277機関とは「どの自創作作品」や「どの時代」にも属さず、罪を犯した者に罰や猶予を与えたりする存在【機関者】と呼ばれている者達が所属している場所である。 機関者の一人でもあるマレットは仕事終わりに立ち寄ったライブハウスなバーで一杯飲んでいた時、追跡者・ロディ・ブライトンの三人が演奏して歌唱している所を目撃する。 同作の『追跡者編』の前後に動いていたもう一つのお話を収録。 (※連載当時のまま掲載しているので、誤字脱字があります)
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灰田「新年、明けましておめでとうございます」 追野「昨年も、様々な出来事があった一年ではありますが」 追跡者「ククククク......、何やかんやで無事に年を越せてなによりであります」 #Rhapsody277

2020-01-01 20:21:35
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灰田「ってぇ、新年一発目から次回予告のテンションじゃねぇーか!!次ってか、明日は何を書くんだよ!??」 追跡者「話によれば、番外編的なのを書くらしいぜ?」 追野「番外編、ですか?」 追跡者「俗に言う、こぼれ話的な奴だろ、灰田ァ??」 灰田「そこで俺に振るのかよ、チェイス?!」

2020-01-01 20:26:43
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追跡者「まぁ、どんな話が来ようとも、俺はいつもの様に過ごして仕事をするまで、だからな」(退席) 追野「行っちゃいましたね」 灰田「あぁ、そうだな...」 追野「どうしましょう?」 灰田「まぁ、なんとかなるべ。だぜ」To be continued…

2020-01-01 20:30:25
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俺の名はマレット・キーン、呼ばれ方としてはマッキーなんて呼ばれている機関者だ。 仕事は勿論のこなすが、俺だって一個人だ、休みたい時は休むし、遊びたい時は遊びたいもんだ。 ...って、何をいきなり言ってるんと言われそうな予感もあするが、本編はこれからだ。 #Rhapsody277

2020-01-02 20:02:40
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仕事終わりに俺は壱ノ笠にあるライブハウスなバーでお酒を頼み、代わる代わるやってくるバンドマン達の演奏をそれなりに聞いている時、今までに聞いたことがないメロディの演奏が耳に入ってくるものだから、酒を飲む手を止め、思わずそちらに目を向けてみた。

2020-01-02 20:09:16
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そのバンドの構成としては、ギターとドラム、そしてメインボーカルという三人のみで出来ていた。最も、メインボーカルは舞台にあるピアノを弾きながら歌っているのだから、まぁ、器用なこってと思うし、ギターとドラムの演奏自体もそれに合わせるのだから大したもんだと感心してしまう。#Rhapsody277

2020-01-03 19:06:49
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演奏のテンポや歌唱、そして周りに居る観客たちも徐々にテンションが上がり、サビらしき所でボーカルの声が一気に盛り上がったもんだから、俺は思わず度肝を抜かされてしまった。 何故、そう思ったって?

2020-01-03 19:09:52
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そりゃあオメェ、サビが来るまで静かに歌って演奏もしてたのが徐々に盛り上がって一気にドッガァーーンと来たら、誰だって度肝を抜かされたもんよ。 まぁ、ともかくだ、俺はあの三人組の演奏と歌唱にホレちまった事は隠しきれない事実。

2020-01-03 19:12:48
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そんなことを思っていると演奏は終わり、俺はカウンターに居るマスターに「今演奏してたヤツらは誰だ?」と聞くと「最近、演奏し始めた方々ですよ」と返しつつ、マスターは手書きのバンド演奏リストを見せてくれた。 「Pursuit…追跡、か」

2020-01-03 19:15:34
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――っていうよりも、あのバンドメンバー…どこかで見たことがある気がするんだよな。特に、メインボーカルの特徴的な顔が…。 翌日、俺は機関内の廊下を歩きながらに考えを巡らせていたのだから、ろくに前を向いておらず、前方をろくに注意せず、前方の機関者にぶつかってしまう。#Rhapsody277

2020-01-04 18:37:56
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「おぉっと、すまねぇ」 「こっちこそ、すまねぇなァ…」 俺よりも低い声の持ち主の顔を見た途端、俺は思わず目を見開いて叫んでしまった。 「お前!昨日のバーで歌ってた…!?」 橙色のボサ髪に、両目元にある三本線を持つ機関者。 「俺をしってんのかァ?」

2020-01-04 18:42:14
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「知ってるも何も、俺が行きつけてるバーで演奏してただろ?!Pursuitっていうバンド名でよ!」 「ククククク……」と向こうは小さな笑い声をあげていると、後ろから「オイ、チェイスどうしたんだよ」「何か、ありましたか?」と声をかけてくる機関者が二人もやってきた。

