エドワード・W・ソジャ(加藤政洋 訳)『第三空間—ポストモダンの空間論的転回—[新装版]』青土社、2017年(原著2006年)
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永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

[読書メモ] エドワード・W・ソジャ(加藤政洋 訳)『第三空間—ポストモダンの空間論的転回—[新装版]』青土社、2017年(原著2006年) seidosha.co.jp/book/index.php… 以下、本を読んで考えたことや関連文献などをツリーにします

2020-04-08 14:29:00
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

>地理学、フェミニズム、ポストコロニアル批評などの諸分野における「空間論的転回」の動向、そして新しい文化研究の潮流を、ルフェーブル、フーコーらを効果的に引用しつつソジャ一流の手つきで軽快にまとめあげた、批判的社会理論の記念碑的名著。現代地理学の開拓者・ソジャの代表作、待望の復刊。

2020-04-08 14:29:49
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

>エドワード・W・ソジャ(Edword W. Soja) 1940年、ニューヨークのブロンクス生まれ。1976年、シラキューズ大学にて博士号取得。20代からアフリカ近代化に関する政治地理研究によって注目を集める。1972年からカリフォルニア大学ロサンゼルス校に所属。専攻の人文地理学にとどまらず→

2020-04-08 14:30:39
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

→社会理論の広い分野で「空間論的展開」を主導、久年在住したロサンゼルスを題材に都市研究を大きく発展させた。他の主な著書に1989年『ポストモダン地理学』(加藤政洋ほか訳、青土社)、2000年『ポストメトロポリス』(未邦訳)などがある。

2020-04-08 14:31:00
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

本書の位置づけ >『ポストモダン地理学』から『第三空間』を経て『ポストメトロポリス』へと至る、都市/空間論三部作 >後に「ルフェーブル・ルネサンス」とも称された再評価の口火を切った twitter.com/Naga_Kyoto/sta…

2020-04-08 14:34:55
永太郎(ながたろう)@『色分け日本地図』発売中! @Naga_Kyoto

>何か強靭な理論を打ち立てようとしているというよりは、あくまで「歴史」に伍する「空間」の位置どりを、あるいは社会理論との間でバランスの取れた空間論を再々主張する姿勢に貫かれている machiwalk.exblog.jp/24864246/

2020-03-09 20:43:00
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

ソジャの代表作は前著である『ポストモダン地理学』。建築雑誌『10+1』には、引用ツイートのような紹介記事がある。『第三空間』は『ポストモダン地理学』に対する批判への応答として書かれた側面もある。 twitter.com/Naga_Kyoto/sta…

2020-04-08 14:38:49
永太郎(ながたろう)@『色分け日本地図』発売中! @Naga_Kyoto

10+1 web site|「メタジオグラフィ」、あるいは「超空間誌」のほうへ|テンプラスワン・ウェブサイト 10plus1.jp/monthly/2004/0… 『ポストモダン地理学』が『メタヒストリー』の地理学版、と位置付けられている。ソジャはしていないようだけど地誌の形式的分析は面白そう。

2018-08-13 05:40:49
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

ポストモダンというと1980~90年代の流行りで、どうして今更そんなものをと思う向きもあるかもしれない。けど、自分のいる界隈では何かにつけ聞く文献だし、地理学ではポストモダンの段階も十分に消化されずにここまで来ているような気がするので、まだまだ読む価値はあるかと思う。

2020-04-08 14:47:04
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

ソジャに先立つ空間論としては、アンリ・ルフェーヴル『空間の生産』がある。ソジャ曰く、「こんがらがった一貫性のない行論や明らかな自己矛盾でいっぱい」の本だそう(笑) twitter.com/Naga_Kyoto/sta…

2020-04-08 15:12:44
永太郎(ながたろう)@『色分け日本地図』発売中! @Naga_Kyoto

『空間の生産』は、1990年代以降の“空間論的転回”において強い影響力を持った哲学書。マルクス思想に立脚しつつ、社会空間がどのように構成・認識されているか、そしてその問題点はどこにあるかを論じている。非常に抽象的かつ難解だが、空間について考えるための重要な概念が多く盛り込まれている。

2019-12-31 21:06:45
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

ソジャ以降の空間論(のうち日本語で読めるもの)としては、マッシー『空間のために』が挙げられる。ある人曰く、「空間より時間の方が重きを置かれているから云々という議論から一歩進んだ感がある」だそう。 ドリーン・マッシー『空間のために』読書メモ - Togetter togetter.com/li/1250519

2020-04-08 15:15:46
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ソジャはルフェーヴルの空間概念を発展させた。ソジャの空間概念は以下の3つ。 ①《第一空間》:空間形態の具体的物質性,「現実」の空間,《空間的実践》=知覚される空間に相当 ②《第二空間》:空間についての着想・表象,「想像上」の空間,《空間の表象》=思考される空間に相当 →

