三日月のことを愛しいと思う気持ちを認めた大包平はこんなに強い。
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きりはら🕯🌙 @kirihara_novel

#幸せそうな三日月宗近 花を活けていると、ここに来るまでドスドスと足音を立ててきていた大包平が途端に静かになる。いつも少し離れたところで黙ってこちらを見ている。ようやく終わって顔を向けると、綺麗だな、と言われた。花ではなくて、活けているお前の横顔が。あなや…もう顔を上げられぬ。

2018-05-26 20:54:55
きりはら🕯🌙 @kirihara_novel

#幸せそうな三日月宗近 悲しいなら悲しそうな顔くらいしろ!そう怒鳴られて。誰にもわからないと思っていたのに。どうして…と呟けば、それは俺だからだ!そう言われて。そうだな、大包平だものな…ぽろぽろと涙が溢れて。頭を撫でられて。胸に縋りついて初めて泣いた。抱きしめてくる腕が、嬉しくて。

2018-05-27 01:51:56
きりはら🕯🌙 @kirihara_novel

本当はな、今日は一緒に出かけたかったのだ…。しょんぼりと俯いている三日月。別に違う日でもいいだろう?だって今日は特別な日だったのに…。雷で眠れず寝坊をして、出かけられなかったのを悔やむのは愛らしいが。俺と共に部屋で一日過ごすのも特別だろう?そう言ったら嬉しそうに笑った。#大包三日

2018-06-09 20:51:13
きりはら🕯🌙 @kirihara_novel

#毎月03日は大包三日の日 #大包三日の日 もかさんの漫画に触発されたものです。もかさんありがとうございます🤗🤗 pic.twitter.com/90ktyco0gI

2018-07-03 23:37:58
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きりはら🕯🌙 @kirihara_novel

今の三日月には一番怖い夢をみてしまい、嫌な汗をかいて目を覚ます。起き上がって隣を見ると、大包平が眠っていた。どうした?気づいて声をかけた大包平に思わず抱きついてしゃくり上げる。三日月?…お前に忘れられる夢を…みた。この俺がお前を忘れるはずがないだろう。力強い腕に涙は止まった。

2018-07-05 01:03:07
きりはら🕯🌙 @kirihara_novel

雨音が響いて眠れない、と言ったら、誰にもお前の声が聞かれなくていい夜だって言われて、雨音が気にならなくなるまで抱き潰される大包三日。

2018-07-06 00:02:29
きりはら🕯🌙 @kirihara_novel

手入れをしたら三日月が幼くなった。それだけ言われて駆け付ければ、人だかりの真ん中、必死に泣くのを我慢しているおさなごが。…三日月?思わず出た声におさなごがこちらを見た。ぅ…ひぃっ…く…。あ、泣く…と乱が言いかけたところで抱き上げた。月が零れそうな瞳で、三日月は声を上げて泣いた。

2018-07-14 02:45:53
きりはら🕯🌙 @kirihara_novel

大包平は俺よりも上背がある。それゆえ並べば見上げることになるのだが、時折頬を染めて目を逸らされる。閨で肌を重ねた後、何故目を逸らすのか、何やら寂しい…と言うたら、お前に上目遣いをされたら、ね、閨で覆い被さった時と同じ角度に…。な、何を言うのだ阿呆。もう外で見上げられぬ… #大包三日

2018-07-18 23:29:58
きりはら🕯🌙 @kirihara_novel

@mikatioji ふぐ料理店の水槽の前で突然立ち止まるので仕方なく振り返れば三日月がふぐとにらめっこをしていた。ぷ?俺が声をかけたのでこっちを向いたがぷくっと頬を膨らませたまま。ふはっなんだその顔は!思わず吹き出すと三日月は、大包平の負けだぞ!と笑った。勝てるはずがない、こんなに可愛い奴に。

2018-07-21 15:09:51
きりはら🕯🌙 @kirihara_novel

@mikatioji 起きているんだろう?言っても顔を出さない時は、なかなかない甘えたの日だ。休みが重ならなくて寂しい思いをさせたか。さて、どうしたら姫は布団から顔を出すのだ?…く、口吸いをしてくれたら…起きぬことも…なぃ…。目まで出して窺うように言う。口吸いだけで済まんぞ。朝餉は諦めろ、いいな?

