ハロルドのSECOM ちょっとだけエロ描写 ちゃんと書くつもりはなかったので普通にTwitterでだらだら流してたら長くなったのでまとめた(故に小説の形式ではない)
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Harold Ager🥚 @harold_ager

催淫作用のある技を喰らって少し離れたところでうずくまっていると「無事か!?」と相手が駆け寄ってきたので、「いや、大丈夫だから、あっち行ってろ」と固く目を瞑りながら伝えるエレゼン

2020-09-08 20:51:06
Harold Ager🥚 @harold_ager

「強がるなよ、そんな顔して!」 「……即効性はないようだが、それでも今結構キてる。必死に堪えてんだから離れててくれよ」 「ま、さか、毒か!? 待っててくれ、解毒剤なら持って──」 「いや、平たく言えば媚薬」 「────」

2020-09-08 20:59:59
Harold Ager🥚 @harold_ager

「どエロいことしたくて仕方ねーんだ。普通じゃあだめだ。アンタをぐっちゃぐちゃにしたいしぐっちゃぐっちゃにされたい。頭がおかしくなっちまう程にだ。──アンタをそれに付き合わせたくはないからな。だから、ちょっと一人にしておいてくれや」

2020-09-08 21:11:20
Harold Ager🥚 @harold_ager

いつもと違う、余裕のない扇情的な表情に生唾を飲む。 受けたそれの効力の程はわかりえないが──、ちぎれてしまいそうな理性の糸を必死に手繰り寄せて堪えている。その姿を痛ましく思う反面、欲情してしまう自分がいる。 薄情でなんと、浅ましい。

2020-09-09 01:06:52
Harold Ager🥚 @harold_ager

そんな自分に彼は気づいて、「なんて顔してんだ」と小さく笑った。 「こんなオレとセックスしたいみたいな顔してるじゃねーか」 「っそれは、そ、の、……すまない」 「なあエド、アンタのことだからこんな状態のオレをほっとけないんだろ。知ってるよ、アンタがそういう奴だって」

2020-09-09 01:36:45
Harold Ager🥚 @harold_ager

「優しさだけじゃない、アンタはオレとセックスするのが好きなんだ。すっかり溺れちまってるのさ。……だから、言っても無駄だって、わかってたのにな」 それが悪いって訳じゃあないけどね?と、苦しそうな顔で笑おうとする彼の瞳が揺れて──浅い呼吸を繰り返していた口元が、だらしなく開いた。

2020-09-09 02:24:23
Harold Ager🥚 @harold_ager

「ああ──エド、こんなまどろっこしいことはどーでも良いんだ。な、気持ちいいことしよう。すごくいい気分なんだ。セックスしよう。そしたらきっと、逝っちまいそうな程の快楽を味わえるんだ」 「ハロ……ルド?」 縋るようにして俺の服を掴んでくる彼の目は虚ろで、口の端からは唾液が零れている。

2020-09-09 04:05:55
Harold Ager🥚 @harold_ager

明らかに正気ではなかった。 いつもの冷静で、時にムッとする程余裕綽々な彼は、そこにはいなかった。 呆気に取られているうちに前を寛げられていたらしい、外気に触れて少し身震いする。 「まっ……待ってくれハロルド、」 「どうしてだ? アンタも、“ こーいうこと”を望んでたのに?」

2020-09-09 04:19:32
Harold Ager🥚 @harold_ager

ふれられれば否が応でもそれは熱を持ち、血が上る。抵抗しようと思えばできる筈なのに、もっと、もっとと、薄汚い欲望が心を支配する。 その様子にハロルドは蕩けた目で口角を上げて、そこへ口元を寄せて────そのまま倒れ込んでしまった。 「え……ハロ、ルド?」

2020-09-09 13:00:46
Harold Ager🥚 @harold_ager

ふと、誰かが自分達に影を落としていることに気づき、顔を上げる。 艶やかな長い黒髪をひとつに束ねた黒ずくめの剣士──ヨシュアが、呆れたような笑みを浮かべてそこにいた。 「お楽しみの最中だったか?」 軽快に笑うとヨシュアは、気を失っている様子のハロルドの頬をぺちぺちと叩いた。

2020-09-09 13:28:48
Harold Ager🥚 @harold_ager

「フン、完全に伸びてるな。一先ずはこれで良いだろう」 ふうとヨシュアは溜息をついて──その視線が俺のそこへと向けられていることにハッとして、慌ててそれを下着の中へと押し込む。 顔は合わせられなかったが、彼が小さく笑った声がした。 「ヨシュア、そ……その、君がどうして……」

