実家の小料理屋を手伝っている一ノ宮雫は、ある日謎の存在「芸術を愛する者」に才能を見出され、願いを叶える宝石を渡されました。 その宝石に願いを込めると、そこは雫にとって見たことがない場所でもあった…。 (※連載当時のまま掲載しているので、誤字脱字があります)
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伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

お知らせ! 明日からは一ノ宮 雫さん視点の『#料理座の怪人 後編』をお送りしやす! 展開は「風の吹くまま気の向くまま」な所もありますがと、主としては「前沢シェフと接点がない時、雫さんは何をしていたのか…?」いわば補完的な感じで行くかと思われます! twitter.com/5jyouTsukito/s…

2020-10-31 20:38:14
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

本日のお絵かき:500サイズシリーズその101、かつて、前沢慎太が勤めていた「料理座」の料理人の一人でもあった一ノ宮 雫(イチノミヤ シズク)は、既婚者で子持ちでもある。 実家の小料理屋を手伝っていたという事もあり、調理の腕は前沢や他の料理人達をも唸る程の腕前を誇っている。 pic.twitter.com/DkEnXp2gQl

2020-10-30 22:04:09
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

一ノ宮 雫、あの者は生き方が純粋という意味では芸術性はあるが、所詮は人間だから、何をして言い出すのかさえも予想はつかなかった。 だが、私はそういう所も込で、気に入っていた一人でもある。 そんな彼女との出会いは、過去の壱ノ笠へと遡る事になる――。 #料理座の怪人

2020-11-01 20:11:16
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

ある晴れた日の、夕暮れ時でありました。 あまり人の行き来がない路地裏で、白い煙が立ち込めている所を見た一人の女は、気味悪がってその場を離れようとしました。 しかし、女がその煙から逃げようとする度に、その煙は後を追うように付いてくるではありませんか。#料理座の怪人

2020-11-02 19:33:02
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

やがて、その煙は「逃さぬ」とでも言わんばかりに炎へと姿を変え、女を喰らい尽くしてしまったのです。 女はもう(自分は助からない)と思って瞼を力強く閉じていましたが、熱くも無ければ自身の身体も無事にあるのですから、驚きを隠せません。

2020-11-02 19:38:08
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「これは、一体…」 『人間として…いいや、生物として怪しいと思ったモノに近づかない。当たり前の行動だ』 姿が見えない声が響き渡る不思議な空間に居るのですから、益々「何が起きているのだろうか」と思った矢先でした。

2020-11-02 19:41:30
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

『私が姿を変えた時、君は強く思った「生きたい」と。……だから、私は君を生かしている』 「……アナタは、どちら様なのですか」 『どんな姿形も問わない、私はただのながない「芸術を愛する者」だからな』 「芸術を、愛する者…」 『そう、私は今、君に芸術の才を見出しているのだよ、レディ?』

2020-11-02 19:46:11
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「私の才能を…ですか?」 女の疑問の声を聞いた声は、未だに姿を現さないまま『その通り、君は……料理が出来るようだね』と、言い当てる。 どうして、と声が小さく出たが、相手はさも当然のように言葉を続ける。 『その手を見れば、一目瞭然だとも』#料理座の怪人

2020-11-03 20:36:54
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

何時も、寝る前に手指用の軟膏で手入れをしてはいますが、よく見れば所々にあかぎれなどが見えています。 「確かに、料理や食器を洗う際に水を扱ったりはしますが…。それだけを見て、アナタは解ったのですか…?」 『全てではないがね。だが、もっと言えば、君の思考さえも読み取る事も可能だ』

2020-11-03 20:43:15
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

再び、その声は女を見て言いました。 『成程、君は一ノ宮 雫というのだね。結婚して、子供も居る。先程、生きたいと思ったのは、その者達と共に過ごしたいと思ったからであると――。成程、実に純粋だ、が……同時にこのような事も思っている「もっと、料理の腕が良くなれば」と…』

2020-11-03 20:50:03
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

『もし、私が必要だと思った時には、この宝石に願いを込めて私を呼ぶといい、何時でも出てこよう。…ただし、回数は限られているがね』 炎は全てかき消され、次に瞼を上げると、元居た路地裏に居た雫は夢かと思いながらも、その手にあった宝石を見て夢ではないと気づくのです。 #料理座の怪人

