277機関とは「どの自創作作品」や「どの時代」にも属さず、罪を犯した者に罰や猶予を与えたりする存在【機関者】と呼ばれている者達が所属している場所である。その機関者でもある灰田は、ある日を境に「チームを結成する」と上司たちに宣言し、一人で行動し始め、様々な部署から機関者に声をかけて行動に入り始めた。 ――サイバー犯罪を専門に取り締まる部署の機関者は、他の機関者よりもお堅いと思いながらも、同部署に属している八重島さゑ子に声をかけた灰田だったが、今回のスカウトも四苦八苦するだろうと踏んでいたのだが、以外にも向こうはスンナリと首を縦に振った翌日には異動の書類も手早く作成して来たのだ。
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「さゑ子、お前。やっぱ前よりも、ヒトっぽくなってるぜ」 「なっ…!」 思わずカッとなりつつも、なんとか自身の気を落ち着かせようとするが、向こうはそんな事は気にもせず、あの時の調子で呟いた。 「今の反応とさっきの反応、人間の感情や心理の一つ「恥ずかしさ」や「興味」ってヤツだな」

2020-03-14 19:14:05
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あの一件以降、あお…青木さんがさらに話しかけてくるようになったが、以前よりかはイヤだという気持ちが少しずつ薄れていった。 どういう心情の変化なんだと言われそうな予感もするが、事実なのだから仕方ない。#Rhapsody277

2020-03-15 18:59:52
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向こうは常に明るい表情で話かけてくるし、その時の私がどんな顔しているかは鏡を見ないと分からないが、声としては以前よりも明るくなったような気もしている。

2020-03-15 19:01:45
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仕事終わりのチャイムが機関内に響き渡ると「あぁー、終わったぁー!」と言いながら上半身を伸ばしている八重島に対し、ミヨシノが「八重島さん、この後、お時間…空いてます?」と聞いてきたのだ。 「大丈夫ですよー、私ヒマなので!」 「それは何よりですわ」#Rhapsody277

2020-03-16 18:49:35
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「何処で待ち合わせましょーか?」 「そうですわね、ならば――」 ミヨシノは上着のポケットからメモ帳を取り出し、サラサラと何かを書くと「こちらでお待ちしていますわ」と言いながら渡すと、そこに書かれている場所を見た八重島は「ココって…」と呟く頃には、既に八重島は部署を出て行った後だった。

2020-03-16 18:52:31
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渡されたメモを頼りに、八重島はミヨシノが指定した場所に辿り着くと、既に当の本人が先に着いており「お待ちしていましたわ、八重島さん」と挨拶をする。 「スミマセン、遅くなって」 「気にしていませんわ、アナタの事だから来ないかと思っていましたけれども…」#Rhapsody277

2020-03-17 20:16:38
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確かに、指定された場所を見た時、八重島は思わず行くのをためらってしまい、部署から出ようとしなかったが、なんとか自分に言い聞かせながら足を向かわせ、現在に至る。 「いいえ、そろそろ、ケジメはつけなきゃいけないなって…思ってたので」 「そう、ですか」

2020-03-17 20:19:33
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――この機関者は知っている、知っているからこそ、こんな風に私を呼び出したに違いない…。 僅かに表情が強張りつつも、八重島はミヨシノと同じ速度と距離感を保ちつつ、共に目的の地へ向かって行った。

2020-03-17 20:21:55
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277機関内の地下深くへと続くエレベーターに乗っている八重島とミヨシノは、終始無言のままの時が過ぎて行く。 ミヨシノは気にしてはいなかったが、八重島は何処か気にした様子で彼女の事を見ると、エレベーターが目的の階に到着した音が鳴ると、自動でドアが開き、二人は降りた。#Rhapsody277

2020-03-18 19:04:14
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その階は薄暗く、等間隔に設置されている電球も何時切れるかなんてわからない程に切れたりついたりを繰り返している様子が目に入るものの、二人はただ黙って廊下を歩いていると、目の前には【関係者以外立ち入り禁止】という警告ランプのついた扉がある。

2020-03-18 19:08:16
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上着のポケットから鍵を取り出したミヨシノは、その扉を開けると「どうぞ」とでも言わんばかりにドアノブに手をかけたまま立っており、八重島は「では、お先に…」と小声で言いながら先に入ると、後に続いてミヨシノも扉を閉じ、二人は更に奥の方へ向かって行った。

