お題「雨月」「分かり合えない」「アイマスク」
0
ケンタシノリ@童話&小説書き屋さん @kentasinori

見附宿の旅籠に入ると、長衛門は女房のことをふと思い出した。 「女房、ごめんな。些細なことで分かり合えないことが多くて……」 長衛門は、留守を預かる女房への感謝を忘れないと心の中で誓った。 「見附から 雨月の空へ 誓う事」 そこには、雨音に耳を澄ませながら一句を詠む長衛門の姿があった。

2022-10-01 22:02:55
ゆきやまイマ@鶏林書笈 @keirin_syokyu

#深夜の真剣140字60分一本勝負 @140onewrite お題: ①雨月(うげつ) ②分かり合えない ③アイマスク #木槿国の物語 生員どのと付き合うようになって少しは風流心が分かるようになった少年(^^; pic.twitter.com/BSnMNKF8OE

2022-10-01 22:04:45
拡大
みや⚡水也💙 @m_iya_o

◆仕方ないことだから。そんな言葉で終わらせられるわけがない。ない、のに。去っていく背中に、声をかけることができなかった。だって、ぼくは。赤く濡れた指先を拭ってやれない。彼女の背に手を伸ばさないことだけが、できることだと言っていい。美しい月の夜に美しいばけものは消えていった。/創作

2022-10-01 22:04:51
癒月連理 @kizamukotonoha

雨月の夜に、私は自棄酒を飲んで過ごしていた。普段なら仕事の愚痴を聞いてくれた彼氏が、今日はそっけない。 「私も家庭に入っちゃったら良いのかなぁ」 「それは無い。つーか……別れよ」 固まった。分かり会えない。話すうち口論になって喧嘩別れ。 アイマスクに滲む程涙が止まらなかった。

2022-10-01 22:07:44
新宿エイリ庵 @AnnShinjuku

#深夜の真剣140字60分一本勝負 @140onewrite 参加させていただきます!素敵なお題をありがとうございます✨ お題は「雨月、分かり合えない、アイマスク」でした! 怖がりの二人の話です。個人的にははっきり見えるのが嫌な方で、寝るときに眼鏡を外すととちょっとだけ安心感があります……! pic.twitter.com/dnXevBaW6z

2022-10-01 22:07:53
拡大
Z.P.M @ArcOkimuy

アイマスクの雨雲が月の光を遮ります。ロケットに乗って月に向かうあなたは輝夜姫に会うのですか。月面はここから眺めるよりも過ごしやすいところでしょうか。先は見えていませんか。あの姫だってもはや分かり、あえないのでは。雨月物語のように浅茅生の宿に戻ってきても私の姿はありませんからね。

2022-10-01 22:08:10
RAY/※※※ @growler_ray

気が合ったり、同じことを言おうとしたりして、一緒に楽しい時間を過ごす仲なのに、いつも何かが致命的に分かり合えないと喧嘩をする 何度目かの仲直りの時、それを嘆く私にあの子は言った。全てを分かりあったらつまらない。違うところがあるからいいんだ、って …でもチョコミントは違うと思うんだよ

2022-10-01 22:14:53
らん @amagi_ran

冷血騎士と揶揄されるあなたが、誰よりも国の行く末を案じてると私は知っています。これが恋でも憧れでも、私はあなたの傍で見届けたいのです。#twnovel ああ、君の目には俺がどう映っているのだろう。心優しい君とは決して分かり合えない。けれど、それでいい。そうでなければ姫君を守れやしない。

2022-10-01 22:18:26
ポッキー(山口絢子)@低浮上多し🙇 @sorapoky

アイマスクをされたまま、助手席に座る。目的地まで取らないで。君の声が、いつもに増して冷ややかに聞こえる。そして、ようやく辿り着いたここは、海だろう。三日間ともに過ごし、分かり合えないことが、両手では足りなくなった。次の約束はもう無いのだ。今夜は雨月。諦めるには、ちょうどよかった。 pic.twitter.com/teKf4tdlNK

2022-10-01 22:23:13
拡大
てい @orztee

アイマスクを引っ張られ目が覚める。小さな愛娘は実力行使を厭わない。「パパ、月」「雨で見えないんだろ。昔、月のお姫様と結婚したものの愛想尽かされた男がいてな。それから満月の夜はいつも」娘が首を振り、窓の外を指す。もう分かり合えないと思っていた妻が、月から降りてくる。雨は止んでいた。 pic.twitter.com/9ak39HnM8U

2022-10-01 22:30:18
拡大
Pingu novel @ckpingu_nvl

「雨月だと?我に名月を見せぬ気か」空にかかったアイマスクを、勢いよく太刀で切り去る。途端に夜は白白と光を帯び、辺りを浮かび上がらせる。信長はほくそ笑む。慌てて陰に隠れた明智光秀が「分かり合えないヤツだ」とその姿を見ていた。「そうよ、時来るまで待とうぞ」さらに遠い闇に徳川家康が。

2022-10-01 22:32:25
秋月蓮華 @akirenge

「貴方とは分かり合えない」 「知ってる。でも並び立てるよ」 魔法少女である私と彼女。 強い怪物を倒したのは遠い昔のようだ。 あれから。時が過ぎ、雨月。 アイマスクを外す、仮眠をとり終わる。 巨大な怪物が出る。 決意がある。 かつて並び立っていた彼女を。 「取り返すから」 怪物から、絶対に。

2022-10-01 22:46:29
石森みさお@140字小説 @330_ishimori

彼の目の造作の美しいのが好きだった。じっと覗き込むと水面の月のように潤んで、ふるえる睫毛に閉ざされてしまう。喧嘩をした朝も、分かり合えない夜も、その目に見つめられれば許してしまえた。それなのに今夜、彼はアイマスクに月を隠し、不機嫌なまま眠ってしまった。雨月の孤独に別れを滲ませて。

2022-10-01 22:56:34