高校時代からの友人でもある白波レイユと偶然の再会をした朝松紗南は「壱ノ笠の平和を守るヒーローと悪い軍団がいる」という話を聞き、それを事務所長でもある秋山愁治に話した途端、何時も以上に興奮し出したのは、彼自身が特撮を始めとしたヒーロー好きとしての一面があったのだ。そんな中、愁治の親戚の子でもある結が事務所へやって来てレイユと同じことを言いだしたのだから、何時もよりも気合を入れて依頼を受けたのと同時期に、街では知らぬ間にヒーローと悪の対峙が繰り広げられていた…?! (※連載当時のまま掲載しているので、誤字脱字があります)
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伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

紗南は慌てながらも、近くにあったティッシュボックスを手にし「大丈夫ですか、秋山所長!」と聞く。 少しして、愁治の呼吸が落ち着き、紗南の後に続き辺りを拭きながら「結、お前、冗談は程ほどにしとけよな」と返す。 「だって、しゅーじおじさんとおねーさん見てたら誰だってそう思うよ」

2019-02-08 19:20:56
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「だからってな、そういう事を言っていいタイミングと悪いタイミングがあるだろうが!」 「へぇ~、覚えとくよ」 ハァと、一息ついて再び辺りを拭き終え、ようやく二人が何時もの定位置についた所で愁治は改めて聞いた。 「それで結、こんなところまで来て何の用なんだ?」

2019-02-08 19:26:12
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

結は目線を上げたり下げたり、口を言いづらそうに動かしたりしながらも、ようやく「しゅーじおじさんは、この街にヒーローが居るのは知ってる?」と聞く。 「あぁ、知ってるぜ。ローカルヒーローの…」 「そうじゃなくて、この街には本当にヒーローが居るんだよ!」#事務所物語

2019-02-09 18:32:21
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

大きな声で言うものだから、愁治も紗南も呆気にとられ、思わず互いに顔を見てしまうが、紗南は「結くん、それは本当なの?」と問う。 「うん、学校や児童館でも噂になってるもん」 右手で頭を掻く事は愁治本来の癖だとは、後から聞いたことなのはさておき、愁治は「マジかよ…」と小声でつぶやく。

2019-02-09 18:36:44
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「シズリス団ってのも、この街に居るんだ。ソイツらが悪さする前にヒーローが現れて退治するんだ」 「正に、気づかぬうちに街の平和は守られていた――。という訳か」 ニヤリと愁治は口角を上げ、机の上にあった電話機の受話器を取り、とある電話番号を押し誰かと話始める。

2019-02-09 18:41:30
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

結は紗南のところへ行き、小声で「おねーさん、しゅーじおじさんが特撮とかのヒーロー好きなのしってる?」と聞いてくる。 それこそ先日「デパートの屋上で、ヒーローショーを見に連れて行かされたばかりだ」と言ったらどう思われるだろうか…。 なんて事を思いつつも、紗南は愛想笑いで返してしまう。

2019-02-09 18:45:02
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「しゅーじおじさん、小さい時からずっと好きだったみたいなんだ。でも、この前会ったときにその話をしてもあんまり乗り気じゃなかったのがちょっと気になったんだけど…」

2019-02-09 18:48:57
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

それは「【記憶の死に神】の件が絡んでおり、秋山所長の記憶を奪われ・操作されていたから」だと話して、この子は分かってくれるだろうか…。 と紗南は考えてしまうが、結は「でも、今のを見てたら前のしゅーじおじさんだったから安心したよ」と話をつづけたのだ。

2019-02-09 18:50:39
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

その話を結の安堵した顔を見て、紗南は「それは、私も同じです」と返したのと同時に愁治の電話も終わり「おい、この件に関して聞きたいヤツが居るが今来るぜ」と二人に言ったのだ。 「結くんの話を、ですか?」 「あぁ、この情報に関しては俺もアイツも関心があるからな。俗にいう、利害の一致だ」

2019-02-09 18:53:37
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

愁治から突然の電話が来たかと思えば「俺の事務所に来い、お前が欲しがっているであろう情報源を持っている者がいる」と言われたからには、行かねばなるまいと、男は急いで秋山事務所へ向かった。#事務所物語

2019-02-10 18:51:38
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

男は事務所の玄関前に立ち、呼吸を整えてから呼び鈴を押し、今か今かと待つ。 「どちらさまですか?」 扉の向こう側で聞こえた声は女性だ、ということは、この声は紗南さんだ! そう判断し「前沢慎呉です、愁治に用があって来ました」と、少々気持ちが高ぶったような声で返す。

