277機関とは「どの自創作作品」や「どの時代」にも属さず、罪を犯した者に罰や猶予を与えたりする存在【機関者】と呼ばれている者達が所属している場所である。その機関者でもある灰田は、ある日を境に「チームを結成する」と上司たちに宣言し、一人で行動し始め、様々な部署から機関者に声をかけて行動に入り始めた。 ――サイバー犯罪を専門に取り締まる部署の機関者は、他の機関者よりもお堅いと思いながらも、同部署に属している八重島さゑ子に声をかけた灰田だったが、今回のスカウトも四苦八苦するだろうと踏んでいたのだが、以外にも向こうはスンナリと首を縦に振った翌日には異動の書類も手早く作成して来たのだ。
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伍条 月斗(創作アカ)⇒ネップリ登録中!! @5jyouTsukito

世の中が発展や進歩をするならば、277機関だって発展や進歩はする。 無論それは、サイバー系犯罪を犯すのならば、サイバー系犯罪に見合った罰を下す機関者だっている。 今は俺の所に居る八重島さゑ子も、元はサイバー犯罪専門の部署に居た機関者だ。 #Rhapsody277 twitter.com/5jyouTsukito/s…

2020-03-01 19:21:25
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

本日のお絵かき:何事も楽しみたい、そうやって日々を過ごすのだ。 pic.twitter.com/hVB5wqJO86

2018-10-05 18:48:28
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彼女に最初声を掛けた時、てっきり断られるかと思っていたが二つ返事で「いいよー!」と返し、次の日には俺の所に書類を作成して持ってきた程で、俺は思わず拍子抜けしてしまったのは言うまでもない。

2020-03-01 19:22:58
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「おっはよー、ございまーーす!」 八重島の威勢の良い声が灰田たちの居る部署内に響き渡るものの、大半の者が八重島よりもテンションが落ち着いたような挨拶をするものだから「もぉー、皆さん朝から元気ないんじゃないんです?!シオシオッペーじゃないですか!」#Rhapsody277

2020-03-02 18:53:10
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周りを見ても「明らかに場違い」だと気づいた八重島は、一息ついた後に与えられたばかりのデスクへ行き、いそいそと仕事に手をつけようとしたところに、隣の席でもある追野が「おはようございます、八重島さん。今日もお元気、ですね」と小声で言うと「元気は私の取柄だから!」と返す八重島であった。

2020-03-02 18:58:00
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サイバー犯罪専門部署の機関者とは、あまり仕事をしたことが無いが機関者自体は【無】にも近い存在なのだから、根本としては俺らと同じようなものだとは思っている。 が、八重島は俺が会いに行った時から今と変わらずのハツラツっぷりを見せている所に驚きを隠せない。#Rhapsody277

2020-03-03 20:41:14
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早朝からあった仕事もひと段落した灰田は、昼食の後に八重島が元居た部署へ向かっていたのである。

2020-03-03 20:43:26
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サイバー犯罪専門の部署が出来たのは結構最近だ――と言っても、機関者の思う【最近】と、人間達らが思う【最近】の感覚は少々異なっているので、今回の場合は後者側の【最近】という感覚で受け取ってくれても構わない。 #Rhapsody277

2020-03-04 20:20:06
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しかし、壱ノ笠でサイバー系犯罪を犯した…なんてことはあまり耳に入らないが…、そういう事は俺達の目には見えない所で処罰が下されるのかもしれないのか…とも考えてしまう。 いずれにせよ、罪を犯した者には機関者から罰が下されるのがオチである事に変わりないのも事実である。

2020-03-04 20:25:23
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――いくら最近に出来たとはいえ、俺の所から考えても遠くないか?!…おまけに、なんだが全体的にも薄暗いし…。 通路の反対側から自分と同じ服装の機関者がやって来たので、灰田は軽く挨拶すると、向こうは「どうも」と小さく返す。

2020-03-04 20:29:11
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声からして男なのは直ぐに分かったが、目にはロボットが付けていそうなゴーグルっぽいものをかけており、相手の表情が分からない。 「あの、ココって…サイバー犯罪専門の所、です、よね…?」 たとだとしく聞いてしまった灰田をよそに、相手は淡々と「えぇ、その通りですよ」と返した。

2020-03-04 20:31:36
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「星形の絆創膏を右目に貼り、尚且つ、特徴的な髪色をしていらっしゃる…と言う事は、アナタはかの名高き機関者でもある灰田…さんと言う事でよろしいでしょうか?」 「えぇ、その通りです、けれども――」 かの名高き、とは一体、どういう伝わり方をしているんだと思う灰田。 #Rhapsody277