2020-01-04 18:44:42
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「なぁに、俺らの演奏を聴いたヤツが居るっていう話だとよ」 「それはありがとうございます」 「っていうかお前、俺らと同じ機関者じゃねぇか。なんで、あのバーに居たんだよ」と聞かれ、俺はこういった。 「休みたい時は休んでる、仕事ばかりじゃあ俺だって息が詰まるからな。それだけの事さ」

2020-01-04 18:47:23
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「成程なァ、おめぇも中々の機関者と来たもんだ」 先程、チェイスと呼ばれた機関者は笑い飛ばした後にそう言うと、サラサラ髪の機関者は「見られちまったもんは仕方ねぇとしてだ…、俺らがこういう風に活動してんのは、余り他のヤツに言うんじゃねぇぞ」と言う。 「何故だ?」

2020-01-04 18:50:58
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かなりの癖毛な上にある程度の髪の長い機関者は、物腰柔らかい言い方で返答する。 「僕達の任務はちょっと特殊が故に、あまり他には言わないよう、上からもストップをかけられていますので」 「ふぅ~ん、そうなんだ」

2020-01-04 18:53:16
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機関者に昼夜も休日的なモノは殆ど関係ない、だが、やっぱり、俺は休む時は休むし、好きな事に対してはとことん楽しみたいものなのだ。 無論それは、俺がアイツらが行っているバーにも何度か通っているし、恥ずかしくて声には出せないが、演奏だって正直言って惚れてしまった。#Rhapsody277

2020-01-05 20:04:31
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あの場所での人気も知名度も徐々に右肩上がりを見せかけて来たころ、風の噂でアイツらの所にあるレコード会社からメジャーデビューの話があるとかいうのを聞いた時は「流石だな」と感心にも似たものを感じてしまったが、そのレコード会社自体は悪い所で、アイツらが仕留めたと知ったのは後の事である。

2020-01-05 20:08:50
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「俺が聞きたいことはただ1つだけ、単刀直入に聞こう、Pursuitの音楽は何時まで聞けるんだ?」 これは、Pursuit解散直前時に俺がリーダーでもある追跡者と会った時に聞いた質問だ。 少しだけ眉毛が上がったようにも見えたが、追跡者は何時もと変わらぬ顔つきで返答したのを覚えている。#Rhapsody277

2020-01-06 20:16:22
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その後、本当にPursuitは解散…とまではいかなかったものの「休止する」と言って別れを告げてしまった。 無論、その時だって俺は居たし、最後の演奏も聞いていたが…、逆にそれは、俺の中にある何かに火が灯り始めた時でもあった。 何に対して? そんな事は聞くな、これから始めるのだから。

2020-01-06 20:22:20
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「はぁー、ホントに休止しちまったなぁ…」 「そうですねぇ…」 追跡者とバンド兼標的を捕える為に急遽集められた元「Pursuit」のドラム担当のロディとギター担当のブライトンは機関の廊下に幾つかある窓で外の景色を眺めながらに呟いてた。#Rhapsody277

2020-01-07 18:33:52
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「ブライトンお前、これからどーするよ?」 「どうすると言われましても…、僕だってギター演奏も人並みに出来るようになってきた所ですからねぇ。今ここでやめたら、腕が落ちてしまいそうな予感がします」

2020-01-07 18:36:45
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「まぁ、それは俺も同じだけどよぉ…。でも、アイツ以上に良い歌い方をするヤツなんて他に居るのかと考えても思い浮かばないんだよなぁ」 「それは僕も同じです、彼以上の歌声を持つ者は見たことがありません」 だよなぁ、とロディが溜息交じりの声を出した直後だった。

2020-01-07 18:40:32
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「探したぞ、元Pursuitのギター担当のブライトン・フォール、ドラム担当ロディ・パーカー!」 そこに立っていたのは、以前、にも出会ったことがあるヤツ。 「あなたは確か…」 「何時ぞやの出会い方はどうあれ、改めまして自己紹介だ。俺の名はマレット・キーン。機関者でもあり歌手になりたてだ!」

2020-01-07 18:44:11
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プッ、と小さく口で吹いた後に大声出して笑い声を上げたのはロディで、それを横に居たブライトンは困惑気味な表情を浮かべてしまっている。 「なんだ、笑うなよ!」 「スマンスマン、そんな真面目顔な上に堂々と言われちゃあ誰だって吹き笑うってもんよ!」 「すみません…」#Rhapsody277

2020-01-08 20:04:48
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マレットはムスーっとした顔になりつつも、上着のポケットから薄く折りたためる キーボードを取り出し「んじゃあ、ココで見せてやるよ、俺の歌と演奏をな!」と高らかに宣言すると、床にキーボードを敷き、演奏と共に歌い始めたのである。

