がんばってよみました。むずかしかったです。 メモは別箇に取ってたんですが、ツイートはⅣ章以降のみです。 ―――――――――― アンリ・ルフェーブル(斉藤日出治 訳)『空間の生産』青木書店、2000年 >社会空間とはなにか。資本と国家が巧に切り分け編成する抽象空間。現代資本の矛盾と対抗のうちに抽出した、「空間の権利」宣言。20世紀社会科学フロンティアを拓いた社会学の新しい古典。 続きを読む
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『空間の生産』とはどのような本か(読了後のツイートより)

永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

『空間の生産』は、1990年代以降の“空間論的転回”において強い影響力を持った哲学書。マルクス思想に立脚しつつ、社会空間がどのように構成・認識されているか、そしてその問題点はどこにあるかを論じている。非常に抽象的かつ難解だが、空間について考えるための重要な概念が多く盛り込まれている。

2019-12-31 21:06:45
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

簡単な(と言ってもそれなりの分量はあるが)説明としてはこちらを。関連する論者としては、フーコー、バシュラール、カステル、ハーヴェイ、ソジャ、マッシーなど。 10+1 web site|「空間」を(とりわけ社会の中で)考えようとする者たちへ|テンプラスワン・ウェブサイト 10plus1.jp/monthly/2004/0…

2019-12-31 21:13:55
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

ルフェーヴルは人文地理学(特に地理思想)でもよく触れられる。自分の場合は、加藤先生の書いた文章にたびたび登場するところから興味を持った。ようやく読めた、という気持ち。 twitter.com/Naga_Kyoto/sta…

2019-12-31 21:17:33
永太郎(ながたろう)@『色分け日本地図』発売中! @Naga_Kyoto

加藤政洋「都市空間のヘテロトポグラフィ - 10+1 web site」10plus1.jp/monthly/2011/1… 「3つのトピー」から見るまち歩きか。ルフェーブル、読まなきゃ。パサージュ論もまだ読んでないや。

2016-06-15 05:15:07
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

『空間の生産』でよく言及されるのは、「空間的実践」「空間の表象」「表象の空間」という三つの概念。しかしこれはすこぶる分かりづらい。心的空間と現実空間は別物であり、両者の(時に戦略的になされる)混同に警鐘を鳴らしている、くらいの意味合いだけれども、おそらくこの説明では伝わらない。 pic.twitter.com/0svYRJHMTA

2019-12-31 21:24:24
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永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

もう一つ重要なのが「作品」と「生産物」という概念。これはマルクス主義的用語で、前者が使用価値、後者が交換価値と結びつく。本書の主張をまとめるなら「人類の空間を人類の集合的(類的)な作品として生産すること」(p.602)といったところだが、これだけではナイーブな懐古趣味と区別がつかない。 pic.twitter.com/VdKvxi1NJQ

2019-12-31 21:33:10
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永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

闘争、革命といったラディカルな用語もよく登場するが、一旦そことは距離を置いて、空間を分析するための諸種の概念を得るために読むのがいいのかな、というところ。「生産される差異/誘導される差異」「論理的なもの/弁証法的なもの」など、そこに軸を引くのか、と驚かされる部分が多かった。

2019-12-31 21:40:31

読んでいる最中のツイート

永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

『空間の生産』を読んでたら〈知覚される領域〉〈思考される領域〉〈生きられる経験〉っていう分かりやすい言い方が出てきて、最初からそう言ってくれって気持ちでいっぱい。

2019-04-08 18:57:28
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

『空間の生産』読書会、ようやく第Ⅳ章まで進んだ。印象に残ったのは都市計画への批判。ルフェーヴルは、結果としての抽象空間(空間の成果)と原因としての抽象空間(空間の容器)を取り違えてはいけないと警告している。これは本質的な指摘だと思う。

2019-08-09 00:07:02
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

『空間の生産』読書会。今回からは第Ⅴ章に入った。形式的な空間の捉え方には、心的なものと社会的なものを分離する「論理」と、両者の差異を覆い隠す「隠喩」があり、このうち「隠喩」は可視的・数学的なものを社会空間そのものと誤認させる危険性がある。

2019-08-17 00:46:32
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

「論理」「隠喩」はどちらも、心的空間における抽象(内容なき抽象)を思考の起点とする誤謬を犯している。ルフェーヴルはこの両者を退け、社会空間の考察は「実践」から始めなければいけないと主張する。ここで登場するのが、商品や貨幣といったマルクス主義の概念(具体的な抽象)。

2019-08-17 00:46:32
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

『空間の生産』では「論理」「隠喩」などの用語が、一般的な語義とは異なる意味合いで使われており、非常に分かりづらい。何度も同じ内容が反復されるうちに、徐々に意味が見えてくる。もっと分かりやすく書けないのかと文句を言いたくなるが、抽象的なテーマを語るにはやむを得ないのだろう。

