( NHKテキスト100分de名著 #黒い皮膚・白い仮面 を読んだ段階でのまとめです。邦訳本を読み終えたら、さらに付け加えるかもです)
0
花びんに水をدعونا نملأ المزهرية بالماء☘️ @chokusenhikaeme

フランソワ・トスケルらの制度そのものを分析する「制度的精神療法」を、彼は1953年に主任医師として赴任したアルジェリアのブリダ精神病院で実践することになります。 人間の相互認知というテーマは以前からあったのですが、 " Négritude "(ネグリチュード)がサンコファをつねに求めるところに

2021-02-10 13:01:40
花びんに水をدعونا نملأ المزهرية بالماء☘️ @chokusenhikaeme

黒人と白人の差異が強調されるだけという問題を感じ、その差異を認めたうえで、たがいに理解し合う方法こそ模索しなければならないと考えます。  「私はある日世界で自己を発見する。そして自分にただひとつの権利を認める。他者から人間的行動を要求する権利を。」

2021-02-10 13:09:07
花びんに水をدعونا نملأ المزهرية بالماء☘️ @chokusenhikaeme

まさに現在、この権利が(ⅱ)で触れた" Humanitude "(ユマニチュード)でも要求されています。  人は部分に還元できない全体として、互いの関わり合いの中で生き、その関わりが文脈を失う時、精神を病むという現在の観方にも通ずるものもあります。

2021-02-10 13:20:50
花びんに水をدعونا نملأ المزهرية بالماء☘️ @chokusenhikaeme

ここでは、ウェイクフィールドの「有害な機能不全モデル(HDモデル)」についての批判を挙げておきます。(石原)  しかし心理的・行動的な問題を個人に帰属させる機能不全の概念は、社会的な文脈のうちでこそ「機能する」ものなのではなかろうか。何が社会的に解決されるべき問題で、何が個人の問題で

2021-02-10 13:28:23
花びんに水をدعونا نملأ المزهرية بالماء☘️ @chokusenhikaeme

あるのかは、社会的にしか決まらない。その最も大きな要因は、精神科医療の利用者のニーズに求められるべきだろう。何らかの心理的・行動的な問題を抱え、それを個人的な機能の問題であると感じる個人が、精神科医療のサービスの利用を求める時、そこに「精神障害」が成立する。

2021-02-10 13:34:00
花びんに水をدعونا نملأ المزهرية بالماء☘️ @chokusenhikaeme

しかし、正常と異常の客観的な境界を確定し、精神障害の科学的な分類を進めようというプロジェクトを放棄し、問題を中心としたアプローチへと移行していくべき時期にきている。精神科医療の利用者が抱える問題に対して、どのような対応が可能なのかという観点から精神障害概念の再検討と精神医学体系の

2021-02-10 13:39:15
花びんに水をدعونا نملأ المزهرية بالماء☘️ @chokusenhikaeme

再構築を試みる必要がある。ライルは、Psychiatrie を、対象領域に関する言葉としてではなく、治療の方法を示す言葉として考えた。精神障害をいかに分類するかではなく、精神障害と捉えられている問題に対してどのようなサービスを提供できるのかという観点から、精神医学を捉え直す必要がある。 pic.twitter.com/qw8NgQ58pV

2021-02-10 13:46:32
拡大
花びんに水をدعونا نملأ المزهرية بالماء☘️ @chokusenhikaeme

~ 石原孝二「精神医学における記述的方法と「機能不全」モデル…精神障害概念と「自然種」」科学哲学47-2, pp28-9, 2014  最後に、#100分de名著 ファノン第3回(「呪われたる者」の叫び) の後半の「私はどこに自分を位置づけるべきなのか」を考えてみます。

2021-02-10 14:09:14
花びんに水をدعونا نملأ المزهرية بالماء☘️ @chokusenhikaeme

他者のまなざしによって自分の「地(トポス)」が崩れ落ちる体験を、ファノンはサルトルの「対他的存在」(他者の対象としての自己)を参照して考えました。白人のまなざしによって黒人が規定される。「白人のまなざしが私を解剖する。」「ニグロの下着はニグロの臭いがする。」

2021-02-10 14:19:00
花びんに水をدعونا نملأ المزهرية بالماء☘️ @chokusenhikaeme

(少し話がずれますが、「精神科の臭いがする」と言われる体験について、かがわともこさんの漫画があります。) twitter.com/chokusenhikaem…

2021-02-10 14:23:28
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

「やさぐれ日記⑧」かがわともこ、 (『こころの元気+』地域精神保健福祉機構・コンボ、2021.02. pp.8-9 ) pic.twitter.com/s2FIEEGmMF

2021-02-05 12:40:32
花びんに水をدعونا نملأ المزهرية بالماء☘️ @chokusenhikaeme

ニグロは「新しいひとりの人間」ではなく「新しいタイプ」に過ぎず、「私はどこに身を隠すべきか?」  ファノンは白人のまなざしの対象であることを拒絶し、彼を「他有化」しようとする白人をまなざし返します。  ここで、女性の男性による視姦体験について考えてみましょう。

2021-02-10 14:40:06
花びんに水をدعونا نملأ المزهرية بالماء☘️ @chokusenhikaeme

シス女性はもちろんトランス女性も日常このような体験をしています。  ジェンダーカテゴリーの要請に対して、Sally Haslanger は生物学的本質主義的定義を提唱し、Katherine Jenkinsに「トランス女性などの抑圧された女性を排除している」と批判されました。考慮されるべきは、特定の女性個人ではなく

