精神分析で知られるラカンの三界(現実界・象徴界・想像界)を地理学の空間論・景観論に応用すると面白いのでは?というお話。 文献 斉藤環「生き延びるためのラカン」 デレク・グレゴリー「ラカンと地理学 ―空間の生産再考―」
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増田聡 @smasuda

東浩紀「サイバースペースはなぜそう呼ばれるか」を再読しつつ理論地理学の概説本とつきあわせてて思うけど「ラカン派地理学」みたいな人っていないの?景観論とかそれこそ象徴界と想像界のクネクネそのままやん、とか素人には思えるのだがうちの地理の先生にそんな質問する度胸ありません(笑)

2009-03-06 01:23:23
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

現実界・象徴界・想像界って分類、景観・風景を語るのには便利だと思うけど、元が精神分析の用語だしいきなり使うと文脈から浮いてしまうかなっていうのと、そもそもラカン微塵も理解してないから使うべきでない気もする

2018-02-06 17:46:02
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

生き延びるためのラカン 第1回 なぜ「ラカン」なのか? 斉藤 環 cokes.jp/pf/shobun/h-ol…

2018-02-06 18:24:21
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

生き延びるためのラカン 第2回 貴方の欲望は誰のもの? 斉藤 環 cokes.jp/pf/shobun/h-ol… ・言葉を使うことによって、人間は「欲望」を手に入れる。 ・「欲望は他人の欲望である」(ラカン) ・「ほしいものが、ほしいわ」(糸井重里,西武百貨店)

2018-02-06 18:27:54
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

生き延びるためのラカン 第3回 「それが欲しい理由」が言える? 斉藤 環 cokes.jp/pf/shobun/h-ol… ・想像界,鏡像→去勢,父性の介入→象徴界,言語の獲得 ・「いないいないばあ」は存在論的にスリリング

2018-02-06 18:31:30
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

生き延びるためのラカン 第4回 「こころ」はどれほど自由か? 斉藤 環 cokes.jp/pf/shobun/h-ol… ・催眠(イメージ)から自由連想(言葉)へ ・「音に意味を従わせることの快感」(例:駄洒落)

2018-02-06 18:39:11
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

生き延びるためのラカン 第5回 「シフィニアン」になじもう 斉藤 環 cokes.jp/pf/shobun/h-ol… ・「象徴界」:シニフィアンが織りなす複雑なシステム ・怪物の造形は言葉の引用と接合によって成り立っている ・「言葉」は現実存在の代替となると同時に自己と客体を分離する

2018-02-06 18:53:10
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

生き延びるためのラカン 第6回 象徴界とエディプス 斉藤 環 cokes.jp/pf/shobun/h-ol… ・去勢:象徴の獲得,所有の諦め ・「ファルスこそは、あらゆる言語(=シニフィアン)の根源におかれた特権的な象徴にほかならない」

2018-02-06 19:07:45
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

生き延びるためのラカン 第7回 去勢とコンプレックス 斉藤 環 cokes.jp/pf/shobun/h-ol… ・三界は位相的な区分 ・「去勢の受け入れは欠如をもたらす。欲望は、この欠如によって確立される」

2018-02-06 19:16:30
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

あんまり似てない気がしてきた。むしろラカンの三界のほうが便利?わからん

2018-02-06 19:19:26
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

生き延びるためのラカン 第8回 愛と自己イメージをもたらす「鏡」 斉藤 環 cokes.jp/pf/shobun/h-ol… ・想像界:認識・コントロールが最も易しい ・「鏡像段階」:鏡のイメージによって自己イメージを獲得する段階,想像界の起源

2018-02-06 20:10:26
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

生き延びるためのラカン 第9回 愛と憎しみの想像界(イマジネール) 斉藤 環 cokes.jp/pf/shobun/h-ol… ・鏡像への愛が生む攻撃性(鏡像に自己を支配されてしまう恐怖,症例エメ) ・鏡像関係を断ち切る第三者(父、法...)の介入

2018-02-06 20:23:31
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

生き延びるためのラカン 第10回 対象aをつかまえろ! 斉藤 環 cokes.jp/pf/shobun/h-ol… ・対象a:欲望を支える幻想(幸福,お金,本当の自分...) ・「対象aは、神経症者にとっては隠蔽されており、性的倒錯者にとっては客観的に示されており、精神病者にとっては実体化される」

2018-02-06 20:37:36
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

生き延びるためのラカン 第11回 すべての男はヘンタイである 斉藤 環 cokes.jp/pf/shobun/h-ol… ・性的倒錯:去勢の想像界における否認 ・男性,機能性/女性,関係性

2018-02-06 20:52:46
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

生き延びるためのラカン 第12回 欲望はヴェールの彼方に 斉藤 環 cokes.jp/pf/shobun/h-ol… ・抑制(覆い)の美学:「控えめであるほどリアルである」ということ ・解釈学:共感による理解 →解釈学的循環(他者に自己を見出しているにすぎない) ・精神分析:言語(他者)による理解

