の一つで、現在は下位分野としてより、ほぼ全ての地理学者の古典的財産として消化されてると思います。続

2020-12-07 22:43:26
リンク Wikipedia 時間地理学 時間地理学(じかんちりがく、英語: time geography)は、生活行動を空間と時間の広がりにおける軌跡として描き出し、その分析を通して、社会生活を個人や社会を取り巻く環境から論じるアプローチのことである。「人間は絶えず動き回るため地図による表現は不正確であり、時空間座標で表現されるのが望ましい」という考えのもと生み出された手法で、行動地理学の一分野と見なすこともできる。スウェーデンの地理学者、トルステン・ヘーゲルストランドとルント大学の同僚により1960年代~70年代に提唱され、その理論的枠組みは 7 users 6
田村 敬一郎 @2Misasagi

わお、時間地理学だっ!と思ったら中谷先生のお仕事!!さすが! twitter.com/ZF_phantom/sta…

2020-12-08 23:28:11
ZF ⚡ @ZF_phantom

なるほど。縦軸(高度)を時間軸にして、感染の広がりを時空間で表した図。現時点が一番上。関東も関西も8月からの感染を止められないままになっていると。 『新型コロナ時空間3Dマップ』流行推移の詳細を三次元的に分析する東北大学×JX通信社の共同プロジェクト jxpress.net/coronavirus-ma… pic.twitter.com/0fpJ5cDbWE

2020-12-08 12:24:04
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

祖父母、父母、子とそれぞれの世代が子ども時代にどこで遊んだかをデイリーパスで示した図が面白い(p.150)。子どもの居場所が「ドメイン(管理領域)」へと移行し、さらに祖父母世代の頃にあった「エッジ」が解体されていく様子がよく分かる。時間地理学の真価発揮。 pic.twitter.com/fWrkVzLcWN

2020-12-13 03:14:48
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永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

地理学を勉強するときに便利そうな展望論文まとめ : 永太郎メモ blog.livedoor.jp/naga_taro/arch… 「行動地理学」「時間地理学」の項目にいくつかの論文を追加しました。この分野は方法論がユニークなので、「実は地理学にはこういうのもあるんですよ」と説明するときによく使われたりします。 pic.twitter.com/xcU7ZCX75h

2020-06-28 03:44:40
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永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

歴史地理学と時間地理学はどちらも時間を扱う地理学だが、歴史地理学は二度と繰り返されない一回きりの時間を扱うのに対し、時間地理学は周期的に何度も繰り返される時間を扱う点で異なる。

2015-11-14 08:51:32

時間地理学の創始者、ヘーゲルストランドについて

永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

加藤政洋・大城直樹『都市空間の地理学』第7章「トルステン・ヘーゲルストランド」を読んだ。1969年の地域科学会を端緒とする時間地理学の展開と、それに対する批判について書かれている。

2017-05-04 19:36:23
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

時間地理学の創始者、ヘーゲルストランドには音楽の素養があった。彼は、オルガンの経験から、音楽という時間的芸術を、楽譜という目に見える形に変換できることを知った。その経験が、人間の時空間的行動を「パス」として実体化する時間地理学を生んだ。

2016-05-11 10:08:13
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

【1970年代以降の時間地理学の展開】 ①地域計画のツールとしての研究(ルンド大学が中心) ②個人の経験を媒介とした、自然景観と人文景観の統合についての研究 ③個人の生活と社会構造との相互関係についての研究(ギデンズ、プレッドら)

2017-05-04 19:40:37

ギデンズ、プレッドやスリフトによる展開

八雲◇ @yakumo415

CiNii 論文 -  時間地理学からみた構造化理論についての一考察 : 地理学における構造-主体論争とのかかわりを中心にして (北川紀男教授退任記念号) ci.nii.ac.jp/naid/110008425…

2013-12-18 16:16:20
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

時間地理学と権力の問題に関して 「時間地理学の中心概念としてプロジェクト概念とパス概念をあげるとすると、初期のルンド学派とその流れをくむ研究は、短期的な時間スケールのなかでプロジェクトを所与として、パスにまつわる制約を主として問題にしてきたとふりかえることができる。→

