mkykぷらす

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「芋けんぴ」「ぴ、ぴ、ピアス！」どうでもいい日の昼下がり、フィガロとしりとりして過ごしたいよね。「前の賢者から教わったんですか？芋けんぴ」「うん、そうだね、あれでしょ、髪の毛についてるのを注意して出会いのきっかけにするやつでしょ？」「偏った知識……」 #mhykプラス

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ネロが用意してくれた紅茶はいつ何時でも美味しいし、フィガロとふたりの時間はやけに穏やか。「へぇ、芋けんぴって食べ物だったんだね」「美味しいんですよ」「食べてみたいな、ネロにお願いしたら再現してくれるかな？」「いけると思います！お願いしてこよっかな、今から」「今はダメ」

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ふんわりした時間だと思ったのに、急に真面目な顔するのはずるいよな。「今はオレとの時間でしょ？賢者様」風が中庭の木々を揺らす速度と、ふぃがろの髪が揺れる速度。ちょっとだけズレたそれは、何だか嫌なずれ込みだ。

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「ほら、中入って」彼氏のネロと喧嘩して、いたたまれなくなって家を飛び出した。「さむい」「そりゃ雨に打たれりゃ当然だろ、ほらホットミルク」「お酒がいい」「だーめ、さっさとそれ飲んで身体拭いて」全然変わんない態度は逆にちょっと怖い。 #mhykプラス

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「……おこってる？」「別にもう怒ってないよ、そっちは？」「もう怒ってない」ソファに並んでふたりでマグカップを傾けて、あ、これ蜂蜜が入ってるやつだ。前に私が好きって言ったやつ。「今夜の晩飯、オムレツでいいか？」「うん、ソースはデミグラスがいいなぁ」「そう言うと思って」

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キッチンの小さな鍋の中にはよく煮込まれたデミグラスソース、くう、とお腹の音を鳴らす私を見て笑うネロはやけに楽しそうだった。「じゃあ、紅茶いれてくれるか？直ぐに作るよ」

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恋人のファウストと喧嘩した。「……」賢者さまにお願いされてふたりで任務、暗に仲直りしてねってことだろうけど、二人とも意固地になってるからもう膠着状態だ。「おい」「私の名前はおいじゃないですが」「……敬語はやめてくれ、半分は僕が悪かったと思ってる」声のトーンが下がった #mhykプラス

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ファウストは、心地が悪そうに視線を逸らす。「私も、半分は悪かったよ、言い過ぎたし」「……君と話せない期間はどうにも調子が出なくて困っていた」「はは、奇遇ね、私も駄目だった」珍しく素直に弱音を吐露する彼の肩を軽く叩いて、彼の温度を確かめる。

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「だーれだ？」クロエとのデート、私の瞼を覆っている手はもちろん彼のものだ。「クロエですね」「正解！へへ、じゃあそんな賢者様にプレゼント」ってちょっと照れた笑顔で可愛らしい帽子を贈ってくれるの最高じゃない？「凄いですね、今日の服と凄くあってる……！」 #mhykプラス

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「魔法舎にいるとき実はこっそりチェックしてたんだ、絶対似合うと思って張り切っちゃった」ふたりで手を繋いで栄光の街を回る。ころころと変わるクロエの表情はいつでも愛らしくて素敵だ。「賢者様！あっちに美味しそうな屋台が出てるよ！行ってみよう！」

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無性にお好み焼きを作りたくなったので作ってたら、ブラッドリーが通りかかった。「何作ってんだよ賢者」「お好み焼きです！」「……パンケーキみたいなもんか？」「うーん、しょっぱいタイプのパンケーキに似てますね」じゅう、と鉄製のフライパンから立ち上る良い香り。 #mhykプラス

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「一枚いりますか？」「肉のがいい」「実は中に豚肉が入ってるんです」「なら貰う」ブラッドリーは冷蔵庫からお茶を出して二人分注いでくれて、やっぱり意外と優しいんだ、彼は。「熱いうちにどうぞ」「おう」こっちにある食材でなるべく近づけてはみたものの、どうだろう？

