『歯車の塔の探空士』(冒険企画局)を読んでいきます。 前提として、インディーズ版は通読したことも遊んだこともありますが、なにぶん2016〜17年ごろのことで記憶があやふやであり、かつ手元に当該版ルールブックがないため、「知らないわけでもないが知ってるとは断言しづらい」くらいの者です
2021-02-19 15:17:33まずは表紙?のイラストがたいへんよろしい(電子版を見てるのでこのイラストが紙版のどこにあたるのかはいまいちわからんのですが、ブルー系のやつとブラウン系のやつ)。見た目にあざやかなことはもちろん、ワールドの雰囲気を明瞭にしめしている
2021-02-19 15:21:02続くカラーページもたいへんクール。イラストへの説明の載せ方とか。「ユーザーに見てほしい光景」が意識されている。このへん、スマートフォンゲームの待機画面TIPSに似たアプローチの存在を感じます
2021-02-19 15:26:07本文。 電子書籍、それも単ページ環境を意識したレイアウトになっているもよう。一見するとよくある縦2列組なのですけど、「見開き単位で左右対称」ではなく「すべてのページが完全に同じ配置方針」になってて、左ページなのか右ページなのかをまったく意識せずにめくっていけるようになっている
2021-02-19 15:30:48p2〜3 TRPGとは何であるかの説明で、チェスにナラティヴを足してみせるのはちょっとオモシロいな……うまいかはともかく……
2021-02-19 15:36:45p7 コンセプトを1ページ内にまとめてあるのがいいですね。(そしてそれらを提供するためのルール実装がともなっていることをインディーズ版で知っている)
2021-02-19 15:44:21p8 「あるといいもの」として、飲食物はわりとどこにでも書いてあるやつですけど、「感想戦のための時間と場所」を明記しているのはうまいし、「好きなBGM」と書いてあるのはなおのことうまい
2021-02-19 15:48:00スカイノーツって、かなり雰囲気を重視するゲームのはずで、その雰囲気のとりあつかいに際してBGMはパワフルな武器なんですよね
2021-02-19 15:49:29目次 む、むだがない……。細かい内容はともかく(とくにワールドセクションなんかは目次だけだと詳細がよくわからないし)、項目と順序がよく整理されている気配
2021-02-19 15:52:37序文が終わって本編に入ったら、ページ単位の統一レイアウトがびみょうにそこなわれてしまった……(セクション位置をしめす記号が左ページの左端と右ページの右端に追加されたため)。 そこまで役にたつともおもえないし要らなくない???
2021-02-19 15:58:04p15〜16 スキルの使用回数の説明、もうちょっと丁寧に書いてもいいんでないか(この手のアナログゲームの経験がない読者を想定しているなら)。 それはそれとして、スキルのデータ項目が実質的にタイミング・使用回数・効果の3つしかないのはクール(魔法コストなんかが強引に詰め込まれているが)
2021-02-19 16:14:29生命点を原則的にフラットにしたうえで、たとえばファーリィの種族特徴で増えて、アンティークは魔法コストで生命点が減る、あたりのデザインがうまいですよね
2021-02-19 16:55:17p24〜35の種族データ定義のところがよくできてる。ここだけでワールドの雰囲気がかなりわかる。 でも種族特徴(ルール的処理)がイラストと干渉しあう位置にあって読みづらくなってるのはいただけない。フレイバーテキストならまだしもルールテキストでこれをやられると……
2021-02-19 16:58:49【追加取得:X】、最終的に得るのが(1+X個ではなく)X個なんだから、「追加」じゃなくて「一括」あたりのほうが明瞭じゃない?