2020-10-08 02:53:51
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

→それにたいして1970年代後半以降のヘーゲルストランドやプレッドは、より長期的な時間スケールの問題に関心を持つようになり、したがって必然的にプロジェクト概念に比重をおくようになった。最近ではプレッドの関心は、プロジェクトを決定するのは誰かといういわば権力の問題にまでも及んでいる。」

2020-10-08 02:55:39
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

『生活の空間 都市の時間』p.101 パスへの着目→プロジェクトの着目という見立ては鋭い

2020-10-08 02:56:34
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

ナイジェル・スリフト「空間と時間における社会的行為の決定について」(遠城 明雄 訳)lit.osaka-cu.ac.jp/geo/pdf/neokot… スリフトについて話すことになったから読んでみたけどさっぱり分からん…

2020-07-10 09:31:37
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

『「世界内」に存在することは、内包的 inclusive(意味を帯びた世界の構成員であること)かつ位置的 postional(他の携成員との関連で世界のなかに特定の場所をもっていること。あるいは特定のジェンダー、年齢、職業、エスニシティーなどをもっていること)である』(セルボーン 1980)

2020-07-10 09:50:48
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

階級の生産と再生産の場としてのロカールの性質 1.空間と時間の中で人々の生涯経路を構造づける 2.制度のなかで活動に携わる他の人々と相互行為するためのある個人の能力に制約を負荷することによって、他の人々の生涯経路に影響を与えうる 3.他の人々との相互行為が生じる主要な範域を提供する

2020-07-10 09:57:02
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

4.多くの人々の生活の大部分を特徴付ける日々のルーティンの構造を活動にあたえる 5.生まれてから死ぬまでに起こる(能動的な意味での)社会化の過程の主要な場であり、この過程のなかで集合的な行動様式が絶えず遂行、再遂行されており規則が学習されまた創造される

2020-07-10 09:57:18
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

時間地理学でなされたようなミクロスケールでのパスの話を生涯スケールに拡張するってこと?家とか学校みたいな具体的な場所が、社会の中での「場所」をも決定づけている(=階級の再生産)ことを言いたい? pic.twitter.com/AvVyQzohqp

2020-07-10 09:48:32
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永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

スリフトの中で時間地理学→構造化理論→日常行為→非表象理論みたいな流れがあるのか?

2020-07-10 10:08:32
吉江俊 @___shun

ヘーゲルストランドが初めてスリフトらが洗練した時間地理学という研究領野は、極めて興味深いけれども、もうちょっと訴求力のある議論にならないか。一般人が見て分かる図、少なくとも建築レベルの計画に落とし込めるような知見。文字通り「時空」を扱う最強の学問になれるはず。明日議論したい。

2018-04-20 00:39:32
吉江俊 @___shun

「時間地理学は人びとの生活する時間・空間が物理的・社会的にどのようにして編成されているものなのかを明らかにし、その改善を行うことを目的とする」。これは大事。「時間・空間が社会的に編成される」という姿勢であって、「時間・空間の中に行動を図示するだけ」の行動分析は真逆の発想。

2019-02-17 02:41:27

フェミニズム地理学からの批判

永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

【時間地理学に対する批判】 ①人間の行動について、その様態を明らかにするのみで、意図を明らかにすることができていない ②無自覚に男性性をのみ取り上げていて、女性性を無視している ③人間生活を線に還元することにより具体的経験が捨象されている

2017-05-04 19:45:34
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

人文地理学的 これだけは読んでおきたい 《都市・空間》 論(13) ジリアン・ローズ『フェミニズムと地理学-地理学的知の限界』 machiwalk.exblog.jp/24635535/ 地理学の男性性を、時間地理学的な男性性(女性を無視する)と人文主義地理学的な男性性(女性を客体化する)に分けるのはなるほどと思った pic.twitter.com/uz1JYMvVBs

2019-11-22 17:56:42
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ストリート論

永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

ストリートの現働化 規律―管理社会をめぐる時間地理学からの展望 加藤政洋 - garage sale (id:araiken / @araiken1964) d.hatena.ne.jp/araiken/201011… 読んだ。

2017-05-04 02:33:43
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

.@araiken1964 ・時間地理学における「管理領域」はド・セルトーのいう「戦略」の作用する空間と換言できる ・「管理の制約」「統合の制約」は「戦略」(=権力の作用)の産物である ・「管理領域の“群島”」である都市においてストリートは戦略の「隙間」と言える

2017-05-04 02:41:58

マッシー

永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

人文地理学的 これだけは読んでおきたい 《都市・空間》 論(20) ドリーン・マッシー(森正人・伊澤高志訳)『空間のために』 転点notes machiwalk.exblog.jp/24864459/ 読んだ。やっぱり難しい。時間地理学的な軌跡の布置によって空間を理解せよということ?