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「！」「美味いな、結構」大きく切り分けられた一切れを大口を開けて放り込むのは、見ていてなんだか気持ちが良い。「はい、ちゃんとお好み焼きになっててよかった……！」「たまに作ってんのか？お前の元いた世界の食べ物」「ええ、本当に極たまにですけど」「次作る時呼べよ。俺も食ってやる」

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失うことがずっと恐ろしいのだと、無表情で酒を煽る男はそう言った。レノックスと名乗ったその男は、ルビーの瞳にただ寂しさだけを乗せて、酒に溶かすことも無く言葉を続ける。「オレは、もう逃れられない域まで来ているのだと思う」「逃れたいと思うの？その感情から」 #mhykプラス

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「えっ、肩」「はい？」たまに買い物を買いに来てくれる大きな魔法使いさん、いつもはバッグに入ってぴょこぴょこしている羊さんが肩にのってうたた寝してる。「ああ、肩に乗せてとねだるもので」「かわいいですね～」「……そっとなら撫でても平気ですよ」そのままだと #mhykプラス

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手が届かないから、ちょっと屈んでくれるところに優しさが滲み出てる。「ふわっふわですね」「丁度いまさっきブラッシングしたところだったので」「ふふ、かわいい」不意に気がつく、魔法使いさんの整った顔も間近にあることに。綺麗な赤色の瞳がこちらを向いていて、ぱちり、と目が合って逸らせない。

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「ダイオウイカ」「ダイオウ……なに？」フィガロと二人で厄災討伐、に来たはずだったんだけど、実際現れたのが巨大化した魔物だった。「イカです、イカ。刺身にすると美味しい」「ダイオウってニュアンス的にでかそうだけど美味しいの？」「うーん、普通のイカは美味しいんですよ」 #mhykプラス

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「まあ何にせよ持って帰ってネロに渡せば美味しい晩御飯になるでしょ」ぼそり、と呪文を唱えた次の瞬間魔物はキレイに五等分。ぼとん！と嫌な音を立てて地面に落ちたそれをフィガロは無の顔で眺めている。「うーん、二切れで足りるかなぁ、育ち盛りも多いもんね、うち」

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「おい」寝付けなくてなんとなく屋根に登ってみたら、先客がいた。愛銃を撫でる指先はとても優しく見える。「な～にジロジロ見てんだ、寝ろ、南の魔女」「ご、ごめんなさい」「明日が初陣なんだろ、寝とけ」明日は初めての«厄災»討伐。大丈夫、今までも戦死者は殆どいなかったんだから、 #mhykプラス

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いくら私でもきっと、問題ないはずだ。「まあ、流石に大丈夫だとは思うが、ヤバくなったらさっさと逃げろよ。お前らは弱いんだから」「……逃げません、これは私の使命だから」「ああ、そうかよ」「おやすみなさい」返事を聞かずに屋根から降りる。一瞬見えた彼の表情は、何処か哀しそうに見えた。

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からん、と暗い部屋に響く音。ネロの注ぐ熱いコーヒーは一気に冷やされて、アイスコーヒーに変わる。「ネロ」「みんなには秘密だからな」甘さを含んだコーヒーの香りは、どことなく彼に似ている。「賢者さんを悪い遊びに誘った、なんて言われそうだ」「あはは、逆ですよ。付き合って #mhykプラス

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貰ってる方ですから、私が」ふたりで夜更かしをするようになったのは、半月ほど前のこと。「寝れないなら、少しだけ付き合ってくれよ」ってその日はホットチョコレートを作ってくれた。「元の世界ではたまに夜中に外を散歩してて」「一人でか？」「はい」こういう夜は決まって元の世界の話をする。

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柔らかく微笑んでいるネロが纏う空気は、とても穏やかだ。グラスを傾けると氷がぶつかる音が響いた。「少し、寂しいのかもしれないな」「え？」「いや、賢者さんはいつも楽しげに元の世界の話をするから、なんとなく」ひんやりとしたネロの指先が、私の頬に触れる。窓から覗く月が笑っている気がした。

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ニコ…ス→晶 / 泥濘に沈めば、 いっそ憎まれる方がまだマシだった。 ※暗め ※過去のアカウントで掲載したものから加筆修正 #まほやく男女CP pic.twitter.com/vHNww5PoyW