2018-02-06 21:07:19
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

「人間の主体性は本質的に環境との相互作用において成り立つ」っていう風土学の考え、もしかしてラカンの話と似てる? デカルト的な主客分離は精神分析で言う「去勢」とどう違うんだろう

2018-02-06 21:20:40
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

「人間の主体性は本質的に環境との相互作用において成り立つ」っていう風土学の考え、もしかしてラカンの話と似てる? デカルト的な主客分離は精神分析で言う「去勢」とどう違うんだろう

2018-02-06 21:20:40
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

生き延びるためのラカン 第13回 ヒステリーは何を問うか(前編) 斉藤 環 cokes.jp/pf/shobun/h-ol… ・ヒステリー:「受け入れがたい表象」の抑圧,女性的 ・強迫神経症:自分存在の過剰確認,男性的

2018-02-06 21:35:48
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

生き延びるためのラカン 第14回 女性は存在しない? 斉藤 環 cokes.jp/pf/shobun/h-ol… ・男女の享楽の非対称性:ファルス的享楽/他者の享楽(例:おたく/やおい) (もう少し面白い話もあったけど短文で要約すると確実に誤解されるので割愛)

2018-02-06 22:00:05
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

生き延びるためのラカン 第15回 「精神病」とはどんな事態か? 斉藤 環 cokes.jp/pf/shobun/h-ol… ・統合失調症:象徴界の故障→文脈・自明性の喪失 ※神経症では象徴界は正常に機能している

2018-02-06 22:17:05
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

生き延びるためのラカン 第16回 「現実界」はどこにある? 斉藤 環 cokes.jp/pf/shobun/h-ol… ・現実界:人間の認識の外にある世界の論理 ・トラウマ:絶えず反復される過剰な現実性(≠現実)

2018-02-06 22:41:38
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

生き延びるためのラカン 第17回 ポロメオの輪の結び方 斉藤 環 cokes.jp/pf/shobun/h-ol… ・ポロメオの輪:三界の統合,どれか一つが欠けると他も崩壊する ・現実界が象徴界を介さず直接想像界と結び付く→言語化できない強烈なイメージ

2018-02-06 23:09:47
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

生き延びるためのラカン 第18回 転移の問題 ーその(1)ー 斉藤 環 cokes.jp/pf/shobun/h-ol… ・転移:「ある種の人間関係の中で、相手に無意識の欲望が向けられ、現実化させられる現象」 ・転移性治癒:転移によって症状が改善すること,しばしば一時的で移ろいやすい

2018-02-06 23:31:37
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

生き延びるためのラカン 最終回 転移・投影・同一化 斉藤 環 cokes.jp/pf/shobun/h-ol… ・投影/同一化:自己の内の好ましくないもの/好ましいものを客体に見出すあり方 ・転移:「欲望」の伝達,受動・能動の逆転 ・「知っていると想定される主体」

2018-02-06 23:46:33
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

生き延びるためのラカン 最終回 転移・投影・同一化 斉藤 環 cokes.jp/pf/shobun/h-ol… ・投影/同一化:自己の内の好ましくないもの/好ましいものを客体に見出すあり方 ・転移:「欲望」の伝達,受動・能動の逆転 ・「知っていると想定される主体」

2018-02-06 23:46:33
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

齋藤環『生き延びるためのラカン』読了。ラカン分かんねーなという思いからググって出てきたサイトを読んでたら本1冊くらいの分量に達してた。非常に面白かった。精神分析の基本的な考え方には触れられたように思う。

2018-02-06 23:51:44
Tadahito_TMI @tadahito_tmi

永太郎さんのツイートが気になるので少し。いろんな地理学者が認識のための三つの相を考えているけど、結局、ラカンの三界が最もシンプルで美しく、汎用性も高いというのが自分が5年前に辿り着いた結論。

2018-02-06 20:52:59
Tadahito_TMI @tadahito_tmi

永太郎さんは知ってると思うけど、「ラカンと地理学」ていう論文もある。大城直樹さんの翻訳。 lit.osaka-cu.ac.jp/geo/pdf/space1…

2018-02-06 21:10:35
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

デレク・グレゴリー「ラカンと地理学 -空間の生産再考-」(大城直樹 訳) lit.osaka-cu.ac.jp/geo/pdf/space1… ラカンの話面白かったけど、それがどう地理学とつながるかはさっぱり分からなかったので、さっき紹介していただいたこの論文を読んでみる。

2018-02-07 00:20:12
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

>実際,ルフェーヴルはその「リズム分析」によって精神分析に取って代わろうと目論んでいたのだし,空間の生産に関するこの尊大 magisterial な説明が,部分的には同時代のラカンに対する批判に依拠していることを示してみようと思う。 ラカン意識してたんだね

