天井に映し出される空の青さやいつも頭上で輝いている陽の光の温かさは知っていても、穏やかな海の果てしなさだけは知ることが出来ない一人と一つ
2018-02-21 19:05:43「あの安らかで美しい潮騒が聞けたなら、わたしきっと死んでも良い。でももし本当に死んでしまったら、あなたそれからひとりぼっちね……」とささやく声。目の前のちいさな海。私にはずっと聞こえているというのに。
2018-05-06 22:12:59「ねえイド、この本のここ、『わたしたちは ちきゅうというホシでうまれた いわば ちきゅうのこどもなのです』ってあるんだけど、ちきゅうってなにかしら?」
2018-06-22 16:44:33「へえ、そんなに大きなおふねがあるのね!それじゃあ、きっとファーロの温室よりも大きな温室がたくさんあって、たくさんのお花がさいてるんだわ!」
2018-06-22 16:47:54残り少ないヒトを新しいホシへ運ぶ船で、たどり着いた先でヒトの未来を照らしだす灯台 たった一人の子供を導くための、移動式の大きなお家
2018-06-22 16:56:55「寂しくないのですか、マリー」 「さみしくなんてないわ、イド。だって『さみしい』はひとりのときに思うんでしょう?」 「寂しくないのですか、マリー」 「時々寂しいわ。あなたといられるからね。本当に独りだったら、きっと寂しさなんて分からないのよ。わたし、幸せ者ね」
2018-06-22 17:05:28「イド、聞こえるわ。――これが潮騒っていうのね」 微笑む彼女の横顔が、まるで幼い子供のようなのがなんだかおかしくて、スピーカーから笑い声が零れた。 彼女は見えない目をいっぱいに開いて、細い手指で光を、風を、海を抱きしめている。 いま生きているものは、きっと皆こんな風に美しいんだろう。
2018-11-06 04:29:10「大地を埋めつくし、海の底の暗闇を暴き、広大すぎる宙を行き交ってなお余り有る力を持つ人類にとって、無数に存在するホシは替えがきくものでした。けれど、人類は自らが生まれたホシだけは掴んで離さなかった。 あなたの瞳は、そんなただ一つのホシの色なのですよ」
2018-11-29 05:24:26貴女が言葉に出来ないでいる心の内のもやもやを、私が辞書で引くとしたなら、「孤独」のページを密かに破り、きっと「空腹」と引くでしょう
2021-02-27 03:51:47