2020-04-08 15:41:13
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

→ ③《第三空間》:「現実」かつ「想像上」の空間,①②の双方の要素を備え、さらにそれ以外の要素も取り入れるような概念,《表象の空間》とは対応しない このように、ありがちな二項対立に対して第三項を提示していくのが、ソジャが「《他者化》としての三項化」と呼ぶ方法。

2020-04-08 15:41:13
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勉強会のレジュメをそのまま貼ってしまったほうが早いな 2020.4.4『第三空間』読書会 第1回「エドワード・ソジャと空間論の系譜」より pic.twitter.com/PI9TYen9Sf

2020-04-08 16:57:18
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永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

外心都市(Exopolis) ↳都市形態のラディカルな再編を通じて表が裏に、裏が表に返された都市景観 ・ロサンゼルスのオレンジ郡が典型的 ・外心都市を支える言説 「小さな政府はよい政府」「納税者の叛乱」「市場の魔術」「電子民主主義」「歴史の終焉」「資本主義の勝利」

2020-04-08 17:02:35
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第一章 アンリ・ルフェーブル、驚異の旅 「ルフェーブルの"空間的な"個人誌」というコンセプトの章。パリ/ナヴァランクス、思考されるもの/生きられるもの、中心/周縁といった主題がそれぞれ相似する構造として捉えられ、彼が前者を意識しつつも後者を選び取ろうとしたことが論じられる。

2020-04-11 23:32:37
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

ルフェーブルはマルクス主義のメインストリームとは距離を置いており、その距離感もまた「中心/周縁」の図式で捉えられるという。フランスのマルクス主義に関する前提知識が無く理解できなかった箇所も多かった。五月革命あたり勉強しないとなー。

2020-04-11 23:35:07
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

ところで、表記が「ルフェー"ブ"ル」なのがずっと気になってる(「ルフェー"ヴ"ル」のほうが一般的だと思う)

2020-04-11 23:43:45
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

「空間の記述ないし裁断がもたらすのは、もっぱら“空間のなかにある”ものの目録だけである。あるいはせいぜいのところ空間“に関する言説”であって、“空間の認識”ではけっしてない」(ルフェーブルの引用部分)

2020-04-18 23:20:09
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

ソジャによれば、《第一空間》の生産は歴史的発展、階級意識、文化的選好、経済的選択など非空間的要因からの説明、すなわち歴史性と社会性によって空間性を説明する傾向があり、その逆方向の説明(空間が歴史・社会をどう規定するか)は等閑視されるか、環境決定論として避けられてきたという。

2020-04-19 02:21:07
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

ソジャは、19世紀から20世紀初頭にかけての環境決定論や空間決定論(チューネン圏のような理論を想定している?)を、《第一空間》決定論と呼ぶ。そして、20世紀のマルクス主義地理学やその他のリベラルな空間科学は、《第一空間》決定論を打破する方向へ向かったと分析している。

2020-04-19 02:38:25
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

一方、《第二空間》(思考される空間)の方法論については、《第一空間》分析への反発から生じてきたきらいがあると述べる。認知地図のような《第二空間》研究は興味深い洞察をもたらした一方で、「思考される空間の表象が現実の空間をそのまま表している」という誤認を生むことになったと指摘する。

2020-04-19 02:42:22
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

『第三空間』読書会、第四章「《第三空間》の開放性を強化する」まで進んだ。今回はフェミニズムとポストコロニアリズムに関して。ソジャは空間的アナロジーの使い方が上手い。

2020-05-05 23:33:43
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

ソジャ『第三空間』読書会、いよいよ第8章まで進んだ。今回はオレンジ郡のハイパーリアリティについて。最後のアナクロニズム/アナコリズムに関する議論が面白かった。地と図の境界が解体された都市には「場違い」なものはなく、またあらゆるものが「場違い」でもある。

2020-06-23 01:11:40
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

『第三空間』、読めば読むほどソジャへの怨恨が募るが第二部に入っていっそうそれが顕著になっている

2020-06-09 15:56:58
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

エドワード・ソジャ『第三空間』の読書会がやっと終わった。ルフェーヴルの空間図式の再解釈から始まり、フーコーやポストモダニズムの理論を経てロサンゼルスの都市誌へ。前半と後半の繋がりは不明瞭と感じたが、一つの具体的な都市からの理論構築は参考になる。 twitter.com/Naga_Kyoto/sta…

2020-07-12 21:28:25
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

ソジャの言う第一空間、第二空間、第三空間はそれぞれルフェーヴルの空間的実践、空間の表象、表象の空間に対応するという。『空間の生産』を読む限りではルフェーヴルは空間的実践を重視しているように感じたが、ソジャは第三空間に重きを置いており、ソジャの独自解釈もかなり入っている印象。

2020-07-12 21:38:34
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

前半でフェミニズムやポストコロニアリズムの話をしていたわりに、後半ではほとんどその話は出てこなくって、いったいあれは何だったんだって感じ。やっぱりソジャ的にはアレフ、ヘテロトピア、シミュラークルあたりの話が関心の中心なんだろうな。第一部と第二部はそれぞれ別の本でもいいような...