2018-02-07 00:22:23
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

>現実界はラカンの最も理解しにくい概念の一つである。またそれはルフェーヴルが最も根本的にラカンと意見を異にする一つの場となっていることも注目される。 「空間的実践」と「現実界」は特に違いが大きそうって思ったけどこの理解は割と合ってるみたい。嬉しい。

2018-02-07 00:30:27
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

>隠喩 metaphor は,言説と主体との関係を特徴付けるものと考えられ,換喩 metonymy は言説と客体との関係を特徴付けるものと考えられている。 この論文を思い出した↓ 大平晃久「比喩による場所の言語的構築」 jstage.jst.go.jp/article/grj/83…

2018-02-07 00:39:27
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

>「まず最初にトポスがあった」。「ロゴスがやってくるよりもずっと前に」。この謎めいた言いまわしで彼が喚起しようとするのは,緊張した有機体的空間性,つまり「身体の知性」である。 これは最終回の最後で挙げられてた「顔=文字=コンテクスト」のことかな twitter.com/Naga_Kyoto/sta…

2018-02-07 00:47:56
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

世界を人体の比喩で捉えようとする認識のあり方は、フーコーが『物と言葉』で言うところの「16世紀ヨーロッパのエピステーメー」。 pic.twitter.com/Q4lOd2ACbA

2018-02-07 00:55:51
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永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

>というのも,空間は「読み取られる前に生産される」からであり,読解―解読―されるために区分化や方向付けによって特徴付けられるものではない。それは「むしろ身体を持つ人々によって<生きられる>ために」あるからである。 ルフェーブルは空間のテクスト的側面よりもむしろその生産過程に着目した?

2018-02-07 00:59:09
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

>「記号には人を死に至らしめる力がある。というのも,抽象が「荒廃と破壊」―とくに暗化 scotomization―を伴うだけでなく,< それらが抑圧装置を設置する > からでもある

2018-02-07 01:12:51
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

>ルフェーヴルはまた,抽象化の暴力―空間の平坦化,プランニング,空虚化―が欲望desire を解放し同時に誘惑しもすることを強調する。「それは欲望を透明な状態で指し示すのである。」 空間を空虚なものと見なす思考がそれを充足する欲望を成立せしめているということ?充足は「対象a」?

2018-02-07 01:16:11
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

デカルト空間は「去勢」的である、ってさっきしてた話じゃん...! twitter.com/Naga_Kyoto/sta… pic.twitter.com/Quc50sBGNn

2018-02-07 01:20:25
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永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

>ルフェーヴルの見解では,精神分析は致命的な欠陥を有している。「歴史的時間の中で生まれた社会の因果に関する非 =時間的な見解しか有していないのだ」 ルフェーヴルと精神分析の決定的な差異は歴史性への意識(?)

2018-02-07 01:21:59
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

>バーギンは空間編成の上置は,かつてあったものを決して消去することは無いが,近代の空間性は「多孔質」であり,これらの孔目を通じて,過去が現在に噴出するのだと論じる。 まさかここでも「多孔質な空間」が出てくるとは思わなかった。今朝してた話とつながるな↓ twitter.com/Naga_Kyoto/sta…

2018-02-07 01:30:04
永太郎(ながたろう)@『色分け日本地図』発売中! @Naga_Kyoto

参拝者は、参道という一つの穴を通じて境内という統一された意味を持つ空間に入っていくが、観光客はスマホによって境内空間を多孔化させ、境内空間の意味を攪乱させる、みたいな喩えが成り立ちそうだなと思った。参道の異常発生。 #参道研究会 twitter.com/Naga_Kyoto/sta…

2018-02-06 08:20:52
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

空間は本来的に歴史的産物である これは理解しやすい pic.twitter.com/UvXHpgI4Ra

2018-02-07 01:37:23
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永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

読み終わった。が、全然理解が追い付いていない。これはじっくり読まないと理解できそうにないな。

2018-02-07 01:38:22
Tadahito_TMI @tadahito_tmi

唐突に以前のつづき。ラカンの三界が、社会学者や地理学者の唱える三つの相と比べて優れていると思われる理由は、三つの界の一つである「現実界」の定義の仕方にあると思っている。

2018-03-05 23:17:16
Tadahito_TMI @tadahito_tmi

ラカンの三界の潔い点は、三つのうちの一つをあえて「認識不可能なもの」に設定したことにあると思う。この認識の不可能性を定めることで人間が扱うことができるのは二つに減少するのだが、それによって議論の幅が狭まるどころかむしろ広がる、という。

2018-03-05 23:26:41
永太郎(ながたろう)/重永瞬 @Naga_Kyoto

認識の問題に関心をあてる風景論には社会的な観点が抜け落ちているって批判は最近の歴史地理学でよく目にするけど、社会的な観点を主題にしようとすると逆に認識の問題を語れなくなる、ということだろうか。風景論でもラカンが出てくるのかどうかは知らないけど、三相との対比で言うなら似た位置?

2018-03-23 05:04:59