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カツムラ @PhyseteroideaN

フェドロに限らず、群衆の笑い顔・女王の含み笑い・ジョシアナの爆笑・デヴィッド卿の粋な愛想笑い・デアの微笑みなど、グウィンプレンの周囲に様々な笑い顔が用意されていて、唯一自分の意志で笑うことができないグウィンの悲哀が一層増す効果がある

2022-04-06 21:46:50
カツムラ @PhyseteroideaN

これは「笑う男」というタイトルとテーマに対して、サイレント映画であるゆえに際立つ要素がうまく相乗して作用しているといったところかな。 いや、ほんと役者全員の所作と表情のコントラストが洗練されててすごい。

2022-04-06 21:49:01
カツムラ @PhyseteroideaN

ジョシアナの奔放な爆笑、好きな時に好きなように心から笑ってるな〜ってのがよく分かるんでとても好きですね。 1928年版のジョシアナはとにかくよく笑っている。愛想笑いや作り笑いはしません〜って自由さとそれを許されるパワーがバチバチに出てる。

2022-04-06 21:55:42
カツムラ @PhyseteroideaN

そんな彼女が真顔でグウィンプレンを見つめてるシーンがあり「私は貴方を笑いません」という手紙がグウィンに届く、そこがめちゃくちゃ絶妙なフックとして効いてますね それまで散々グウィンを笑う群衆の描写が続いてきたのもあるし。

2022-04-06 21:56:01
カツムラ @PhyseteroideaN

原作において書かれていた「見ること」と「見られること」の要素が、1928年版では「笑うこと」と「笑われること」という「笑う男」のタイトルとして非常に良い変換がされてるなーと思います

2022-04-06 22:00:50
カツムラ @PhyseteroideaN

ここまで書いてて思ったんだけど、グウィンプレンの周囲に積もり積もっていて、やがてジョシアナとの出会い・出征の秘密というダブルニトロブースターで着火大爆発することになる「火薬箱」をどう描いてるかが各作品でいろいろ違って面白いなーって

2022-04-06 22:05:49
カツムラ @PhyseteroideaN

原作では「見ること」「見られること」の狭間でグウィンが目にしてきた貧困の世界があって、そして彼自身の外見的怪物性による孤独があって、そのあたりの説明が執拗に書いてあるんすよね

2022-04-06 22:07:39
カツムラ @PhyseteroideaN

そこの孤独を超えられるのがデアだけだったところにジョシアナって火花がスパークしてメラメラした挙句、貴族ファイヤーで油田の家事みたいなことになっちゃったもんね。 何にせよ最初の起爆剤がジョシアナなのがポイントなんだね。

2022-04-06 22:09:07
カツムラ @PhyseteroideaN

1928年版での火薬箱はさっき言った通り「笑い顔」だろうと。グウィンプレンは彼を笑う群衆の笑い顔に耐えられず、その苦しさが強くクローズアップされる。 そこにジョシアナの真顔がドッカーンと着火してくる。

2022-04-06 22:14:43
カツムラ @PhyseteroideaN

2012年版はグウィンの幼少期の体験を掘り下げることでその火薬箱を置こうとしてる印象ですね。 ある農村に立ち寄った時、村のクソガキから「顔を見せろ」と囲まれて「笑ってんじゃねえぞ」と暴行されかけるという場面があって。

2022-04-06 22:17:23
カツムラ @PhyseteroideaN

その前後でデアがずっと「お腹すいた」と言ってて、根っこを煮た謎スープで空腹を紛らわすというような貧困と迫害の生活を幼少期に体験している。 そしてそれを脱するきっかけになったのが「グウィンの顔をネタに見世物をやる」という行為だった。

2022-04-06 22:20:21
カツムラ @PhyseteroideaN

普通の時に顔を見せると囲まれて暴行される危険があるので隠していたのが、見世物として舞台の上で堂々と顔を出せる+それによってメシが食えるってのは、すごく良い火薬箱になってるなぁと思う