2021-02-19 17:17:35p53 「船長になったPCのプレイヤーは〜」とあるけど、船長を決める話ってここまでにあったっけ? とおもったらp56にあった。コラムにじゃなくて船長を決めるルールに誘導してほしいな
2021-02-19 17:22:08ボトムアップで飛空艇をつくるルールが相変わらずすばらしい(このすばらしさは作成ルールだけではなく運用ルールによっても支えられている)。「てきとうにやってそれっぽくなる」のがじつによろしい
2021-02-19 17:34:08「全員で楽しむ」だの「GMの特権」だのといった記述を、ルールセクション(3番目のセクションでありキャラクターをつくるセクションと飛空艇をつくるセクションのうしろ)に置くのは、ちょっとうまい
2021-02-19 17:45:29っていうか最近のTRPGシーン(最近のゲームルールと最近のユーザーによるTRPGシーン)でクォーターバック問題ってそんなに多発するんすか? むしろ減ったもんだとおもってるんすけど
2021-02-19 17:50:54p78 セッション “物語の「章」のような役割を担う” というたとえがあまりにもイケてない……(“物語の「章」”がいかなるものであるのかについての共通認識などないし、セッションひとつに小説などにおける複数の章に相当する内容が含まれることはざらにあるし、p4で物語とは距離をとってるし)
2021-02-19 18:07:59あと、一日で完結するワンデーセッションを暗黙的に前提としている書き口なのは「それでいいのか?」とおもいます。p8によれば一同に会して3〜5時間まとめて遊ぶ想定以外はなさそうなので、意図してこうなっているっぽいけども。
2021-02-19 18:12:50p86 航行イベントのイベントタイプ記号、覚えづらい……。一般的なユーザーの環境で入力しやすい記号をえらんだ結果だとはおもうのだけど、専用記号つくっちゃうか書きくだすかしたほうがストレスすくなそう
2021-02-19 18:27:33フライトフェイズのルールはよくできてるなぁ〜〜という感じ。マスに当てはめていく飛空艇の設計、すごろく的に進行するフライトフェイズ、みたいにごくシンプルな既知の概念への投影がうまい。 シーン周辺は、今こうして見ると、たしかに冒険企画局のツリーに属するデザインですね
2021-02-19 18:25:16フライトフェイズ、本当によくできてて、このゲームは飛空艇で冒険(仕事)をするゲームなので、航行の過程こそが主題であり、航路を進んでいくのは展開上の前進とただしく連動するんですよ。そしてすごろくのメタファーとイベント表によるランダムな事件には、セッションを低コストで形作る力がある
2021-02-19 18:32:56p98 対処タスク ステージで段階化しつつも、対処タスクで複数の課題を並列的に提示するのはうまい落としどころ(行動がしばしば不自由になるゲームなので、直列的なばかりの課題を相手にするのはつらい)
2021-02-19 18:38:10p101 “「修理」のアクションの内容はフライトフェイズとクエストフェイズでは異なる” なら名称を変えてくれ、 “注意して確認してほしい” じゃないよ
2021-02-19 18:44:01ダメージ範囲ルールを記憶するにあたってテンキーの概念が助けになるつくりなんですけど、四年半のときを経てテンキーの普及率はかなり落ちてそうだなぁ、みたいなことをおもっています
2021-02-19 18:50:50そういえば、この本、ルールの定義とフレイバーか渾然一体となっている(程度の差こそあれだいたいのゲームはそうなるけど程度がとくに甚だしいというニュアンス)のが結構な特徴かもわからんですね
2021-02-19 20:05:04クエストフェイズの時点でかなりかなりだったけど、戦闘フェイズに入っていよいよ重い重い重い(ここでの重さとはルール量の多さを指す)
2021-02-19 20:07:22戦闘を筆頭にルール全般、もっとコンパクトにリファインしてくるかとおもってたんだけど、ぜんぜんそんなことはなかった(インディーズ版からのファンを考えるとまぁ合理的)
2021-02-19 20:16:52p116 エンディングフェイズ 記述がかなりあっさりめで、(セッションの終わりらへんをどう解決していくかの)勘所がわかっていないひとだと持てあますのでは……? (思えばオープニングフェイズもあっさりであった) シナリオ側で補う想定なのかな
2021-02-19 20:21:24冒険は最終的に見られる絵に懸かってるところがおおきいとおもうので、なんらかあってほしいが、GMセクションにアンサーがあるのかもしれない
2021-02-19 20:25:24