277機関とは「どの自創作作品」や「どの時代」にも属さず、罪を犯した者に罰や猶予を与えたりする存在【機関者】と呼ばれている者達が所属している場所である。その機関者でもある灰田は、ある日を境に「チームを結成する」と上司たちに宣言し、一人で行動し始め、様々な部署から機関者に声をかけて行動に入り始めた。 ――灰田や追野よりも二つも早く所属し、三つの名で呼ばれる機関者・追跡者が灰田チームに入るまでのお話を収録。 (※連載当時のまま掲載しているので、誤字脱字があります)
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伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

追跡者はミヨシノの方を少し見ると、近くにいたスタッフが既に鼻の下を延ばしている姿を見ておちょくっている所だったが、追跡者の視線に気づいたようで、こちらに愛想良い表情でこちらを見る。 「了解だ、後で落ち合おうじゃねぇか」

2019-11-15 19:18:36
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

追跡者たち三人が集まったのは壱ノ笠にある一軒の居酒屋の小上がり席で、三人とも料理やら飲み物を注文し終えて待ちつつも、ドラム担当の機関者が話を切り出した。 「なぁ、チェイス。アイツを…、マネジャー然としてるあの女を抜かして俺らだけで居るのは何故だか解るか?」#Rhapsody277

2019-11-16 19:59:58
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「邪魔者、だからか?」 「…ストレートに言えばそうなるな」 ギター担当の機関者が「チェイサーさん、この際聞きますが…。何故、彼女を僕達の所に入れたんですか?」と聞くが、ふむ、とでも言わんばかりに腕を組んで考え込むような顔つきになる追跡者の様子を見かねて横で言う。

2019-11-16 20:03:57
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「今回の場合、俺達の場合は上が勝手に取り繕って出来たチームみたいなもんだが、元々は俺ら三人でやるもんだったからな」 「それは解ってる」 「まぁ、アイツの能力のお陰で予定よりも早く標的を誘き出せる算段になるから、悪くはねぇが――」 「彼女の能力は危険です」

2019-11-16 20:09:52
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「その通り、ただでさえあの姿だってのに力を使ってないとはいえ、人間はホイホイ状態だ。仮に力を使ってるところを想像してみろ、後が怖いぜ…」 ほぼ黙って二人の話を聞いていた追跡者ではあったが、ようやくその口を開いて声を発する。

2019-11-16 20:12:50
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「……成程なぁ、お前らの言い分は解った」 「本当か?」 「あぁ、勿論だとも。後の事は俺に任せておけ」 「大丈夫、なんですか?」 「多分、な」

2019-11-16 20:14:14
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

灰田はソロでの仕事を終え、何時ものように上着の内ポケットに入れている星型絆創膏を取り出し、近くの建物の窓で確認しつつ、自身の右目に貼っていた時であった。 「ククククク……、仕事、ご苦労様だな。灰田ァ」#Rhapsody277

2019-11-17 20:00:29
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

聞き覚えのある笑い声と共に話しかけてくる人影が目に入り、灰田はそちらの方を見る。 「チェイス、さん。お仕事、お疲れ様です」 「敬語はよせよ、今更わざとらしいだろ」 「しかし――」 「俺がそう言ってんだ、解っただろ、灰田」 「は、はい…」

2019-11-17 20:02:59
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

帰り道が同じとはいえ、二人で居るのは何だか気まずいような気がしてならない等と思っていた灰田だったが、追跡者は「そういや、灰田。この前はなんで、俺達が居た場所にいたんだ?」と聞いてくる。 「そろそろ、答えが欲しいなぁーっと思いまして」 「答え?」

2019-11-17 20:06:31
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

まさかだけど、俺がチームに誘った事を覚えていないとか…言わないよな?――と、灰田が思ったのが顔に出てしまったが、追跡者はその顔を見て「あぁー、そういや、灰田は俺を誘ってたよな。結構前によ」と返し、灰田は安心する。 「えぇ、その事です」 「どうしたもんかねぇ…」

2019-11-17 20:09:13
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「いや、答えは何時でも大丈夫です、から」 「んー、考えておくわ」 最初に言った時と同じような反応で言う追跡者を見た灰田は「今回も駄目か…」と消沈しかけた時であった「何故だ?……灰田はチームを作りたいと思った?」と聞いてきたのだ。

2019-11-17 20:11:48
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「俺がチームを作りたいと思った理由、それは簡単ですよ」 「ほぅ?」 「かたっ苦しい事は大嫌いだからです――という一言で片付けたいのが本音ですね、最も、そんな風に言ったらお偉方にはもっと理由を求められますけどね」 「それで、灰田はお偉方になんて言ったんだ?」#Rhapsody277