2020-11-04 20:28:40
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

遠くから夜を告げる鐘の音が鳴るのが聞こえ、ハッとした雫は(早く家に帰らなければ…!)と思い、路地裏を後にするのでした。

2020-11-04 20:29:53
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

急いで家に帰った雫に対し、一人息子の若葉は「おかえり、母さん」と、何時ものように声をかける。 「ただいま、若葉。お腹、空いたでしょう?今、夜ご飯、作ってあげるからね」 「大丈夫だよ、母さん。軽くだけど、僕、作ってみたんだ」#料理座の怪人

2020-11-05 20:34:41
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

食卓の上には白米のご飯と味噌汁、それに野菜炒めが並べていたのだから、雫は驚く顔を浮かべながらも「一人で、作ったの?」と聞きました。 「うん」 「そう…、ありがとう」

2020-11-05 20:36:35
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

若葉の作ってくれたご飯を食べている時でした、雫は箸を置きながらに言います。 「いつも、ごめんね、若葉」 「いいんだよ、母さんだってじいちゃんとばあちゃんの所で手伝っているんだから、遅くなるのは当然なんだから」 「でも、それじゃあ――」#料理座の怪人

2020-11-06 21:01:07
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「僕なら大丈夫、慣れてるから」 「若葉……」 笑顔を浮かべる息子の姿を見て、安心する気持ちと申し訳ない気持ちが同居し、これ以上の言葉が出ない雫は話題を変え「父さんはもう、帰っているのかしら?」と聞きました。 「うん、先に済ませたからって、もう寝室に居るって」

2020-11-06 21:04:57
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「そう…」 何処か元気のない返事を聞いた若葉は、不安そうな表情を浮かべながら「母さん、大丈夫?」と聞きますが「うん、大丈夫よ。若葉」と、何処か力なく返答するのでした。

2020-11-06 21:12:15
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

その日の夜、遅くの事です。 雫は一人、茶の間で最低限の明るさの中で、チラシの裏面を食卓机の上に広げ、鉛筆を右手に持って何かを書いているようですが、頭の中で一向に纏まらず仕舞いで、思うように書けないでいました。#料理座の怪人

2020-11-07 20:55:32
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

――父さんと母さんに新しい料理をって、前にも相談されたけども。洋食系は父さんが出すのを嫌がるし…、かといって……。 そんな時でした、壁にかけていた上着のポケットから光がを見て(そういえば、あの時貰った宝石って…)そんなことを思いながらに取り出すと、宝石は更に光を放ち出したのです。

2020-11-07 21:01:16
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

上着のポケットから光る宝石を取り出した途端、その宝石は更に光を増してゆくのですから、その手で視界を遮った時でした『こういう時にこそ、私の出番だな』と、聞き覚えのある声が耳に入ってきました。 #料理座の怪人

2020-11-08 20:20:21
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

その声に気づいた雫は遮る手を下げ、辺りを見渡すと、自分の居た自宅の茶の間ではなく、昼間に居た不思議な空間に居たのです。 「昼間の…、まさか……本当に…」 『言ったではないか、私は君が必要な時に現れる、とな』 「しかし、私はアナタの事を」

2020-11-08 20:24:44
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

『上っ面の言葉なら幾らでも言えるが、中面の言葉は聞こえぬものだが、本当の事を言っているものだからな』 「それじゃあ、アナタは私の声を聞いた、という事ですか?」 『いかにも、君はこう思っていただろう(様々な料理の案を、もっと知りたい)とね』

2020-11-08 20:28:00
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

占い師のように言葉にしていない事を口で言われた雫は、それ以上の言葉は返しきれません。 ですが、その声は何かの呪文を唱え始めますと、その先に一筋の光を導かせました。 『君の欲しっている事柄は、あの先にある。行くか行かぬかは、自身の決断次第だ』

2020-11-08 20:31:10
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

固唾を飲み込みながらも、光のさす方へ向かい歩き始めて数分程、一ノ宮 雫がたどり着いたのは森の中にある一軒の西洋風の建物でした。 近くの看板には「料理座」と書かれているうえに、その建物の中からは食べ物を調理する匂いが漂っていたのです。#料理座の怪人

2020-11-09 19:27:06
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

――良い匂い…、でも、あのお方は何故私をこのような場所に案内したのかしら…? そんな事を思っていた時でした、後方から「失礼ですが、どちら様でしょうか?」という声が聞こえ、雫は驚いたような声をあげて反応しながら相手の方を見た途端、向こうは直ぐに納得したような顔でこう言ったのです。

2020-11-09 19:30:22
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「アナタですね、オーナーからスカウトされた料理人というのは?」 「すかうと…?あの、私はただ……」 いきなりそんな風に言われても、雫にとっては何がなんだか分からないまま、相手はその手を引きながら「話は後です、オーナーがお待ちしておりますから」と建物の中へ連れて行ったです。