2020-03-05 19:33:48
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「しかしまぁ、そんな灰田さんが何故私達の所へやって来たんですか?」 「いやぁ、先日、アンタの所に居た八重島っていう機関者が元居た部署がココだっていうのを知ったんだがな。考えてみれば、サイバー犯罪担当の機関者とはマトモに仕事をした事ないから、どんな感じなのかなーと…」

2020-03-05 19:38:56
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「成程、確かに私達は一般的な機関者とは少々異なる存在ではあります。何分、ごく最近に出来たばかりの部署ですからね、灰田さんが知らないのも無理はないでしょう」 二人の前に視界に入って来たのは大きな扉と、その横に鍵を開けるであろうキーボードが現れ、機関者は淡々と打ち込み、鍵を開けた。

2020-03-05 19:43:26
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灰田が通されたサイバー犯罪専門部署の室内は、案内された廊下よりも更に薄暗い上に、机の上には何十台と並ぶコンピューターや最新機器がある上に、壁にも何十とモニター画面が並んでいる事も確認できる。 「はぇー、なんか…すげぇな、ココ」#Rhapsody277

2020-03-06 19:32:11
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近くに居た別の機関者が二人の元に駆け寄り「そちらは?」と聞いてくる。 「灰田さんだ」 「あぁ、お偉方に豪語した名高き機関者、ですね」 どうやら、面識があまりないサイバー犯罪専門部署所属の機関者にも、俺の事は知られているらしい…。

2020-03-06 19:34:47
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「して、灰田さんは何用でコチラの部署へやって来たんですか?」 「八重島について教えてほしいんだ」 「八重島……あぁ、八重島さゑ子さん、ですね」 「俺達って、基本的には【無】にも近い存在だろ?」 「えぇ、そうですね」#Rhapsody277

2020-03-07 20:07:50
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「まぁ、俺みたいなのとか一部を除けば、物凄く突飛な者もいるが……」 「確かに、灰田さんのような方々は数を数えられる程、かもしれませんね」 「八重島は初めて会った時から突飛というか、物凄くハツラツとしているとも言うべきか…」 「成程、灰田さんの言い分は何となく解りました」

2020-03-07 20:14:18
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その声は、初めて会った時から今にかけても淡々としているし、感情の起伏もあまりない。 自分達は本来、そういう存在であると言う事を思い出しながら、灰田はただ、向こうの話を聞いては軽い返事をしながらに――。

2020-03-07 20:18:23
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灰田がサイバー犯罪部署に行っていたその頃、仕事のあった追跡者を除いた八重島さゑ子・追野・ミヨシノ・河田モコらは室内のソファに座りながら休憩の菓子をつまみながら会話をしている所だ。 「追野ちゃんやモコちゃん、ミヨシノさんってどんな風に灰田さん所に来たんですか?」#Rhapsody277

2020-03-08 20:22:45
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「私は、灰田さんとは同期だったから…なのかはわかりませんが、いずれにせよ、灰田さんから声をかけて頂いたのが、キッカケです」 他のメンツよりも明らかに顔を赤らめつつ話す追野は、更に気恥ずかしくなったのか、湯呑に入っているお茶を一気に飲み干した。

2020-03-08 20:26:19
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「私も追野さんと同じかなー、でも、最初に会った時はちょっと怖かったかも。だって、灰田さん、お仕事になるとあの星が朽ちるし、本当の目じゃないみたいから」 あぁー…確かに、という反応もそこそこ、皆、灰田という機関者がどういう者なのかは十分に理解しているようだ。

2020-03-08 20:29:29
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「ってことを考えると、大体は灰田さんがオファーしてるって事かー」 「どうやら、そのようですわね」 一人だけティーカップで紅茶を飲むミヨシノを見た八重島は「じゃあ、ミヨシノさんはどうしてコチラへ?」と聞く。

2020-03-08 20:31:36
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一口飲んだミヨシノは机にティーカップを置いた後、言葉を選ぶように答えた。 「まぁ、しいて言えば……私が見守りたいと思う方も居ましたし、……何よりも、どんなに遠くに居て輝く星というものは見て居たい――という理由ですわね」

2020-03-08 20:34:58
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各々の話を聞き終えた八重島は「成程ォ」と呟いた後は特に何も発さずにいると「じゃあ、八重島さんも私や追野さんみたいに灰田さんに誘われてココに来たの?」とモコが何気なく聞いたが、その声は彼女の耳に入ってきていなかった。#Rhapsody277

2020-03-09 19:20:22
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「八重島さん?」 二度目の声かけでようやく気付いた八重島は「なっ、なに?」と、少々驚いたような声と反応を見せる。 「大丈夫ですか?少し、ぼーっとしていたみたいですけど…」 「私は大丈夫だよ、追野ちゃん。うん、大丈夫」