2020-01-08 20:07:43
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即決でチームが組まれる程、世の中簡単に物事が進まないことくらい、俺だって解っている。 けれど、二人がある程度納得できるように歌とピアノ演奏の練習をしておいてよかったとは演奏している最中に二人の表情をチラ見しただけで思ったのもまた事実だ。#Rhapsody277

2020-01-09 19:00:00
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俺の演奏と歌を聞き終えた二人の機関者は、顔を見合わせて話をする。 「ブライトン、お前どう思った?」 「そうですね…、彼の歌声とピアノ演奏はある程度は出来ていると思います」 「ホントか!?」 「細かく言うならば、粗削りな所がありますが……それが逆に彼の味になっているとも言えますね」

2020-01-09 19:03:36
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「まぁ、それは俺も同じことを思ってた所だ」 「それで、結果はどうなんだ?!」 今にして思えば、あの時の俺はかなり食い気味だった。思い出すと少し恥ずかしいような気もするが、まぁ、通り過ぎた事なのだから、今は置いておこう。

2020-01-09 19:07:27
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「仮に俺らともう一度バンドをやりたいと言うのならば、一つ、条件がある」 「条件?」 「あぁ、そうだ。俺がドラム、ブライトンがギター。お前が仮にピアノ兼ボーカルだとして考えた場合、俺達的にメンツとしてはあと一人欲しいとは思ってたんだよな」 「ロ、ロディさん、無茶な事は…」

2020-01-09 19:09:46
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「もう一人、どういうヤツを所望してるんだ?」 「ベースだ、まぁ、俺のドラム演奏でベースを担当してもいいんだがな。最も、この機関の中でベースを、ましてや楽器を嗜んでいる機関者は中々に居ないとは思うがな」 ロディの肩を指で叩くブライトンに気づいてみると、既にマレットの姿は居なかった。

2020-01-09 19:15:19
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それからが長かった、大半の機関者が俺らみたいなヤツらばかりじゃない為、逆に見つけ出すのに苦労したのだ。 ――楽器を、ましてやベースを演奏してそうなヤツなんて居ないんじゃあねぇの?! 仕事の合間を縫っては条件に合う機関者探しをする、そんな日々が過ぎて行く。#Rhapsody277

2020-01-10 19:07:26
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風の噂では、星型絆創膏野郎こと灰田は既に色んな所の部署から機関者を集めてチームを結成したというのも聞いている。 正直に言うと、当初は灰田よりも先にバンド兼チームを結成して自慢しようという魂胆もあったが、いまとなってはそんなことは関係ない。

2020-01-10 19:10:30
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俺はアイツらと、まだ見ぬベース演奏者と演奏がしたい、その気持ちが何よりも勝っている。 そんなある日の事だった、長かった仕事連チャン日を終え久々に通い詰めているライブバーへ行き、何時ものようにカウンターで酒を嗜んでいると、見知らぬ顔ぶれのバンドマン達が演奏が始まり、俺は耳を傾けた。

2020-01-10 19:15:27
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俺の耳に入ったのは歌手の歌声でもなく、ギターやドラムやキーボードの演奏でもない、その中でも特に入ったのがベースを演奏している音で、俺はソイツの姿を見た。 ――他のヤツだけはそれなりに派手な格好をしてるが、あのベースだけは俺らと似た格好してんな…。#Rhapsody277

2020-01-11 20:20:12
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黒に近いフード付きのパーカーに、暗い灰色に青っぽい髪色で、何処か遠慮がちな姿勢で立ちながらベースを演奏している。 ――コレが終わったら、後で声をかけようかねぇ? そんな事を思いながら、俺はベースの方を偶にチラ見しつつも演奏を聴いていたのであった。

2020-01-11 20:24:40
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演奏が終わって、僕を除くバンドメンバーたちが各々の楽器や道具を仕舞っている所を見計らった…という言い方をしていいのかもわからないけど、ともかく、僕は思っている事を言おうとして声をかけようとしたのだ。 「ジェフリーに話しておきたい事があるんだ」 「話?」#Rhapsody277

2020-01-12 20:09:38
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「今日で俺達、ココへ来るのを控えようと思うんだ」 僕も似たような事を言おうとした、けれど、向こうが先に話出したのだから、僕は「どうしてまた?」と何時ものように聞いてしまう。 「いや、俺達もいつまでたってココで歌う程のアレもあるようないし、ジェフリーみたいに演奏が上手い訳じゃない」

2020-01-12 20:13:20
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「そんなことはないよ、僕だって始めたのはつい最近だし、そんなに上手じゃない」 「いいや、お前の演奏は確かに上手い!俺達が保証する」 周りが頭を頷かせ、リーダーからは両肩をガッツリ両手で掴まれる上に、真面目な顔と真っ直ぐな視線で言われてしまえば、どう返していいのかも迷ってしまう。