2022-04-06 22:22:18
カツムラ @PhyseteroideaN

まあ、なんというかその後がとにかく痴情のもつれがひたすらもつれているもんで、火のつき方と燃え方がしっちゃかめっちゃかな印象は否めないわけだが(

2022-04-06 22:25:46
カツムラ @PhyseteroideaN

そんでミュージカル版はというと、ここがたぶんいちばん弱点なのではないかと思う。 何がグウィンプレンの火薬箱だったのかいまいち描写できてないところがあるので、ジョシアナとの出会いで何に着火したのかパッとしないんだよな…

2022-04-06 22:28:05
カツムラ @PhyseteroideaN

貴族側について過剰なまでに「華美な汚濁」として描くことで貧困描写の代替を試みたのかなと思うんだが、如何せんそれはグウィンプレンの周囲に積もっているものではないし、着火爆発するものでもないっていう。 ”華美な汚濁“を絵にしろと言われてあれ以上のものは無いだろうという完成度なんだけど。

2022-04-06 22:33:13
カツムラ @PhyseteroideaN

「見ること・見られること」「笑われること」「貧困」いずれか、あるいは全てをきちんと設置したのちジョシアナニトロブースターで着火するのが笑う男の翻案スキームなんじゃないかと思います

2022-04-06 22:37:04
カツムラ @PhyseteroideaN

1928年版がとても上手く思えるのは、「貧困」を綺麗さっぱりぶっこ抜いているからだね。 じゃあユゴーが意図した「笑う男」という作品の形をしっかり描写するのに貧困を抜いても良いのかってところは、もちろんあると思う。 レミゼからは貧困を引き算できない。

2022-04-06 22:39:19
カツムラ @PhyseteroideaN

だって1928年版、呑み口としては非常にライトで軽いっすよ。 それゆえに役者のポテンシャルが光り、キャラクターの整理整頓が丁寧で良い仕事が行き届いている。

2022-04-06 22:41:50
カツムラ @PhyseteroideaN

2012、ミュ版はもう少しユゴー概念を拾って重苦しくやろうという気概があるもんね。 2012年版は原作に無い幼少期の掘り下げを試み、ミュ版はグウィンプレンにヒロイックな味付けをして悲劇性を高めようとした。

2022-04-06 22:46:19
カツムラ @PhyseteroideaN

そこの成否については置いておくけど、「ユゴーをやろう」って空気はすごくある。 ぼくが最初に浴びた怪物概念がミュージカル版だったのはとても良かったと思います。特にデアの描写はミュ版がいちばん原作寄りだなと思うので。

2022-04-06 22:52:11
カツムラ @PhyseteroideaN

原作・1928版・2012版は延々とお代わりして比較できるのに対してミュージカル版が全く補完できないってのがちょっと辛いな… ミュ版の印象については1回きりのうろ覚えで申しているのでだいぶペロンペロンですので、すみません

2022-04-06 22:55:51
カツムラ @PhyseteroideaN

同じ主題の複数作品をぐるぐるしまくったせいで、なんていうかもう「各作品の好きな要素を組み合わせて君だけの最強の笑う男を作ろう!」みたいなことになっている脳内が。 これはその、なんともマズいよなと思いつつですね。しかし自分で翻案する面白さってのもあり。ウムム。

2022-04-06 23:00:48
カツムラ @PhyseteroideaN

笑う男の1928年版観てたら、トーキー映画が現れたとき「映画の情緒が失われる」みたいな否定派が出てきたように記憶しているんですが、その失われた情緒みたいなものがなんとなく分かったような気がする。

2022-04-07 14:47:54
カツムラ @PhyseteroideaN

笑う男1928年版、グウィンプレンがバットマンのジョーカーのモデルとかよく言われているけどフェドロと併せてジョーカーだよねこれ 父クランチャリーに「お前の息子はこうなったぞ」ってジェスチャーしてんだけど、めちゃくちゃジョーカー仕草ですわ pic.twitter.com/Rtu7s1LebF

2022-04-08 08:05:23
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まとめたひと
Katsumura @PhyseteroideaN

四季ノートルダムの鐘、ミュージカルとかオペラ、演劇。カジモド可愛い教団事務局。名前は「欠けて使えなくなったカニの消しゴムのカケラ」長いので縮めてカツムラ。成人したカニ🦀