これは壱ノ笠という街で「かどわかしの商売人」と呼ばれる者達のお話である。 (※連載当時のまま掲載しているので、誤字脱字があります) (※現在も執筆中なので、一通り書き上げたらまとめて収録します)
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伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

自身の目の事が気になりつつも、神田は自室に戻ろうと廊下に出て、地下へ続く階段の前を通ったのと同時に、頭の中で何かがざわつきはじめる。 ーーなんだ、この...感覚......。 #かどわかしの商売人

2024-03-07 22:19:41
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

その場でしゃがみこんで数十秒後、ざわつきの波が治まった隙に、神田は、その場から逃げるようにリビングへ向かった。

2024-03-07 22:19:41
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

慌てた様子でリビングに入ってくる神田を見たニイナは「どうした神田。なにか、あったのか?」と聞く。 「や......なんでもない。なんでもないんだ、ニーナさん」 「なら、いいが...」 愛想笑いをしつつ、自身の部屋に入るといい、リビングを後にした。 #かどわかしの商売人

2024-03-08 21:15:56
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

自室に戻り、改めて姿鏡で自身の姿を見るが、先程見えた黒い何かは一切ない。 ーーやっぱり、気のせい...だよな。 頭を左右に振った後、鏡に映る壁掛け時計の時刻を見て神田は驚く。 「やっべぇ、時間に遅れる!!!」 #かどわかしの商売人

2024-03-09 21:59:54
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

急いで衣装箪笥から着替えを取り出し、部屋着から外出着に着替え、身なりを整える。

2024-03-09 21:59:54
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

ニイナの屋敷に、神田の客人がやって来る。 呼び鈴が鳴り響くや、神田よりも先に出たのはブラウニーだった。 「どちら様でしょうか?」 「立花 明理です」 「立花様ですね、今開けます」 #かどわかしの商売人

2024-03-10 21:42:23
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

そこに立っていたのは、肩まで伸ばしている髪を後ろに結っている男子がいる。 「こんにちわ、ブラウニーさん」 「ごきげんよう、立花様」 「神田、まだですかね?」 「もう、そろそろ準備が終わるかと思われます」

2024-03-10 21:42:24
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

ブラウニーの言う通り、二階から慌てた様子で階段を降りてくる神田がやって来る姿を見て、立花は思わず(ブラウニーさん、すげぇ...)と関心してしまう。 「立花、待たせてゴメン」 「おっせぇぞ、神田」 「悪いって、ホントに」 #かどわかしの商売人

2024-03-11 21:48:25
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

二人の会話の区切りを見て、ブラウニーは声をかける。 「お二人共、そろそろ約束のお時間ではないでしょうか?」 ブラウニーの手に持っている懐中時計の時刻を見るや、2人は顔を合わせてしまう。 「やっべぇ、映画始まっちまうぞ!!...そんじゃあ、行ってきます!!」

2024-03-11 21:48:26
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「ここで言い合ってる場合じゃないぞ立花!!...ブラウニーさん、ありがとう!」 「気をつけて行ってらっしゃいませ」 「うん!!」 慌てながらも、どこか楽しそうな二人を送ったあと、ブラウニーは静かに玄関の扉を閉めた。

2024-03-11 21:48:27
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「神田、出かけたのか?」 玄関から戻ってきたブラウニーを見るや、ニイナは手に持っていた書類を机に置いて聞いた。 「えぇ、今日は立花様と映画を見に行くとの事です」 「そうか、映画...か。やはり、アレからそれなりに時間は経ったんだな...」 #かどわかしの商売人

2024-03-12 21:45:44
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「...そうですね」 ニイナは、窓から見える景色を見ながらに呟く。 「本当に、平和になったとも言うべきかな。...もしくは、平和の面を装っているだけで、裏では今も何かが蠢いている...なんて考えながら日々を過ごしているのはきっと、私だけかもしれんな」