2020-11-09 19:33:12
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

訳の分からないままに雫は料理座に入り、気が付けば「おーなー」と呼ばれている者の部屋にまで通されてしまいました。 背を向けたまま立つ者を見ながらに「あの…、私……」と声が出た雫でしたが「アナタが、一ノ宮 雫さん。ですね」と聞いて来たのです。 #料理座の怪人

2020-11-10 19:39:48
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

どうして、私の名前を知っているのだろう?――という疑問が浮かぶ中で、向こうは雫の眼を見ながらに言いました。 「ある方から薦められましてね、先日、アナタが働くお店にも行かせてもらいましたが……いや、実に素晴らしかった」

2020-11-10 19:48:41
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「あ、ありがとうございます…!」 「あの時に私はアナタをスカウトしたのですが、良い答えは得られなかったから、どうしたものかと思っていたのですが…、よもや、アナタの方からコチラに来るとは思いもしませんでしたよ」

2020-11-10 19:54:20
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

良い風に言われたものですから勢いで礼を言った雫ではありますが、正直な所を言えば…そのような事があっただろうか?…と考えてしまう所ですが、その隙もなく、事は進んでゆく所でありました。

2020-11-10 19:57:50
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

オーナーからの話を一通り聞き終えた後、オーナー代理に案内されると「早速ですが、今日の料理で使う野菜の下準備をお願い出来ますか?」と聞かれ「はい、大丈夫です」と雫は返しました。 「では、よろしくお願いします」#料理座の怪人

2020-11-11 20:36:38
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

渡されたボウルに野菜を入れ、空いている所へ座って包丁を使いながら皮を剥き始めました。 他の者たちは喋りながらしている中で、雫は言葉を発さぬままで剥くものですから「あの新人さん、すげぇな」と言われていても知る由もありませんでした。

2020-11-11 20:48:10
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

目まぐるしく一日が終わる頃、オーナー代理に呼び出された雫は空き部屋を紹介されました。 「今日からアナタの住むお部屋です、生活に必要最低限のモノしかありませんで、自分が必要だと思うモノはご自身でご用意ください。では、私はこれにて失礼いたします」#料理座の怪人

2020-11-12 20:00:24
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

一人になった雫は、近くのベットに座り一息つきましたが隠していた不安な気持ちが現れるや(若葉、大丈夫かしら…。それに、私、何も言わないで出て行ったから、今頃、皆に心配していると思うわ……)と思った時でした、前掛けのポケットに入れていた宝石が光り出し、雫は直ぐに取り出しました。

2020-11-12 20:04:56
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

――この石に願いを込めれば、何でも願いが叶う。それが本当ならば、私は…。 両手で強く宝石を握り、黙ったままでいると、閉じていた瞼からでも解る程に眩い光が放たれ、しばらく落ち着いた頃にゆっくりと上げると、見覚えのある部屋に立っていたのです。

2020-11-12 20:09:15
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

――私の家、茶の間…だわ。 静かにそう思いつつ、壁にかかっている時計を見ると、自分が居た時からさほど変わっていない事に気づくと、雫は一息ついたのでした。

2020-11-12 20:11:40
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

翌朝、雫は何時もの時間に起きると、自分よりも次に早く起きてくる夫の為に朝食を作っていた時でした、寝間着姿で現れ「何時もすまないな、雫」ぶっきらぼうな声が聞こえ「いいんですよ、私は慣れていますから」と、雫は返しながらも出来上がった朝食を並べていきます。#料理座の怪人

2020-11-13 19:34:34
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

玄米と白米が混ざったご飯に、じゃがいもの味噌汁、ふきの煮物。二人は小さく「いただきます」と手を合わせ、朝食を食べ始めてある程度食べ終えた頃に雫は聞きました。 「今日は、帰りは何時程に?」 「昨日は早かったが、今日は遅くなるやもしれん」 「でしたら、夕食は置いておきましょうか?」

2020-11-13 19:38:46
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「いいや、大丈夫だ。外で食べてくる」 「そう、ですか…。わかりました」 すると、夫は席を立ち壁にかけていた上着や仕事道具を手にしながら「じゃあ、行って来る」と言い、家を後にする姿を見て、雫は小さな声で「お気をつけて」と言いながら見送りました。

2020-11-13 19:41:35
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

後から起きて来た息子の若葉にご飯を用意すると、ようやく自分も座り朝食を一緒に食べ始めました。 「母さん、昨日も遅くまで起きてたみたいだけど…身体、大丈夫?」 「うん、大丈夫よ。心配してくれてありがとうね、若葉」#料理座の怪人

