pp.391-396, 「統合失調症におけるlocomotive syndrome/sarcopeniaと抗精神薬治療の影響」三浦至
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(抜粋₄) 『臨床精神薬理』第25巻第4号 Apr. 2022 pp.391-396, 「統合失調症におけるlocomotive syndrome/sarcopeniaと抗精神薬治療の影響」三浦至  サルコペニア、ロコモティブシンドローム、フレイルといった身体機能の低下はADLだけではなく健康寿命や生命予後へも影響を与え、認知症や pic.twitter.com/EPxjuI1qfF

2022-04-04 16:45:57
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他の精神疾患、さらに抗精神薬使用との関連も指摘されている。  サルコペニアは加齢に伴って骨格筋量が減少する病態としてRosenbergにより提唱され、現在では骨格筋量の減少と筋力もしくは身体機能(歩行速度など)の低下により定義される。本邦ではAWGS(Asian Working Group for Sarcopenia)2019の

2022-04-04 16:51:44
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診断基準を用いることが推奨されており、それによれば骨格筋量の減少とともに。筋力低下、身体機能の低下のいずれかが診断に必要とされる。サルコペニアの有病率はおおむね6-12%程度であり、施設入所高齢者などではより高率となる。サルコペニアは加齢による一次性と、活動や栄養の不足、疾患によって

2022-04-04 16:58:32
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起こる二次性とに大別され、予後や転帰としてはQOLの低下、転倒やフレイルとなるリスク、さらには骨折、身体機能低下、死亡のリスクにもつながるとされている。  ロコモティブシンドロームは日本整形外科学会により定義されたもので、骨・関節・筋肉・神経などの運動器の障害によって移動するための

2022-04-04 17:03:23
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能力が低下し、進行すると介護が必要になるリスクが高い状態を指している。やや類似した概念にフレイルがあるが、これは筋力の低下により動作の俊敏性が失われて転倒しやすくなるような身体的問題のみならず、精神・心理的問題や社会的問題を含み、このうち身体的フレイルがロコモティブシンドロームと

2022-04-04 17:07:18
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深く関係している。サルコペニアはロコモティブシンドロームや身体的フレイルの主な原因であり、その他にも骨粗鬆症や骨折、変形性関節症、変形性脊椎症、神経障害などが原因疾患となりうる。  統合失調症とサルコペニアのリスク要因となる低活動、栄養障害との関連については複数の報告がある。

2022-04-04 17:13:13
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また、サルコペニアとちともにロコモティブシンドロームの一因となる骨粗鬆症、骨折、さらに直接移動機能の低下をもたらす運動障害(パーキンソニズム)との関連も指摘されている。  Vancampfortらは主要な精神疾患と身体活動との関連について系統的レビューおよびメタ解析を行い、

2022-04-04 17:21:50
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精神疾患患者(35,682例、平均年齢43.0歳、男性39.5%)では起きている時間のうち1日平均で476分(統合失調症では平均493分)を動かずに座りがちで過ごし、年齢・性をマッチさせた健常者群と比較して有意にその時間が長いと報告した。[standard mean difference(SMD)=0.1, p=0.003, 1日平均10.1分の差]。

2022-04-04 17:30:02
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メタ解析では、精神疾患患者における中等度以上の身体活動時間は1日平均38.4分(統合失調症では37.5分)で健常者群より有意に短く(中等度身体活動 : SMD=0.35, p=0.002, 1日平均10.2分の差、活発な身体活動 : SMD=0.2, p<0.001, 1日平均3.2分の差)、身体活動に関するガイドライン(1週間に150分以上

2022-04-04 17:41:32
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中等度の身体活動を推奨)に適合する割合も有意に低かった[odds ratio (OR)=1.5, p<0.001]。低い身体活動性・身体活動に関するガイドラインの不遵守と関連がある要因は、男性、単身、非雇用、短い教育年数、高BMI、長い罹病期間、抗うつ薬・抗精神病薬の使用、心肺機能の低さ、そして統合失調症であった

2022-04-04 17:54:28
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統合失調症において、意欲・活動性の低下や無為自閉といった陰性症状や抑うつ症状は行動パターン・範囲の狭小化につながり、身体活動の低下をもたらす。抗精神病薬による鎮静作用やパーキンソニズム、肥満、さらに二次性の陰性症状などが身体活動や行動量に直接的・間接的に影響すると考えられる。

2022-04-04 21:08:05
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近年、統合失調症における低体重および低栄養の問題が本邦から報告されている。Sugaiらは統合失調症患者23,116例(外来患者7,655例、入院15,461例)を対象に低体重(BMI<18.5kg/m²)および低栄養に関する調査を行い低体重患者の割合は入院患者で17.5%、外来患者4.3%、一般人口8.7%と入院患者において