2024-03-12 21:45:44
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

目的の映画館へ無事に着いた着二人は、チケットとポップコーンとジュースのセットを各々で購入し、上映時間までロビーに設置されている椅子に座って待っている。 「なぁ、神田」 「なんだよ、立花」 #かどわかしの商売人

2024-03-13 23:43:50
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「ブラウニーさんって凄いよな、なんでもわかってる感じがあってさ」 「確かに、それは分かる」 「だよな。さっきだって、神田が来る気配を察知してたんだぜ」 「そこは、俺たちと違う所があるから...かな?」 「かもしれねぇな!!」

2024-03-13 23:43:51
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

二人の会話が収まった頃、これから上映されるアナウンスが館内に響き渡ると、立花は威勢よく立ち上がる。 「行こうぜ、神田」 「それはいいけど、ジュースとかこぼすなよ」 「わかってるってーの!!」

2024-03-13 23:43:52
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

神田と立花が見に行った映画は特撮作品で、巨大な怪獣が街に現れて翻弄される者達が様々な知恵や対策を練って所に、怪獣を追ってきた人類よりも皿に小さい異星人達とで共に闘う、という内容だった。 #かどわかしの商売人

2024-03-14 20:42:06
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

この歳で特撮作品を見ることになるとは思わなかった神田だが、立花の誘いと強い勧めもあり、今に至る。 ーー立花、めっちゃガン見しながら見てるな...。 そう思いながらも、自身の膝の上に置いてあるポップコーンを手に取って食べながら、神田も上映されているスクリーンを見る。

2024-03-14 20:42:07
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

映画の上映も終わり、天井の照明がついてから立花は「やーー、凄かったなー!!!」と、小さいながらも興奮した調子で声を出す。 「確かにな」 「小さい異星人と人類が協力して、怪獣を倒す...!!ハラハラする所もあったけど、無事にやってのけた所がさ、マジで凄かったよ!!」 #かどわかしの商売人

2024-03-15 17:14:15
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「久々にこういう系を見たけど...、ホント、楽しかったなぁ」 「だろう?!とりあえずさ、この感想の続きは劇場を出てからたーーーっぷりしようぜ!!」 「う、うん。わかったよ」

2024-03-15 17:14:15
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

映画館を出たあと、二人は近くのファミレスで感想会をした後、帰路の途中にあった公園のベンチに座っていた。 #かどわかしの商売人

2024-03-16 22:01:09
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「神田ともこうして遊べるのは、しばらく無理そうだなぁ」 「そういえば、立花って就職して、一人暮らしするんだっけか」 「イエス、そういう事。神田は大学行くんだよな」 「うん。これからの世の中は勉学は大切だって、ニーナさんに言われてね」 「成程、流石はニイナさんだなぁ」

2024-03-16 22:01:10
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「そうかな」 「ニイナさんって学があるから、その提案は説得力あるなと思ってさ」 「確かに、それは言えてるかも」

2024-03-16 22:01:10
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

そのあとも、二人はたわいのない会話をしたあとに公園を出て、分かれ道までたどり着く。 「まぁ、お互いに合う時があったらよ、こうやって遊んだりしようぜ」 「その時はちゃんと連絡くれよ、いきなり誘われたら、色々と大変なんだからさ」 #かどわかしの商売人

2024-03-17 21:14:45
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「わかってるってーの」 大きく笑いながら神田の背中を叩く立花に、おもわず苦笑いが出てしまう。 「まぁ、お互いに元気に過ごせれば何より、かな」 「まさにそれ、だな!」

2024-03-17 21:14:46
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

立花と別れたあと、ニイナの屋敷に着いた神田は「ただいまー」と、声をかける。 ーーあれ、ニーナさんはともかく、ブラウニーさんも近くに居ないのかな? そんな事を思いつつも、神田は何時ものように靴を脱いで中に上がる。 #かどわかしの商売人

2024-03-18 22:00:35
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

手を洗おうと思い、脱衣所前にある洗面台に向かう時、神田の耳に聞いたことがない声が入ってくる 『こっーー、ーい』 その声に反応して辺りを見渡すが、そこには誰もいない。 ーーいまの..多分、気のせい、だよな。うん、そうだと思う。