2019-02-10 18:56:08
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「いま、あけますね~」 ――あぁ、紗南さんは俺にとってオアシスでもあり、マイエンジェルだ。 等と思いを馳せている最中に扉が開き「お前、随分とテンション高いな」と一気に声が低い声が聞こえ、はて、どういう事だこれはと思ってみれば「愁治?!」と大きな声で驚く慎呉である。

2019-02-10 18:59:25
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

動揺を隠しきれず「あれ、さっきまで紗南さんの声が…、え、どうなってんの、え……?」と言っている慎呉に対し「俺が声を変えた、これくらいの事は能力を使わなくても十分に出来るからな。俗に言う【声帯模写能力】だな」と何時ものように返す愁治である。

2019-02-10 19:02:22
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

それを聞いた途端、慎呉は愁治に迫るように「お前、俺のひと時を返せよ!!」と言うが、当の愁治は「さっさと中に入れよ、せっかくお前に情報をやるっていうのによ」と、言いながら事務所の中へ入っていくのであった。

2019-02-10 19:04:25
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

前沢慎呉は応接室へ入るとすぐに「こんにちは、紗南さん。今日も素敵ですね」と挨拶をするものの「こんにちは、慎呉さん」と、何時ものように返され「俺の想いに気付いていない、かぁ…」とションボリムードになるものの、傍にいた男の子に気付く。#事務所物語

2019-02-11 19:46:01
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「君が俺の知りたい情報を持っている子かい?」 「そうだけど」 「お名前は?」 「秋山結」 慎呉は結の名前を聞いた途端、愁治と結を交互に見始め何か言いたそうな顔をしているのを見て「何見比べてんだ、お前。言っとくが、結は俺の親戚の子だぞ」と返す。

2019-02-11 19:49:47
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「だ、だよなぁ!俺はてっきり……」 「隠し子とか思ったんだろ、残念ながら大外れだったな、慎呉」 アハハ……と、わざとらしい笑い声を出し、改めて結に顔を向け改めて自己紹介をする。

2019-02-11 19:52:52
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「先に俺が名乗るべきなのに、名前を聞いてすまなかったね。俺の名前は前沢慎呉、こう見えても情報屋でね、街の噂話等を聞き集めているんだ」 「へぇ、そうなんだ」 「それで結くん、君はこの街に居るヒーローについて何処まで知っているか聞きたいんだ。勿論、その分の報酬はちゃんと用意する」

2019-02-11 19:55:33
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「報酬って…?」 「何時もの仕事だったら現金だけど、この場合はそうだな…。結くんの欲しい物でという風に受け取ってくれて大丈夫だよ」 「へぇ…」 慎呉はスーツの胸ポケットからメモ帳とボールペンを取り出しながらに言った。 「それじゃあ結くん、改めて俺に聞かせてくれないかな?」

2019-02-11 19:59:06
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「ヒーローは、やっぱり居るんだな…」 慎呉は結から、壱ノ笠にヒーローや悪者の軍団が本当に居る、という話を聞き、関心の意で頭を頷かせている。 「俺も最近はその件に関しては丁度、調べてたんだ」 「どこまで聞いたんだ?」#事務所物語

2019-02-12 19:07:39
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

愁治は何時ものように話を聞き出そうとしたが、慎呉は「そこから先を聞くって事は、何かしら発生するんだがね~?」と、わざとらしい声とその手を差し出して言う。 「お前、がめついな」 「そう言われても仕方がない、これが俺の仕事だもの」

2019-02-12 19:11:30
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

頂くモノは頂こうか~、などと言いながら待っている姿を見て、愁治は小声で「長身、お前が行け」と言ったのだ。 「私、ですか?」 「アイツの料金は情報の濃度によりけりだ、今回の場合は特に高くつく」 「でも、慎呉さんだって生活もありますし…」

2019-02-12 19:14:29
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

――他人を心配するのは何よりだが…。 と思いつつも「アイツは長身に弱いからな、そこで減額できるはずだ」と言うものだから、紗南は「えっ?」と静かに驚いてしまう。 「兎も角、言ってみろ。効果は出る筈だぜ」 本当なのかな…、と思いつつも、紗南は慎呉の前に立つ。

2019-02-12 19:20:00
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

ただでさえ、糸目な慎呉は他人から見ても視界が見えるのかどうかというツッコミが入りそうだが、その時ばかりは「さ、紗南さん?!」という風に飛び跳ねるような驚きっぷりを見せる。 一方の紗南は、その姿を見て少々驚きつつも言った。 「あの、その話もうちょっと、聞きたいな~と思いまして…」