2022-04-04 21:16:14
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有意に高く、その差は40歳以上の患者で顕著であった。またSuzukiらの報告では、入院統合失調症患者では健常者に比し総タンパク、空腹時血糖、総コレステロールが有意に低く、低タンパク血症、低コレステロール血症の割合が有意に高かった。サブグループ解析では日本人入院患者における低体重の割合が

2022-04-04 21:24:03
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17.6%と高く、海外の入院患者では4.6%であった。日本人の統合失調症入院患者における低体重の割合が高いことが示され、入院の長期化や患者の高齢化に際して注意すべき問題と考えられる。  一方、サルコペニア肥満はサルコペニアと肥満もしくは体脂肪の増加を併せ持つ状態であり、現時点で確立された

2022-04-04 21:29:19
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定義はないものの臨床的には重要と思われる。日本人地域高齢者1,971人を対象としたメタボリックシンドロームとサルコペニアとの関連を検討した研究では、メタボリックシンドロームを有する人でサルコペニアの有病率が65-74歳男性でOR4.99(95% CI : 1.73, 14.40)と高く、

2022-04-04 21:35:12
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内蔵肥満とサルコペニアとの強い関連が示された。日本人男性統合失調症患者では体脂肪は増加している一方、筋肉量や除脂肪体重が低下していることも報告されており、サルコペニア肥満と同様の状態が起こっている可能性がある。  一般人口との比較で統合失調症患者は骨密度が低く、骨粗鬆症や骨折の

2022-04-04 21:40:35
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リスクが高いことが報告されてきた。生活習慣に関しては喫煙やアルコール乱用、座りがちで動かないライフスタイル、日光に当たらないこと、ビタミンDやカルシウムの低下、栄養不良、糖尿病、多飲水などが関連する因子として挙げられている。

2022-04-04 21:43:49
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抗精神病薬によって引き起こされるプロラクチンの上昇は視床下部での性腺刺激ホルモンの分泌抑制、さらに下垂体での黄体化ホルモン・卵胞刺激ホルモンの分泌低下を来し、性ホルモンの分泌低下につながると考えられている。このため抗精神病薬によるプロラクチンの上昇は骨粗鬆症のリスク上昇と関連する

2022-04-04 22:06:26
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とされるが、抗精神病薬惹起性の高プロラクチン血症が主要なリスク要因となるデータは十分とは言えず一定の見解には達していない。  抗精神病薬治療が引き起こす薬剤性パーキンソニズムは歩行障害や姿勢反射障害をもたらし、転倒や骨折、さらに寡動による身体活動の低下やその他の身体機能の低下に

2022-04-04 22:12:25
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つながると考えられる。統合失調症患者においてパーキンソニズムは身体活動の少なさ、座りがちで動かない行動特性と関連することも報告されており、サルコペニアと合わせてロコモティブシンドロームへの発展が懸念される。さらに、高齢統合失調症患者では陰性症状に加えて認知機能も運動機能へ影響する

2022-04-04 22:16:11
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ことが報告されている。薬剤性パーキンソニズムに対して抗コリン薬を併用するとなれば、認知機能への影響も加わりさらに身体活動性が低下するかもしれない。  サルコペニア発症予防・抑制のためには適切な栄養摂取、運動習慣ならびに豊富な身体活動量が推奨されており、すでにサルコペニアを有する

2022-04-04 22:20:43
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場合やロコモティブシンドロームへの介入や対策もおおむね同様である。さらに、抗精神病薬による薬物療法では、症状の安定化や再発予防だけではなく、過鎮静や二次性陰性症、肥満やメタボリックシンドローム、パーキンソニズムなどをできるだけ引き起こさないことに留意すべきである。📃

2022-04-04 22:24:37
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(抜粋₅) 『臨床精神薬理』第25巻第4号 Apr. 2022 pp.359-369, 「統合失調症患者のmortality gapを考える」須藤智志・吉村篤・藤井 久彌子・尾関祐二  統合失調症患者について2000~2007年の期間を対象にした2013年の報告では、一般人口に比して15~20年ほど平均寿命が短いことが指摘され、 pic.twitter.com/wXkR1px56x

2022-04-04 22:50:00
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別の報告では死亡リスクは一般人口の2~4倍とされている。  仮説 : 1. 統合失調症による行動特性や治療環境が身体疾患への罹患、死亡率を増加させる。 2. 遺伝要因のため疾患にかかりやすい/治療の有効性が発揮されにくい。 3. 投薬治療の副作用として身体疾患へ罹患またはその危険性が増大する。

2022-04-05 01:56:53
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Ⅱ. Mortality gap に関係する因子 1.自殺 自殺の予防には気分症状、自殺未遂の既往歴、精神科入院回数、抗精神病薬の継続といった因子が重要である。気分症状については、統合失調症に罹患していること自体が心理的なストレスにつながること、うつ病と統合失調症の遺伝的なリスクが一部重なっている

