100分de名著｢ボーヴォワール "老い"｣(2021)

減るヤスミ @hel_yasumi

録画していた「100分de名著 ボーヴォワール "老い" (1)」を観る。講師は上野千鶴子。人間の「老い」は社会的な問題であるとボーヴォワールは語り、それに直面した人間の中には「自己差別」や「自己否定」が生まれるという。いわゆる「老いた自分を認めない」ということが。

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「第二の性」のボーヴォワール、そしてフェミニストの上野千鶴子の出演もあり、第1回となる今回の放送では「女性の老い」について多く語られていたか。 「老いた人間の扱いをみれば、その社会が如何なるものかが分かる」 今の世界、日本はどうなのだろうか？ という所でも興味深い内容ですね😊

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100分de名著 ボーヴォワール "老い" (2) 「田舎の老人より、都会の裕福な老人のほうが健康である」 疫学に経済階層を持ち込んだボーヴォワールは、冷徹な現実主義者。そんな彼女が様々な文化人の老いのエピソードを綴る。それを紹介したのが、この第2回の放送。画家・音楽家以外は、ほぼ辛辣な内容だ

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政治家チャーチル、ガンジーには特に手厳しい。戦後のチャーチル、非暴力を掲げたガンジーが宗教対立の暴力により消えたことを「時代おくれ」と糾す。一方、講演に立った老齢のゲーテが記憶を飛ばし、20分も舞台に立ち尽くすが、聴衆もそれを見守っていたというエピソード。それは批判なく紹介。

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番組内では出演者の伊集院光と、社会学者の上野千鶴子のダイアローグも繰り広げられるが、上野の投げかけに対し伊集院が答えた、三遊亭円楽、明石家さんまの還暦引退撤回のエピソードも、興味深かったです😊

増えるやすみ @fuel_yasumi

100分de名著 ボーヴォワール "老い" (3) シリーズ第3回のテーマは「老いと性」。老いた人は性欲も失せ、清澄な存在になる…それは幻想だとボーヴォワールは説く。高齢男性も、まだペニスコンプレックスに捉われ、老齢女性は連れ合いを亡くした後も、新たなパートナーを欲する。そんな例を紹介。

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番組での講師の上野千鶴子は、「性の歴史」の著者であるフーコーの言葉「生政治」を用い、老齢の性愛のような "産み育てぬ性" は、政治的に抑圧されてきたと語る。存在しないものとして。それはボーヴォワールと同じ意見であり指摘だ。

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番組の終盤には、ボーヴォワール自身の恋愛も紹介される。二十代の頃に出会った "必然の愛" の相手であるサルトル以外にも、彼女には四十代に "偶然の愛" のパートナーが複数いた。実存主義者のボーヴォワールは、自らの経験から思索を巡らせていたのだ。

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100分de名著 ボーヴォワール "老い" (4) 今回のテーマは「老いと社会保障」。ボーヴォワールの著作を俎上に、現代の、日本の問題として引き寄せる。1970年代、高齢者の世話は家族の、その中でも嫁の役目とされていたが、後に介護保険制度が始まり大きく変化。「介護は他人に委ねても構わない」と。

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ボーヴォワールは「認知症」についても語る。それの周辺的な症状である「問題行動」、例えば徘徊や不潔行為が挙げられるが、それらについても"病気"と単純には割り切らず、徘徊などは「何を求めているか分からぬも、探し続ける行為。家族なしでもやっていけるという表明」と、文学的に解説。

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更に番組では「安楽死」についても語られる。安楽死を考える時の本人の状態は、おそらく認知症や高齢化が始まる以前であり、その時の決断は、早計なのでは？と疑義。

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最後に紹介されるボーヴォワールの言葉には「書くこと」への希望が滲んでいた。自分の経験を伝達する喜び、言葉で人や事物を永遠化させる喜びがあると。そしてそれらが次代に伝わり、良き時代と人類の未来があるようにと。もしもそれがなければ、老いは耐え難いものだとボーヴォワール。まるで母の如し pic.twitter.com/f1PBumkG3Q

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