2019-08-17 00:51:28
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

「空間の生産」という概念は単に「その場所の物的景観を改変すること」という意味ではなく、「空間に対する認識そのものを生み出すこと」という意味で考えないとその有用性がよく分からなくなるな。

2019-12-12 21:04:33
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

「空間の生産」という概念は単に「その場所の物的景観を改変すること」という意味ではなく、「空間に対する認識そのものを生み出すこと」という意味で考えないとその有用性がよく分からなくなるな。

2019-12-12 21:04:33
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

マルクス思想に対する二つの誤った態度 ①マルクスの思想を一つの体系と見なして既存の学問に取り入れること ②「異議申し立て」の名の元にマルクスの思想をぶち壊そうとすること 「教条主義」と「修正主義」の対比と似ている?(②は修正主義よりもっとラディカルかも)

2019-12-21 10:12:03
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

ルフェーヴル曰く、これらの態度はいずれも誤りであり、むしろ「思想を内在的・本質的な形で発展させること」が重要。マルクスは二項対立で資本制生産様式とブルジョア社会を分析するが、これを三項対立で捉えるべきなのだそう(マルクス自身もそれを試みてはいた)。(と考えると修正主義的なのか?)

2019-12-21 10:18:16
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

「資本制生産様式とブルジョア社会には、二つではなく三つの要因が、つまり三つの側面ないしは「ファクター」が存在する。土地(《マダム土地》)、《資本》(《ムッシュー資本》)、労働(《労働者》)がそれである。言い換えれば、地代、利潤、賃金がそれである。→

2019-12-21 10:24:53
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

→この三つの項目の間の相互関係を暴き出し、それを説き明かさなければならない。」 資本論に登場するムッシュー・カピタル(資本氏)とマダム・ル・テル(土地夫人)という擬人を念頭に置いた一文。

2019-12-21 10:24:53
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

・経済学者は「希少性」を扱う ・伝統的社会と資本主義社会、あるいは農村と都市では財の希少性が逆転する(自然財と工業製品など) ・「空間の不足」は都心において顕著に見られる社会・経済的な現象

2019-12-21 10:32:47
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

「中枢性」概念について >中枢性の問題は社会空間と心的な空間を結びつける。 >中枢性の概念は数学を起源としている。いかなる「点」も集積点である。 >中枢性を定義するのは、空間の中に共存するものの集結と出会いである。 >中枢性という形式は、同時性を意味しており、同時性の結果である。

2019-12-21 11:25:27
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

加藤 政洋「アンリ・ルフェーブルの中枢性概念に関するノート」空間・社会・地理思想 (14), 31-39, 2011 dlisv03.media.osaka-cu.ac.jp/il/meta_pub/G0… >ユートピー-イゾトピー-ヘテロトピーの三項からなるもうひとつの空間論について pic.twitter.com/WaSo7w4ILc

2019-12-21 11:38:27
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永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

”三つのトピー” ①イゾトピー:類似した空間 ②ヘテロトピー:たがいに反駁しあう空間 ③ユートピー:象徴界と想像界によって、つまり自然・絶対知・絶対的権力といった「観念性」によって占拠された空間 ①は日常生活の空間、②はフーコーのヘテロトピア、③は表象の空間と解釈すればいいのかな pic.twitter.com/bexhihEVBS

2019-12-21 11:49:14
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永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

この論文は『空間の生産』を通読してから読み直したほうがいいな…。『都市革命』も余裕があれば目を通しておこう。

2019-12-21 11:51:34
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

これについては、480頁に「空間における矛盾」と「空間そのものの矛盾」として説明がなされていた。 「空間そのものの諸矛盾は、空間における矛盾を包み込み、それらを前提とし、自己をそれらに組み入れる」 twitter.com/Naga_Kyoto/sta…

2019-12-21 11:54:42
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

不動産市場における空間の消費について >空間の購買者が購入するのは、居住可能な容積であり、他者とコミュニケートすることができる容積であり、宣伝用パンフレットの美辞麗句およびある程度の「区別」の記号によって記号学的な刻印を押された容積である。

2019-12-21 12:45:38
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

>「マルクスは死んだ」と言われるときに、マルクス主義が再燃する それはそう

2019-12-21 12:56:03
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

第Ⅴ章読了。色々ググったりサボったりしながらなのでとても時間がかかる。

2019-12-21 15:08:36
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

アンリ・ルフェーヴル『空間の生産』 第Ⅵ章「空間の矛盾から差異の空間へ」 なんとか年内に読み切りたい。以下、読書メモ。

2019-12-29 13:36:18
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

「消費の空間」と「空間の消費」の弁証法 消費の空間:量的,日常,市場と商品,国家による管理 空間の消費:質的,余暇,物質性と自然性,自由な身体 →「余暇の商業化」として統一されるが、やがて矛盾が生じる

2019-12-29 13:49:51
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

三項の相互作用(A→B→C) ①消費の空間→余暇と余暇空間→空間の消費 ②日常性→祝祭→非日常性 ③労働→労働を問い直す過程→非労働 この三つはそれぞれ対応するんだそう。とすると、さっきの整理は間違いだったかな…。Aはデフォルトの状態、Cは¬A、BはCに至る過程って感じ?

