277機関とは「どの自創作作品」や「どの時代」にも属さず、罪を犯した者に罰や猶予を与えたりする存在【機関者】と呼ばれている者達が所属している場所である。その機関者でもある灰田は、ある日を境に「チームを結成する」と上司たちに宣言し、一人で行動し始め、様々な部署から機関者に声をかけて行動に入り始めた。 ――灰田と同期で、ホレてしまったが緊張しいで本人には中々告れない機関者・追野のお話である。 (※連載当時のまま掲載しているので、誤字脱字があります)
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伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「追野ちゃんとは長い付き合いだからこそ、今までも、……そしてこれからも、ずっと、ずっと応援してるからね!!」 追野の頬に何かが流れてゆく、けれど、それが何なのかはその時は解らなかったが、後になって教えてもらったものの名は、嬉し涙であった――。

2019-10-27 19:19:49
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

デスク上の道具を段ボールに一通り詰め込み終えた追野は、上司や同じ部署に居る機関者達に感謝の言葉を告げ、長年お世話になった場所を後にした。 ――これからは、灰田さんの所で頑張るんだ…! #Rhapsody277

2019-10-28 18:54:55
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

そう決意しながら、追野は機関内の廊下を歩いて行くが、段ボールのせいで足元が見えず、フラフラと足元がおぼつかず、いまにも転びそうでならない。 ――き、気をつけなくちゃ…。 気を確かに持ちつつ、再び前を向いて歩きだす追野であった。

2019-10-28 18:57:41
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「これは、こうか?いいや、こっちの方がいいかもしれん…」 ぶつぶつと独り言を言いながらも、灰田は部屋の掃除や整理整頓をしていると「失礼します…」と、遠慮がちに入る追野の声が耳に入り、灰田はその手を止めた。 「よく来てくれたぜ、追野」 「は、はい…」 #Rhapsody277

2019-10-29 20:08:10
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「荷物っていうか、何分、ココは元倉庫室みたいな場所で雑多なモノが多いけど、とりあえず俺と追野の机は確保しといたぜ」 そう言いつつ、灰田は追野を部屋へ案内し、つい先ほど綺麗にしたばかりのデスクに案内する。 「あ、ありがとう、ござい、ます」

2019-10-29 20:10:46
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

礼を言い、その方へ向かおうとした途端、足元がふらついてバランスを崩しそうなった追野だが、灰田が素早く対応して万事を休したものの、追野の顔が急に赤く火照ったものだから「追野、大丈夫か?」と聞くものの、当の本人は小さな声で「だ、大丈夫で、すぅ――」と言ったのも束の間に倒れてしまった。

2019-10-29 20:14:00
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

追野の意識が戻って目に入った光景は天井だった、一瞬だけ「私は何処にいるんでしょう?」と考えてしまったが、自身の手に伝わる感触から「私は今、ソファアの上に居るんだ」と解り、ゆっくりと起き上がり改めて部屋を見渡す者の、今は自分以外誰も居ない事が判明する。 #Rhapsody277

2019-10-30 18:37:23
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

――灰田さん、何処かに行ってるんでしょうか…? そんなことを考えつつ、追野は改めて部屋の様子を見渡した。 ――今は私と灰田さんだけ…、けれど、もしかしたら他の機関者も来るかもしれない…。そう考えると少し緊張するけど、どんな機関者が来るか楽しみなのもまた事実。

2019-10-30 18:39:30
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

眼をやると、追野がこれから使うデスクの上には先ほど持ってきた荷物が置かれている。 ――きっと、私があそこにいた間に灰田さんが…?後でお礼を言わなくちゃ。 そう思い、追野は自身のデスク周りをこれまで通りにすべく、段ボールの封を開けて配置し始めるのだった。

2019-10-30 18:42:21
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「灰田さーーん!」と呼び止められた灰田は、歩む足を止めてそちらの方を振り返ると、桃色でアフロと言っていいのか分からない髪型で、背は灰田の腰あたりまでの女の子の機関者がいたのだ。 「トリックオアトリート、お菓子をくれなきゃ私の魔法でイタズラしちゃうよ!」#Rhapsody277

2019-10-31 18:44:55
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

今日だから言える言葉を口にする女の子の名は、河田モコ。 見た目は子供だが、彼女もまた277機関の機関者の一人ではある事は知っているし、灰田が声をかけようとしている者の一人でもあるのだ。 「おー、今日はハロウィンだったな。モコ」 「灰田さーん、お菓子ちょーだい?」

2019-10-31 18:49:21
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

上目遣いとは、中々に乙な事をしてくれる。――と思いつつも、灰田は「残念、お菓子は在庫切れなんだ」と返す。 「えー、そうなのーー」 「でもよ、もし、モコの目の前でお菓子が現れたらどーする?」 「出来るの?」 「あぁ、まかしとけって。目を瞑ってみな」 「こう?」 「そうそう」