2024-03-18 22:00:35
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

手を洗い終えた神田は、脱衣所を出たタイミングで2階から階段を降りてきたニイナが声をかける。 「神田、帰ってきてたのか」 「うん、ただいま。ニーナさん」 「おかえり。...そういえば、ブラウニーはどこにいるんだ?」 「ニーナさん、知らないの」 #かどわかしの商売人

2024-03-19 21:02:05
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「いつもの事してたら、集中してしまってな...」 ハハハと乾いた笑いが出つつも、ニイナは片手で頭を搔く。

2024-03-19 21:02:06
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「まぁ、近くにはいるだろう」 二人はリビングに向かうが、そこも含め、繋がっている台所にもブラウニーの姿は無い。 「ここにも居ないみたいだね」 「自分の部屋か?...もしくは、何処かに出けかている可能性もあるか」 #かどわかしの商売人

2024-03-20 20:40:58
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「俺も、ニーナさんもブラウニーさんの居場所は知らないって事だよね」 「そうなるわな」

2024-03-20 20:40:59
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「ただいま帰りましたー!!」 二人がリビングを出るのと同時に、ブラウニーが声をかける。 「おかえりなさい、ブラウニーさん」 「ブラウニーどうしたんだ、その両手に一杯の紙袋は」 #かどわかしの商売人

2024-03-21 20:59:54
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「たい焼きです。丁度、庭の手入れをしていた時に、近くで焼き芋屋さんの車が通っていたので。夕食後にと思い、買ってきました」 「なるほどな」 「たい焼きかー、俺、あんこが食べたいです!」 「ニイナお嬢様は、カスタードクリーム、ですよね」 「わかってるじゃないか、後で頂くよ」

2024-03-21 20:59:55
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

夕食後、ブラウニーが購入してきたたい焼きを食べている神田とニイナ。 その姿を見ながらに、ブラウニーは台所で使い終えた食器を洗っている。 「ブラウニーさんは、たい焼き食べないの?」 「私は大丈夫ですよ、後で食べますので」 #かどわかしの商売人

2024-03-22 23:05:20
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「ブラウニーさんは何を食べるの?」 「そうですね...、私は、果物が入っているたい焼きが好きですね」 「フルーツ入りなんて存在するのか?」 「細かく刻まれた果物が入っているんですよ」 「へぇ〜、そうなんだね」

2024-03-22 23:05:21
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

次の日の明け方、神田は夢を見た。 自分自身のハズなのに、その時ばかりは自分の意思で動かす事が出来ないのに、身体は勝手に動いている。 ーーなんなんだよ、コレ...。 そして、何処からか聞き覚えのある声が言う。 『そろそろ、目を覚ます時が来た、か...』 #かどわかしの商売人

2024-03-23 21:31:02
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

ーー目を覚ます時?何を言っているんだ...? 『まだ、意識が残っているか。成長して、それなりの耐性がついたか?しかし、そうしていられるのも時間の問題だ』 ーーハァ?!何言ってんだ、コイツ...!! #かどわかしの商売人

2024-03-24 18:27:17
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

自身が反抗しようとした途端、意識は完全に、向こうに奪われる寸前に聞こえ見えたのは、自分とよく似た男が睨みながらに申す夢。 『...やかましい奴だ、失せろ』

2024-03-24 18:27:18
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

暗転した後、飛び起きるよう目を覚ました神田だが、寝汗も含め、身体は物凄く濡れていた。 「なんだよ、今の夢...」 荒い息をなんとか整えた後、もう一度横になったが、そこから先は一切眠れる事は出来なかった。 #かどわかしの商売人

2024-03-25 21:38:11
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

陽がさらに登り出した頃、神田は自身の部屋を出て、リビングに向かう。 「おはようございます、神田様」 「おはよう、ブラウニーさん」 「朝食、出来ていますよ」 「...ありがとう、顔洗ってから頂くよ」 疲れ気味な返答を聞いたブラウニーは「大丈夫ですか?」と声をかける。 #かどわかしの商売人

