ゲニウス・ロキ、場所の力、郷土、風土、場所の感覚 時間の克服、時の断面、環境決定論、空間決定論、地形決定論
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永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

これは自分にもその傾向があると自覚した上での指摘だけれども、「ゲニウス・ロキ」や「場所の力」といった言葉は「細けえこたぁいいんだよ」式に議論の粗さを誤魔化すために使われることが多いのは否めない。確かに魅力的だしある意味便利な言葉ではあるけど、思考停止にも繋がる危険性はある。

2021-02-17 08:13:49
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

それ以上の細かい分析に立ち入る道筋を閉ざしてしまう、という問題点が一つ。さらに、「ゲニウス・ロキ」といった言葉で「場所の本質」を定めることは、場所にその意味付けをした主体の存在を覆い隠してしまう。虚構を正当化するのにはうってつけの言葉かもしれない。

2021-02-17 08:33:37
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

日本でこの言葉が広まるきっかけになった『東京の〈地霊〉』も、18世紀のイギリスに由来する概念という以上の深掘りはしていない。制度史に留まらない都市史の見方を示した点でその意義は大きいと言われているけれども、その弊害もここに由来するのではとも思う。

2021-02-17 08:47:37
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

一応補足 ゲニウス・ロキとは?建築との関係は?3分でわかる概要と関連書籍 - ArchiLadder ladder-ladder-ladder.com/genius-loci/ >ある土地や場所がもつ特有の雰囲気や土地柄、歴史、文化、環境を総称して表す言葉 >「ゲニウス/Genius(付随する守護霊)」と「ロキ/Locī(場所・土地)」の二つのラテン語に由来

2021-02-17 08:51:02
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

ゲニウス・ロキは比較的小さい空間スケールで使われることが多いけれども、基本的には「郷土」や「風土」と同じ功罪を負っていると思う twitter.com/Naga_Kyoto/sta…

2021-02-17 08:55:30
永太郎(ながたろう)@『色分け日本地図』発売中! @Naga_Kyoto

郷土愛とは何か | 大城 直樹 | トイビト toibito.com/column/humanit… 内国勧業博覧会は「土地土地の特徴や差異を明確にして郷土への意識を擦り込み、それを空間的に拡大することで「愛国心」を醸成しようとした」ものという指摘

2020-12-16 23:09:57
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

なお大城氏はそのものずばりな記事にも登場する 特集:ゲニウス・ロキと空間論的転回 談 Speak, Talk, and Think dan21.com/backnumber/no8…

2021-02-17 09:02:29
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

基本的にはこういった言葉は、それを用いて考察・分析するための概念というよりも、その訴求力によって外部に働きかけていくための言葉として捉えたほうがいいんだろうな。「プレイス・ブランディング」のような。 twitter.com/Naga_Kyoto/sta…

2021-02-17 09:04:40
永太郎(ながたろう)@『色分け日本地図』発売中! @Naga_Kyoto

『プレイス・ブランディング:“地域”から“場所”のブランディングへ』刊行 | ウェブ電通報 dentsu-ho.com/articles/6008 >都道府県や市といった行政区分による「地域」ではなく、例えば瀬戸内や南アルプスなどのように、物語のある「場所」を、複数の組織や人が関わりながらブランディングしていく

2018-06-29 14:00:10
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

自分のツイートを検索してみるとどうも昔はこういうことも考えていたみたいだけど、これはこれでだいぶ「モダン」な考えで、それこそソジャの言う《第一空間》決定論あるいは中澤氏の言う「あきらめをもたらす」理論になりうる。 twitter.com/Naga_Kyoto/sta…

2021-02-17 09:10:55
永太郎(ながたろう)@『色分け日本地図』発売中! @Naga_Kyoto

よく言う「場所の記憶:時代が変わっても場所の性格は変わらない(祇園が花街から歓楽街になったような)」は、地霊(ゲニウス・ロキ)みたいな神秘主義的な言葉で表現されることも多いけど、それは実は地理学的な空間原理(市街地との相対的位置関係、地代)で説明できるのではないかと思った。

2016-12-26 08:10:06
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

「決定論としてのゲニウス・ロキ」みたいな切り口も面白そう twitter.com/Naga_Kyoto/sta…

2021-02-17 09:11:56
永太郎(ながたろう)@『色分け日本地図』発売中! @Naga_Kyoto

ソジャは、19世紀から20世紀初頭にかけての環境決定論や空間決定論(チューネン圏のような理論を想定している?)を、《第一空間》決定論と呼ぶ。そして、20世紀のマルクス主義地理学やその他のリベラルな空間科学は、《第一空間》決定論を打破する方向へ向かったと分析している。