2018-07-23 01:35:48
きりはら🕯🌙 @kirihara_novel

@mikatioji 内緒でポチした大包平の抱き枕が届いた。これで来たる日のために大包平に慣れておこう。そう思って眺めるが、凛々しくて正視できない。よく考えたら自分は大包平を見て抱きつけるのか?無理だ心臓が潰れてしまう…。ぎゅうと枕を抱きしめていたら背中から抱きしめられた。俺も練習だ。…息が止まった。

2018-07-23 18:28:57
きりはら🕯🌙 @kirihara_novel

@mikatioji あ、笑った…そう思ったら数秒おいて大きな手が触れてきた。俺よりも大きく、逞しい手だ。飾り紐が落ちぬよう、髪を乱さぬよう、丁寧に、でもしっかりと撫でてくる。撫でられるようなことをしただろうか?心地よさに顔が緩む。ただ愛おしいと思ったら撫でたくなっただけだ。ばか…顔が熱い。#大包三日

2018-07-25 22:31:32
きりはら🕯🌙 @kirihara_novel

@mikatioji このところ、皆が悩みはないか、辛くはないかと俺の顔を見ると訊ねてくるのだ…。寄りかかりながら言ってくる三日月の頭を撫でる。嬉しそうにすり寄ってくるので抱き寄せる。すぐにひとりで抱え込もうとすることを、人伝に知ったんだろう。俺にだけでも、見せろ。肩が震える。ほら、そういうところだ。

2018-07-31 21:19:06
きりはら🕯🌙 @kirihara_novel

【べったーにあげました】 こえをきかせて privatter.net/p/3667402 気がついたら10000字超えてた。書きたいとこだけ書いたので出来が酷い。出来上がったので供養で…。すんません。1時間も遅刻した…ううう…。 #大包三日の日 #毎月03日は大包三日の日

2018-08-04 01:07:31
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診断メーカーから。 灯篭を指して綺麗だと微笑む君が、どうしようもなく大好きで、汗ばむ手と手を重ねた。 甘酸っぱい夏のお話。 #大包三日 #右三日スパダリ月間 pic.twitter.com/76c6RFUtl5

2018-08-06 00:26:47
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こちらを向け。ふたりきりの時だけでいい、紅を挿してみたい。そうねだったら大包平が練紅を手に言ってきた。言われるままに顔を向ける。お前には必要なさそうだがな。淡い桃色で俺は好きだが。塗りながらはずるい…。だが、紅を挿すとひどく色っぽいな。ふたりきりの時でよかった。ばか…。#大包三日

2018-08-07 01:24:28
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三日月にそっくりの子猫を拾った。傍にいたがり、だっこをせがみ、姿が見えなければ鳴いて探し回り…。ふっと意識が浮き上がる。夢を見ていたらしい。遠征帰りの三日月が大包平の膝で事切れたように寝ている。少し濡れた睫毛にそっとキスを落とした。まったくお前は子猫よりも甘えただな…。#大包三日

2018-08-08 23:13:50
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大包平の身長がわかった記念に。 なんか書きたかったのはコレジャナイ感があるようなないような…ww でも4枚でおさまったんであげます。 #大包三日 #右三日スパダリ月間 pic.twitter.com/gRDdF3oZKu

2018-08-12 02:05:34
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打ち込まれて、防げば手が痺れた。打ち返すことすら許されない。普段は俺の負けでもなどと言う三日月が、俺を殺す勢いで打ち込んできた。それほどに悔しかったのか、短刀を重傷を負わせたのが。弾き返して抱き寄せた。お前のせいではない。自分を責めるな。ピクリ震えた肩を強く抱きしめた。#大包三日

2018-08-24 16:34:57
きりはら🕯🌙 @kirihara_novel

雷だ!大騒ぎする短刀達と共に賑やかしく廊下を走る。はしゃいでいるフリをして何とか紛らわす。長谷部が怒鳴っているが知らぬ。珍しく足音をたてて部屋へ入る。待っていた腕に飛び込んだ。おかえり、おおかねひら…。ただいま三日月。ちと遅い…。雷嫌いの恋刀の機嫌は口吸いで直るだろう。#大包三日