2019-12-29 14:04:02
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

均質性↔断片化 ・・・どちらも記号的操作 >空間は、区別と差異を、可視的で読解可能な領域の無差別状態へと還元する傾向を持つ >「中枢 - 周辺」の矛盾が生じてくるのは、「総合性 - 細分化」の矛盾からである。 統一的権力によってゾーニングがなされ、それが地図に現れるというイメージ

2019-12-29 14:25:55
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

使用価値と交換価値の対立 使用価値:領有,リズム・象徴・実践を含んでいる 交換価値:所有,単一の機能に還元されている 空間の買い手は、空間を購買することによって「時間」を手に入れる →使用価値の認識における「リズム分析」の重要性 「家」と「不動産」を例にすると分かりやすいかも

2019-12-29 14:34:12
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

第8節は建築(家)の空間について。「ユーザー」や「住民」といった言葉は、誰にでも当てはまるが、結局のところ誰にも当てはまらない空疎な言葉だという指摘がなされている。モノの具体性に比べてヒトの具体性が追い付いていないと言い換えられる?

2019-12-29 15:19:51
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

複合的な空間を解読するための「格子枠」 第一の格子枠 1.イゾトピー(類似した空間) 2.ヘテロトピー(たがいに反駁しあう空間) 3.ユートピー(象徴界と想像界によって占拠された空間) 第二の格子枠:場の利用方法や場を利用する者に応じた場の分類 第三の格子枠:混沌に秩序を見出す戦略

2019-12-29 16:28:54
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

>人類の最後の代表者たる哲学者は、みずからの注意と関心を存在論的に特権化された説明の場に固定することができる。哲学者はもはや《存在》ではなく、《非存在》の最高の《原因》と《理由》を瞑想することができるのである。 すげぇ文章やな

2019-12-29 16:41:24
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

普段哲学書を読まない自分にとっては、ルフェーヴルがすげー人で『空間の生産』が学史上ちょー重要な本って理由がないと到底読み切ろうとは思えない。読んでて面白い箇所はたくさんあるけれども。

2019-12-29 16:45:19
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

「アスファルトの魔術的循環」(グッドマン) ガソリン税収増→道路インフラ整備→自動車の増加→ガソリン税収増… >空間の消費は、剰余価値を生産すると同時に、もう一つの空間を生産する

2019-12-29 17:32:23
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

17節まで読んだ。今日はここまで。とてもゆっくりなペース。こんなのでいいのかしら。

2019-12-29 17:32:58
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

『空間の生産』、第Ⅵ章「空間の矛盾から差異の空間へ」まで読んだ。これまでは読書会をやりつつ進めていたが、この章は一人での読書。一応メモを取りながら読んでいるものの、分からないところは本当にさっぱり分からない。さて、次が最後の章。がんばろー。

2019-12-30 14:18:26
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

あと20ページほどのところまできた。今日は晩に予定があるので、読み切るのは明日にまわそう。せっかくなら読後の余韻に浸りながら一年を締めたいので。

2019-12-30 14:55:22
Tadahito_TMI @tadahito_tmi

@Naga_Kyoto 昔に読破しましたが、後半ほど意味不明な記述が増えていた記憶があります。Amazonレビューの受け売りですが、誤訳も多々あるそうなので、そういうものとして読んだほうがいいと思います。

2019-12-30 14:59:44
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

@Tadahito_TMI そんなもんなんですね...笑 英訳版はwebで見れるっぽいので、適宜参照しながら理解を目指します。

2019-12-30 15:06:09
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

アンリ・ルフェーヴル(訳:斎藤日出治)『空間の生産(社会学の思想 5)』(青木書店、2000年、原著1974年) ついに読み終えた!!今年の4月から勉強会を挟みながらじっくり読み進めていたので、実に8か月もかかってしまった。一つの本にここまで時間をかけたのは初めて。感慨深い…

2019-12-31 20:59:42
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

地理学・建築学の学生と進めていたルフェーヴル『空間の生産』読書会は、昨日が最終回だった。身体論、建築論など関心点は様々ながら、難しいねー、という感想は共通していた。最後の章の中国礼賛はちょっと蛇足だった気がするが、それでも重要な本であることは変わりない。

2020-03-09 20:08:21
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

次はソジャ『第三空間』を読んでみる。ルフェーヴルに比べればまだ読みやすいかな...

2020-03-09 20:19:46