2020-04-19 02:38:25
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

(分かったような口ぶりで書いているけれども、『東京の地霊』を読んだのはわりと最近です) twitter.com/Naga_Kyoto/sta…

2021-02-17 09:16:14
永太郎(ながたろう)@『色分け日本地図』発売中! @Naga_Kyoto

→この本の重要性は、「地霊(ゲニウス・ロキ)」という言葉を広めたところにあるのでは。所有者や土地利用が変わってもどこか残ってしまう土地の個性、という見方を端的に表したこの言葉は、まち歩きのスケールにぴったり。文中であまりこの概念について掘り下げられていないのが惜しい。

2020-02-12 05:46:35
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

地理学だとシュリューターの「時間の克服」が対照的で面白い。 「変化してやまない地理的諸相のなかで、時代が移ってもそこに「繰り返し現れる」現象は、時間を克服した地理的真理であり、シュリューターはこうした現象の解明を通じて地理学の法則を考究しようと考えていた」 www2.kokugakuin.ac.jp/hisgeo/JPwhat.…

2021-02-17 09:34:06
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

「ゲニウス・ロキ」は、繰り返しある場所に現れる事象からその場所の特殊性を論じるが、それとは反対に、「時間の克服」は、「変化の中の不変」から普遍的な法則を見出そうとする。 浜谷 正人「O.シュリューター覚書き―いわゆる「景観論」と「時間の克服」を中心にして」 kanazawa-u.repo.nii.ac.jp/?action=pages_…

2021-02-17 09:34:06
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

ある歴史地理的事象を分析するときの視角として、特殊/普遍、静態/動態の2軸で捉えると面白そうだなという妄想。具体的な時代・地域を分析するのか、時代を問わず見られる普遍的な原理(立地論とか)を見出そうとするのか。そして時間的な変化を考察に入れるのか否か。

2021-02-17 09:49:59
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

静態・特殊:クロスセクション(ヘットナー) 動態・特殊:連続断面法(ダービー) 静態・普遍:Abstruct world(プリンス/一部動態的なものもあり) 動態・普遍:時間の克服(シュリューター) それぞれの解説→ ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AD%B4… こういう観点の歴史地理学史が読みたい(ニッチすぎる)

2021-02-17 09:54:59
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

歴史地理学における説明・叙述法については、菊地利夫(1987)『新訂歴史地理学方法論』という古い本が、因果論的説明、確率論的説明、機能論的説明......みたいな細かい分類をしててへーって思ったけど、まあ実際そこまで意識して書くことはないよなぁ

2021-02-17 09:59:26
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

歴史や地理はもちろん好きだけど、たぶん自分の関心は歴史-地理そのものよりはそれらの語られ方にあって、その点で言うと前にやったブラタモリのストーリー構造の分析とかはもうちょっと深めてみたい twitter.com/Naga_Kyoto/sta…

2021-02-17 10:03:31
永太郎(ながたろう)@『色分け日本地図』発売中! @Naga_Kyoto

ブラタモリサブタイトルの分析その2 文構造から4つのタイプ(+その他)に分類してみました。 pic.twitter.com/kWyJqvunSR

2018-02-17 05:37:07
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

「まち歩きブームと”地形決定論”」くらいのテーマなら誰かが書いてそうな気がする。あるのなら読んでみたい。 twitter.com/Naga_Kyoto/sta…

2021-02-17 10:23:17
永太郎(ながたろう)@『色分け日本地図』発売中! @Naga_Kyoto

原地形と流行の意匠が組み合わさることで、それぞれの場所性を帯びた建築が生まれ、それが都市の景観を構成してく、という見方は分かりやすいものの、環境決定論ならぬ「地形決定論」にならぬように、また象徴的建築物を残さなかった人々・社会階層を見落とさぬように注意する必要があるかとは思う。

2020-01-20 18:07:58
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

なんだかんだ言いつつ自分も場所性を感じがち twitter.com/Naga_Kyoto/sta…

2021-02-17 10:25:10
永太郎(ながたろう)@『色分け日本地図』発売中! @Naga_Kyoto

鹿谷町ラブホテル街(と言っても4軒のみ)。台地の陰にあり、あまり目立たない。ラブホテルの立地としては相応しいか。「無断駐車禁止」の字体に場所性を感じる。 pic.twitter.com/rNajawCVgR

2018-04-08 19:12:55