いんたーねっとRAFちゃんねる
偉大な父の後を継ぐ子には負荷がかかるのはよくある話だけど、エドワード7世は母の影に人生の殆どの期間、苦しんできた。 60年超の長期政権となったヴィクトリア女王の治世はイギリスの絶頂期と呼ばれ、ヴィクトリア朝時代とも呼ばれる。その息子、エドワード7世は母が存命の頃からストレスを抱えた。 pic.twitter.com/lKWlIbDSiR
2022-11-12 07:23:30ヴィクトリア女王と夫アルバート大公は息子には厳しい教育が必要と考え、幼少期よりエドワード7世は息詰まる生活を送る。 しかしエドワード7世は良く言えば社交的な性格で、悪く言えばやや放埒に流れがちな性質だった。行儀よく真面目に振る舞うのは得意ではない。
2022-11-12 07:28:18二十歳を過ぎた頃から両親との間に軋轢が生じる。外遊先の国では持ち前の社交術で大人気を博するエドワード7世だけど、女性問題でスキャンダルが山と起こる。悪友と連んであちこちで女を取っ替え引っ替えした。 王室にとって許せるものではなく、両親は厳しくエドワード7世を叱責。
2022-11-12 07:30:41父アルバート大公は大学まで直々に乗り込んで叱責し、直後、心労からか亡くなる。 ヴィクトリア女王は息子のせいだと激怒し、親子関係は冷え込む。嫁でも取れば少しは落ち着くだろうと美女と評判のデンマーク王女と結婚させたものの、それでもエドワード7世の不品行は収まらない。
2022-11-12 07:33:30『不出来な』息子が自分より先に死ぬ事をヴィクトリア女王は願いさえした。ギロリと女王が睨むと、エドワード7世はオタオタと縮こまる。 女王が皇太子を低評価するもので、ろくに仕事が振られない。鬱憤を蓄えたエドワード7世はより放埒に傾く。悪循環。彼は生涯に100人以上の女性と関係した。
2022-11-12 07:35:52やがてヴィクトリア女王が崩御すると、エドワード7世は59歳で即位する。大英帝国の重圧に加えて、偉大なるヴィクトリア女王の息子と言うプレッシャーがかかった。民衆も不安に思う。スキャンダルに事欠かぬ皇太子が国王をやれるのか。そもそも結構な高齢じゃないかと。
2022-11-12 07:38:47しかし蓋を開けてみるとエドワード7世は僅か10年の治世ながら、一時代を築いた。 彼の愛想の良さは外交に反映され、諸外国の利害を調整し、戦争を抑止し、平和を維持するのに役立つ。『光栄ある孤立』と称される非同盟をイギリスがやめて日本と結びついたのもエドワード7世の頃。
2022-11-12 07:41:12拡大志向のドイツはこの頃、ドイツ系の血を宿すイギリス王室を潜在的な同盟者と見ていたけど、エドワード7世の代になると寧ろドイツを抑えつけに来るので慌てる。 エドワード7世はピースメーカーと呼ばれた。しかしその日々は激務で、エドワード7世は寿命をすり減らす。
2022-11-12 07:46:12日常生活で癇癪を起こす事もあったけど、まさか王妃相手にそれをやる訳にもいかないエドワード7世は下級貴族で27も歳下の愛妾を囲い、まるで自分を介護させるかのように常に共に付き従わせた。この件に関して王妃は何も言わず。ただ、エドワード7世が崩御すると直ちに追い払った。
2022-11-12 07:48:46偉大なヴィクトリア女王の後と言う重責を放蕩息子は見事引き受け、僅か10年とは言え、エドワード朝時代を作り上げ、イギリスの外交関係を整備し、息子、ジョージ5世にバトンを渡す。 不良息子は見事に親の期待に応えた。
2022-11-12 07:51:38反応
@elizabeth_munh レミゼラブルのミリエル司教だって、若い頃は外国で遊んでたという描写がありました。 社交的で多数の女性と関係を持ったから、人の本質が見抜けるようになったかもしれませんね。
2022-11-12 08:36:06