2018-08-27 21:10:58
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何故だ。青白い顔は応えない。天下五剣に噛み付き、いつも貴様を罵倒していた俺を何故庇った。知らず涙が零れた。こんな状態になっても、それでも美しい貴様が心底憎い…憎くて、愛おしい…。涙が頬に、手に、落ちていく。…俺もお前が愛おしいから庇ったのだ。三日月の口許が、弧を描いた。#大包三日

2018-09-01 00:03:29
きりはら🕯🌙 @kirihara_novel

もうすぐ終わる夏の話。 こんな穏やかな大包平がいてもいいと思った。 #大包三日 #右三日スパダリ月間 #毎月03日は大包三日の日 pic.twitter.com/DpWH3nUkdu

2018-09-03 00:02:33
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そっと障子の開く気配がする。ああ、終わったのか。そう思ったがこっそりしたいみたいなので背中を向けて動かない。湯浴みの後の仄かに温かい身体が背中に抱きついてきて申し訳ないことをしたと。振り返り抱き込めば、短刀に怪我をさせたと涙声。庇ったお前は重傷だろう、どうしてお前は…。#大包三日

2018-09-08 01:11:54
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今宵は月見をしよう。その約束が嬉しかった。だが月は雲に隠れてしまった。溜息をついて俯くと、隣に大包平が立った。月が綺麗だな。月など…。貴様がいるだろう。見上げた紅は優しく笑う。言葉の意味に気づいて瞳が潤む。死んでもよい…。死なせるものか。抱きしめられて笑みが溢れた。#大包三日

2018-09-15 00:35:57
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朝晩冷えるなぁ…。呟きながら朝の散歩をしていると、背後から上着を着せかけられた。振り返らなくても誰かなんてわかっている。まだ寝ていてよかったのだぞ?大包平。そう言いながらも嬉しそうに上着の前を手繰って合わせる三日月を背中から抱きしめる。何故お前はいつもひとりで散歩に出ようとする。

2018-10-21 20:36:58
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起こせと言ってるだろう。そう言うと、三日月は大包平の腕に頬をすり寄せて笑う。あまりによく寝ておるゆえなあ。あんなに気持ちよさそうに寝ていたら、起こすのは忍びない。だからひとりで出るのか?そうだ。起きた時にお前がいないとわかった時の俺の気持ちは置き去りか?置き去りになどしておらぬ。

2018-10-21 20:36:58
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それに朝の散歩はお前と契る前からしておること。いつもひとりでしていたのだから習慣になってしもうて…。不意に大包平の腕が解かれ、背中の温もりがなくなった。あ…寂しい…そう、思ってしまった。向きを変えられ、正面から見据えられる。覗き込んできた大包平は、困ったように笑っていた。

2018-10-21 20:36:59
きりはら🕯🌙 @kirihara_novel

どうしてもひとりになりたい時は、あるだろう。だがそうでないなら、俺を起こせ。お前のひとりでの散歩が習慣になったというのなら、俺とふたりでの散歩を習慣づけたらいいとは思わないか?ふたりで…?想いを交わしたから契ったのだろうに。それともそう思っているのは俺だけか?ちが、違う!俺とて…

2018-10-21 20:36:59
きりはら🕯🌙 @kirihara_novel

そうだろう?だから、一緒に歩こうと言っているんだ。目が覚めたときに腕の中にいたはずのお前がいないと、散歩に出たとわかってはいてもやはりちょっとな…うん。頬をぽりぽりと掻いて視線を逸らす大包平が何だか愛らしくて、三日月は背伸びをして視線を合わせる。なあ、寂しいと思うてくれるのか?

2018-10-21 20:37:00
きりはら🕯🌙 @kirihara_novel

いや、その…。寂しいと、思うてくれておるのか?ひとりだと、俺がいないと、寂しいと…。言い募れば、ああもう!と言いながら抱きしめられた。ああそうだ!寂しかったんだ!まったく…お前だけだ、俺をこんな気持ちにさせるのは…。ぎゅうぎゅうと抱きしめられて、少し痛いはずなのに、三日月は笑う。

2018-10-21 20:37:00
きりはら🕯🌙 @kirihara_novel

嬉しいような、面映いような、そんな気持ちが湧き上がる。季節はずれの桜が舞って、互いの心は漏れ出ているのだが、そんなことはどうでもいい。明日からはちゃんと散歩に誘おう。だってこんなに愛されている。それがわかってたまらなく嬉しい。ゆっくりと離れて、手を繋いで庭を一周した。