2019-10-31 18:51:50
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

灰田はモコの手に小袋入りの飴玉を置き、両手を添えつつ「もう開けてもいいぜ」と言い、モコが瞼を上げようとした時「ちゃんちゃかちゃーーん」と、灰田が呪文にも似た言葉を発した途端、モコの手には溢れるばかりの飴玉が現れたのである。 「すっごぉーい!!」 「だろ、これで大丈夫か?」

2019-10-31 18:55:05
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「うん!…でも、一人じゃ食べ切れないから、後でみんなに分けても大丈夫?」 「あぁ、勿論だぜ」 「ありがとー、じゃあねー。灰田さぁーーん!!」 そう言うとモコは少し遠くにいる他の機関者達の所へ行き、早速もらった飴を分け始めたのである。

2019-10-31 18:57:28
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

――ハロウィン、か…。少なからず、俺にも関与してたりしないだりの日でもあるが、それを知っているのはごくわずか、ってヤツだな。 そんな事を思いつつ部屋に戻り、戸を開けると「おっ、おかえりなさいませ、灰田さんっ!」と、まだこの場に慣れてない追野が迎えの言葉をかけて来た。

2019-10-31 18:59:28
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「追野、そんなに緊張しなくてもいいんだぜ」 「わっ、わかってては、いるのですが……」 「まぁ、追野のペースで慣れれば十分だが…。まぁ、しいて言えば、これからは俺達以外の機関者も増える予定だからな。そこらへんも加味しつつ、だな」 「は、はい…」

2019-10-31 19:02:16
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「兎も角だ、改めまして、これからもよろしく頼むぜ、追野」 「は、はい!…これからも、よろしくお願いします!!」 【Rhapsody277 追野編 完】

2019-10-31 19:04:59
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

#Rhapsody277 次回予告的コーナー 灰田「やー、今にして思うと、俺ってやっぱ怖かったかねぇ…。そこらへんどう思ったよ、追野?」 追野「えーとぉ…」 ?「そこらへんはよぉ、ショージキに答えてもいーと思うんだよなぁ…。だろ、灰田ァ?」 灰田「いきなり来て早々過ぎるんだよ、お前は!」

2019-10-31 19:08:30
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

追野「この方はっ!(急いでメモ帳を取り出し、名前を調べ始める)」 ?「俺の事まで調べてるってか、ククククククク……とことん真面目ちゃんだなぁ…」 追野「ありました!彼は追跡者さん、もしくはチェイスやチェイサーとも呼ばれている機関者で……って、これ本当に名前なんですか?」

2019-10-31 19:10:21
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

追跡者「正直言って、俺にもわからんのだなぁ…」 灰田「まぁ、皆好き好きに呼んでるからな。ちなみに俺はチェイスって呼んでるぜ」 追野「ならば、私はどう呼んだらいいのでしょうか?」 追跡者「勝手にしてくれ、俺は俺だからな」 追野(えぇ…)

2019-10-31 19:12:28
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

灰田「まぁ、細かい事はさておき、次はお前の番だぜ、チェイス」 追跡者「まじか」 追野「私の次に声をかけてたんですねぇ」 灰田「いや、ほぼ同時期だったな。ただ、返答が早かったのが追野だったっていう話で――」 追跡者「おい灰田、追野が突っ伏してるぞ」 灰田「え?」

2019-10-31 19:14:39
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

追野「ううぅぅぅーーーぅ…」 追跡者「おまけに泣いてると来たもんだ」 灰田「俺、なんか悪い事言っちまったのか?」 追跡者「あぁ、どうやらそうらしいなぁ…」 灰田「もう、どうしたらいいんだコレぇ?!」

2019-10-31 19:16:21
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

追跡者「まぁ、次回も明日も続くって事で、皆さん、引き続きよろしく頼みますわ」 灰田「勝手にシメやがった!!」 To be continued…

2019-10-31 19:18:24
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

#Rhapsody277 小耳話:277機関の機関者達も数が多く、その大半が灰田や追野らみたいに様々な時代の壱ノ笠へ行き罪を犯した者達に罰を下すという仕事をしている為、いくつかの部隊に分かれて行動をしているのが現状で、「自ら率先してチームを作ろう」という事例は今のところはない。

2019-10-13 21:18:38
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まとめたひと
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

基本は自分が考えた創作ッ子達の事を呟いたり、絵を上げたり、お話も書いたりします。偶に違う話等もしておりますが……ようは気まぐれだが基本は創作用アカウントです。(※食べても美味しくない鶏野郎で無言フォローをしたり、時として話すとアツくもなりますがそれでもよろしければです)御用の方はDMまで。