2022-04-05 02:03:47
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ことからは、その因子は主に環境と遺伝特性といえそうであり薬物は全体として自殺に対して良い面が大きいように思われる。 2. 致死性不整脈と心臓突然死 致死性不整脈による心臓突然死に関連する心室性不整脈を予測するバイオマーカーとして、現時点で不完全ながら心電図上のQT間隔がある。

2022-04-05 02:07:59
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QT間隔の延長は抗精神病薬の副作用の1つで、治療の経過中も定期的な測定・評価が望ましいといわれている。しかしながら、統合失調症は抗精神病薬を服用していない状態でもすでにQT間隔が延長している可能性も指摘されており、それが抗精神病薬によってさらに延長することがあわせて報告されている。

2022-04-05 02:13:39
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こうした報告は統合失調症自体が、心臓突然死のリスクを抱えているとも解釈できる。何よりも、統合失調症では、薬物療法を継続すること自体が、自殺によるもののみならず、すべての原因による死亡率を有意に低下させると言われている。目の前の各患者に向き合う場面では、一度は心電図を施行し、

2022-04-05 02:19:39
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心室性不整脈に関連するリスクが生じたときには、リスクを再評価しながら、必要な抗精神病薬治療を行っていくことが重要な姿勢であると考えられる。なお、心室性不整脈に関連して、QT間隔以外にTp-e(T peak to end)など他の指標も知られており、統合失調症患者では問題があることが報告されている。

2022-04-05 02:23:41
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また、心臓突然死について、統合失調症患者ではブルガダ症候群のリスクが高くなっている可能性を指摘する報告もある。さらには統合失調症患者において「心臓の予備能」の問題を指摘する報告もあり、Deceleration Capacity による評価にて問題が指摘されている。抗精神病薬が関連する頻脈から心不全に

2022-04-05 02:28:13
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至る可能性も報告されてきている。以上のように、統合失調症患者は心機能について多面的な問題を抱えている可能性があり、今後とも注意が必要である。 3.代謝疾患  抗精神病薬の内服による代謝系の副作用の1つに体重増加(体型変化)があり、糖尿病を発症すれば様々な身体的合併症を来す可能性が高まり

2022-04-05 02:32:43
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これらは患者の mortality gap を増大させる原因になりうる。また、代謝性疾患について、近年は統合失調症患者が元々有している遺伝的、身体的な脆弱性についても議論が深められている。  統合失調症患者を対象に抗精神病薬に関わる体重増加に関連した遺伝子について論じたメタ解析では、

2022-04-05 02:37:24
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8つの遺伝子の11個のSNP(一塩基多型)が体重またはBMIの変化と有意に関連し、2つの遺伝子の4個のSNPがカテゴリー別の体重またはBMIの増加と有意に関連した。また、9つの遺伝子の13個のSNPが、抗精神病薬による体重増加と有意に関連していた。この報告では、抗精神病薬による体重増加は多因子遺伝で

2022-04-05 02:43:07
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あり、特定の遺伝子変異、特に抗精神病薬の薬力学的標的をコードする遺伝子の変異と関連していると結論づけられている。  統合失調症患者における2型糖尿病の有病率は9.5%で、発症リスクが対照者と比較して少なくとも2倍あるとされている。また、統合失調症では発症時からグルコースの

2022-04-05 02:49:17
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ホメオスタシスが変化しており、その結果、患者は糖尿病のリスクが高まるとされる。これらのメタ解析からは統合失調症患者は糖尿病を発症しやすい素因があるといえるだろう。  統合失調症の認知機能障害と、高血圧、脂質異常症、腹部肥満、糖尿病などのメタボリックシンドロームの各構成要素との

2022-04-05 02:54:01
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間には、有意な関係がある。また、メタボリックシンドロームは統合失調症の認知機能障害と有意に関連しており、一部の統合失調症患者で見られる病気の経過中の機能低下に寄与している可能性があることも指摘されている。  olanzapineとclozapineは代謝性の影響が大きく、aripiprazole, brexpiprazole,

2022-04-05 02:59:56
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lurasidoneは代謝性の影響は最も少なかった。ベースラインでの体重増加、男性であること、白人ではないことは抗精神病薬による代謝変化の影響を受けやすいことの予測因子であった。  以上に加え代謝系の副作用への対処においては心理教育、食事、身体活動への介入が有効であると考えられる。

2022-04-05 03:04:37
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4. 呼吸器疾患 統合失調症患者の抗精神病薬(喘息、慢性閉塞性肺疾患、肺炎、結核)は一般集団と比較して有意に多くみられるとされる。抗精神病薬が高齢者の肺炎のリスクになっているとの報告もある。また、抗精神病薬への曝露は、静脈血栓塞栓症(VTE)のリスクを1.5倍、肺塞栓症(PE)のリスクを3.7倍に