2017-05-18 00:38:19
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

「現在―すなわち「今ここnowhere」、それはつねにすでにno-whereとなるのだが……―とは、「空間的な物語りの数々が出会う、あるいはそれぞれ独自の時間性をもつ諸軌跡の配置や結合を形成する場」にほかならない(265頁)」

2017-05-18 00:45:32
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

「逆に「場所」とは、「互いに織り合わされた物語の数々の集積」によってつくりだされる唯一の地点、言い方を変えるならば、つねにすでに移ろうという点で〈空間-時間〉的な「出来事」(268頁)と言えるのである」

2017-05-18 00:45:45
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

軌跡が場所に集まるんじゃなくて、軌跡が集まることによってはじめて場所が生まれるということだろうか。無色透明な空間は物語性を備えた軌跡によって場所となる?

2017-05-18 00:49:33

用語・方法の分かりづらさ

永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

「時間地理学」ってやっぱりネーミングあんまり良くないよなー。「時間地理学」だと都市地理学みたいな系統地理学の一種に聞こえるけど、実際あれは分野というより一種の記述法だから、「○○理論」とか「○○法」って名前のほうがもっと広まったんじゃないかなー。

2020-07-24 17:11:09
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

時間地理学の図、そういう表現方法もあるんだっていうファーストインプレッションはすごいけど、純粋に情報伝達手段として見たときにはそんなに分かりやすいものではないような… 画像:commons.wikimedia.org/wiki/File:A_sa… pic.twitter.com/IC0vyJysWI

2020-10-29 16:25:12
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GIS

永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

【IT化と時間地理学】 GPS・GISの普及 ①個人の行動の記録、情報処理が高速化される ②個人の行動の範囲が拡張される →物理的「身体」と「拡張性」を持った「人間」に分けた分析手法が提唱される(アダムス) ・IT化は本当に距離の制約を緩和しているのかという疑問(エルゴードら)

2017-05-04 19:51:31
櫺(れんじ) @_____renji

ITの進展によって時間地理学は現代的なものになっている 例えばGPS、パスを記録することができる あとは拡張性の概念の追加 時空間におけるパスを「人間」と「身体」に区分

2019-08-19 11:09:33
櫺(れんじ) @_____renji

「人間」は拡張性によって無限に広がりうる 「身体」はそれに対してアクセスの範囲を制限する しかし遠隔地とのコミュニケーションでは身体が直接視覚化されないことからそれを乗り越えることも可能である

2019-08-19 11:09:33
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

中古で買った『生活の空間 都市の時間』、すでにゴリゴリ書き込みしてあって面白い pic.twitter.com/41GaKDEAdO

2020-10-07 03:24:16
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にゃまぐち @nyamanyamaguchi

@Naga_Kyoto 時間地理学ですか。面白いですよね。

2020-10-07 03:31:46
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

@nyamanyamaguchi 面白い手法のわりにしっかり解説した本が少ないのが残念です...(自分が知らないだけかもしれませんが)

2020-10-07 03:47:26
にゃまぐち @nyamanyamaguchi

@Naga_Kyoto 本の1章分の紙幅を使ったレビューならちらほらあるんですが、時間地理学を本気で実践するための手引きになるような書籍は、僕も知らないですね。正直言うと、70~80年代に一世を風靡したけど今は下火な分野といえる部分もあって、リアルタイムで掘り下げてる地理屋さんの人数は少ないんじゃないかと。

2020-10-07 03:53:43
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

@nyamanyamaguchi GISやGPSとの相性を考えると、今こそ威力を発揮する方法だと思うんですけどね…。とはいえ、「時間地理学」と銘うっておらずとも、別の名前で同じことがやられているような気もします。

2020-10-07 12:11:41
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

@nyamanyamaguchi GISやGPSとの相性を考えると、今こそ威力を発揮する方法だと思うんですけどね…。とはいえ、「時間地理学」と銘うっておらずとも、別の名前で同じことがやられているような気もします。

2020-10-07 12:11:41