2020-01-12 20:16:51
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しかし、何よりも心配するのはメンバー達の今後だ。見た目が人間とはいえ、僕は機関者だから基本的には歳もとらないし、そちらの仕事に専念すればいい事だ。(ただし年齢に関すると、姿形は変えられるから言い方としては如何なものかと思うけれど…)

2020-01-12 20:19:51
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僕以外のメンバーは全員人間だ、今後をどんなふうに過ごすのか、心配だと思ってしまうのは、一般的な機関者としてはややお節介過ぎるかもしれない。 けれど、僕は聞いてしまう。 「それじゃあ、今後は…?」 「まぁ、それなりに過ごすさ。勿論、演奏は止めないけどな」

2020-01-12 20:22:16
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「ジェフリー・エルツ……俺より三つ後に入った機関者、か」 機関内にある資料室に数日籠っていた俺は、分厚い上に多すぎる機関者の名簿とにらめっこしてはページを開き、ようやくお目当ての機関者を探し出し終えていた所である。#Rhapsody277

2020-01-13 19:33:32
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――経歴は当たり前にように書かれているとして、趣味とかは流石に書かれてないが、あのベース演奏は確かに上手かった。例え、他のヤツらの耳がどう聞こえようとも関係ない。それは灰田の所に居る追野っていう聴力の良い機関者にも聞かせ、既に実証済みだ。

2020-01-13 19:35:53
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となれば、後はジェフリーを探し出せばいいだけのこと。 そっとファイルを閉じ、資料室を出て直ぐだった、俺が今から探し出そうとしていた目的の機関者は「失礼、しますと」遠慮がちに言いながら資料室に入って来たのだから、俺はジェフリーの肩をガッツリ掴んでいた。 「な、なんですか?」

2020-01-13 19:39:29
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勿論、向こうは驚いた表情で聞くが、その時の俺は目の前に突如として狙っていた標的が現れたハンターのごとく目を輝かせ「お前だな、ジェフリー・エルツ」と聞いた。 「え、えぇ…そうですけど」 「話がある、今から俺について来てくれ!!」

2020-01-13 19:41:18
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俺はジェフリー・エルツと出会った勢いでロディとブライトンが居る部署まで行き「ようやく見つけたぜ!ベースが弾ける機関者が!!」と、意気揚々に言いながらジェフリーを二人の前に出したものの、ロディは渋い表情で「おいおい、今度こそ本当に弾けるヤツなんだろうな」と聞いてくる。 #Rhapsody277

2020-01-14 20:14:24
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隣に居るブライトンも「でっち上げたてりとか、してませんよね?」と聞く姿を見て、ジェフリーが「どういうことですか?」と二人に向けて聞こうとしたものの「でっち上げもウソもへったくれもねぇ!ジェフリーは正真正銘のベース弾きだ!!」と大声で言いあげたのである。

2020-01-14 20:19:44
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二人は顔を合わせてしまうのの、直ぐにコチラを向き面接にも似たような風に二人はジェフリーに質疑する。 「お前、本当にベースが弾けるのか?」 「は、はい。独学ですけれども」 「何処で演奏していたんですか?」 「壱ノ笠にあるライブバーで、小さなバンドの中で弾いてました」

2020-01-14 20:23:23
伍条 月斗(創作アカ)⇒ネップリ登録中!! @5jyouTsukito

「お二方の演奏も、密かに聞いていました。ギター担当のブライトン・フォールさん、ドラム担当のロディ・パーカーさん」 「俺達を知ってたのか」 「えぇ、最初はボーカルだった追跡者さんの歌のみを聞いていたんですが…、お二方が加わって以降は皆其々に輝いて見えました」

2020-01-14 20:27:19
伍条 月斗(創作アカ)⇒ネップリ登録中!! @5jyouTsukito

「しかし、まさかお二方が僕と同じ機関者で、三人が何故そのような事をしているのかを知ったのは後の方でしたけれども……活動を休止すると聞いた時は正直ショックを受けました。いくら機関者とはいえ、数が多すぎる場所ですから、会える確率だってわかりませんでしたから」

2020-01-14 20:30:02
伍条 月斗(創作アカ)⇒ネップリ登録中!! @5jyouTsukito

その時のジェフリーの表情は今でも忘れちゃあいない。 照れくさそうに、けれど憧れの者が目の前に居る上で話していたあの顔をな。 「お前、めっちゃいいヤツじゃねぇかぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」 先に泣いていたのは普段そういう顔を見せる事が少ない、けれどそう言う事に弱いロディだった。

2020-01-14 20:33:17
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まとめたひと
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

基本は自分が考えた創作ッ子達の事を呟いたり、絵を上げたり、お話も書いたりします。偶に違う話等もしておりますが……ようは気まぐれだが基本は創作用アカウントです。(※食べても美味しくない鶏野郎で無言フォローをしたり、時として話すとアツくもなりますがそれでもよろしければです)御用の方はDMまで。