2020-03-18 19:11:07
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二人がたどり着いた場所は部屋前にある扉で、その前には門番のように構える機関者が二人立っているが、特に呼び止められる事もなく、二人はそのまま部屋の奥へと向かって行く。 「大丈夫ですか、八重島さん?」#Rhapsody277

2020-03-19 19:16:28
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「は、はい…」 ミヨシノに声をかけられた八重島の顔は、最初に来たよりも強張っているが、なんとかその歩みを進め、ようやくと最後の扉へ辿り着く頃、ミヨシノは独り言のように「似てますわよね、灰田さんと青木さんって」と呟いた。 「えっ?」

2020-03-19 19:20:11
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「八重島さんが前にいらしたサイバー犯罪部署の青木さんと、私達を集めた灰田さん…。二人とも、何処かしら似ていますわよね」 「そ、そうですかね…」 「機関者なのに、人間みたいな真似をしたり、自分と同じような者を増やそうとしたりとか……ですかね」 「……」

2020-03-19 19:25:15
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「私的に言うならば…完全に人間という存在にならなくてもいいのに…なんて思う事もあるんですよ」 思うよりも先だった、八重島の口から「ミヨシノさん、何が言いたいんですか?」と、声に出して発していた。

2020-03-19 19:29:46
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「…回りくどい言い方をして失礼致しましたわ、私達機関者はそういう存在ではありませんものね」 それはそうだ、でも、私が今気になっている事はそこじゃない。 「っていうよりも、なんでココに私を呼びつけたんですか。ココは…」

2020-03-19 19:33:20
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八重島はその光景を見まいと目を逸らす姿が見えるものの「アナタが兄と慕った機関者…青木さんが今もなお、眠り続けているから、ですよ」と、語り掛けながらミヨシノは何気ない顔で扉を開けると、その一室にはベットで横たわる機関者が一人居たのである。

2020-03-19 19:36:19
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何時しか、青木さんの事は兄貴と呼ぶ程に仲がよくなった気がする。向こうはどう思っていたかは知らないが、少なからず私はそう思いながら接してはいたつもりだったが…、そのせいで、青木さんは現在の有様になる事態を招いてしまったのは否定できない事実だ。#Rhapsody277

2020-03-20 01:07:42
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その出来事を思い出す度に、私の気は日に日に沈んでいき、何時しかその色も失い欠けていた時、別の仕事で一緒になった灰田さんと出会い、声をかけられたのである。 「君が、八重島さゑ子か?」 「ウン、そうだよ」 「確か、サイバー犯罪の所にいるんだよな」 「イエース!そのとーり!」

2020-03-20 01:13:08
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カラ元気、なんて言葉は聞いたことはあったものの、まさかこんなところで発揮されるとは後になっても「よく出たもんだ」と思う所ではあるが、私は青木さんに言われた事の一つ「どんな相手でも、笑顔は忘れるなよ」を忘れずに、灰田さんと話を続けていく。

2020-03-20 01:15:49
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「っていうよりも、灰田さんてアレでしょ?最近エラい方々に一言申したって話、コッチにも入ってますからね!」 「…まじか」 「まじです」 灰田さんが一息つくと「ならば、話は早いな」と改まった顔で私を見て言った。

2020-03-20 01:17:47
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「八重島、俺の所に来てみないか?」 「ほ…!」 話を聞いた時から、薄々と興味はあった。 けれどそれは同時に、今の場所を離れ、青木さんからも逃げるような形になるのではないか? という事にもなると考えてはしまった、が、これを青木さんに話したらなんて言われるだろう?

2020-03-20 01:20:34
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いいや、きっと青木さんならばこういう筈だ「お前が信じる道を行け」と、言う風に――。 自分勝手の想像なのは解ってる、けれど、今はあの時の事を忘れる口実が欲しかった、ハズなのに。

2020-03-20 01:23:02
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…あの時のように話しかけてもくれない、食器を模した武器の扱いを教えてくれた時の表情もなく、偶に見せる何処か寂しそうな表情もない…あの時の傷がまだ完治されていないままの姿で横たわる青木さんをの前に、私は来てしまったのだろうかと――。

2020-03-20 01:36:42
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前回に来た時よりも、青木さんの調子は確実に良くはなっている。 それでも目を覚まさない姿は、まるで『眠り姫』かのようだ。 「私が聞いた所によれば、治療は殆ど終わっているという事ですが…。どういう訳か、未だに目を覚まさないのですよね」#Rhapsody277

