第二部ってのは今同人誌出してるやつのことです
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緑月電園都市 @greenmoonpolis

これまでのあらすじ:御門京の大決戦にて突如起こったふしぎなできごとにより、「ナーティヤシュ」の合言葉のもとに集った隠鬼の眷属は、霽の民とともに各地に散り散りになった。今は寂れた御門京のはずれにて、ガルフはいっときの休息を行った。

2018-08-23 00:41:59
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ガルフの傍には死にかけの師・コーストがいる。彼は今までに2度、悪しき隠鬼に操られた。十数年の前、故郷である村を滅ぼしたのが1度目。そして2度目が最近、まさにこの大決戦であった。ガルフの手によって悪しき隠鬼は彼を離れたが、同時に彼の生命力を盗んでいった。

2018-08-23 00:51:02
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かつての暴虐を全て己の罪と背負いこんでいたコーストは、それが隠鬼のしわざと悟るやいなや、己が身を引きずってでも償いと復讐の道に就こうとした。そのすぐ後に意識を失った形だ。もしまた目が覚めれば、同じことをしようとするだろう。もし覚めなければ……

2018-08-23 00:56:44
緑月電園都市 @greenmoonpolis

ガルフは、御門京の大決戦にて力を貸してくれた善なる隠鬼が一人・トーチに頼み込んだ。コーストに憑依し、彼の生命を保って欲しいと。

2018-08-23 01:00:41
緑月電園都市 @greenmoonpolis

それは確実な方法ではなかった。しかし、トーチもまたかつてガルフに憑依していた身である。ガルフにとって、師であり父であり兄であるコーストの存在がいかに複雑にして大切であるかは、憑依という形を通して痛いほど感じ取っていた。悪しき隠鬼であれば、依り代から感銘を受けることなどあるまい。

2018-08-23 01:04:14
緑月電園都市 @greenmoonpolis

悩んだ末に、トーチは承諾した。コーストの人格は眠ったまま、トーチが彼の体に入り込むと、たちまちその体は龍の姿になった。ガルフは礼を言うと、龍とともに眠りについた。

2018-08-23 01:13:28
緑月電園都市 @greenmoonpolis

夢の中で、ガルフは見た。龍の背に跨って各地を渡り、散り散りになった仲間達を励ます者の影を。

2018-08-23 01:17:38
緑月電園都市 @greenmoonpolis

……同じころ、各地に散らばったはずの悪しき隠鬼の数人が、とある洞穴に集合していた。人間の目には暗闇しか見えぬ。いや、仮に明かりがあったとしても、見えるのは奥に坐す一人の女ただそれだけであっただろう。

2018-08-23 01:21:23
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濁った暗闇を瞳に宿したその美しき女は、人間にはおおよそ不可能な口運びで、不可視の隠鬼達を呼び寄せる。まばらに集う悪しき隠鬼たちは互いに顔を見合わせる。人間を妬む我々が、なぜ人間の女のもとへ集まっているのか?彼らはその答えを、この人間が自分達を集めた理由を吐かせようとした。

2018-08-23 01:31:15
緑月電園都市 @greenmoonpolis

隠鬼たちが揃い、その疑念が頂点に達した時、女は口を開き、言った。その場の誰もが知る言葉を。悪しき隠鬼の王・ファイアードがかつて授けた、集結のための合言葉を。「ナーティヤシュ」。女は不気味に笑い、不可視の悪魔どもに語りかけた。「宴を続けるぞ」……

2018-08-23 01:35:13
緑月電園都市 @greenmoonpolis

鳩鳴の国・第二部の幕開けは、このとおりである。

2018-08-23 01:36:24

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