2020-09-09 15:08:29
Harold Ager🥚 @harold_ager

「こいつの左耳のピアスにはちょっとした細工がしてあってな。奴がそれを使えば俺達に信号が送られてくるって訳だ」 「俺達……って」 「ハロルドさんご無事ですか!?」 「もうヨシュアちゃんったら、はっちゃんに乱暴なことしてないでしょうね?」 「あーうるせぇ、ちょっと気絶させただけだ」

2020-09-09 17:01:38
Harold Ager🥚 @harold_ager

声のした方を見やれば、ハロルドの従者二人──ツヴァイとメイヴィスが血相を変えて駆け寄ってくるところだった。 「エドワードさんも、お怪我はありませんか?」 「ああ……俺はなんとも」 「おい、こいつが気を失ってる間に戻るぞ。いつまた目覚めて襲われるかわかったもんじゃねえ」

2020-09-09 19:09:42
Harold Ager🥚 @harold_ager

「そうね、早いとこ引き上げましょう」 ヨシュアの言葉にメイヴィスは頷いて、倒れ込んだままのハロルドを軽々と抱え上げる。……さすがは猿人を素手で倒せるだけのことはあるなと思う。 「私は薬の素となるハーブなどを手に入れてから戻ります。皆様お気をつけて」 「ああ、なるべく早く頼むぜ」

2020-09-09 19:23:28
Harold Ager🥚 @harold_ager

「その、大丈夫なのか? ハロルドは……ちゃんと戻るのか?」 我ながら情けない声が出たものだ。ツヴァイは俺ににこりと笑うと「私がいるのですから大丈夫です」とだけ残して足早に去っていった。 確かに、薬学の知識もあるのだという彼ならば安心だろう。

2020-09-09 19:54:31
Harold Ager🥚 @harold_ager

先頭をヨシュアが、殿を俺が務める形で出口へと向かって歩き始める。 前を行くメイヴィスの腕の中に抱えられたハロルドの顔をちらりと見やると、呼吸は荒いものの目覚める気配はなさそうだった。 あのとき俺がもっと周囲に目を配っていれば──などと自責の念にかられても、詮無きことだが。

2020-09-09 20:05:42
Harold Ager🥚 @harold_ager

「アタシ達が来て、少し残念だった?」 そんな俺の様子に気づいたらしいメイヴィスが、悪戯っぽく笑う。 「お楽しみを邪魔しちゃったから」 「お、お楽しみって」 「うふふ、冗談よ、ごめんね」 「…………正直、助かったよ。ありがとう」

2020-09-09 23:01:27
Harold Ager🥚 @harold_ager

ハロルドが相手ならば──そう思っていたが、あのとき、ハロルドが正気を失っているとわかった瞬間、恐怖にも似た思いさえ抱いたのは確かだった。 それを拒むことができなかったのは、心の奥底にある彼への思いからだろう。 俺一人ではあのまま彼を受け入れていたかもしれない。

2020-09-09 23:26:14
Harold Ager🥚 @harold_ager

「はっちゃん、相手を無理矢理どうこうするっていうのすごく嫌う人だから」 「え?」 「アタシ達にこんな姿を見られるのも嫌だったでしょうに、助けを呼んだ。貴方に手を出して楽になることもできた。でも、この人はそうはしなかったの」 大事に思われてるわね。優しい顔で、メイヴィスが笑った。

2020-09-10 00:30:04
Harold Ager🥚 @harold_ager

──あの時の彼の言葉を思い出しながら、未だベッドで眠ったままのハロルドの手にふれる。 ツヴァイが調合した薬を投与したことによって催淫作用は消えたようだったが、副作用なのかかれこれ四時間程は眠りっぱなしだ。 部屋へ差し込んでいた光はいつの間にか消え、側にいたヨシュアが明かりを灯す。

2020-09-10 03:13:07
Harold Ager🥚 @harold_ager

「ったく野郎ときたら、へばっちまうなんざらしかねぇぜ」 「……そうだな、ハロルドはどんなことでも難なく切り抜けていたからな」 ヨシュアの軽口に苦笑する。ん、と差し出された煙草を受け取り(おまけに火も貰って)、一息ついたところでようやく少しだけ気持ちが落ち着いた。

2020-09-10 03:33:32
Harold Ager🥚 @harold_ager

「そういえば……助けられた礼を君にはまだ言ってなかった。ありがとう」 「助けられた、ね。……考えてたんだよ、野郎が俺達を呼んだ理由を」 「……さっきメイヴィスも、似たような話をしてたな」 「言った通り奴のピアスは発信機になっていて、何処にいるのかわかるようになっている」

