明治パロ晴道で、お寺の養子になってる道リリィに援助する足長おじさん晴の話なんだけど、晴は道に顔を見せないから、養父の住職にお礼の手紙を書きたいという道。月1学校であったこと、星が綺麗だったことを手紙に書いて送るんだが、送り先が陰陽寮の土御門様宛になってて、それで陰陽道に興味を持つ
2021-02-13 00:44:02陰陽寮宛に届く手紙にちゃんと返信する晴なんだけど、自分のことは語らず(陰陽頭の執務室の)窓の外に桜が見えているとか、汽車が通り過ぎましたとか、勉強を頑張ってえらいねとかそういう他愛のないことを書く晴。その手紙を大事に大事に保管して、土御門様はどういう方なのだろうと空に思う道リリィ
2021-02-13 00:46:49養父の住職に何度訪ねても、足長おじさんのことを教えてくれないので、自力で調べるために陰陽寮の官僚を目指すことにする道リリィ。 「お会いしたい」と手紙に書く道リリィに、「いつかきっと会えるとも」と返す晴。道が成長して陰陽寮の官僚になっても、ばれるまで話さなさそうだな…
2021-02-13 00:50:04世襲が多い陰陽寮で、一般から入った道。周りからの視線が冷たいが、恩人である土御門様にお礼を直接言いたいがために頑張ってたら、いつの間にか陰陽助に。陰陽頭は忙しく余り寮にいないので、陰陽助になるまで顔あわせたことがなかった。実質、陰陽寮の執務は陰陽助の道の肩に重くのしかかる。
2021-02-13 13:18:19あ、これ陰陽頭と陰陽助同じ執務室だとおいしいな。同じ部屋にしよう。陰陽頭の大きな机はいつも空席で、その横の陰陽助の机でいつも一人決済などやってた道。一般からのし上がった道を快く思わない職員から、必要な書類を回してもらえない状態が続いていて、暇人どもめと悪態つきながら仕事してた。
2021-02-13 13:21:14ある時、どうしても過去の決済資料が必要なのに回してこなくて、ぶち切れながら倉庫にむかったら、さすが陰陽寮。とんでもない寮の資料があって、「この中から探せと…?」と目眩を起こしつつも地道に探してた道。興味深い資料に目を奪われたりしつつ、一心不乱に探してたら倉庫の奥から人が出てきた。
2021-02-13 13:27:44「何を探していますか?」品のいい着物をきた男が、口元を扇で隠しにこやかに笑っている。容姿だけ見れば華族の息子かどこかの家元にも見えた。陰陽寮の倉庫にいるとなると、この男も職員かと目星をつけて、以前の決済資料を探しているというと、男はふんふんと頷き、「貴方の部下の仕事では?」と。
2021-02-13 13:30:25どうも拙僧が気に喰わぬようでしてと答えたら、男はそれは困りましたねと笑って、奥から「これがお探しの資料です。あと、その議題ならこの資料が役にたつでしょう」と資料を探してきてくれた。男に感謝を述べてばたばたと後にする道。執務室に戻って業務に戻れば、男がくれた資料が本当に役にたった。
2021-02-13 13:45:16それから道は資料探しに倉庫に訪れるんだけど、男はいたりいなかったりして、いたときは凄くためになる資料や話をしてくれる。男は忙しいようで余り話をできない時もあれば、茶請けを用意して倉庫で休憩したりなどしていた。涼やかで物腰柔らかな男に「土御門様は、このような方かな」と思ってる。
2021-02-13 14:17:55陰陽寮の職員はスーツを着ていることも着物を着ていることもあるが、男は時に着物、時にスーツと着分けている。道は動きやすさ重視でスーツ一択。ある時、とても重要な仕事の書類をまわされず、いい加減ぶち切れた道が部下に文句を言おうとしたら、背後から「何の騒ぎかな?」と声をかけられた。
2021-02-13 14:20:44あぁん?と後ろにメンチをきれば、いつも倉庫にいる男が、スーツ姿にハットで口元を隠し、美しく笑っている。背筋にぞっとするものを感じながら、ああこの人かと思っていたら、部下たちが顔を青ざめさせて「陰陽頭様!」と言うものだから、道も思わず「え、本気ですか?」と本人に聞いてしまった。
2021-02-13 14:25:57「本気だとも。久しいね」「……お久しぶりです」ぺこりと頭を下げる道に、晴はにこにこと笑って小首を傾げた。「ところで、何の騒ぎかい?」道が説明をしようとしたら、慌てて部下たちが遮り、「この人が難癖をつけてくるのです!」「資料を渡しているのに渡してないとか!」と口早に嘘をいいつのる。
2021-02-13 14:28:35晴はすっと目を細めて「おや、私は道に聞いているのだけれど?」と言えば、部下たちは顔色を土色にして震えている。「で、道。何の騒ぎだろうか?私が不在の間、お前がよく勤めてくれていた事は知っているが、何か不手際でもあったかな?」と笑顔で問いかける晴に「あ、こいつ性格悪いな」と察する道
2021-02-13 14:31:44お前倉庫で散々聞いてるのに、この場でいわせる気かと思いつつ、今までのこと現在のことを淡々と事務的にのべる道。時折部下たちが声を荒げるも、晴が一睨みすれば生まれたての小鹿のように震えてしまう。一通り話終われば、晴はうんうんと頷きながらにっこりと笑った。
2021-02-13 14:34:06「なるほど。己の職務を果たさない者はいらないね。ここにいる者たち全て荷物を纏めるように。何か言い分があるなら、あとで私のところに来なさい。まあ、全て証拠は出揃ってますが、それが反証できるなら聞いてあげますよ」とさらりと言う晴に、部下たちが震え上がってる。やりすぎでは?とひいてる道
2021-02-13 14:48:08執務室に戻ってきて、ハットやコートをかける晴に挙動不審になる道。いつもは倉庫でにこやかにしていた晴がいきなりあんな人を震え上がらせるような顔つきをするから、少し驚いている。「どうかしましたか、道?」「あ、いえ……陰陽頭とは知らず、今まで失礼なことを申し上げておりました…」
2021-02-13 15:55:03割と暴言に近いことをはいたり、敬語ほぼなしで喋っていた自覚ありの道。きょとんとしたあと、けらけらと笑いながら、ずずっと晴は道との距離をつめた。「いや、何。お前と最初に会った時から職員について探っていたんだが、後任やら何やらの手続きが済んだのが先程でね。手間をかけさせたね」
2021-02-13 15:57:56「私は別に気にしてないし、むしろ今まで通り接してほしい。堅苦しいのは苦手ですので」美形がにこりと笑うと迫力あるなと思いつつ、こくりと頷く道に晴はうんうんと嬉しそうに頷いて、するりと頬を撫でた。ぞわわと鳥肌がたつ。「よくここまで大きくなりましたね。実に感慨深い」「は……?」
2021-02-13 16:04:19「いや、こちらの話です」さて、久しぶりに陰陽寮の仕事をしましょうかと離れていく晴に、悪寒やら胸騒ぎやらで心臓がばくばくいってる道も、腹立たしげに席について書類を整理始めた。晴はさすが陰陽頭なのか、時折質問を投げかければさらりと答えるし、陰陽道についてもかなりの博識だ。
2021-02-13 16:06:29独学とはいえそれなりに自信があった道ですから歯噛みするほどで、晴も楽しそうに陰陽道について問答をする。「私について来れるのは、お前ぐらいでしょうね」「すみませんね!勉強不足で!!」「そういうことを言ってるんじゃないんですけどねー」
2021-02-13 16:08:01