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ヒースと川辺をお散歩、澄んだ川の水はさらさらと流れて、酷く照りつける太陽が身を焼いてしまいそうだ。「お茶を飲みましょうか」「ありがとうございます、ヒースクリフ」出がけにネロが持たせてくれた紅茶はミントの風味が爽やかでとても美味しい。「綺麗ですね」「ええ、とっても」 #mhykプラス

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「東の国にいたころもたまにこんな風に散歩をしていたんです、シノと一緒に」昔を懐かしむヒースは微かに笑っていて、それもまた綺麗で。「あ」「どうかしましたか？」「少し、すみません」金色の髪がぺたりと額に張り付いている、ポケットからハンカチを取り出してヒースの額を拭った。

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「あ、ありがとうございます」「いえ、本当に今日は暑いですね」青の瞳を揺らしてはにかむ様は、心の奥底を擽って過ぎ去っていった。

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東のみんなとカップルを装った潜入調査、ひ～すは「お手をどうぞ」って言いつつもちょっと照れてはにかんで可愛いし、しのは自信満々にリードしてくれるけど「カップル、っていうのはこれでいいのか？」ってたま～に確認入れてくるので愛おしいし、ふぁうすとは #mhykプラス

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「もっとこちらに寄らないと、付き合っているようには見えないだろう」っていつになく積極的だけどよく見ると顔が赤いし、ねろは「ほら、あーん。何照れてんだよ、いつものことだろ？」って余裕綽々にからかってくるので結局みんな可愛いね。

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西のみんなと恋人を装った潜入調査、むるは「ね、今日はずーっとドキドキしてるね！好き？」って手を繋ぎつつ無邪気に確信ついてくるし、しゃいろっくは「ふふ、本当に愛らしいですね。このまま本当にしてしまいましょうか？」って艶やかに微笑んで手の甲にキスしてくるし、 #mhykプラス

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「飲んだら無くなっちゃうんだよなぁ、お酒」「のび〇くんみたいなこと言いますね」「誰？」ワインが入っていたグラスを傾けて、フィガロはため息をついた。僅かに残っていた雫がグラスを伝ってソファに落ちるすんでのところで弾けて消える。「カナリアに怒られるからね、零すと」 #mhykプラス

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「ワインのシミって落ちづらいらしいですよ」「えー、呼んでくれたら魔法で消すのにな」「ものは大切にしましょう」「おかわり貰ってこよっかな」「今日は打ち止めです」「えー、駄目？」「駄目です」「白は？」「駄目です」「ロゼ」「駄目です」「じゃあビールでいいよ」「お酒でしょう全部」

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フィガロとゆるゆる過ごす夜は、心が解けそうな、そうでも無いような不思議な感じ。「ね？賢者様、あと一杯だけ」「強い顔面力を行使しようとしないでください」「……賢者様、最近ミチルに似てきたなぁ」

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「おい」月がこぼれ落ちそうな夜、屋根でぶらっどり～と晩酌。「今にも寝そうだな」「良い夜だからね」「酒もうめぇしな」「ほんとほんと」勢いよくもたれ掛かると呆れたように笑って、上着を掛けてくれる。「ねえ」「あ？」「やっぱなんでもない」「……そうかよ」 #mhykプラス

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お酒の匂い、ほんの少しだけ口付けて、またもたれかかって。「酒くさ」「お前も大概だぞ」「昔みたいだね、こうしてると」「違いねぇな」ふ、と綻んだ笑顔はどこか寂しそうだったから、頬にキスをして目を閉じた。

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ニコ…スとまあまあ犬猿の仲な賢／者、街中で花を買ってるニコ…スに遭遇し変な空気になる回。「……これはこれは、護衛の魔法使いは連れておいでではないのですか？」「ニコラ／スさんこそ今日は部下の方を連れてらっしゃらないんですね？いつもやたらと引き連れてるのに」 #mhykプラス

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「随分不躾な物言いだ、流石あの魔法使いたちを引き連れてるだけはある」「いやでもお花を贈る相手はいらっしゃるんですね、意外です」って言い争ってたらカイ…がニコニコしながら走ってきたので強制解散。数時間後、「賢／者さま、このお花お部屋に飾っておきますね！」ってカナリ／アが生けてた