2022-04-05 04:54:52
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増加させる。呼吸器疾患の有病率の高さや抗精神病薬の内服によるVTEとPEのリスク増加に関して、現時点で遺伝的な関与は不明だが、今後の研究で明らかにされるかもしれない。臨床に際してはそのリスクに留意しておく必要がある。特に、抗精神病薬を内服している患者を身体抑制する際には脱水や

2022-04-05 04:59:35
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安静臥床のリスクも加わってVTEとPEのリスクが高まるため、特に注意が必要である。 5. 消化管への影響 1) 統合失調症と便秘 統合失調症においては便秘の有病率が高いことが知られており、陰性症状としての意欲の減退、発動性の低下、無為自閉を認め、これらの状態により長期臥床となるなど運動量が

2022-04-05 05:05:11
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低下することが便秘の要因として挙げられる。また幻覚妄想などの陽性症状から不食を来すなどセルフケアが十分に行えず、食習慣が乱れ、食物繊維の摂取不足からも便秘を来す。さらに長期入院や身体抑制、隔離などの行動制限による運動不足は腸蠕動運動の低下を招くのみならず、自由を束縛されている

2022-04-05 05:17:33
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という物理的・心理的なストレスによる緊張状態から便秘の要因となる自律神経系の不調を来すと考えられる。  統合失調症の薬物療法においては、再発予防のために長期にわたり服用する抗精神病薬で、副交感神経系の伝達物質であるアセチルコリンの働きを遮断する抗コリン作用により便秘が誘発される。

2022-04-05 05:24:20
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便秘の発現頻度は定型抗精神病薬より抗コリン作用が比較的少ない非定型抗精神病薬が低いとされているが、clozapineについては他の抗精神病薬に比べ便秘の発現頻度が高いことが報告されている。また、ドパミンD2受容体は仙髄副交感神経の節前神経に作用して腸管運動を亢進させ、排便が促進される機序が

2022-04-05 05:31:28
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報告されている。このことから、抗精神病薬によるD2受容体遮断作用が便秘を引き起こす可能性も示されている。さらに、錐体外路症状の緩和のため併用される抗パーキンソン病薬が有する抗コリン作用により便秘が誘発されることもある。  統合失調症に併存する便秘の治療としてセンナなど

2022-04-05 05:47:46
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アントラキノン誘導体を含む刺激性下剤が慢性的に使用されていることがある。刺激性下剤の長期の運用により次第に耐性が生じ便秘が慢性化することや、腸管組織のAuerbach神経叢が障害され結腸無力症に陥る危険が指摘されている。また、刺激性下剤の使用頻度の増加は大腸がんの発症リスクを高めるという

2022-04-05 05:59:37
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報告もある。抗精神病薬の大量投与や、抗パーキンソン病薬の慢性的な投与、刺激性下剤の連用により引き起こされた慢性便秘においては、停滞した便塊により腸管壁が引き伸ばされ、腸管平滑筋が断裂し、筋層内のAuerbach神経叢が損傷することで消化管の蠕動運動が阻害されるという悪循環に陥る。

2022-04-05 06:05:37
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これにより結腸の内径が6.5~8cm以上に拡張し、ハウストラが消失する巨大結腸症を呈することがある。巨大結腸症は腸閉塞を来しやすく、原因となる抗精神病薬などの薬剤を中止しても腸管の蠕動運動は回復しない。このような状態は患者のQOLを低下させるのみならず、時に腹腔内圧が急激に亢進する

2022-04-05 06:16:08
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腹部コンパートメント症候群と呼ばれる致死的な病態を引き起こすことがある。腹部コンパートメント症候群は胃管挿入などの減圧処置に反応しない場合は、重要臓器への血流低下に伴うショック状態に移行し、心停止を来すことがある。また、腹部コンパートメント症候群では腸内細菌が腸管壁を通って

2022-04-05 06:20:16
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肝臓、腎臓、脾臓、腹腔内などの腸管以外の臓器や組織に移行するBacterial translocationと呼ばれる現象を併発しやすい。これにより腸管粘膜のバリア機能は破綻し、腸管内の細菌やエンドトキシンなどの毒素が腸管外の組織に侵入する生命予後を脅かす病態となる。

2022-04-05 06:25:43
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以上より、統合失調症の生命予後を見据えた薬物療法においては大量の抗精神病薬や抗コリン作用を有する抗パーキンソン病薬の投与を見直し、漫然とした刺激性下剤の連用を避けるなどの対応が求められる。 2) 統合失調症と腸内細菌叢  ヒトの大腸には常在微生物叢(マイクロバイオータ)が存在しており、

2022-04-05 06:30:02