現在と一部は異なる
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緑月電園都市 @greenmoonpolis

結界石は町のどこかにある。リメイはそう言って捜索をカケルに全任すると、メガトン、パルサと共に町はずれの林に向かった。リメイが言うには、メガトンは力は申し分ない強さだが、その使い方がまだ下手であるという。リメイは武道を知っており、その動きをメガトンに見せた。

2015-12-27 21:04:20
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言葉でわからないメガトンの前で、リメイは数々の動きを実演して見せたが、途中で腰を痛めた。そこからはメガトンに動きの一つ一つを命令するようになる。カケルが結界石を見つけるまでの短い間、メガトンの修行が始まったのだ。

2015-12-27 21:06:56
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その林には、切り倒すのも難しいほどの丈夫な木が数多く生えていた。メガトンにとってみればこれらの木ひとつひとつを倒す事は造作もなかったが、リメイは木を割る時の力の入れ方や、次の木に向かう時の動きの無駄の排除についてしつこく追及した。

2015-12-27 21:09:44
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メガトンはわかる事は素直に行うものの、修行は難航し、巨体のメガトンもやがて疲れ果ててしまう。メガトンはリメイの命令がだんだん嫌になっていったが、休憩の最中、パルサが花を巻いて編んだ輪を持ってきてくれた。パルサの応援を聞き、メガトンは俄然やる気になった。

2015-12-27 21:13:54
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修行が再開した。リメイの口調は相変わらずだったが、メガトンは何かを掴みかけていた。それが形になる寸前、カケルが戻り、今回の修行は幕を閉じた。

2015-12-27 21:15:53
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全て準備が整い、カケル達はまた次の日にタイムバックした。今度こそパルサは町に置いてきたつもりだったが、町の人たちから貰った礼の品の袋に紛れていた事には再三気づかなかった。カケルは爆心地に少しずつ近づいている事を実感していた。次に対峙する魔物は今回のようにうまく倒せるだろうか。

2015-12-27 21:19:45

緑月電園都市 @greenmoonpolis

今回はとくに新しい登場人物はいない!

2015-12-27 21:21:49
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今回の話は『メガトンは修行して強くなるキャラ』って書けば済んだものをつい熱くなって長く書いちまったっす

2015-12-27 21:22:47
緑月電園都市 @greenmoonpolis

アッでもメガトンとパルサがなかよしになるところとか、リメイがスパルタ教師化するところも重要……ウン、そうかけばよかったんだね

2015-12-27 21:23:54

第四話

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前回のあらすじ:凶悪なる悪魔ワリキルギスにより引き起こされた世界の破滅を、時間を遡って食い止めるべく、タマゴ・カケルとその仲間達は悪魔覚醒の日へ向かう!その道中、仲間になったメガトンは、タイムバック能力の持ち主である老婆リメイに戦闘技術を叩き込まれるのだった。

2015-12-28 23:55:00
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次にカケル達がタイムバックした先は、半分の家が地下に造られる、治安のあまり良くなさそうな集落だった。とはいえ、彼らの出現地点は決まって魔物達の暴走の真っ只中であり、それらを倒しきるまで、この場所がどこなのかという問いに彼らは答えられない。

2015-12-29 00:00:35
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しかも今回は運の悪い事に、爆発式トラップの真上に着地してしまう。カケルは爆発を直に受けて気絶。メガトン1人でこの魔物達を倒さなければならない。傍にカケルのいないメガトンの動きはより鈍って見えた。それどころか、魔物達も今までに比べて動きが早いのだ。

2015-12-29 00:03:44
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パルサとともにメガトンの陰に隠れるリメイは、自分が教えた動きをしろと叫ぶが、単調ながらも素早く襲い来る魔物達を前にメガトンは肉壁になるしかない。このまま彼らは、カケルが最初に見た虚無の荒野の一部と化してしまうのだろうか?だが、その時、メガトンのやや前方で再び爆発が起こった。

2015-12-29 00:07:18
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埋まっていたトラップが、メガトンの目の前の魔物を一掃したのだ。メガトンは驚いたが、攻撃の手が止んだ一瞬に余裕が生まれ、体勢を立て直した。さらなる魔物達が襲ってくると、 リメイに教えられた動きを実行した。未だ乱雑さはありながらも、明らかに無駄の削がれた動き。

2015-12-29 00:12:09
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魔物一体一体にかける攻撃力、そして次の個体に目標を移すまでの時間は、リメイの目論見通り効率的になってはいた。だがカケルに比べれば小回りがきいていない。あっという間に魔物達は勢いを取り戻し、メガトンは肉壁にならざるを得ない。その時、背後から声が聞こえた。『退け!』