2019-11-18 18:45:26
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「「あっさりすぎるのゴメンだ」と言い飛ばして、今に至ります」 ククククク……という、小さな声を発した直後、追跡者はその場で大声で笑い出して直ぐに「灰田らしいじゃねぇか、流石だぜ」と返す。 「ありがとう、ございます」

2019-11-18 18:51:12
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「おかえりなさい、チェイス」 最近よく耳にする声だ、俺の居る部屋にはいつも機関者が先に居て、こんな風に声をかけてくる。 「アァ…、いま帰った」 上着を脱いでソファに向かって適当に投げるようとすると、直ぐにあの機関者は「いけませんわよ、仕事着なのに」と言いながら脱がす。#Rhapsody277

2019-11-19 19:57:13
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「そう言えば、先ほど例の所の関係者から電話がありましたのよ」 「ほぅ、なんだって?」 「私らの所に入らないかって」 網にかかったか、と追跡者は思いながらソファに座ると、後に続いてあの機関者――ミヨシノも隣にかなりの至近距離で座る。

2019-11-19 20:00:23
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「成程なァ…」 妙な手つきでミヨシノは追跡者に触ろうとしているものの、追跡者は自身の手で軽く払い、その目を見ながらにして話を続ける。 「その話が来たってことは、ミヨシノと居るのも残り僅かっていう事になるなァ」 「私、寂しいですわ――」

2019-11-19 20:04:45
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

これがもし、普通の人間だとすれば、あっという間にミヨシノの思うがままになるのだろうと、常々に考えてしまう所だ。 しかし、機関者は違う。例え、そんな言葉を言われながら寂しそうな顔を見ても、何とも思わないのが半数だろう。 「そんな事言うな、ミヨシノ」 だが、俺は妙に変わったらしい。

2019-11-19 20:11:12
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

これ以上、静けさのある言葉を聞きたくないからと、言葉では言わずに口封じの為にミヨシノの口を一瞬だけ封じるなんてよ。 「今の標的を仕留めても、また、会えるだろ」 「最近、チームを作る豪語した機関者がいると――。ひょっとしたら、貴方にも声がかかるかもしれませんわ」 「何故、そう思った?」

2019-11-19 20:15:19
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「だって、貴方は私達の中でもかなり指折りの機関者ですもの」 ――この機関者は妙に勘が良いらしい。 「ミヨシノだって、そうだろう?」 「私の力は目に見えませんし、何時も他の方に横取りされてしまうのがオチですもの」 「それを言ったら、俺もその頭数に入りかねんな」 「それは違いますわ」

2019-11-19 20:17:55
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「何処が?」 「私は、私の意の元に貴方の所へ来たのですから」 今度は、ミヨシノの方から来たものだから、正直言ってどんな反応をしたのかは追跡者自身も覚えちゃいない。 「だから、そんな事は貴方の口から言わないで下さい」 コイツの意の中に居ると遅れながらに気づいた頃には、既に遅いようだ。

2019-11-19 20:22:29
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

追跡者は仕事を早く切り上げ、壱ノ笠に住んでいるある男の元へ向かっていた。 ――俺の見立てだと、そろそろ、出来ているハズだ…。 そんなことを思いつつ、秋から冬へ変わる寒風に当りつつ住宅街を歩き、遂に目的の場所でもあるアパートに辿り着く。#Rhapsody277

2019-11-20 19:58:33
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

男が住んでいる部屋の玄関前まで行き、呼び鈴を押して少し待っていると、扉の向こうから鍵が開く音が聞こえ、ゆっくりと扉が開かれた。 「よぉ、相変わらず、キナくさい所に住んでるなァ?」 相手は少々不機嫌そうな表情を浮かべるものの「別にいいだろう」と静かな声で返す。

2019-11-20 20:02:30
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

追跡者よりも少々背が高いものの、少々猫背気味な姿勢で立ち、随分と切っていない紫色の長い髪、黄緑色の目の下にはクマがあり、剃るか剃らないかは気分次第すぎる無精ひげが生えている。 一見すると、何処にでも居そうで居ない男ではあるが、追跡者はそんなことを気にせず玄関に入る。

2019-11-20 20:06:57
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「例のアレは出来てるんだろ?」 「わざわざ取りに来たのか」 「あぁ、写譜屋でコピーされる前に現物をこの目で見たくてな」 「ご苦労なものだな」 「なぁに、気にするな」

2019-11-20 20:09:02
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

この街に住んでる作曲家サマに一曲頼むのに、少々時間がかかってしまった。 何分、俺が頼み行った時は俺並...いいや、それ以上にアイツはやさぐれていた。 だが、ある時を境に吹っ切れたようで、何度目かの頼みでようやく引き受けてくれたのだ。#Rhapsody277