2020-03-20 18:40:19
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一体なぜでしょう? とでも言いたそうな表情を浮かべるミヨシノに対し、八重島は黙ったまま青木の方を見ているだけ。 「まぁ、声をかけてどうとなるのならば、とっくの間にしてはいますけども――」 「それでも、目が覚めない、んですよね」

2020-03-20 18:46:11
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「しかし、何時までも機関がこの状況にしておく訳にもいかないのもまた、現実ですけれどもね」 「それって…」 八重島の表情が険しくなる姿を見たミヨシノは「猶予はあと10日、その期間内に何らかの方法で彼の目を覚めさせれば、全て帳消しする、とのことですわ」と言ったのだ。

2020-03-20 18:49:38
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「それは一体、誰の提案なんです?」 「あるお方からですわ、それに、この事は他言無用ですからね」

2020-03-20 18:51:57
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八重島は仕事が終わると、誰よりも早く上がり部署を出て行くようになった。 誰かしらに声を掛けられても「ゴメン、ちょっと用事があるから!」と、何時もと変わらぬように言ったり、足止めを喰らったとしても、なるべく早く済ませるようにし、青木が居る部屋へ向かうのだった。 #Rhapsody277

2020-03-21 20:12:23
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しかし、いざ青木の元へ行っても何をしたらいいのか分からないのが本音だが、だたじっと見ていても、青木は目を覚ます訳がない。 痺れを切らした八重島は、青木の前で変な顔をしてみたりもするが、寝ているような状況なのだから、視界に入る訳もない。 ――一体、何をすればいいって言うのよ…、もう。

2020-03-21 20:15:45
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偶々、仕事が休みだった灰田と追跡者は、手を動かしつつも軽い会話をし始める。 「なぁ、チェイス」 「なんだ、灰田ァ?」 「最近の八重島、なんかヘンじゃないか」 「ヘン、っていうのは?」 「なんか、仕事終わったらすーぐにどっか行っちまうしよ」#Rhapsody277

2020-03-22 19:54:39
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「さぁ、なんか用事でもあるんじゃねぇーのか?」 「そう言うもんかねぇ…」 「俺だったら、そう言う事は気にせずにすっけどな」 ――チェイスに話したのが間違いだった気がしてならん…。 そんなことを思う灰田の顔を見た追跡者は「まぁ、いいじゃねぇか、仕事するんだから」と小声で呟いた。

2020-03-22 19:57:24
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――こんなことをして、意味があるのだろうか…? 彼が眠る場所に通い始めて数日が経った、色んな事は試したけれど、何をしたって目覚めない。 そんな日々に、私は少しずつ疲れたから「意味があるのか」と思った。 #Rhapsody277

2020-03-23 18:58:06
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「すべての行動には意味がある、と、俺は思うんだよな!」 そんな声が聞こえてきたのは、空耳か、過去の記憶の中に居る彼だった。 「青木さんは何故、思ったんですか?」 「いや、いきなりそう聞かれてもなぁ…。俺はただ、直感的にそう思っただけであって――」

2020-03-23 19:01:21
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フフッと、つい小さな声で笑っていると「さゑ子、前より明るくなったなぁ」と、彼は言ってきた。 「そう、ですかね?」 「そうそう、明るいが一番だぜ。ココに居る奴らは仕事はキッチリするが、そういう所が抜けてるのがいけねぇって、俺は常日頃思う所なのになぁ~」

2020-03-23 19:03:44
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「青木さんは、人間として生活していくには十分だとは思いますけど、ココだと特殊すぎる存在なんですよ。きっと」 「ちぇー、一本取られたなこりゃあ」 私よりも少し長い髪を右手で掻く動きは、彼の癖の一つ。

2020-03-23 19:07:09
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だけど、今はそれさえも出来ないし、見る事も出来やしない――。 益々に思い、私は呟いた。 「なんで、私はここに来てるんだろう」かと。

2020-03-23 19:08:04
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「八重島、大丈夫か?」 頭をコクリコクリと動いていた八重島に声をかけた灰田に遅れて反応し「う、うん!大丈夫でだよ!!」と、慌てている上に語尾がしっちゃかめっちゃかな調子で返す。 「目の下にクマ、出来てるぜ」#Rhapsody277