2021-02-10 14:52:06
花びんに水をدعونا نملأ المزهرية بالماء☘️ @chokusenhikaeme

女性というジェンダーカテゴリーです。(西條)  Kimberlé Crenshaw は、女性差別の問題は白人女性が、人種差別の問題は黒人男性がその問題を代表してしまうと、米国の裁判記録に基づいて指摘しました。黒人女性のように、複数の抑圧のカテゴリーが交差する場所にいると、差別される単独の要因を

2021-02-10 15:03:46
花びんに水をدعونا نملأ المزهرية بالماء☘️ @chokusenhikaeme

取り出すのは不可能です。「人種と性の交差点を脱周縁化する̶反差別原則・フェミニズム理論・反レイシズム政治のブラック・フェミニスト的批判」でインターセクショナリティ( intersectionality) を訴えました。複数の差別される社会的性質・身分にある状況の抑圧の交差性のことです。

2021-02-10 15:15:53
花びんに水をدعونا نملأ المزهرية بالماء☘️ @chokusenhikaeme

「女性」の特定の定義が問題なのではなく、あらゆる「女性」の定義は内在的に政治的な問題を含んでいると述べたのは、Judith Butler です。「女性とはPであり、かつPであるならば女性である」というどんな定義も、女性であるための無言の規範的要請になってしまう。

2021-02-10 15:29:07
花びんに水をدعونا نملأ المزهرية بالماء☘️ @chokusenhikaeme

「アイデンティティのさまざまなカテゴリーは、断じて単に記述的なのではなく、常に規範的、そしてそれ自体排他的なのである。」  女性らしいとされる振る舞い方、ジェンダーコードに従った行動パターンを積み重ねると、それがあたかも女性というジェンダー・アイデンティティが〈自然に〉備わって

2021-02-10 15:32:33
花びんに水をدعونا نملأ المزهرية بالماء☘️ @chokusenhikaeme

いるかのように見えます。「女性」という概念は不安定で実体のない構築物なのだから、Butler は、自分のジェンダーの実践方法を「撹乱(suberting) 」して再考しろと言います。  一方で、ジェンダー概念を系譜学的に見たらどうかと、 Alison Stone はジェンダーの社会構築性を訴えます。

2021-02-10 15:43:43
花びんに水をدعونا نملأ المزهرية بالماء☘️ @chokusenhikaeme

「女性が女性になる時には、これまでに確立した女らしさの文化的解釈に手を加えている。その結果彼女は他のすべての女性たちとともに、解釈の重なり合う鎖の歴史に位置づけられる。」女らしさ自体もこうした解釈の実践によって変化する。女性全員が共有する性質(本質)はないが、歴史的な繋がりをもつ

2021-02-10 15:46:57
花びんに水をدعونا نملأ المزهرية بالماء☘️ @chokusenhikaeme

女性や男性といった言葉の指し示す範囲、どんな性質をもって女性や男性とみなされるかは、自分たちの行動や実践の積み重ねで変革できる。フェミニズムが目指すのはジェンダー不正義の終結であり、改革の対象となるのは個人のあり方ではなく社会制度であると考える。(西條 玲奈)twitter.com/r_saijo/status…

2021-02-10 15:56:08
西條 玲奈 / SAIJO Reina @r_saijo

この秋冬学期におこなった分析フェミニズム中心の授業、最終科のスライド資料を公開しました。この回の「分析系」らしいのはE.スペルマンとS.ハズランガーが出てくるところくらいかもしれないけど。第15回「総括 ジェンダー本質主義論争をふりかえる」researchmap.jp/multidatabases…

2021-02-06 11:21:20
花びんに水をدعونا نملأ المزهرية بالماء☘️ @chokusenhikaeme

フェミニズムのジェンダー・アイデンティティクライシスは、ファノンの「白人は黒人を、つねにある「皮膚の色」とともに差別的な表象を背負わされた集団との関係においてしか捉えていない」という指摘と関連します。黒人を作るのは他者のまなざしなのです。

2021-02-10 16:04:31
花びんに水をدعونا نملأ المزهرية بالماء☘️ @chokusenhikaeme

黒人は、白人に対してしか、白人のためにしか存在しないことになります。黒人は受動的な存在として、世界の意味を主体的に構成する機会を奪われたままです。  ファノンはどうすれば「黒い皮膚の人間を、彼自身から解放」できるのか。

2021-02-10 16:08:33
花びんに水をدعونا نملأ المزهرية بالماء☘️ @chokusenhikaeme

精神科医としてファノンは、被植民地の人々が自らの「乳白化」の欲望を意識化するだけではなく、社会構造そのものを変える方向に行動できる手助けをすることが自分の務めだと言います。 「私の目的は、動機がひとたび解明されたなら、彼が葛藤の真の源に向けて、行動(あるいは受動)を選ぶことのできる

2021-02-10 16:16:10
花びんに水をدعونا نملأ المزهرية بالماء☘️ @chokusenhikaeme

ようにすることとなろう。」  「一定の状況を引き受けたり否定したりする」ことのできる「可能性」こそが、人間を人間たらしめるとファノンは考えます。そして、その社会の構造は人間によって変革しうるという信念があります。

2021-02-10 16:21:12
花びんに水をدعونا نملأ المزهرية بالماء☘️ @chokusenhikaeme

(p.123) アラブ人であれ、ユダヤ人であれ、黒人であれ、人間に対してなされる差別はすべて、一人の人間である自分に対してなさた差別であり、それを見過ごすことは、自分自身が差別に加担していることになり、同時に自分の中の人間を否定することになる。

2021-02-10 16:24:21