旅徒然・勝浦

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2022年12月25日。こんな清々しい冬晴れのクリスマスに部屋に籠ってるとか勿体ねぇ！ ということで青春18きっぷ二回目。東京駅から京葉線に乗り換える。臨海工場地帯と巨大なマンション。京葉線からも富士山観えるんや……日本最大級の貿易港、千葉港も気になるなぁ……蘇我駅で外房線に乗り換える。 pic.twitter.com/aGcxzk8sXe

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車窓から眺める房総半島の景色が好きだ。千葉県には山がない（最高峰の愛宕山が408m）と言われるけど、しかし地形的には結構起伏がある。起伏の出っ張ったところは鬱蒼とした森になり、平たいところには住宅地と田圃。そしてそんな起伏の合間を縫っていけば太平洋側には広大な平野が広がる。 pic.twitter.com/xAPbbxGA91

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上総一ノ宮駅で三十分の乗り換え待ち……三十分も余裕あるのに上総一ノ宮に寄らないのは可笑しいな？ ということで玉前神社まで走る。屋台出てたりお雑煮配ってたり、裏手には「はだしの道」なんてのがあったりしたのだけど今回は十分ぐらいで離脱。また走って駅に飛び込む。罰当たりな…… pic.twitter.com/Wk8A3QVMOH

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さて、乗り遅れたら一時間待ち、無事に乗り換えの電車に間に合って、今回の目的地である勝浦駅で。電車のなかで、大学時代のバイト先の同僚さんから相当振りにLINEの連絡が入った。最初は他愛ない挨拶をしていたのだけど、同じバイト先の先輩だったOさんが癌で亡くなったという報告だった。 twitter.com/lousism/status… pic.twitter.com/Rja5IQdlnc

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お悔やみの言葉を返さねばならないが、如何せんこちらは初めて訪れる旅先である。駅前で撮った地図の写真とLINEの画面とを交互に見ながらふらふらと歩き出したものだから、見事に変な方向に曲がってしまって道に迷ってしまった。まだ三十代半ばぐらいだろう、Oさんには色々とお世話になったのに…… pic.twitter.com/gMeG3cvQdc

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気を取り直して、房総半島の勝浦を歩く。取り敢えず目印になりそうな寺院を見付けた。覚翁寺。ええと？ 覚翁寺がここだから、こっちに行けばいいのか？ いや？ 違うな？ この土地は起伏があって道が複雑、更に岩肌が聳えていて見通しも良くない。今回は早々に諦めてGoogle Map先生に助けを求める。 pic.twitter.com/GCfxH6kR20

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Google Map先生のお陰で軌道修正完了。先ずは立派な重層建築の釈迦堂を有する本行寺。それから階段をずんずん登った小山のうえに置かれた遠見岬神社。因みに勝浦では「かつうらビッグひな祭り」という壮大な雛祭りが催されるそうで、この遠見岬神社の階段には千体を越える雛人形が飾られるという。 twitter.com/lousism/status… pic.twitter.com/CZ7zIfBIqG

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遠見岬神社へ登る階段からは勝浦の街並みが一望出来る。そして海辺の景色も。かなりぐだぐだしてたけど、ようやく港に到着。 pic.twitter.com/0Mg3E7TrjP

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で、再び市街地へと戻る。勝浦では毎日有名な朝市が営まれていて、昼過ぎだから当然時間帯を外してるのだけど、せめて仲本町朝市通りだけでも歩いておこうと思う。突き当たりの高照寺には県指定天然記念物の乳公孫樹。その名の通り、四方へ広がる幹から巨大な乳柱が幾つもぶら下がっている。 pic.twitter.com/QJFG32znF4

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そしてまた別の路地を通って港のほうへ……うん、我ながらかなり効率の悪い旅をしている。かなり唐突な思い付きで訪れたものだから事前の知識はほぼゼロ、そのうえ駅前で観光地図を確保出来なかったものだから完全に出たとこ勝負なのだ。そうそう、港といえばやっぱり巨大な製氷工場や冷蔵庫だよね。 twitter.com/lousism/status… pic.twitter.com/ukNs98fUdW

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勝浦港。一応、歩行者までは立入禁止になってないよね……？ と入口の看板を確認しつつ恐る恐る脚を踏み入れる。そういえば沼津港では漁船がずらっと浮かんだまま停泊していたけれど、ここでは漁船が陸に揚げられている。何か港ごとに違いがあるのか、或いは単にタイミング的なものなのだろうか…… pic.twitter.com/0YW0XHI7wQ

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あんまり深く立ち入るのは気が引けるので手前のほうで引き返す。ここ二年程でそれなりに漁港の経験値を貯めてきたはずなのだけど（焼津に沼津に銚子に……塩釜は漁港まで行ってないや）やはり港に来ると、自分はどうしようもなく異邦人なんだなと思ってしまう。釣りでも嗜むとまた違うのだろうけど…… pic.twitter.com/SThMVD48pX