2019-02-12 19:22:18
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

たちまち慎呉の顔は沸騰したかのように顔が赤くなり、紗南の手を掴んで「是非とも!お嬢さんには、愁治に請求しようとした額の半分、いいや、今回はサービスしちゃいますよ!!」と興奮気味で言い返したのだ。

2019-02-12 19:24:32
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

その姿に呆気にとられつつも「ありがとう、ございます」と紗南に言われれば、慎呉はハッと正気に戻り、謝りつつも紗南の手を放し、たちまち自分の世界に入ったのだ。 「しゅーじおじさん、あの人、なんなの?」 横に居た結に聞かれ、背の分までしゃがみ耳元で「長身が好きな、ただの男だ」と言った。

2019-02-12 19:26:58
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

仕事も終わり、デスクの傍に置いてあった鞄を手に取り「上がります」と言えば、他の者は一旦顔を上げ「お疲れさん」「お疲れ様です」等と声をかけ、再び目の前にあるパソコンや書類に目を通し始め、男は職場でもある会社を後にした。#事務所物語

2019-02-13 19:48:10
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

会社を出れば外の肌寒い風が通り、思わず「寒っ」という声も出てしまうが、暖かい上着を着ているのだから、これくらいどうってことはない、と言い聞かせるものの、多少薄い格好でも外を走り回っていた子供の頃とは感覚が違うんだよ。と思いながら帰宅の道を歩いていた時であった。

2019-02-13 19:51:21
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

会社近くのドラックストアの前を素通りするのかと思えば、店の出入口に置かれているカプセルトイ販売機が新しい商品に変わっているのに気づき、男は急いでその商品を見る。 「これは、もしや…!」

2019-02-13 19:55:05
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

かつて、この男が小さい時にテレビの前で見ていた特撮番組の登場人物達のフィギュアが入っていたのだ。 ――ここに出てるって事は、他の所でも…。 と思い、ポケットに入れてあったスマホを取り出し、検索をかければ「今月中旬発売予定!」と書かれていたものだから、男は小さくガッツポーズをする。

2019-02-13 19:57:51
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

男の身体は確かに大人だが、自分の好みと言うのは子供の頃からさほど変わらず仕舞いなものなのだが、今日の財布事情は現実味を帯びており、こういう時に限って、100円玉硬貨が全然ないと来たもんで、財布から自身が着ているスーツの隅々まで捜し、最終的に2回分出来る限りの硬貨を見つけたのだ。

2019-02-13 20:03:49
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

――やった、これで回せれる…! そう思い、販売機のコイン投下口に100円玉を入れようとしたした時であった「蓮、向こうでヤツらが現れたよ!」という声に驚いてしまい、手に持っていた100円玉は販売機の下に入って行く。 「あーーーっ!!」

2019-02-13 20:07:00
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

蓮と呼ばれた男はその場で叫ぶものだから、声をかけた女の子も周りに居た人も驚いて立ち止まってしまうが、直ぐに自身の日常に戻り、何事もなかったかのように通り過ぎてゆく。 「…蓮、なにしてんの?」 「お前が突然声かけるから、100円玉が下に落ちたんだぞ!?」

2019-02-13 20:09:01
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「まさか、それぐらいで怒ってるなんて、言わないわよね?」 「トレスの言葉、そのまま返すぞ」 ――うっわー、めんどいなぁ…。 トレスと呼ばれた女の子は口には出さず、そんなことを思っていたが、直ぐに蓮は「おい、それは後で店員さんに頼むとしてだ、奴らは何処に現れた?」と聞く。

2019-02-13 20:11:59
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「蓮が帰る方角、ちょっと奥の方みたいだけど」 「相変わらず、大雑把すぎるんだよ。お前の方向指示」 「それでも解ってんじゃん、蓮」 「まぁ、俺が方向音痴じゃなかったのが幸運だったな」 ようやくその場から立ち上がり、蓮は言われた方向を目に向け、隣に居たトレスに「行くぞ」と言った。

2019-02-13 20:15:43
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

前沢慎呉はわざとらしい咳をした後「紗南さん達と別れた後から愁治の電話を受ける直前まで、この件に関して色々と話を聞いてはいたんですよ」と話し始める。 「そして、俺は重要な話を得ることが出来たんですよ」#事務所物語

2019-02-14 18:26:46
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「そうだったんですね」 「それで、お前が得た重要な話ってのはなんだ?」 「まぁまぁ、そんなに慌てるなよ、愁治」 この件に関しては朝松紗南というよりも、ヒーローが大好きな秋山愁治の方が関心と興味があるのは目に見てわかるなとは慎呉も思う所である。