2020-11-14 19:17:40
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

ある程度食べ終えた頃、今度は雫が若葉に聞きました。 「若葉、学校の方はどう?」 「うん、やっぱり高等にもなると習う事も難しくはなるから大変な所はあるけど、その分、新しい発見とかあるから楽しい所もあるなって思ってるよ」 「そう、良かった…」

2020-11-14 19:25:54
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

でも…と、小さな声を発した若葉でしたが、壁にかかっている時計の時刻を見て「学校に行く時間だ…!」と、慌てながらにご飯をかきこましたが、途中で喉を詰まりそうになる所を雫が急いでお水を渡すと、直ぐに飲み干し、なんとか元に戻りました。 「慌て食べちゃ駄目よ、若葉」 「うん、ごめんなさい」

2020-11-14 19:29:34
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

――これが、一ノ宮 雫の日常。 ごくごくありふれた、日々を過ごしているようだが…。 果たして、私が渡した宝石を何度使い、どのように変わってゆくのかが、楽しみだな?

2020-11-14 19:33:08
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

若葉を見送った雫は、後片付けと夜ご飯の作り置きを用意し、着替えた後に戸締りをし、実家でもある小料理屋・芽吹屋へ向かいました。 「雫、待ってたぞ」 元々、両親二人で始めた小さなお店で、歳もそれなりの為、いつ辞めたっておかしくはありません。#料理座の怪人

2020-11-15 20:52:41
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

ですが、ご贔屓にしている近所のお客さんらの声を聞く度に、自分達はまだまだやれると言い、こうして毎日台所に立ち、料理を振舞い、今日も雫の父親は仕込みをしている所でした。 「父さん、ごめんなさい。まだ新しい料理は…」 「なに、その件は急いではないさ」 「でも…」

2020-11-15 20:55:49
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「心配するな、店は…俺と母さん守るからな」 小さい時は大きく見え父親の背中も、今ではどこか小さく見える。 それはきっと、最近抱えている問題についてか、それとも、世の情勢のせいか…。 「うん」 小さく返事をすると、雫はそれ以上何も言わず、料理の下準備をし始めたのでした。

2020-11-15 20:59:00
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

芽吹屋の営業時間が終わり、雫は一人残り、調理場で考え事をしていました。 ――ココは家庭の味が売りなのはわかっているけれど…、それだけじゃあ新規のお客さんは取り込めない…。かといって、私の考えている料理を作って出しても父さんは何も言わないで突っ返すし…。#料理座の怪人

2020-11-16 20:07:15
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

はぁ、と深い溜息が出た時でした、前掛けのポケットに入れていた宝石がまたもや光出し始めたのを見た雫は考えてしまいます。 ――あの場所に行けば、何か、得られるならば…。 そう思いながら、宝石を力強く握りながら瞼を閉じ、次に瞼を上げると、先程居た調理場ではなく、朝陽が差した個室でした。

2020-11-16 20:10:19
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

自分が先程まで居た時は夜でしたが、自分がいる場所は朝陽が差し込んでいる時間帯になっているものですから、不思議な気持ちにもなる矢先、誰かが扉をノックする音が聞こえますと、雫は返事をし、扉の前まで行きました。#料理座の怪人

2020-11-17 20:39:17
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「一ノ宮さん、お話があります。よろしいですか?」 聞き覚えのある声が聞こえた雫は「いま、開けます」と言いながら扉を開けると、そこに立っていたのは料理座のオーナー代理でした。 「昨日はいきなり裏方を手伝わせたことについて、謝りにきました」 「…大丈夫ですよ!私、慣れていますから!」

2020-11-17 20:43:40
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「しかし…」 「本当に、大丈夫ですから!」 何処か晴れぬ表情を浮かべてはいましたが「そのお言葉、深く刻んでおきます」と言いながら、改めて頭を下げました。 あわあわとなりながらも「あの、もう本当に、大丈夫ですから!頭、上げて下さい…!」雫が言うと、向こうはようやく頭をあげました。

2020-11-17 20:48:12
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まとめたひと
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

基本は自分が考えた創作ッ子達の事を呟いたり、絵を上げたり、お話も書いたりします。偶に違う話等もしておりますが……ようは気まぐれだが基本は創作用アカウントです。(※食べても美味しくない鶏野郎で無言フォローをしたり、時として話すとアツくもなりますがそれでもよろしければです)御用の方はDMまで。