2020-07-12 21:46:08

関連文献など

永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

「ポストモダン人文地理学とモダニズム的『都市へのまなざし』 ハーヴェイとソジャの批判的検討を通して」 jstage.jst.go.jp/article/jjhg19… この論文の「『見る者』 のパースペクティヴ」の項は地上/空中の視点について述べていた。

2017-09-25 08:30:55
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

「ポストモダン人文地理学とモダニズム的『都市へのまなざし』 ハーヴェイとソジャの批判的検討を通して」 jstage.jst.go.jp/article/jjhg19… この論文の「『見る者』 のパースペクティヴ」の項は地上/空中の視点について述べていた。

2017-09-25 08:30:55
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

都市を見下ろす「見る者」のパースペクティブ(ハーヴェイの視点)は、「想像力において都市を所有する」ことを可能にするが、そのような視点は日常生活の「空間の実践」、すなわち歩行者とその知を見落としている、という批判もされている(ド・セルトー)。

2017-09-25 08:47:27
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

人文地理学における「モダン/ポストモダン」は、「権力/反権力」の対比だったり「空中/路上」の対比で捉えられるけれども、ハーヴェイの視点は「反権力」かつ「空中」というアンビバレントなものである、というのが先の論文の一つのポイント。

2017-09-25 09:15:05
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

この「マクロ/ミクロ」の対比に対してソジャは双方の重要性を主張した。しかし筆者によればその理解は不十分であり、むしろそのようなスケール設定と都市を見る者(例えば地理学者)のポジショナリティの関係性を問うことが重要なのだという。

2017-09-25 09:26:00
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

この「マクロ/ミクロ」の対比に対してソジャは双方の重要性を主張した。しかし筆者によればその理解は不十分であり、むしろそのようなスケール設定と都市を見る者(例えば地理学者)のポジショナリティの関係性を問うことが重要なのだという。

2017-09-25 09:26:00
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

「マイケル・ディアが好むのは,〔都心から〕75マイル離れたところ,あるいは2000フィートの上空だ。」 「巨大都市やグローバルな都市では,かつて行なわれた『遊歩』や『漂流』がもはや意味をもたない」

2020-04-03 16:31:43
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

「社会—空間弁証法」(水内俊雄訳, 原著1980)※pdf lit.osaka-cu.ac.jp/geo/pdf/neokot… 『ポストモダン地理学』以前のソジャの論文。ソジャの空間への関心が開発理論の文脈から生まれてきたことが分かる。

2020-04-05 12:43:22
若林 拓哉|Wakabayashi Takuya @takuya_wakaba

エドワード・W.ソジャ著『第三空間ーポストモダンの空間論的転回』通読。アンリ・ルフェーブル空間論の空間論や三元弁証法を基に展開。<第三空間Third space>とはまさしく第一・第二のうえでの第三であり、“それは、どれかひとつを他に優先することなく人種・階級・ジェンダーの問題→

2017-11-03 23:59:05
吉江俊 @___shun

[参考]ロサンゼルス学派の研究領野は4つに分けられる。①エドワード・ソジャらの社会-空間弁証法の系譜、②アラン・スコットらの脱/再産業化の系譜、③ロバート・ゴットリーブ/マーガレット・フィッツシモンズらの都市生活と政策の系譜、④マイケル・ディアらの都市下層問題の系譜。

2016-04-24 20:27:54
吉江俊 @___shun

ソジャの、地理学に遠視と近視しかないという批判は、僕らもどう受け止めるか。 最近なぜか魅力的に感じ始めたメゾ分析も、同じような意識からかもしれない。空間スケールだけの話ではない。「中程度の範域」と「中程度の抽象度をもつ概念」から、議論をマクロにもミクロにも展開するということ。

2018-08-09 12:42:21
tamao Hashimoto @tamao_h

ラトゥールしかり、ソジャしかり、たぶんアパデュライしかり、90年代のアプローチは二項対立を色々なところに当て嵌めて近代を虚構やら彷徨えるものとして捉え、純化させつつも、翻訳、媒介、媒質等をキーワードとして二重、または重層的構造として都市を捉え直すという傾向があるように思う。

2016-01-06 16:23:48
Ryota 🍉 MOMMA / NISHI (KOKAME) @nomorelines24

いやほんとにどうでもいいんだけど、空間論で有名なソジャって、Edward Sまでサイードと同じだから英文で出くわすとちょっとドキッとするよね(しない)

2020-03-07 23:19:51
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まとめたひと
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

地図とまち歩きが好き。京都で地理学を学んでいます。/関心→露店, 社寺境内, 近代都市, 移動論/『統計から読み解く色分け日本地図』(彩図社, 2022)