2019-11-21 19:13:25
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

アイツの身に何が起きたかは知らないが、どっちにしても予定よりも早く標的をとっちめられるのだから、結果オーライだ。 俺はそう思い、楽譜を眺めていた。

2019-11-21 19:15:45
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

楽譜を写譜屋へ届け少しの時間を要して、無事に楽譜も自分らの手に入り、俺はあの二人がいる部署へ向かうと、そこには少々見慣れないサングラスを掛けた機関者が居たのだ。 「Pursuitのリーダー、だろ?」 肩につく位の髪の長さで、何処か外国人っぽい見た目な機関者だ。 #Rhapsody277

2019-11-21 20:34:21
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「一応、そうだが...何か用か」 「いやぁ、アンタらの演奏はすっげぇよ。何度かあそこへ出入りしてんだけどよ、ギターもドラムもすげぇテクニックをしてるが...。特に、アンタの歌唱力は百万馬力のように力強い物を感じたぜ」

2019-11-21 20:38:54
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

聞く限り、コイツは俺達の事を褒めているらしい。 「それは嬉しい限りだが...、用はそれだけか?」 ノンノンノン、と人差し指を立てて左右に振りながら、サングラスをかけた機関者は話を続ける。 「俺が聞きたいことはただ1つだけ、単刀直入に聞こう、Pursuitの音楽は何時まで聞けるんだ?」

2019-11-21 20:43:21
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

流石は機関者と言うべきか、仕事の引き際っていうのを妙に察知する所が早い辺りは、本当、単純だとし言いようがない。 が、俺は敢えて場を濁すような言葉を言い残して去ってゆく。 「ご想像お任せするぜ」

2019-11-21 20:47:09
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「楽譜が届いたってことは、こうして居られるのもあとわずかって事か…」 「なんだか、あっという間でしたね」 「でもさ、俺はキライじゃなかったぜ。楽器っていうのに触れて楽しかったし、突発的に集められたとは言え、あのチェイスと組めたんだからよ」 「確かに、それは僕も同じです」#Rhapsody277

2019-11-22 19:45:45
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

追跡者から各自のパート担当の楽譜貰った二人は、一通り目を通しながら話をしている。 「まぁ、しいて言えば、あの女が突然やって来たのには驚いたけどな」 「彼女、結局何のために僕らに近づいたんでしょう?」 「そこらへんは本人ぞ知るのみだが…、チェイスにホレてたのは確かだな」

2019-11-22 19:49:48
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

一体、何処にそんな確証が…と思ったが、これまでの事を思い返してみると、高確率で追跡者の隣に立って歩いていたし、こちらが見ていて目のやり場に困りそうな程に至近距離で何かしらをしていたなと思いつつ、苦笑いを浮かべしまう始末である。

2019-11-22 19:53:29
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

何時ものようにバーでライブを行う、店に来ている客はみんな俺達の演奏と歌に酔いしれているらしい。が、これを行うのもあと何回と指折り数えられる程だが、メンバー全員で決めている事は「最後まで俺達らしい演奏をして、歌い切る」ということだそうだ。#Rhapsody277

2019-11-23 19:01:38
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

今日の演奏を終えた三人は舞台袖に引っ込むと、スーツを着た男が待ち構えており「今日の演奏も大変、素晴らしかったです」と言いながら三人に近づいてくる。 「アンタは?」 「紹介が遅れました、私はこういう者でして…」

2019-11-23 19:06:17
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

追跡者に名刺を渡し、そこに書かれている文字に目を通す。 「アンタ、この前、俺の所に電話してきた所のか?」 「そうです!アナタ方のマネジャーと言っていた方には一通り、お話したのですが」 「まぁ、一応は聞いてるがな」 「ここでは何ですから、もう少し落ち着いた所でお話しましょう」

2019-11-23 19:09:39
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「アナタ方のライブパフォーマンスは確かに素晴らしい上に、ファンも沢山いますし、このお店のみで置かれているCDの中では他の方々よりも群を抜いて売れているという実績もありますからね!これは是非とも、我々の事務所でもっと大々的に活動されてはいかがでしょうか?!」#Rhapsody277

2019-11-24 21:09:05
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

随分と意気揚々に喋るヤツだ、とメンバー全員思いながらも名も知れぬレコード会社からやって来たというヤツの話を聞いている。 「成程なァ…」 「しかし、メジャーデビューするには、それ相応の方もありまして…」 「それ相応っていうのは?」