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花が明らかニコラ…の買ってた花。「え、これどうしたんですか？」「先程ニコラ…様が所用でいらした時にくださったんです、賢／者さまにって」って言われて賢／者が困惑するし、魔法舎の中で軽い噂となった。

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市場を散歩中、ニコ…スに助けられた。「護衛は？」「いや、その、みんな忙しそうだったので」「少しはご自分の知名度を鑑みたらいかがです？」って賢／者を拐おうとした輩をのしながら睨んでくるので割と怖いし、「あの魔法使い共がいなければ、貴方はただの非力な女なのですから」って #mhykプラス

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悪～い顔して笑うんだけど、その後普通に落ち込んだ賢／者を見かねて飴細工を買ってくれるし、魔法舎の近くまでは送ってくれるので好感度が爆上がりする話。

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「ね、賢者さますこしだけ付き合ってよ」って、パーティ終わりにフィガロに声をかけられた。「ええ、勿論」「やった、秘蔵のジュース飲ませてあげるね」さっきまでの騒がしさとは反対に、静けさに包まれるフィガロの部屋はすこしだけ物悲しい。「フィガロ」「うん？」「2度目ですね、 #mhykプラス

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貴方のお誕生日をお祝いするのは」「そうだねぇ、今年もとっても楽しかったよ。賢者様とみんなのおかげ」「それなら良かった」グラスに注がれた赤いジュースからはほのかに甘い香りが漂う。「もう何歳なのかなんて数え切れないけど、ここでの誕生日は楽しいな」「……また来年も」「うん、もちろん」

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カーテンが揺れて風が舞い込む。今日の月は一際大きくて、こちらを見透かしているようだった。隣で目を細めてそれを眺めるフィガロは、やっぱりどこか寂しそうな顔をしていた。「祈りを込めてこの先の1年に、乾杯を」

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｢どう、でしょう？｣｢とっても……、とっても美味しいです！｣形が歪な小さなケーキ、ネロに教えては貰ったけれど完璧には出来なかったから不安だった。｢甘さがとても優しいですね、クリームもさっぱりしていて｣｢夜に食べるならあまりくどくない方が良いかな、と思ったんです｣ #mhykプラス

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ヒースクリフはなるほど、と呟いてクリームをフォークで掬った。綺麗な所作で口元にそれを運んで微笑む。｢少し賢者様に似てます｣｢？｣｢あ、えっと、賢者様はいつもお優しいので。なんだかこのケーキは賢者様が詰まっているような感じがして｣｢穏やかにいられるのはヒースクリフたちのお陰ですよ｣

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｢……心根がお優しいのだと思います｣彼の綺麗な指先が私の手に触れて優しく包み込まれる、少しだけひんやりとした温度は赤く染った彼の頬とは真反対だ。｢ヒースクリフ、お誕生日おめでとう｣｢ありがとうございます、あなたの傍で迎えられることを本当に幸せに思います｣

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ルチルの柔和な笑顔が、すん、と真剣な表情に変わった。真っ直ぐにこちらを見据えて手元の鉛筆を動かしている。｢今日のお洋服はちょっと私の服に似ていますね｣｢……実は、そういう風にお願いしてクロエに作ってもらったんです｣｢わあ！じゃあ本当におそろいだ！｣ #mhykプラス

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エメラルドのような瞳は、じぃ、と私の服を見て笑う。｢とってもよく似合ってます、嬉しいな｣キャンバスを挟んで見るルチルは、いつもより少しだけ大人びて見えた。｢プレゼント、本当にこれで良かったんですか？絵のモデルなんて｣｢もちろん！賢者さまを独り占めできる貴重な時間ですから｣

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悪戯っぽくウインクをして、ルチルはキャンバスに目線を戻した。ふたりきり、夕日の差し込む窓辺での時間はゆっくりゆっくり流れ込むように流れた。

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「とても綺麗なリボンですね」「えへへ、このビジュー宝物なんだ」澄んだ紫色のそれはクロ工の瞳に似ている。夜半、ゆっくりと時間が進むこの時間にふたりで飲むぶどうジュースは格別だ。「ねえ」「はい」「オレ、本当にしあわせ」一言を噛み締めるようにそう言って #mhykプラス