2015-12-29 00:15:42
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リメイは一足先にそちらへ向かっていた。メガトンもカケルとリメイをつまんで持ち上げると、後ろに向かって走った。代わりに前に躍り出た人影あり。それは魔物軍団の進路上にある地面に向かって何かを投げていた。トラップである。あるものは爆発し、あるものは魔物を宙に跳ね上げ、侵攻を妨げていた。

2015-12-29 00:20:45
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不思議で多彩なトラップは多くの魔物達を捌いたが、徐々にメガトン達が見守る方へ押されていく。そこには野次馬のごとき町民もいる。トラップを投げ続けていた人影は、魔物を倒し切る前に種を使い尽くしたらしく、こちらに飛び戻ってきた。状況を察した町民達は散り散りに逃げ出した。

2015-12-29 00:25:23
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トラップを投げていた人物は女だった。メガトンはその女に見覚えがあった。女は苦し紛れの表情で背に吊るしていた棒を取り出し、目と鼻の先まで迫る魔物達の方へ構えた。戦闘用の棒には見えない。抗戦の表情が諦めへと歪むか否かの瞬間、リメイが治癒を施したカケルが起き上がった!

2015-12-29 00:28:12
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カケルはすかさず謎の言葉を唱え、魔物達に向かって炎の魔法を放った。自然にはないような真っ赤な炎が燃え盛り、残りの魔物達は駆逐されていった。わずかに炎を逃れた魔物も、メガトンが叩き潰すに事欠かない数だった。かくして、この集落は魔物達の侵攻から脱却したのであった。

2015-12-29 00:32:21
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決着がつくやいなや、メガトンは一度倒れこんでしまった。カケルが集落のどこかに泊めてもらうことを提案したその時、例のトラップ使いの女が話しかけてきた。彼女の顔を改めて目にした時、カケルとメガトンは驚愕した。それは前の日に魔物軍団との戦いの前線で助けた女だった。

2015-12-29 00:36:10
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女はスージー・Hと名乗った。そして、悪名高き闇組織『マジョング・ファミリー』の幹部の一員であると。彼女の目論見は、自分と同様に魔物達を退治できるだけの力を持つカケルとメガトンを、自分の子分に加える事だった。スージーの言い方は、さながら上の身分からの誘導選択肢だったが、2人は拒絶。

2015-12-29 00:41:44
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怒ったスージーは実力で2人を門下につけようと踏み出すが、手元のトラップが切れている事に気づき、撤回する。一方のカケル達は、子分になる事こそ拒んだものの、スージーの実力は評価していた。そこにリメイが説得に割って入った結果、スージーはカケル達と共に行動する事になった。

2015-12-29 00:46:40
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リメイはスージーの実力を認め、現在世界で起こっている事を話した。それを聞いて真っ先に彼女が心配したのはファミリーの仲間だった。窪んだ地からは見えていなかった周りの景色を見たスージーは膝をついて呆然としたが、自分達の仲間になればこの状況を変えられるとリメイは必死に説得した。

2015-12-29 00:50:41
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一方でカケルはその景色をまったく別の面から見ていた。スージーは荒野を見て絶望したが、反対側を見れば今まで助けてきた町や村、そしてその周辺の地は健在なのである。今回の場合はこの集落で魔物軍団の侵攻が止まったからだ。カケルは少しずつ元の世界の姿が戻ってきている事を実感した。

2015-12-29 00:53:17
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スージーは『2人を子分にする事は諦めない』という口上で、この一団に加わった。結界石のありかも彼女が知っており、すぐに集落の中から持って帰ってくると、次の日に戻る準備は整った。何より、リメイがこの場所の住民の容姿についてあまり良く思っていなかったようだ。

2015-12-29 00:56:59
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さすがにパルサをこの場所に置いていく事はできないと考えたリメイは、メガトンに彼女を守るようにきつく命令した。また、対等の立場で複数人の組みになる事に慣れていないスージーは、マリの事を想っていると自ら発言したカケルを、やたら誘惑してからかうようになった。リメイは先行きが不安だった。

2015-12-29 01:01:33

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登場人物:スージー・H。マフィア組織『マジョング・ファミリー』の四幹部の紅一点。トラップを使った戦法を好み、『クイーン・オブ・トラップ』を自称する。 pic.twitter.com/mBAoKsFg3d

2015-12-29 01:05:53
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アッ、なんでスージーが集落にも町にもいたのか書き忘れた!マア単に魔物から逃げてきただけなんだけどね。正しい時間順では集落→町なんだけど、カケル達は逆流してるから町→集落の移動で、ちょうどスージーの移動経路を反転したのと重なる

2015-12-29 01:09:35
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最近結界石簡単に見つかりすぎじゃない?