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漁港からちょっと歩くと、砂浜。勝浦中央海水浴場だ。やっぱり海は冬だな…… twitter.com/lousism/status… pic.twitter.com/Zv19SGonor

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砂浜に立つ赤鳥居。熊野貴船神社の鳥居らしいのだけど、肝心の社殿は外房線の線路の向こう側にあるのだそうな。ゴツゴツした磯が頭を覗かせているところもあるけど、概ね綺麗な砂浜で、濡れたところのほうが砂が固くなっていて歩きやすい。そして眩しい。めっちゃ眩しい。冬場の海岸、めっちゃ眩しい。 pic.twitter.com/HZAfUcYj4Q

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太陽と海面の反射が滅茶苦茶に眩しくて全然水平線のほうが観れないのだけども……海が陸地方向に食い込み、両側を陸地が囲まれた状態になった「湾」という地形の特徴は把握することが出来る。駿河湾ともなるとスケールが巨大過ぎるけど、勝浦湾ぐらいだと陸地の合間にある湾口がかなり分かりやすい。 pic.twitter.com/B0xWu8GPur

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一旦道路のほうに登る。やっぱり眩しい……さてはて。これからどうしよう？ twitter.com/lousism/status… pic.twitter.com/GNmEjQobOy

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取り敢えず道路沿いにあった飲食店で担々麺を食べる。担々麺……そう、勝浦は御当地料理として担々麺を推しているらしく、市街地のあらゆるところに担々麺の旗が置かれているのである。海女さんや漁師さんが冷えた体を温めるためのメニューとして定着した、という歴史があるらしいのだけども…… pic.twitter.com/kPnCa0ww8e

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さてはて。僕はここで重大な決断を迫られていた。僕は海を観に来た。そして勝浦「湾」の景色を堪能しようというのなら、やはり湾口の先端部まで行くべきじゃないか？ しかし、遠い。右手にある八幡岬も、左手にある鵜原理想郷も、勝浦中央海水浴場から徒歩で向かうにはめっちゃ遠かったのである…… pic.twitter.com/ERIbuJ1s6D

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四回目ワクチン接種の副反応がずっしり来ておりまして、関節が痛くて布団から動けないdaniです……さてはて取り敢えず前回から引き続いて2022年の12月25日、午後二時頃の勝浦。まぁ悩んだところで結局はどうせ歩くのです。鵜原方面へと出発、複雑に絡み合う高架を潜る。12月なのにサーファーがおる…… twitter.com/lousism/status… pic.twitter.com/7vTee4NrN5

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暫く歩くとまた砂浜が現れる。こちらはいまいち海水浴場という趣でもない。山と海に挟まれた狭い土地、そこを貫く一本の道路……広大に開けているのにとても狭い、海辺の街の景色。こういう海辺の街を歩いてみたかったんだ、と改めて思う。 pic.twitter.com/Cb9LVbig7I

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砂浜が途切れると漁港があった。串浜漁港。港内は立入禁止なのでロープ越しになかを覗いてみる。そんなに規模は大きくない。漁船。堤防。僕は未だに、漁港という施設がどのような構造で運用されてるのかいまいち分かっていない。このあたりで既に山影に太陽が隠れてしまって、段々肌寒さが増してくる。 pic.twitter.com/9YgZpJXsbv

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トンネルを一つ越える。何か……何かがあったんだんだろうなぁとは思うのだけど何があったのかまるで分からないコンクリート製の「遺構」と、当たり前のようにその出っ張りに陣取っている釣り人。こういう不思議な「遺構」は度々海辺で見掛けるのだけど、本当にまるで何があったのか想像が付かない。 twitter.com/lousism/status… pic.twitter.com/6ma7zMjXDv

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さて、ここで重要な分かれ道。ここを真っ直ぐ進めば鵜原駅。そして左手方向に折れれば、勝浦湾の西岸部を巡る、なかなかの大冒険が待っているだろう。さて、どうするかな、なんて僕はちょっとだけ悩んで左手に折れた。ああ、もう戻れないぞ。僕はろくに躊躇もせずに見慣れない海辺の景色へ飛び込んだ。 pic.twitter.com/hRnkSmIIJv

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松部漁港。ここも港内には立ち入らずに道路側からなかを覗くだけ。漁船がいっぱいあることしか分からない…… pic.twitter.com/A5ReI2K3fp

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さて、道路は蛇行しながら山中へと登っていってトンネルが……トンネルが……これはまさか、手堀りの隧道か？ 入口と道路は舗装されてるけど、内部の壁は人力で削ったらしき粗っぽい跡がそのまま残されている。隧道を抜ければガードレール越しに小さな浦。 twitter.com/lousism/status… pic.twitter.com/lhTzR0EYRx