2020-03-09 19:23:17
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その様子を、何気ない表情で紅茶を飲みながら見ていたミヨシノだったが、内心「彼女の身に何かがあったのでは?」という疑念を抱きつつ、テーブルの上に置かれていたクッキーを一つ手に取り、ゆっくりと食べ始めたのであった。

2020-03-09 19:24:57
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かつて、サイバー犯罪を犯す標的を捕える為の部署に、私は居た。 無論、私以外の機関者だってそれなりに居たし、仕事が来れば有無を言わさずでこなす様は、他の部署に居る機関者達よりも、遥かに冷酷無慈悲な存在ともいえる様だった。#Rhapsody277

2020-03-10 19:48:30
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私だってそのうちの一人で「それが当たり前なんだ」という思い込みと、言いきかせていた矢先、新たな機関者コチラへやってくるという話を聞き入れ、内心興味を持ったものの、表面では何時ものように無表情という仮面をつけながら、その機関者がやってくる姿を見ていた。

2020-03-10 19:51:47
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その機関者の性別は男、髪は青色。 ココに居る者達よりも表情が豊かそうで、いかにも「場違い」な機関者がやってきたなと、誰もが思っていた。 「今日からコチラに配属されました、青木です。よろしくお願いします」 #Rhapsody277

2020-03-11 20:09:45
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声だってハリがあるし、目も何処か輝いて見える…。 人間の感覚に近い機関者というのに接し慣れていなかったあの頃の私からすれば「鬱陶しい機関者そうだな」というのが第一印象に思いながら、私は周りに合わせて軽い拍手をし、デスクに戻ると元々空いていた席に青木が荷物を抱えて来た。

2020-03-11 20:12:48
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「改めまして、今日からよろしくなっ!」 見た目の歳は私よりは上だ、しかし、あとの事は全く興味が湧かない。 「よ、よろしく…。お願いします」 「そういや君は名前はあるのかい?」 機関者の名前というのは【最初から与えられるパターン】と【自ら得て名乗る】という風に分かれている、らしい。

2020-03-11 20:16:30
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最も、私の場合は前者寄りなので「さゑ子、です…」と静かに返す。 「成程~」 名前を名乗っただけで、何を納得しているんだろう、この機関者は――。 そんなことを思いながら、八重島はデスクの上にあるコンピューターのモニターに視線を移し、仕事にとりかかり始めた。

2020-03-11 20:19:22
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青木という機関者は、人間の感覚に近い機関者だった。 故に、それが仇となり、他の部署にたらい回しにされて最後に行きついたのがサイバー犯罪部署だったという話を小耳に挟んだが、当の本人はそう言う事を気にしていない素振りどころか、自身みたいな存在を増やそうとしていた。 #Rhapsody277

2020-03-12 21:15:51
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が、所詮は相手が機関者なのだから、無駄足にも程がある。 今日もまた、隣に座る青木は机に突っ伏しながら「なんで機関者は、こんなにも【無】なんだろうなー、さゑ子よーー」と、独り言にも近いような声を発するものの、当の私はモニターに向かいながら「機関者なんですから、当然です」と返した。

2020-03-12 21:18:42
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「でもよー、少しくらいは俺みたいなのが居たっていいんじゃねぇのかなぁ…。っと俺は思うんだわ」 「知りませんよ、そんな事」 「って言うよりも、さゑ子。お前、最初に会った時よりも俺と会話のキャッチボールしてんじゃないか?」 プチッと切れそうな音が私の中で感じ、横に居る青木に一言申した。

2020-03-12 21:22:10
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「青木さん、少し黙ってくれませんか。仕事中ですよ」 自身の中で意識をしていなかったものだった、しかし、その姿を見た青木は私の顔を見ながらに言ったのだ。 「今の、人間の感覚…いいや、感情の一つと言われてる…「怒り」って奴だぜ、さゑ子」

2020-03-12 21:29:45
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突然そのような事を言われた私は「ふざけた事、言わないで下さい」と続けて言うが、当の青木は引き続き興味深々そうに「いやぁ、怒りっていう感情は初めて見たぜ…」と私の事を見ていた。

2020-03-12 21:33:03
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私が「怒り」という感情を露わにした日以降、あの機関者は依然よりも私に話しかけてくるようになるし、仕舞には、なんやかんやで私の近くをウロチョロとする行動も見るようになってきた。 ――本当、なんであの機関者は私ばっかりに…。#Rhapsody277

2020-03-13 19:10:58
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そんなある日、サイバー犯罪部署のサブ仕事でもある書類の打ち込みを終え、少し早めに帰った時の事だった。 機関内にある個室部屋に向かう最中、誰かにつけられている気配を感じ取り、何時もより早めの足で歩くと、私の後をつける者もまた、速度を合わせて歩き出す。

