一之倉と三井の話

ふしみ @fushi445

一之倉と三井。暮と深の話で練習試合中、三と対峙したイチノが「今日はバテないでね」「あの時より体力付けてんだよ！見てろ！」と言ったが、後半フラフラの三。それでも前より体力あるし動くしシュートも打つ。三から放たれるボールが綺麗に弧を描くので、思わず見てしまう。ゾンビみたいな三が

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「へへっ…見てたかよ」って言ってイチノに倒れかかるので咄嗟に受け止める。三の方がデカイけどイチの体幹しっかりしてるから肩を回して赤木の所へ連れて行く。「ねぇ、湘北はなんで沢北みたいな奴ばっかりなの？」「沢北みたい…？」「あー馬鹿って意味だ」と河田。「そうなのか？」「うん」

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と頷くイチに「あー…学力に問題はあるが、アイツらはバスケに対してどこまでも一途になれる。バスケしか見えていないんだ。そういう意味では馬鹿なんだろうな」と眩しそうに花と流を見る。「何言ってやがる…。ここに居る全員がバカなんだよ…そうだろ？俺達からバスケ取ったら何が残るんだよ…」

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三の目に宿る揺るぎない信念。吐きそうな三をイチノから引き取って「そうだな」と赤が三の背を軽く叩く。そんな彼らを見つめるイチノ。「だが、卒業出来ないのは論外だ。単位は？出席日数は？誰かに迷惑かけてないだろうな？！」「…うるせぇ」って言い合う2人。河が「どこも同じだな」「そうだね」

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誰にでも訪れる進路を決める時期。人生の岐路に立つ自分達。そんな時にただ純粋に真っ直ぐにバスケだけを見ていられる馬鹿。 「ちょっと羨ましいかも」と呟くイチノに河が「なんだ？おぶってやろうか？」「違うよ」唇を尖らせるイチの頭をわしゃわしゃ撫でて「心配すんな」と一言。トンッと叩かれた

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背に残る励ましにじんわりと心が温かくなる。「河田」「ん？」「この試合勝つから」「おぅ」と拳を合わせる。河の背を見ながら小さくお礼を言って走り出す。緩く上がる口角を引き締めて、三井の言うバスケ馬鹿しか居ないコートに立つ。「まだやれるよね？三井」「…ったりめーだ」 ＿再開の笛が鳴る。

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追記。河田は進路に悩むイチノの事を気にしてて、ただそれは他人がどうこう言える事ではないのも知ってる。特に選手として生きていくなら尚更自分の意思が重要になる。迷いのない三井に対するイチの零した呟きの意味を理解しつつ「お前ならできる」という気持ちを込めて背を叩く。河田は格好良いんだ。