2020-09-10 04:24:36
Harold Ager🥚 @harold_ager

「指し示した場所はあの洞窟。あそこにゃご存知の通り催淫作用をもたらす悪趣味なモンスターがいる訳だ。俺は以前近くまで行ったことがあったからそのことを知っていたが……野郎は知らなかったんだな」 だから、あんなにも早く状況を理解していたのか。珍しく流暢な彼の話を聞いて合点がいった。

2020-09-10 04:31:01
Harold Ager🥚 @harold_ager

「あれはヤるか、今回のように薬を飲むか、どちらかで治まる。じゃあお前さんが一緒にいるならば当然前者だろうと俺は思った。だが、俺達を呼んだってことは、そうはしなかったってことだ」 「……メイヴィスのときも思ったが、なんだか回りくどいな?」 「お前は知っといた方が良い話だぜ?」

2020-09-10 04:39:52
Harold Ager🥚 @harold_ager

「あの場にいたのが“俺達三人のうちの誰か”だったら、助けを呼ぶことはなかったろう。俺達にとって奴は絶対だ。なんでも受け入れる。奴を一番と考えることは俺達とお前との間で違いはない。だが……立場が違う。俺達は従者で、お前は対等な立場の人間だってことさ」 「……はあ」

2020-09-10 14:19:31
Harold Ager🥚 @harold_ager

何腑抜けてやがんだ、ヨシュアは短く笑う。 「奴はお前が恐怖を覚えながらも、根っこのところで拒むことはできないと思ったのさ。無理矢理だとしても、受け入れるだろうと。だから──」 「──随分と、今日のアンタはお喋りなんだな?」 くぐもった声にハッとなり、ベッドの方へ視線を向ける。

2020-09-10 14:24:43
Harold Ager🥚 @harold_ager

「ようやくお目覚めか。ついつい世間話に花を咲かせてたぜ」 「何が世間話だドアホ。お節介も程々にしろよ」 「この坊ちゃんには、どうも必要以上に世話を焼きたくなっちまうんでな」 「聞いたかエド、後で世話賃として金請求されないように気をつけなよ」 「お前じゃああるまいし」

2020-09-10 23:35:56
Harold Ager🥚 @harold_ager

ああ……いつものハロルドだ。 変わりない姿にほっと胸を撫で下ろして──はたりと、熱い雫が頬を伝った。 「え……」 拭ってみればそれはゆっくりと、しかしとめどなく溢れてきて。 軽口を叩きあっていた二人は口を閉ざして、俺の方を見ているようだ。視界が滲んで、表情はわからなかったが。

2020-09-11 12:36:31
Harold Ager🥚 @harold_ager

「やれやれ」ヨシュアが短く溜め息をつく。それは呆れたようなものではなくて、いつも俺に向けてくれている優しさが滲んでいて──服の袖で涙を拭っていると彼が俺の横を通り抜けた気配がして、そのまま静かにドアを開けてこの部屋を出ていったようだった。

2020-09-11 16:39:58
Harold Ager🥚 @harold_ager

ベッドが軋む音がして、彼のつけている香水の香りがふわりと鼻腔をくすぐった。 そのまま腕を掴まれて視界がぐらりと揺れたかと思うと、俺はベッドに押し倒されていて、すぐ目の前にはハロルドの顔があった。 俺を見下ろす彼の表情からは何も読み取れなかったが……嫌な気持ちはしなかった。

2020-09-11 19:53:32
Harold Ager🥚 @harold_ager

「怖いか?」 「いいや」 短いやり取りにハロルドはふ……っと笑って、指先で俺の唇にふれる。 そのままゆっくり顔を近づけてきて、熱い吐息が頬にかかって──唇と唇とが重なった。 口を開けば彼の舌がぬるりと入ってきて絡め取られ、吸われる。 息があがって口を離せば、つうと糸が繋がる。

2020-09-11 20:56:46
Harold Ager🥚 @harold_ager

「……朧気ながらあのときの記憶はある。オレはもう少しで、アンタを無理矢理にでも犯すところだった。アンタがオレに恐怖を抱きながらも、拒むことはできないってとこにつけ込んでね」 ふ、と、ハロルドの表情に影が落ちる。

2020-09-12 14:12:58
Harold Ager🥚 @harold_ager

「オレにはそれがどうしても我慢ならなかった。アンタを無理矢理どうこうなんて──」 言いかけた途中で口を噤んで、何か考えるような素振りを見せて……いや、と、かぶりを振った。 「この言葉は、もう少し取っておくことにするよ」 「な、んだそれ」 なんだかおかしくて思わず笑みがこぼれる。