2020-03-13 19:14:39
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しばらく歩いていたのち、私は足を止め「何か、私に用でもありますか?!」と振り返りながら言い叫ぶが…、やはり、私以外に姿は見えず仕舞い。 一息ついた後に前方を向き直ると、そこに見知らぬ機関者がおり「よぉー、お前、サイバー犯罪部署機関者、だろ?」と聞いて来たのだ。

2020-03-13 19:18:18
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「えぇ、そうれですけれど。それが何か?」 「気に喰わねぇよ、お前ら」 相手は如何にも嫌そうな表情を浮かべている、けれど、何故私に向けてそのような顔を浮かべているのかが分からない。 「何故です、そもそも、私がアナタに迷惑等をかけた覚えはありませんけれども?」#Rhapsody277

2020-03-13 22:48:38
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私よりも図体がデカい男の機関者は「黙れよ」と低い声で言い終えた後に、私を壁まで追い込むと「その顔が気に喰わねぇ、だから、ぶっ潰す」と言い、握り拳を振り上げる所に、勢いよく飛んできたナイフがその拳に切り傷が出来た。 「いっでぇ!誰だ、こんなの投げたのは!?」

2020-03-13 22:57:34
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本当に、誰があのナイフを投げたのか――? 私でさえも気になっていた所に、見覚えのある青髪の機関者が走って来たかと思えば「右に寄れ、コイツを一発殴ってやる!」と、行動に対する勢いで言っているのかと思ったが、青髪の機関者こと青木は本当にその機関者を殴る態勢に入っていた。

2020-03-13 23:06:34
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「んだとぉ?!てめェやる気か!」 こちらもやる気はあるみたいだが、向こうも「図体デカいからイコール腕っぷしが良いなんて、思い上がるなよ。俺にだってプライドってのがあるんだ。この野郎!」と、煽りにも近い事を言う辺り「そこまで言わなくても…」と思ってしまうのは、私だけだろうか――?

2020-03-13 23:09:42
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「ってぇ、もーちょい優しくしてくれよな、さゑ子!」 「大人しくしてください、もう少しで終わりますから」 結局の所、柄の悪い機関者との対決を制した青木だったが、その代償として、体の所々に幾つもの傷が残ってしまい、機関内にある救護室へ運び入れた八重島が手当てをしている。#Rhapsody277

2020-03-14 18:49:33
伍条 月斗(創作アカ)⇒ネップリ登録中!! @5jyouTsukito

そもそも、機関者は人間とは異なる存在が故に、自身の身体がどんなに負傷しようとも、時間が経てば元に戻るもの。 ――何故、この機関者の傷はどうして直ぐに治らない?軽い傷ならば、数分で戻るハズなのに…。 手当を終えると、八重島は一息ついてから青木に申す。 「もう、無茶はしないで下さいよ」

2020-03-14 18:54:20
伍条 月斗(創作アカ)⇒ネップリ登録中!! @5jyouTsukito

「はいはい…」 「返事は一度で十分です」 「…ハイ」 青木は上着の内ポケットから先程投げつけたナイフを取り出して様子を見る姿に、私はつい「ソレが、アナタの武器…なんですか?」と聞いてしまった。

2020-03-14 18:59:47
伍条 月斗(創作アカ)⇒ネップリ登録中!! @5jyouTsukito

「まー、そんなところかな。最も、コレ自体はただの食器用ナイフだから殺傷能力もなければ、処する能力もねーけどな」 「そう、ですか…」 私は救急道具を棚に仕舞い、部屋を出て行こうと思った。 しかし、その歩みが止まり、思わず振り向くと、私の手首を強く握る彼がそこにいた。

2020-03-14 19:04:53
伍条 月斗(創作アカ)⇒ネップリ登録中!! @5jyouTsukito

「なんで、止めるんですか?」 「なんでかなぁ、俺も不思議に思う所だが、ともかく今言える事と言えば……俺の心情は今「寂しい」と思ってる事だけは確かなんだわ」 「知りませんよ、そんな事」 「何もしなくてもいい、ただ…、隣に居てくれるだけでいいから」

2020-03-14 19:07:25
伍条 月斗(創作アカ)⇒ネップリ登録中!! @5jyouTsukito

我儘…という言葉を知らないのか、この機関者は。 そう思いながらも、私は一息つくと「…って言うよりも、私と青木さんは席が隣同士なんですから、何を今更ヘンな事を言うんですか。意味が分かりませんよ」と返す。

2020-03-14 19:10:33
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まとめたひと
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

基本は自分が考えた創作ッ子達の事を呟いたり、絵を上げたり、お話も書いたりします。偶に違う話等もしておりますが……ようは気まぐれだが基本は創作用アカウントです。(※食べても美味しくない鶏野郎で無言フォローをしたり、時として話すとアツくもなりますがそれでもよろしければです)御用の方はDMまで。