2020-03-24 20:08:01
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「そ、そう!?コレ俗に言う寝不足ってヤツかなー。最近、忙しくて寝る暇もなくてさー」 ハハハーと愛想笑いする八重島を横目に、隣の席に座っている追野は心配そうな表情を浮かべてしまいそうになるが、なんとかそれを悟られないように仕事を続ける追野であった。

2020-03-24 20:10:14
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八重島が灰田と軽い会話を済ませてから数分後に部署を出て行ったのを見計らい、追野もそそくさと後片付けを済ませ、八重島の後を追い始めようとし、瞼を閉じ聴覚に集中し始める。 ――八重島さんの足音さえ聞こえれば、後を追えるのですが…。#Rhapsody277

2020-03-25 19:59:44
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機関者に歩き方に特徴があるのか? それは正に機関者によりけりでもあるし、標的だって様々な歩き方をしている。それを頼りに耳を澄ませていると、誰かがエレベーターの前で何かを落として慌てたような物音が耳に入り、追野はそちらの方へ向かって行った。

2020-03-25 20:03:35
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――あぁーもう、なんでこういう所でドジるかなぁ…! そんなことを思いつつ、八重島は落とした物を拾い集め、最後の一つを手に取ろうとした時、見覚えのある手が差し伸べられたのを見て顔を上げると「あっれー、追野ちゃんなんでココに居るの?!」と驚くような声を上げてしまった。#Rhapsody277

2020-03-26 20:28:28
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向こうもその声に驚いたようで、たじろきつつも「モノを、落とした音が聞こえたので…」と返される。 「さっすが追野ちゃん、耳が良いっていうのはホントなんなだね!」 「あ、ありがとうございます…」 褒められると顔を下に向く、追野が何時もする仕草の一つだ。

2020-03-26 20:31:19
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その隙をついた八重島はエレベーターに乗ろうと思い、開閉ボタンを押そうとした途端「待ってください!」と、今まで聞いたことが無いような追野の大きな声に止められ、ボタンを押す指が離れた。 「なに?」 「何処へ、向かおうとしているん、ですか?」 「何処って、それは……」

2020-03-26 20:33:52
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本件は他言無用、ミヨシノからは確かにそう言われた。 けれど、そんなこと、遅かれ早かれ何時かはバレてしまうのも、また事実――。 八重島は追野の手を引いたのと同時に、開のボタンを押しエレベーターの中に引き連れたのだ。

2020-03-26 20:36:25
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「や、八重島…さん?」 なぜ、そのような事をしたのか…? 八重島自身にも解らない、けれど、何時かバレてしまう気持ちで押しつぶされる時を過ごすならば、誰かに言ってしまえば気持ちは軽くなる、そう思ったからだ。

2020-03-26 20:43:43
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勢いでエレベーターの中に追野を引き連れた八重島だったが、特に互いで会話をするわけもなく、二人を乗せたエレベーターは下降し、気が付けば目的の階に辿りついた後に八重島から「ごめんね、いきなり連れて来ちゃって…」と、何時もより元気のない口ぶりで追野に話しかけた。#Rhapsody277

2020-03-27 19:14:44
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「いいえ、それよりも八重島さん…大丈夫、ですか?」 「えっ?」 「だって、何時も見ている雰囲気と違う、ので…」 「やっぱり、ヘンだよね。私が言うのもアレだけど、何時もハツラツなのが私…みたいな所が取柄だからさ」

2020-03-27 19:18:14
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すると、追野は八重島の手を握ったかと思えば「無理、しなくてもいいんですよ…。私、どんな姿で居ても、八重島さんは八重島さんですから!」と、瓶底眼鏡で見えないのに、真っ直ぐな視線を感じた八重島は思わず泣きそうになる所を抑えながらに口に出す。 「追野ちゃんなら、言ってもいいかな」

2020-03-27 19:21:20
伍条 月斗(創作アカ)⇒ネップリ登録中!! @5jyouTsukito

「私に、ですか…?」 「うん」 今は目が覚めぬ彼にも似たような言葉をかけられた事を思い出す八重島は、追野の手を握ったまま「こっち、ついて来て」と声をかけ、奥の部屋へと進んで行くのであった。

2020-03-27 19:23:31
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まとめたひと
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

基本は自分が考えた創作ッ子達の事を呟いたり、絵を上げたり、お話も書いたりします。偶に違う話等もしておりますが……ようは気まぐれだが基本は創作用アカウントです。(※食べても美味しくない鶏野郎で無言フォローをしたり、時として話すとアツくもなりますがそれでもよろしければです)御用の方はDMまで。

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