2020-09-12 14:17:36
Harold Ager🥚 @harold_ager

「アンタが懲りずにずっとオレの隣にいれば、いつかは聞けるかもな?」 悪戯っぽくハロルドは笑った。いつもみたいに。 「ふ……ふ、じゃあそうするかな」 二人で小さく笑い合った後ふれるだけのキスをしてハロルドが俺から離れる。 「さて、手間かけさせたようだしオレは奴らに報告に行ってくる」

2020-09-12 14:22:33
Harold Ager🥚 @harold_ager

「アンタも疲れたろう、ベッド使っていいから休んでな。飯には起こしてやる」 ぽんぽんと俺の頭を叩いて、軽やかにハロルドは部屋を後にしていった。 残された俺は言葉に甘えて、そのままベッドで目を閉じる。笑いながら彼が部屋へ戻ってくるまで、惰眠を貪ることになるのだった。

2020-09-12 20:50:53
Harold Ager🥚 @harold_ager

部屋を出ると、わざとらしく肩を竦めてみせるヨシュアがいた。奴が部屋を出てからも、この場を離れていないのはわかっていたが。 「人の話を盗み聞きとは随分と良いご趣味で?」 「もっと部屋の壁を厚くすることだな?」 はっ、と鼻で笑って、よろめいたところをヨシュアに支えられる。

2020-09-12 23:22:28
Harold Ager🥚 @harold_ager

「あーくそ忌々しい。とんだ恥だぜ」 「良い勉強になったな」 「まったくだ。高くついたがな」 どうにもまだ身体が思うように動かない。 奴の手を借りながら壁にもたれかかって、懐から煙草を取り出す。咥えた煙草を突き出せば奴が先に火をつけていたそれを近づけ、先端を合わせて火をつける。

2020-09-13 04:05:54
Harold Ager🥚 @harold_ager

「ありゃプロポーズか?」 「そう受け取ってもらっても構わないけどね。当の本人はそうとは露ほども思っちゃいないってんだから傑作だ」 「はっは、色男は大変だな?」 「あーいう奴だから“ 良い”んだよ。それにね、こんな関係の方が面白いのさ」 「ほう?」

2020-09-13 05:04:43
Harold Ager🥚 @harold_ager

「恋人だとか、そういう言葉に簡単に当てはめちまうのもつまらないだろう?」 「お前それ、遊んでる人間の台詞だぜ」 「駆け引きを楽しむもんだろ、色恋ってのは」 「ま、せいぜい愛想つかされないようにな 」 「いつからアンタはそんなお節介になったんだ」 「あの坊ちゃんのおかげかな?」

2020-09-13 15:14:42
Harold Ager🥚 @harold_ager

この男もオレも、随分と甘くなったものだ。 早くも微かに聞こえてきた呑気な鼾に二人で小さく笑う。 「さて、と、大分身体の調子も戻ってきたようだし飯でも作るかね。ツヴァイとメイヴィスもオレの仕事の報告が終わったらこっちに来るんだろ?」 「ああ、代わりに行かせておいた」

2020-09-13 15:26:50
Harold Ager🥚 @harold_ager

「そんじゃ、駄賃代わりにでも奴らの好きなもんも作らねーとな。アンタは?」 「俺は肉が食えりゃあそれで良い」 「だろうね」 「本調子ではないんだろうから、包丁で指切ったりしないようにしねーとな?」 「そんときはエドが止血してくれんだろ」 「容易に想像できるな」

2020-09-13 16:07:25
Harold Ager🥚 @harold_ager

これまでは皆でこうして自宅で食事を共にすることなどなかったものだが、エドが仲間になってからというもののそんな機会が増えた。誰かの為に食事を作るのも悪くないと思うようになったのだ。 そんな風に思えるようにさせた、奴の幸せそうに食事を取る顔を思い出して──静かに、部屋の扉を開ける。

2020-09-13 16:41:59
Harold Ager🥚 @harold_ager

ダブルベッドのど真ん中で(それでも寝相自体は綺麗で)寝息をたてるエドの姿に思わず笑いながら静かに歩み寄り、覗き込んだ寝顔に愛おしさが込み上げて──頬を寄せて、短く何度か口づけた。 愛してるだなんて口が裂けても言うことはないが──この男をひどく、愛おしいと思う。

2020-09-13 18:32:37
Harold Ager🥚 @harold_ager

「その様子を坊ちゃんが見たらどれだけ喜ぶだろうな?」 「いや、喜ぶよりも何よりも、衝撃でひっくり返るかもしれねぇ」 「夢と現実の区別もつかなくなってな」 くつくつと笑って、また軽く、キスをして。 オレの作った食事に頬を綻ばせる奴の顔を想像しながら、部屋を後にした。

2020-09-13 20:24:02