リルの呟き〜ダイの大冒険〜

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贔屓の引き倒しというか坊主憎けりゃというかそういうことをポを見ていて実感してしまう。

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ポは並外れた大天才とかではないと思う。才能でいえば上の下ぐらいのイメージ。才能があるにはあるし、一般からは天才に見えたりもするけどその世界に入れば同じかそれ以上のがごろごろいる感じの

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まぞっほもたぶん同じぐらい。人間にはそれだけの可能性があるということだと思う。

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初めて読んだ時からポがラーの話で涙を流したのにちょっと違和感があって今も謎 もともと感情的でよく泣くキャラではあるのだけど

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ヒュと戦った時は泣くような素振りはなかったし、それどころか電撃呪文を当ててざまあみろとはしゃいでいた。本当にあの強敵を倒せたのかという不安を払拭する心理が多分に働いていたのだろうけど、あまり同情的な感じではなかった。

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相手の気持ちを慮る余裕がなかったのかもとも思ったけど、ヒュが溶岩に沈む時も、ラーの後になるけどザムザの時も、涙を流すまではいっていない。

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何でラーの時だけ泣いたんだろう。他と比べて自分に重ねやすい話というわけでもなかっただろうし。

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タイトルは宿命の騎士。「騎士」であって、「勇者」ではない。竜の騎士は宿命だけど、勇者は宿命ではない、ということだろうか。自分で選べる。

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ポとロが似ているという話をよく聞くけどそうでもないと思う。どちらも読者が視点を置きやすいキャラとして作られているとは思うけど、少なくともポを見てロを連想するというほどには似ていない。

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もしそうなら誰を見てもロを連想してしまうだろう。外伝の各場面でいるのがロでなくてポだったら、あるいは本編でポのかわりにロがいたら。その言動はポとロでは全然違うものになったろうとは思う。

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外伝でポだったら 魔の森→ここまできて引き返すなんてとごねる レイ正体判明→なんで会ったときすぐ解毒してくれなかった ネイル→怪我が治るまでのんびりしよう

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図書館→ロとあまり変わらず燃えるマト本見て泣く ウル村→謝礼もらおう野宿やめて泊めてもらおう オト姫→正体見て化物とか言うかも。倒したら喜びやったなと勇者に声をかける …やっぱりそんなに似てない

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ダ&レだけだとどうも無味乾燥な感じであまり心に来ない。でもダがいないと芯を失って熱が霧散する。 ダは「強烈に自己を主張する人ではないが、いなければいないとすぐわかる」人なのだと思う。

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ポとシグの戦いが名勝負にあがってるのをよく見かけたけど、私はあまり感銘を受けなかった。一対一の戦いの醍醐味は、互いの全てをさらけ出しての心と魂のぶつかり合いだと思っているのだけど、この戦いでは両者の内面はさほど描かれていないように感じたから。

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他キャラの一対一の戦いでは、互いが互いの特性を引き出して、より両者の輪郭が鮮明に浮かび上がってくるのだが、ポとシグの戦いではどうもそうなっていない。噛み合っていない。

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実はポは職業特性を抜きにしても一対一にはあまり向いていないような気がする。見た目や肩書きや表面的情報を鵜呑みにしてしまうところがあって、自分の目でそれそのものを見ようとしていないというか。だからポだけでは相手の姿が見えてこない。

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初めてクロコと会った時も、ちゃんと相手を見ようとせず、「ダイに負けたハドラーの部下だから楽勝」と思ったり、 偽マの時も自分の違和感より眼前の存在に引っ張られ、 大魔王や超魔の恐ろしさもすぐには見抜けなかった。 相手が敵味方関わらずその外見に言及することも多い

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顕著なのは先生と再会した時で、「つい今しがた自分を助けてくれたスゴい力」という事実よりも、かつてのハドは弱いという誤ったイメージの方にとらわれてしまっている。たとえ今の使徒でも当時のハドに確実に勝てるのはダだけで、デ島の時のようなほぼ最悪の状況であればなおのことであろうに。

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とはいえこういったイメージに踊らされてしまうのは多くの読者も同様であろうから、それを作中キャラに代弁させたい時には非常に便利なキャラだった、という側面もあるとは思う。