2019-02-14 18:30:03
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「俺が得た話、それは……」数秒の静寂の後、慎呉は「この街に住んでいる者が、ヒーローになって平和を守っている事だ!!」と高らかに言ったが、紗南と結は「へぇ~」と納得するが、愁治はどうも納得した表情を浮かべてはいなかった。

2019-02-14 18:34:45
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

慎呉の得た情報そのものに納得いかず、愁治は不満ありげな喋り口できいた。 「おい、お前が得た話はそれだけなのか?」 「仕方がないだろ愁治、俺だって人間だし、この話だってここ最近話し出されたんだからさ~」 「やっぱお前、ポンコツ情報屋だな」#事務所物語

2019-02-15 19:00:58
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

ポンコツと言われた慎呉は愁治の所まで行き「失礼だな、愁治!俺だってね、簡単に情報を得られるなら誰だって苦労しないんだっての!!」とムキになりながら言い返す。 「情報なら、インターネットとかで見れば早いんじゃないの?」

2019-02-15 19:03:18
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

横に居る結が言うものの、チッチッチと舌を鳴らす上に人差し指を左右に揺らした後に「それも手段としてはアリだけど、蔓延と拡散がありすぎる。あくまで、俺が求めているのはこの街の話だからね。俺が欲しい話が引っかかるとは限らないのさ」と、自身の言い分を伝えたのだ。

2019-02-15 19:06:58
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「へぇ~」 「慎呉さん、すごいですね」 「ありがとうございます、紗南さん!」 「お前の信条はいいとしてだ、この街のヒーローの件はもう少し情報を得ないと、どうにもならんぞ」

2019-02-15 19:11:35
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

自身の信条を否定されたような気にもなるが、紗南の顔を見てほっこりとしつつ、真面目な顔つきになり「そこらへんはもう少し調べるぜ愁治、だから、結くんも紗南さんも引き続き、この件で情報得たら俺にまでよろしくしますわ」と言い、出入り口のところで礼をしたあとに、事務所を出て行った。

2019-02-15 19:13:34
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

慎呉が帰った後、愁治は結に「そういえば、今日はなんで来たんだ?」と聞いてくる。 「母さんと一緒に近くに来てたからだよ、しゅーじおじさん元気かなーと思ってさ」 「所長思いなんですね、結くん」#事務所物語

2019-02-16 19:57:53
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

へへ~ん、と照れ隠しな声を発する結を見て、愁治は何時ものように右手で髪の毛を掻いた。 「それで、母親は何処にいるんだ?」 「たしか、知り合いの人と会うからって言ってたけど」 「俺、あの人と会うの苦手なんだよなぁ…」 「えっ、なんでですか?」 「そ、それは…」

2019-02-16 20:00:16
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

愁治が言おうとしたところで呼び鈴が鳴り、紗南が「結くんのお迎えじゃないですかね?」と言う。 「多分、そうだと思う」 「まぁ、俺が出る。長身が行ったら色々と面倒そうだ」と言いながら、結を連れて応接室を出た。

2019-02-16 20:04:05
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

秋山愁治が玄関扉を開けると、そこには化粧もバッチリ、ピンク色の服を見事に着こなした女性が立っており「事前に電話しなくて申し訳ないわねぇ~、愁ちゃん」と甲高い声で挨拶をする。 それに対し、愁治は若干ひきつった声で「あ、あぁ…」と返す。#事務所物語

2019-02-17 19:54:07
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「母さん、もういいの?」 「大丈夫よ~、結くん」 結が靴を履き、改めて愁治に挨拶をする。 「今日はありがとう、しゅーじおじさん」 「あぁ、新しい情報が入ったらまた電話するわ」 「うん、楽しみにしてるね」 「それじゃあ、次来る時はちゃんと電話するわね、愁ちゃん♪」

2019-02-17 19:57:12
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

二人がでた後、愁治は安堵の息をひとつついた途端、母親が思い出したかのように玄関扉を再び開け「そういえば、姉さんが言ってたわよ。偶には帰って、花のある話を一つも聞きたいってね~」と言い残し、今度こそ帰って行った。

2019-02-17 20:01:14
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

この、妙に甲高い声と喋り方と、今みたいな一言を言うのだから、結の母親と相手するどころか会話するのも愁治にとっては苦手な部類だった。 なお、あの人から見て姉とは愁治の母親の事を指している。

2019-02-17 20:02:38
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まとめたひと
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

基本は自分が考えた創作ッ子達の事を呟いたり、絵を上げたり、お話も書いたりします。偶に違う話等もしておりますが……ようは気まぐれだが基本は創作用アカウントです。(※食べても美味しくない鶏野郎で無言フォローをしたり、時として話すとアツくもなりますがそれでもよろしければです)御用の方はDMまで。