2019-11-24 21:13:01
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「まぁ、いわゆる…」と言いながら、親指と人差し指で丸を作り「コレがかかるんですよね」と小声で言うものだから、追跡者の隣に座るドラム担当のロディも耳元で言う。 「オイ、さっさと仕留めようぜ。こんな間近に居るチャンス、滅多にねぇぞ」 しかし、追跡者はその声も無視して会話を続ける。

2019-11-24 21:16:41
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「まぁ、その件に関してはちぃとでも考えておこうか」 「あ、ありがとうございます!それではもし、お決まりになりましたら先程お渡しになった名刺の電話番号に連絡頂ければ幸いです!」 レコード会社の人間は喜々とした気分になりつつも「失礼します」と言って帰ったのだ。

2019-11-24 21:20:04
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

その姿が見えなくなった時、ロディは「おい、いーのかよ。チェイス?」と明らかに不機嫌そうな声で聞くが、当の本人は「まぁ、下準備は整ったんだ、仕上げの編曲はアイツがやってくれるだろうさ」と返す。 「編曲って、どういうことです?」 「編曲は編曲だ、そのうち解るぜ」

2019-11-24 21:22:52
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「えぇ、はい…!あと一押しすれば金のなる木と、その実を手に入れられますので。……えぇ、ではまた後程――」 追跡者たちと別れた直後に電話が鳴って出てみると、偉そうな社長様が「どうだ」と聞いて来たのだが、結果は良好だという旨を伝えて電話を切り、意気揚々と道路を歩いている。 #Rhapsody277

2019-11-25 19:01:37
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

――これで、俺も出世街道まっしぐら!まぁ、アイツらには可哀そうだが、所詮はそれまでのモノ。……地獄を見る機会もなきゃあアカンぜ。 思わずスキップしそうになった所で「もし、そこのお方」という声に反応し、男の足取りは急に止まって振り返ると、そこに居たのは一人の女だった。

2019-11-25 19:05:59
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

はて、この姿には見覚えないが、声だけは聴き覚えがあるような…。と声に出さずに考えてはいたものの、女は男に急接近しながら耳元で囁く声を聞いたものの、男は瞬く間に意識が遠退くような感覚を味わったのを最後に、視界が真っ暗になってしまったのである。

2019-11-25 19:10:39
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

自分の耳に聞こえるのは沢山の人の声、だが、視界は見えていない。 ――俺は一体、何処にいるのだ? と思った矢先だった「さぁーーて、今夜のイントロクエスチョンズのゲストは、とあるレコード会社で働く会社員と、その社長様でございまぁーーす!!」という高らかな声が聞こえたのだ。 #Rhapsody277

2019-11-26 20:05:01
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

そこでようやく視界が開けたと思えば、自分は変に派手な椅子に座られている上に、隣には職場の直属の上司でもある社長が自分と同じような椅子に座られていたのだ。 司会者らしき男の髪の毛はプリンを連想させるような色合いだ、男は自分の所に来て「挑戦者でもある社員さん、意気込みは?」と聞く。

2019-11-26 20:10:44
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「意気込みも何も、そもそもコレは一体どういう事なんです?!」 「どうも何も、イントロクエスチョンズです。今から流れる曲のイントロを聞いて正解を言えばいい。というのがルールです」 「えっ?」

2019-11-26 20:15:01
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「それも超優しいですよ、何せ、今から流れるモノはアナタ方の所に所属してるアーティストの楽曲なんですから。勿論、聞いてますよね?」 「もっ、勿論だとも…!」 「もし、一つ以上でも間違ったら、その時は覚悟しておいてくださいね?」

2019-11-26 20:17:16
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「いやはや、まさかここまで全問正解するとは……流石ですねぇ!」 司会者は意気揚々と語りかけてくると、周りにいる者達も同じテンションで居るせいか、妙に活気がある。 しかし、当の本人は周りの空気とは真逆で、緊張の糸が張り廻ったままだ。 #Rhapsody277

2019-11-27 20:22:49
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「しかし、楽しい時間と言うものはあっという間に過ぎ去ってしまうもの…。最後の問題に行きましょうか?」 ――やっとこれで、この場から解放される。 その安心感に浸れたのも束の間、司会者が持ってきたヘッドフォンをかけられた途端、そこから流れて来たのは「大音量で流れる沢山の音楽」

2019-11-27 20:26:30
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まとめたひと
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

基本は自分が考えた創作ッ子達の事を呟いたり、絵を上げたり、お話も書いたりします。偶に違う話等もしておりますが……ようは気まぐれだが基本は創作用アカウントです。(※食べても美味しくない鶏野郎で無言フォローをしたり、時として話すとアツくもなりますがそれでもよろしければです)御用の方はDMまで。