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外伝のあのマトをあそこまで人間不信にしたのだから、パプ国では人のよさそうなﾃﾑｼﾞﾝが出てきて、町を救ったことに感謝感激雨あられ、心からの笑顔で勇者一行を送り出し、魔王討伐の暁には末長く留まってほしいこのご恩は永久に忘れないと、その時は本心から言ったりしたのかもしれない。

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「人は変われる」「人間は変わらない」二つの意見があるけど、橙は前者。確かに簡単なことではないし、大人になればなるほど難しくなるけど、それでもそれは可能で、そこに希望がある。ただし、いい方にばかり変わるとは限らない。

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光昇りしたハドと同時に、どこまでも腐っていったザボを描いているのがすごいところだと思う。ザボだってマトのようになれたかもしれないし、マトだってザボのようになっていた可能性もある。まぞっほが色々と象徴的。

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他作品だと老いへの恐怖から闇落ちするみたいなのがあるが、ザボにそういうのが直接描かれていないのは、やはり少年の成長に主眼を置いてるからだろうか

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メド呪文は問答無用で大量虐殺が可能なすごく恐ろしい呪文。先生流の最高技は、正義の心がないと真の力が出せないが、そういう制約もない。一番恐ろしいのは、ポにあまりその認識がなさそうなところだ。気軽にぽんぽん使いすぎる。本当ならまだ習得すべきではなかったのでは。

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味方に対してもメドは危険で全滅の危険が常にある。一番危なかったのはミストに反射された時。鏡があっても老師が助かる可能性はごく低く、反射角度によっては他の仲間たちが全滅していた。自分か仲間かのどちらかの消滅が待つ未来。あの消滅の一コマは、本来有り得た未来の姿だった

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あれは、反射された時にどうにかできるだけの態勢が整っていなければ絶対に使ってはいけないのだと思う。メドに見せかけたベギラマでひとまず老師を助けてから再び機を窺うこともできたはず。

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この後ポがこの時のことを省みる描写はなく、残る敵も大魔王だけなので、ポがあの呪文の恐ろしさを理解したのかどうかわからない。まだだとしたら、ちょっとヤバいと思う。

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メドは敵に対してもあまりにも問答無用なので、和解の道を完全に閉ざしてしまうのも問題。最期の言葉を交わす暇もない。もしﾋﾑやラーに使っていたら、現在はなかった。もしこれでﾊﾞﾗﾝを倒してしまっていたら、よかったといえるのか。綺麗すぎて殺した実感を持ちにくそうなのもヤバい。

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魔物の大群→メド→実は魔物達は悪い人間にさらわれた仲間を助けに来ただけ→殺された魔物の友達や遺族が人間への復讐を決意 というようなことが起こる可能性もあるのである。

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ポもﾃﾗﾝでの戦いの後、「つけを払っている」云々と言っていて、力というものの恐ろしさを全く考えなかったわけではないと思うのだが、どうも自分のことになるとそこまで考えてなさそうに見えるのが…。

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原作では戦いの遺伝子の声はすごく無機質で非人間的なイメージだった。ｻｲｺﾊﾟｽのﾄﾞﾐﾈｰﾀｰみたいな。自分の中に別の存在がいるけど、それは戦いにしか反応しない。そこに戦いに明け暮れる竜の騎士の一端を見た気がした。竜の騎士は皆あの無機質な内なる声だけを友として戦ってきたのかと

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この後の戦いでも恐らくずっとダにはあの声が聞こえていたのだろう。それでダがどう変わり、どう変わらなかったのか。竜の騎士であること、勇者であること、人間であること。そうしたことを考える契機になったのだが、ｱﾆﾒであの声は描かれなかった。

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原作であの唐突な声の描写を見たとき、ちょっと嫌だと思った。ダが遠くに行ってしまったような気がして。そしてそれは作中キャラが、後には人間全体がダに対して抱く感情であり、そうした異質なものへの忌避感が間違いなく読者である自分自身にもあると突きつけてくる場面でもあった。

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マキシマムが自分の頭をｺﾝｺﾝとやる時の音がいかにも空洞という感じですごいと思った。

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外伝を読むたびにそのﾁｰﾑﾜｰｸが実に洗練されているのに驚かされる。険悪だったり気まずかったりするような雰囲気にはまずならないし、今後の方針等でもめることもない。まして敵の眼前でごちゃごちゃやるようなことは絶対ない