2024-03-26 21:39:21
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「う、うん...大丈夫だよ」 それ以上聞いたら、この場が気まずくなると思ったブラウニーは並べている手を止め、カゴに入れているタオルを手に取って渡す。 「タオルはコチラをどうぞ」 「うん、ありがとう」

2024-03-26 21:39:22
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

神田が浴室に入った頃、ニイナが遅れてリビングにやってくる。 「おはようございます、ニイナお嬢様」 「おはようさん、ブラウニー」 欠伸がまざった声を聞いたブラウニーは、神田の時と同じく「大丈夫ですか?」と聞いてしまう。 #かどわかしの商売人

2024-03-27 22:10:42
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「あぁ、大丈夫だよ...。昨日、書物を読み込みすぎて、寝不足まっしぐらだから」 「ニイナお嬢様、流石にそれは、如何なものかと思いますが...」 「兎も角、朝食べたら横になるわ」 「食べて直ぐに横になるのは、あまりよろしくないですよ」 「んー...じゃあ、ここで軽く横になるわ」

2024-03-27 22:10:42
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

そう言いながら、ニイナはリビングのソファに座るや、そのまま横になり、瞼を閉ざした。

2024-03-27 22:10:43
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

顔を洗い終えた神田は再びリビングに戻るものの、ブラウニーの姿はなく、ソファには横になっているニイナの姿があった。 ーーニイナさん、寝てるのかな...? そう思いながら見ていると、神田の存在に気付いたのか、小さな声を出して目を覚ます。 #かどわかしの商売人

2024-03-28 21:33:20
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「あれ、神田か...?」 「ニーナさん、こんなところで寝るなんて珍しいですね」 「ココで徹夜はしてないぞ、書物の読みすぎてだな。ココで二度寝と言う奴だ」 「どっちにしても、二回も寝ているじゃないですか」 「まぁ...、そうなるわな」

2024-03-28 21:33:20
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

ブラウニーが戻り、三人はようやく朝食につく。 「ブラウニーさん、さっきはどこに行ってたんですか?」 「洗濯機の様子を見に行っていたんです」 「なんで様子を見に行くんだ、三土川が勧めたモノだぞ。新しいんだから、すぐには壊れはしないだろう」 #かどわかしの商売人

2024-03-29 21:57:08
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「まぁ、それはそうなんですが...。前の癖が、まだ抜けませんもので」 少し前のこと、長年使用していた洗濯機が故障してしまった。 新しいのを購入しようにも、機械関係に疎いニイナは、その手に詳しい三土川に聞き、新しい洗濯機を購入したという話だ。

2024-03-29 21:57:09
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「まぁ...、前のヤツは本当、音が煩かったが...今のに変えてからは凄く静かになったもんなぁ」 「えぇ、流石は三土川様が選んだだけの事はありますね」

2024-03-29 21:57:10
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

朝食を食べ終えたのを見計らってか、ニイナの屋敷前に一台の車が止まった。 リビングの窓から様子を見ていたニイナと神田だったが、車から降りて来たのは、いつぞや振りの来客二人。 「黒北のジイサンに、秋山さんと来たもんだ...」 #かどわかしの商売人

2024-03-30 21:23:18
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

苦手そうな表情を浮かべるニイナに対し「黒北さん、悪い人じゃあないでしょ」と、神田は言う。 「わかってないなぁ、黒北のジイサンはな、自分に都合の良い相手だとすごい良い感じに振舞ってるようなものだぞ」 「それじゃあ、黒北さんにとってニイナさんは都合の悪い相手になるの?」

2024-03-30 21:23:19
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まとめたひと
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

基本は自分が考えた創作ッ子達の事を呟いたり、絵を上げたり、お話も書いたりします。偶に違う話等もしておりますが……ようは気まぐれだが基本は創作用アカウントです。(※食べても美味しくない鶏野郎で無言フォローをしたり、時として話すとアツくもなりますがそれでもよろしければです)御用の方はDMまで。