居場所（過去編）

viska @viator2021

「修道服、お似合いですよ」 「そ、そうでしょうか…」 「申し訳ありません。女性の服と言えば、 　そういうものしかありませんでしたから…」 「い、いえ着替えを貸していただいて、ありがとうございます」 pic.twitter.com/m7UgugNeOH

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「さぁ、いっぱい食べてくださいね」 「ありがとう…私には過ぎた食事です」 「はは、そうして祈っている姿を見ると、本当のシスターみたいですね」 pic.twitter.com/KtEm2lqjHr

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「………からかわないでください…」 「や、これは失礼しました。 　あなたがあまりにも可愛らしいものですから……」 pic.twitter.com/NQGEnDi9cx

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「かっ……」 「おや……変ですか？」 pic.twitter.com/3iBkgD3DtC

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「……そんなことを言われた事はありませんから…」 「おや？ でも、それに類することは言われた事はあるんじゃないでしょうか」 「見た目……麗しいと…評価された事はあります」 「そうですか… （それは…どちらかといえば… 　女性としての興味の視線…でしょうね）」 pic.twitter.com/OiVFVwqknP

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「さぁ、食事にしましょう。しばらく何も食べていないのでしょう？」 「は、はい！いただきます」 pic.twitter.com/2dqVQbTOSU

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「そうですか…それはご苦労をなさいましたね」 「苦労…とかではありません。 　私は人を殺そうとしたんです」 pic.twitter.com/KShiZsy6lw

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「…立場が人を作ると言いますよね。 　人は自分に与えられた役割を果たそうとします。兵士という職業については割愛するとして…」 pic.twitter.com/yAGiffsVl6

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「あなたには兵士以外の人生はないのですか？」 「兵士…以外の人生…」 pic.twitter.com/xIbZgTsrVU

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「憎しみに染まり切れなかったんでしょう？なら、いいじゃないですか。それがあなたなんです。或いは、憎しみ以外のものを求めていたんじゃないですか？…だから、染まり切れなかった」 pic.twitter.com/qWrjupoN7a

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「………そんな考え方があるんですね…」 「自分の存在を受け入れられる事は大事です。人間は社会的な生き物ですから…。自分の生きているコミュニティで、自分は受け入れられている…それが言葉でなくても、役に立っている、必要とされていると感じることが」 pic.twitter.com/d0pWcvnNmg

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「…人は本来孤独な生き物です」 「こういう話があります。 　生と死を逆さまにして考えてみましょう。 　人は土から生まれ、最後は母親の胎内に帰る 　どう思いますか？」 pic.twitter.com/pCl5qexCnP

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「……最後は、お母さんに抱かれて死ぬんですね…でも、その後、母親に食べられてしまうようにも思えます」 「それから？」 「それから.……..あっ.…..」 pic.twitter.com/DXAW4Xqjj0

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「お母さんの胎内で二つに分かれるんだ...」 「はい」 「それは...……少し寂しいですね..」 「そうですね」 pic.twitter.com/DXxMwWNcm7

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「人は孤独かもしれませんが、忘れてはいけない。人は一人では生まれることすらできなかったのですよ」 「ここにいるあなたも...…命を粗末に... 　いえ、あなた自身を粗末にしないでください 　人は孤独でも、その存在は一人でできたものではないのですから」 「神父……様……」 pic.twitter.com/ZBlm51CNEJ

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「居場所がないのなら、ここにあなたの居場所を作ってもいいのですよ。その服も似合いますし。もちろん、あなたが望めば、ですが」 「…………」 pic.twitter.com/jp0KhosBaU

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「人は自分のいる場所を選べるし、作れるのです。もし、その自信ができたら、いつでもここを出ていってくれて構いませんから」 「神父…さま……」 pic.twitter.com/kl46iLkGH3

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