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そしてまた、手堀りの隧道！ もう入口の舗装すらしていない。反対側の出口なんて歪んでるし崩れてるしで、変なところに迷い込んだような不安に駆られるけど道沿いには民家もあるしちゃんと車通りだってある。しかし、何故かつての人々はわざわざ隧道まで掘ってこの狭い土地を開拓したのだろう…… pic.twitter.com/4s895pJeJJ

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手堀りの隧道を抜けると尾名浦とめがね岩。こんな季節にこんな場所を歩いてるのは私だけだから、私はこの浦を丸ごと独り占めしている気分になる。でも何だか寂しい。そしてまた手堀りの隧道。この土地では湾に面した場所だけが小さく開けている。だから隧道は湾と湾を繋ぐように掘削されていく。 pic.twitter.com/YA64xrb5i2

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手堀り隧道。民家と漁船と湾。手堀り隧道。再び民家と漁船と湾。これが繰り返される。トンネルを潜るごとに漁村が点在している、と言ってしまえばそれだけのことなのだけど、海辺の街に慣れてない僕はこの繰り返しにちょっと怯えてすらいた。こういう「成り立ち」を僕は全然理解してなかったのだ。 twitter.com/lousism/status… pic.twitter.com/o4l2V4HzUW

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フラクタルという数学的な概念がある。僕も全然理解してないのだけど、フラクタルの具体例の一つがリアス式海岸らしい。図形の部分と全体が相似しているような状態。海岸線はどれだけ拡大しても複雑に入り組んでいて、湾を拡大すればまた幾つもの湾が現れる…… ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95…

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勝浦湾は徒歩で旅するには結構な大きさだったけど、勝浦湾なんて房総半島のキザギザした地形のごく一部分でしかないし、そして房総半島のギザギザなんて東京湾や相模湾の巨大さからすればあってなきようなものだ。けれど、人間はこの「あってなきようなもの」を地道に開拓し続けたのである。 pic.twitter.com/dZ02hYd6rr

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ここは吉尾港。神明神社と吉祥寺。湾になって幾らか開けているとはいえかなり急峻な土地だ。湾のなかにはまた湾があるはずであり、そして港となるような湾を求めてどんどんと沿岸部の岩盤を掘り進めていったかつての人々の開拓精神には脱帽するしかないけれど、しかしそれにしても無茶が過ぎる…… twitter.com/lousism/status… pic.twitter.com/R0ANleMAe7

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そしてまた手堀りの……違う！ このトンネルはちゃんと舗装されている！ もう手堀りじゃない舗装されたトンネルを抜けると海の資料館、そしてその裏手にはまた小さな砂浜があって、こんな季節でも観光客があちこちで歩いている。海からは謎の建物がにょきっと突き出している。勝浦海中公園である。 pic.twitter.com/3dpJ2XVlpB

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……遥々ここまで歩いてきたわけだけど、実は僕は勝浦海中公園が一体どういう施設なのかまだ良く分かっていないのだ。勝浦湾の西岸を探索しようって決断したのがつい一時間前のことやし。どうやら海のなかを観察出来る施設らしいのだけど…… pic.twitter.com/15errYYttQ

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こ、高所恐怖症にこれは厳しい…… twitter.com/lousism/status… pic.twitter.com/Bp5Fs2qlvZ

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勝浦海中公園は、ある意味で非常に分かりやすい施設である。海中に筒をぶっ刺す！ そして筒のなかに螺旋階段を設けて海底まで人間が降りれるようにする！ 単純明快だけどめっちゃ大掛かりだ。何処までも続きそうな螺旋階段をちょっと不安になりながら降りていくと、海底の窓から青褪めた光が漏れる…… pic.twitter.com/CAcaIwCKV4

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……正直、ちょっと舐めていた。これは凄い。想像を遥かに越えて沢山の魚が海中を泳いでいる。潮の動きに合わせて魚達は常にゆらーんゆらーんと揺れている。実物の海底の様子なんて水族館では拝めないし、窮屈な水槽ではない、広大な海中にあっても魚達がこんな密集して泳いでるなんて知らなかった…… pic.twitter.com/Qmdxk3NRW5

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写真なので霞んでしまうけど、肉眼なら充分にはっきり魚達が観察出来る。家族連れも沢山いて、子供達が興味深そうに窓の外に揺れる魚達を指差している。そして海上の展望台からは雄大な太平洋。心細い螺旋階段の薄暗さとのギャップもあって、規模のわりには体験のスケールが大きい施設だった。 twitter.com/lousism/status… pic.twitter.com/kRFhgOgzAj