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外伝がｻｸｻｸ進む気がするのも、そうした人間関係でのごたごたがないからだろう。それがある本編の方がきっとリアルで、成長という点に主眼が置かれている。外伝はお手本で、目指すべき理想の姿。両方読むことで、その素晴らしさがよりわかるというすごい構造。

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昔読んだ「ワイルドスワン」という本で、正しいとされることがころころ変わっていく中、主人公が辿り着いたのが「人間としてひどいことができるかどうか」だったのが印象に残っている。それでいくと、使徒の中で闇落ちしないのはマだろうなと思う。

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ﾋｭも魔王軍にいた時でも優しい方と言われていて実際そうだったし、闇落ちの危険というものを誰よりもよくわかっているから大丈夫だと思う。先生とマが酷い死に方をしたらちょっと危ないかなとは思うけど。

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一番危険なのはポじゃないかと思う。命懸けの真剣勝負にメドで割り込もうとしたりもするし、人間の本当に汚い部分もまだ実感を持って知らずにすんでいる。己の臆病さは克服したけどそれ以外の欠点には無自覚。だからこの先どう転ぶかわからない危うさがある。

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レも善を貫く気持ちは強いけど、違う意見をばっさり切って捨ててしまうところがあるので、ややもすると独善的に陥りやすいというか、何が善かはっきりしないような状況になると危ないと思う。間違ったことを善と信じて突進しそうな危うさが。

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ダは人間のいい部分も駄目な部分も知った上であの結論を出したわけだけど、人間のもっと醜い部分についてはまだ知らずにいるし、彼の親しい者が皆いなくなってしまったとしたらどうなるかはちょっとわからない。大魔王戦では気力を失った。

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ポはたとえマにふられても、いずれ別の誰かと幸せになれると思うけど、ﾋｭはもうマでないと駄目というか、マ以外受け付けないという気がする。 …まあそれはそれとしてラーﾋｭもいいなと思ったりもするけど。

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マが誰を好きなのか確信したのは大魔宮脱出の時だった。ﾋｭがｸﾙｽを使おうとするのをすごく必死になって滅茶苦茶取り乱して止めていた。でも先生が使おうとするのは別に止めていないから(信頼感があるとはいえ)、マはあれがどういう技なのか本当には知らなくて、

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体への負担がちょっと大きい技ぐらいの認識なのだと思う。だから彼女視点では「その程度の技」であるはずのｸﾙｽを使うのにあそこまで取り乱すというのは「過剰な心配」に映った。それでなぜそこまで過剰な反応を見せるかといえば、これはもう好きだからだろうな、と。

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大魔宮以後はマはポの危機に結構取り乱して泣き叫んだりしてたので、その時はもしやポにも芽があるかと思ったものだが、考えてみればそれはいずれも生存が絶望視された時だったので、ごく自然な反応だった。対象がﾁｳでも同じ反応をしただろうと思う。

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今の所、先生が辛辣なことを言ったりするのは一対一の戦いの時だけで、仲間の前ではその姿を見せていない。たぶん外伝でもそうなんだろうなと思う。仲間からはあまり歓迎されないだろうと思っているからなのだろうか…。怖がられるのは嫌だろうし。

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旧ｱﾆﾒは熱血冒険ものという雰囲気で、新ｱﾆﾒは古代神話という雰囲気。音楽や予告の壁画っぽい絵からしてそう。これは勇者がいなくなり、伝説になってしまったことを暗示しているのだろうか。伝説が終わり、歴史が始まる…。

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みんな自分だけの武器を磨いて戦ってるけど、ﾋｭだけｱﾊﾞﾝ流闘法がﾀﾞとかぶる。この二人が一緒に戦う場面が少ないのはそのためだろうか。なのにﾋｭがﾀﾞに対し劣等感を抱いたりしないのは、なかなかすごいことだと思う。

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橙でもﾀﾞにはあまり変なことはさせられないからポがそこら辺を引き受けた、みたいな話があったし…。

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大ﾋﾟﾝﾁの雰囲気の先生だけど、本当はその気になれば例の呪文でﾚｲｻﾞｰからも異空間からも簡単に脱出できる。でもそうすると仲間の所に死神を連れていってしまうのでそれはやらない。絶対に死神に仲間を手出しさせないという強い意思…。