2018-10-21 20:37:01
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ひとりの時と見える景色が違うのは、隣に大包平がいるからだ。そう思うと、今まで誘わなかったのが勿体無い気がしたけれど。明日からずっと一緒に行けるなら、まあいいか、と三日月は大包平と繋いだ手を揺らしてまた笑った。 #大包三日 #右三日スパダリ月間

2018-10-21 20:37:01
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大包平が街へ買い物に行くと言うので、休みだからついていきたいとねだれば優しい恋刀は寄り道はなしだぞ、と言いながらも頷いてくれた。三日月は嬉しそうについていく。はぐれるなよ、と途中で手を繋がれた。え…?と見上げると、大包平は耳まで真っ赤にして顔を逸らしている。ふふ、と笑い

2018-12-03 21:34:22
きりはら🕯🌙 @kirihara_novel

繋いだ手を揺らす。でえとのようだなぁ、と呟くと、俺はそのつもりだ、と力強く言ってくれるから何とも面映い。うん…と少しだけ寄り添って歩く。もっともっと遠くにあればいいのに。思ったより近所なのがつまらない。 主から頼まれたものを買ってくるからこのあたりにいろ、と言われて小間物屋に。

2018-12-03 21:34:23
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見せておくれ、と店主に薄く笑って髪飾りのあたりを眺める。あ、これは…。思わず手に取ったのは、いつぞや大包平が摘んできてくれた花と同じ花の髪飾り。何だかお前のようだった。ぶっきらぼうにそう言って押し付けてきた花束を思い出す。まだ恋を始めたばかりの頃。互いに手探りだった。

2018-12-03 21:34:24
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いくつかの季節を共に過ごして、想いを深めてきた。よいな…。そう呟いて髪にあてていると大包平が追いついてきた。なんだ、そんなのが好きなのか?その後に軟弱な、と続きそうで三日月は慌てて元に戻した。すまぬな、ありがとう。苦笑いとともに店を出ようと踵を返す。探させたか、すまなんだな…

2018-12-03 21:34:24
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と振り返ると、その手にさっきまで三日月が見ていた髪飾りを持った大包平が。どうして…。声にならぬ驚きを口に乗せた。大包平は三日月の飾り紐をほどき、持っていた髪飾りをつけてくれた。欲しかったんだろう、何故ねだらない。だって、髪飾りなど…。よく似合う。え…?よく似合う、と言っている。

2018-12-03 21:34:25
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いつかお前に持ち帰った花と同じ花の髪飾りだな。覚えて…?当たり前だろう、俺を誰だと思っている。お前のようだと言っただろう。その花と同じ飾りなのだ、似合わぬわけがない。うっすら涙さえ浮かべて、三日月は微笑む。ありがとう、大包平。…お前はもっと我儘を言っていい。俺はお前と共に

2018-12-03 21:34:25
きりはら🕯🌙 @kirihara_novel

いられれば、それで…。袖で口元を隠して俯けば、往来だというのに抱き寄せられた。大包平、そんな…。いいから聞け。お前が我儘を言わないから、俺が代わりに言うからな。随分と身勝手なことを言う。身動ぎさえ許さない腕の強さで抱きしめて、大包平は言った。年が明けたら、祝言を挙げないか。

2018-12-03 21:34:26
きりはら🕯🌙 @kirihara_novel

この髪飾りは、婚約の証だ。いいな?…大包平…。返事は。…あい。ん、それでいい。 年が明けたら、三日月は大包平のところへ嫁に行く。この髪飾りを、夜空色の髪につけて。 #大包三日 #毎月03日は大包三日の日 #右三日スパダリ月間

2018-12-03 21:34:26
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まとめたひと
きりはら🕯🌙 @kirihara_novel

成人済。前ジャンル黒バス(右緑)。とうらぶ燭三日最推し、右みかを大体節操なく書く。全方位型光のふじょし。安定のスパダリ、安心のハピエン。アイコンはみけ(@MICHE_POO)さん、ヘッダーはにがい(@nigaikaraiamai)さん作。唐突にスランプに陥るし、軽率に復活する。まとめはmint(↓)にあります。