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因みに勝浦「海中公園」は南房総国定公園の海域内に設けられた地区のことで、別に海中が観察出来るから海中公園というわけではない。施設の正式な名称は勝浦海中公園展望塔。Wikipedia先生に依れば海中公園（海域公園）の指定は1974年、展望塔のオープンは1980年。 ja.m.wikipedia.org/wiki/%E5%8B%9D…

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一つ訂正。正式名称は勝浦海中公園海中展望塔でした。海中公園（海域公園）への指定の目的はあくまで自然保護なのだけど、同時に観光資源とも見なされていて、日本最初の海中公園である和歌山県の串本海中公園（吉野熊野国立公園内）にも海中展望塔があるそうな。 ja.m.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%B2… twitter.com/lousism/status…

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今回一つ覚えたこと。展望塔に向かう途中にもあった、岩盤を四角く切り抜いて水を溜めた、明らかに人工的なのだけど目的が全然分からなかった謎の窪み。これは鵜原の伝統的な鰯の追い込み漁で使われていた生け簀なんだそうな。Google Mapで確認すると、結構あちこちに生け簀の痕跡が残ってて面白い。 pic.twitter.com/m4zssdGRuR

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さて、僕は安易な思惑を抱いていた。ここは明らかに人気観光地。ならば観光バスが定期運行されているはず。あわよくば駅までバスで帰れれば……はい。御察しの通り、バスになんて乗れませんでした！ 鵜原駅まで徒歩です！ 仕方ないので千葉県立中央博物館分館 海の博物館をぶらっと散策する。 twitter.com/lousism/status… pic.twitter.com/GAdJMRXv4f

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うう、既に午後四時。日も暮れて寒い。ここから鵜原駅までまた孤独に歩かなきゃならないのか。トンネルはもう手堀りの隧道ではなく、しっかりと舗装されている。鵜原駅までは決して遠くはないはず。出来れば真っ直ぐ駅に向かいたいが……ふと脇道に海辺の気配があったら立ち寄らざるを得ない…… pic.twitter.com/5mFDbS44ci

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こちらは鵜原漁港。鵜原漁港は長入港区と勝場港区とがあって、突き出した岬によって分断されているのだそうな。どうやら港内にも岬を貫いて両区画を繋ぐトンネルがあるらしいのだけど、流石に勝手に港内に立ち入るのは憚られるので、僕は元の道まで戻ってトンネルを越えて隣の区画へと向かう。 pic.twitter.com/BlcMfXK0bL

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さぁ、今回最後の決断。鵜原理想郷まで行くべきか、諦めて鵜原駅に直行すべきか。というのも、既に日も傾いた午後四時、一時間に一本しか走らない外房線に乗り遅れてしまうと大変なことになるという致命的な問題がある。今回は流石に悩んだ。あれこれ悩んで……取り敢えず途中まで行くことにした。 twitter.com/lousism/status… pic.twitter.com/m0FQvzYy6X

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鵜原漁港からのコースは私有地を通過しなければならないらしい。怪しい隧道を抜け、曲がりくねった山道をえっさえっさ登って鵜原理想郷に到着。理想郷、というあたりがなんか奇妙な響きだけど、これはかつて周辺を別荘地にしようとした計画があった名残らしく、歴とした南房総国定公園の一部である。 pic.twitter.com/JettPPwR6G

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手弱女平……ここは鵜原手弱女平遺跡でもあるらしいのだけど……世界が茶色い…… pic.twitter.com/I8bOaWxb3u

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雄大な太平洋。雄大なリアス式海岸の眺め。大地も空も海も、何もかもが美しく滑らかな夕暮れに染まっている。冷たい冬に磨かれた黄昏。まるで最初から世界はこんな色彩であったかのように。ああ、これは、寄り道して正解だった。こんな景色を独り占め出来るなら、多少の無茶もお釣りが付いてくる。 twitter.com/lousism/status… pic.twitter.com/R8FM4ZLYuM

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落日を惜しむ。 pic.twitter.com/iRDFUwCMMD

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……うん。満足した！ 鵜原理想郷には幾つか岬があって、それを経由して海岸に出るルートもあったのだけど、もう間もなく日が沈む時間帯に迂闊に冒険して道に迷うのは危険だ、と名残惜しんで元来た道を引き返した。あとは鵜原駅に直行するだけ……のはずが……やっぱり夕焼けに誘われてしまって…… pic.twitter.com/l0KlFEWeQr

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鵜原海水浴場。凍える宝石を空に散りばめたような絶景。そうだ、雲は、氷の粒が集まったものなのだったっけ。だから雲はまるで氷のように冷たく、黄昏を吸って鮮やかに透き通り、或いは苦々しい紫色になって輝く。誰もいない海岸に、厳かに波に打たれる鳥居。八坂神社の一ノ鳥居。浮世離れている。 twitter.com/lousism/status… pic.twitter.com/d16FOJXoUN

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