そこにあって、そのコンテクストの参照ならびに参照先のレベルが、このようにルールで定義されていると、明瞭な(シナリオプロット制作者とユーザーのあいだの/参加者同士での)コミュニケーションが可能となる
2022-08-15 12:56:44くわえてワードのチョイスも大胆で、想定ターゲットにおおむね馴染みのあるはずの語句をそのまま当てている。この思い切りはなかなかできることじゃない……
2022-08-15 12:58:56p87,プロファイル “十項目”じゃなくて「十行・十項目」なのがイイっすね。これら十項目は原則として同各の資源としてあつかわれるはずなので、項目間の重みがだいたい一致しているほうがのぞましい。ゆえの「十行」。
2022-08-15 13:02:54「概要資料/事前準備資料/本編資料」でシナリオプロットの構造を区分しているのがクール。これらは“主にいつ使うか”の観点で整理されているので、この区分に添ってシナリオプロットをつくると、自然とユーザビリティが高まりやすくなるわけですね
2022-08-15 13:10:49ネーミングといえば、「ミドル」っていう、めちゃくちゃダサい……が、なぜか慣例的に浸透してしまっているワードを、2022年のイマにあえて正式採用してるのもスゴいとおもいます。これは皮肉とかではなくてマジで。ふつうはここまで思い切れないよ……
2022-08-15 13:50:04p104,ウォームアップ 「ウォームアップ」のネーミングがたいへんよい。この「感覚を掴むまで」の行程が、「ウォームアップ」の名であることによって、“ちょっとうまくいかなくても、まだウォームアップだから(、この期間を活かして調整していけばオーケー)”というイクスキューズを可能としている
2022-08-15 13:16:00つまりは心理的負担の軽減っすね。 これは自由なゲームなので、自由に対する積極性が必要で、そのためには無用な心理的負担があるべきではなくて、ならばそれは可能なかぎり取り除かれなければならない――ってコト
2022-08-15 13:17:15p107 “フィクサーにはすべて伝える前提ではあるが、ほかのキャラクターに伝わってはほしくないこと”をコントロールするために「オフレコ」の概念を定めたのはうまいな~~。用語の存在によってコミュニケーションが円滑になるし、同時に情報の隠匿を自由にさせる効果もある
2022-08-15 13:20:08小判定、つよつよのつよでしょ……。 ようは“展開に影響しないが、細部を表面的に分散させる”ためにダイスを振る概念であり、これ自体は古今あまたのゲームシーンにあったものですね。 それに名とルールをあたえているのがクール。
2022-08-15 13:24:24p145,各シーンの長さの目安 デフォルトを「半テキストセッション」(通話アリのテキスト進行のこと)に置いているのは、非常にめずらしい気がします
2022-08-15 13:32:51「半テキストセッション」形態のゲームシーンは、今はかなり多いはずなんですけど、そこに最初から焦点をあわせているゲームデザインってほとんど見られなかったんですよね。 デザイナー側のデフォルトがそこということでもあるのだろうけど、これはとてもうまい視点のとり方だとおもいます
2022-08-15 13:34:48p146~,オプションルール 「オプションルール」の概念でゲーム構造を分割・整理するのは『ストリテラ』を踏襲したデザイン。 そしてそこから踏みこんで「シナリオプロット主体/参加者主体」の区分で、各オプションの導入のイニシアチブがどこにあるのかを提示して制御できるようにしてある
2022-08-15 13:37:13p153~,ワールドセクション 『銀剣のステラナイツ』(著:瀧里フユ)でみられたスタイルの、あるいは『成り損ないの英雄譚:ロッテンテイル・シンドローム』( booth.pm/ja/items/35326… )の流れを引き継いだともいえる、情報のアクセシビリティレベルの明示がキマってますね
2022-08-15 13:41:24p172~173 収録されているシナリオプロット全5本の概要が、1見開きにまとまっているのがナイス。こういう資料があると、選びやすいんすよね
2022-08-15 13:43:24シナリオプロット1「君が居ない海のトロイメライ」 とっぱじめに“ロストしたキャラクターであそぶ”シナリオプロットをもってきてるの、“““つよい”””……! “イフとはなにか”を““理解って””いる……!
2022-08-15 13:46:33p226 > 本書の文章は、『イフ・イフ・イフ』のシナリオプロットを作る場合に限り、自由に流用(コピー&ペースト)してもらってOKです! この一文はクールな采配。このへんは『アンサング・デュエット』あたりのシナリオを実際に書いてきた経験が活きてそうです
2022-08-15 13:53:59p236~ 「ハイリスク歪み表」と「ローリスク歪み表」は、並列じゃなくてそれぞれでまとめてほしかったかな~ (ハイ/ローの切り替えより、ハイ内・ロー内での系統の切り替えのほうが、頻度が高いとおもうんですよね)
2022-08-15 13:57:11といったところで、『イフ・イフ・イフ』、ざっと目をとおしました。 まずは現代的な先行作品の踏襲や、それをあそぶうえで培われた経験の活用によって、プレイアビリティが高くまとまっているところを称えたい。 “このあたりは当たり前に満たしていてほしい”のラインをちゃんと満たしている。
2022-08-15 14:02:07――そのうえで、そこで停滞せずに、ちゃんと踏みこむべきところを踏みこんで、より好ましいゲーム体験を実現しようという努力もすばらしい。間違いなく最前線のゲームといえるでしょう
2022-08-15 14:03:38それでいて、しかし同時に、想定ターゲット層に馴染みのある語彙を積極的に採用するなどの大胆さもあります。これは、本作が“既存のゲームシーンをもコンテクストとして参照しうる”コンセプトであるがゆえでしょう。そこに断絶をつくってはならないことが諒解されている。
2022-08-15 14:05:53またそこにかぎらず、ネーミングが全体的にとてもよく練られている印象を受けました。既存の語彙から持ち出すにあたっても、明確な意図と熟考があったことがうかがえます。これが本作の(デザイン作業上の)最大の特長かもしれない。
2022-08-15 14:08:47デザインのなかで、とくに抜きん出てクールなのは、「キャラクター属性」(新規/継続/コンバート/二次創作)と、「小判定」のふたつ。ここは帽子を脱ぐしかない
2022-08-15 14:10:40これらクールな仕掛けのすべてが、「if」という中核と、それをつくりあげるコンセプトに奉仕していて、とてもエレガントにまとまっています。 ――以上、“もしもの運命RPG『イフ・イフ・イフ』”( booth.pm/ja/items/40587… )に関する所見でした。 超オススメです!!!!
2022-08-15 14:12:52