2015-12-29 01:10:17
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スージーは最初に町で2人と会った時の弱々しい感じと、万全の状態で会った時のギャップっていうのが、彼女のキャラづけの上で重要なんだけどもう少しインパクト与えればよかったかな

2015-12-29 01:13:55
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まとめ:爆弾女が仲間に加わりました

2015-12-29 01:14:37
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メインビジュアルをカケル・メガトン・スージーの3人で作るとすごく絵になる

2015-12-29 01:15:18
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スージーはちょっと大人びてるかんじだけど彼女は彼女でカワイイんだよ……パルサとはベクトルの違う魅力があるんだよ……マリ?そもそも容姿が決まってないからこれからだネ

2015-12-29 01:16:18

第五話

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あらすじ:世界の平和を取り戻すため、悪魔ワリキルギス覚醒の日を目指し時間を遡るカケルとその一行。道中、怪力男メガトンとトラップ女スージーを仲間にした。

2015-12-31 19:46:25
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タイムバックの直前、カケル達は作戦を決めていた。まずカケルが先頭に立って魔物達を魔法で迎撃する。その間にスージーがトラップを仕掛け、2人とも下がる。これで捌ききれなかった魔物をメガトンが倒す。リメイとパルサはなるべくメガトンより後ろに逃げる。

2015-12-31 19:51:25
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この作戦が功を奏したのか、その日はあまり苦戦せずに魔物を倒し切った。そこは閑散とした山地の村だったが、住民達は彼らを歓迎してくれた。助けられた自覚のある人は少ないようだった。カケル達は気の優しい老夫婦の家に泊まる事となった。

2015-12-31 19:57:03
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メガトンの巨体はその家に入りきらなかった。彼が外で寝る事になると、カケルも一緒に寝ると言った。結局家の中で寝るのはリメイ、パルサ、スージーの女3人となった。3人は家の主のp迷惑にならない程度に会話した挙句、寝床についた。

2015-12-31 20:02:00
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他の2人が寝付いた時、リメイはメガトンを叩き起こしに行って、次の修行をさせる事を考えていた。そしていざ起き上がると同時に、ある事に気がついた。パルサがいない。嫌な予感がした。もぬけの空となった布団の横を慌てて通り過ぎようとしたとき、邪悪なオーラの残滓を感じ取ったからだ。

2015-12-31 20:04:22
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さて、パルサはどこに行ったのか。答えは、カケルとメガトンが寝ている草叢である。ついさっきまで2人は、禍々しい雲を見上げながら、藁のベッドの上で会話していたのだが、すでに2人とも眠りに落ちていた。パルサはこっそりカケルの方へ近づいていった。

2015-12-31 20:07:00
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後ろから続いてきたリメイには、霊のようなものがパルサの後ろにいるのがはっきりと見えていた。そしてその霊が、カケルの持つ力を奪うためにパルサに指示を出しているのが。リメイが何かをつぶやくと、彼女の手の平から光球が現れた。さらにその球が放たれると、まっすぐ霊に向かって飛んで行った。

2015-12-31 20:11:09
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球は霊に直撃した。霊は怯んだ後、パルサを逃がそうとした。リメイは光の球を撃つと同時に転んでいた。しかし、今の光でカケルが目覚め、逃げようとするパルサの前に立ちはだかった。カケルはすぐにわかった。パルサに憑いているのは、彼女が住んでいた村で崇拝されていた邪神であると。

2015-12-31 20:14:28
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邪神の姿はカケルに見えていた。カケルと逆の方向からはリメイ、そして騒がしさに起きてきたスージーがいる。邪神は抵抗しようとしたが、リメイに耳をつままれて降伏した。邪神は自分が霊体であるにもかかわらず、リメイに触れられている事を訝しんだ。

2015-12-31 20:16:34
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邪神はミユートと名乗った。古い神だが、あの村以外ではほとんど信仰されていない、神々の末席であるという。邪神は頭を地面につけて、カケル達ど同行する事を請い願った。リメイは難色を示したが、邪神は今までこそ発揮しなかったものの、強力な魔力を持っており、パルサを守るには事欠かない。

2015-12-31 20:20:53
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邪神はパルサに魔力を与えていた。この状態でパルサと邪神を引き離すことはできない。そして何より、メガトンはパルサが同行するのを嬉しく思っているらしい。リメイは渋々この邪神の願いを受け入れた。監視の目を弱めるつもりは全くなかったが。

2015-12-31 20:23:09