【PCは何者?】 『異世界食通』というグルメ番組の出演者です。 彼らは様々な世界から雇われ、異世界の美味を食レポすることでギャラを受け取ります。もちろん視聴者を魅了するほどギャラはアップ! 『大食い』『繊細な舌』など、全17種のスキルから2つスキルを選び、個性的な美食家を作りましょう! pic.twitter.com/NR7MKaGKeb
2021-09-09 22:55:05【どんなルール?】 大喜利×ダイスゲーム! PCが食べる料理はプレイヤー自身が考えます。 ヒントは、舞台となる世界×手札に書かれた言葉×PCのキャラ性の3つ! つまり、架空料理を提案する面白さと、それを食べてロールプレイする面白さを一辺に楽しめる欲張り仕様なのです! pic.twitter.com/FTqVAIByGp
2021-09-09 22:56:02【どんなシナリオができるの?】 グルメ番組『異世界食通』は放送回ごとにドラマになったりバラエティになったりするので食べ歩きバラエティから本格社会派シナリオまで対応可能です。 また、4つのサンプルシナリオと6つのサンプル背景によって、すぐにでも色々遊ぶことができちゃいます! pic.twitter.com/t7dMrThyA3
2021-09-09 22:57:07まだダウンロード終わってないんだけど、これたぶんグルメカードのデッキを差し替えたらコンセプトグルメバトル(例:点心対決)みたいなのできるわよね
2021-09-10 00:43:27『異世界食通』( booth.pm/ja/items/32493… )でいつもの(通読しながらなんやかんや言うやつ)をやっていきます
2021-09-10 19:59:41「異世界のグルメを食べ、食レポをするTRPGです」(BOOTHから引用) 作者ははったさん。その筋(インディーズロールプレイングゲーム界隈)では有名な『リミットボール』や『蒸壁のエスピオナージ』のひとですね。
2021-09-10 20:01:39ところでこのテーマだと、『RPGトイボックス』(2020,著:長田崇、はった、潮屋俊、スイ)に収録されていた『異世界妄想料理RPG 界渡りの味』を思い起こします
2021-09-10 20:04:20さて、中身に入っていく……前に、同梱の案内文がこんな感じ(画像参照)になってるんですよ。 非常に気が利いています。軽量版があるとか、画像アセットが独立ファイルで提供されているとか。ユースケースがよく考えられている、という観点においては最強ですね pic.twitter.com/2hvWOv53QS
2021-09-10 20:07:16「食レポ」である以上わりとやむを得ないんですけど、テレビ番組の文脈を基本としている(p3)のはちょっと惜しい気もします。(想定ユーザー層にテレビ番組を見る層ってそんなにいるのだろうか?)
2021-09-10 20:12:12まぁ『孤独のグルメ』と言い換えれば一気にメジャーになりますし、そういうものかもしれない。「キャラクターはテレビ番組であることを認識していなくてもよい」という主旨の記述もありますし
2021-09-10 20:12:18PCは「ボーダレス」と呼ばれる世界移動者。流行の異世界転生や異世界転移をふくむ(両者の区別はここではとくに気にしないものとする)。MtG風に言うならプレインズウォーカー。
2021-09-10 20:13:25「サンプルシナリオ P28 ~ 39 が4つ(『ご当地食べ歩き取材』は6種あるため実質9つ)ある」(p5)の、たいへんよいですね。初動が整備されている
2021-09-10 20:19:27ゲームルールよりもワールド(複数の世界の存在を前提とするゲームなので、より正確を期するならメタワールド)設定を先に置いてあるのは、たぶんこれが描写重視のゲームだからですね
2021-09-10 20:22:20ところでハイパーリンク部分がもうちょっとハイパーリンクであるとわかりやすいほうがよかった気がします。(その逆側(平文としての読みやすさ)に意図的に舵を切ってそうではあるんだけど、リンクになってることがわからないのもそれはそれで不便というか便利にたどり着けない)
2021-09-10 20:31:10シーン(p15) このゲームデザインならシーンの普遍的な規定がなくても動作しそうだけど、それはそうとシーンの普遍的な規定を1ページでまとめてるのはワザマエですね
2021-09-10 20:33:47ハピネスチェック(p16) 番組モノでありながら「視聴率」ではない尺度を導入してるのはめちゃめちゃ上手い。なかなかできることではない。
2021-09-10 20:36:10ダイスによるスコア算出ルールは、よくあるメカニクスの組み合わせ(合計算出、一定条件振り足し)でありつつも、総体としてうまく捻られている
2021-09-10 20:42:37カード群に書かれたフレーズを満たす料理を考えるルール。『キャット&チョコレート』と同じ考え方ですね。 料理ネタのゲームだと料理を起点にしがちだけど、そこを逆転させてゲーム性にしてるのが上手い。
2021-09-10 20:45:34p20~22、ゲームのフロー 各単位シーンに具体的な趣旨をあらわす名称が設定されてて(例:「出演者紹介シーン」「イートシーン」)、いつ何をするのかが明瞭。(なので「シーンの普遍的な規定なくてもいけない?」と思った)
2021-09-10 20:50:46「セッションの感想をSNSに投稿することで(中略) 、ギャラを 10 点獲得できます。これをコマーシャルといいます」(p23)、最高のネーミングだ
2021-09-10 20:53:33あー、“ゲームが「番組」の体裁をとるがゆえに、「番組の企画」としてシナリオの方向性が必然的に定まる”仕掛け(p27)はすごい
2021-09-10 21:00:34このゲームでシナリオのサンドボックス型/レールロード型みたいな区別は要らない気がしなくもないんだけど、このゲームだからこそダイバーシティのために必要なのやもしれないな……
2021-09-10 21:02:23ワールドを二次創作にしてもいい(p28)、イイっすね。任意の既存ワールド/既存キャラクターの食文化を描写するツールとして使える
2021-09-10 21:03:50サンプル背景 異世界ファンタジー(ラノベスラング)の「ソード&マジック」、スペースオペラっぽい「コズミックオーシャン」、サイバーパンクめいた「サイバーフューチャー」、ポスト「ミュータントアポカリプス」、ちいさくてかわいい「メルヘンワンダーパーク」、ごった煮の「ボーダレスタウン」
2021-09-10 21:11:32ほかの作品でたとえるなら、ソード&マジックが『葬送のフリーレン』、コズミックオーシャンが『スターオーシャン』、サイバーフューチャーが『ニンジャスレイヤー』、ミュータントアポカリプスが『Fallout』、メルヘンワンダーパークが『ちいかわ』、ボーダレスタウンが『血界戦線』あたり?
2021-09-10 21:14:16ゲームの拡張ポイントを、単なるルール(オプショナルルール)にせずに、アレンジ例として記載してある(p53)のはライティングがうまいな~~。これならルール総量は増えないからね……
2021-09-10 21:17:16索引(p54~55) 最強の索引。 用語集を兼ねるのは前作(『蒸壁のエスピオナージ』)を踏襲しつつ、レイアウトはより洗練されているし、各ページへのリンクも当然ある。最強の仕事。
2021-09-10 21:24:32ルールサマリー(p56~57、または別冊ファイル)が見栄えするのもグッド。(セッション中に視界に入るものは美しくあってほしい)
2021-09-10 21:26:17ところでこのゲーム、トランプを使うとはあるけど、本質的には「A面がすべて同じでB面が互いに異なる54枚のカードの組」が必要であるにすぎず、実際に付属のUdonariumルームデータではそういう画像になってるように、トランプ固有の複雑さ(色・スート・数字など)はない
2021-09-10 21:30:34というわけで『異世界食通』読みました。DTPに自信アリとのことだけあって、(ごく限定的な箇所を除いて)たいへん読みやすかったです。というかDTPだけじゃなくてライティングと編集とパッケージングにも気遣いが行き届いていて最高。ベストルールブック賞(サメ調べ)。
2021-09-10 21:33:05ゲームとしては、すべての構成要素が主題(グルメ・食レポ)に寄与している完成度の高さがたいへんよかった。必要なものが必要なだけあって総量がコンパクトで、ついでに拡張性がある。いいゲーム。
2021-09-10 21:34:23『孤独のグルメ』とか『ダンジョン飯』とか、あとバトルじゃないときの『トリコ』とか、あのあたりひとととりいけますね。(料理対決向きではない。シチュエーションとしてできなくはないが、本質的に食べる側のゲームなので、PCは対決の主体ではなくなる)
2021-09-10 21:36:28◎架空食文化ネタが好きなひと → たいへんオススメ ◎異世界グルメ物が好きなひと → 食べる側をやりたいならオススメ ◎大喜利系ゲームが好き・得意なひと → オススメ ◎文書としてクールなルールブックを読みたいひと → たいへんオススメ といったところでしょうか。めっちゃ楽しく読みました
2021-09-10 21:40:17