
Part1 どれだけ時間をかけてつくったって、 壊すのは簡単で、 壊れるのはあっという間で、 みんなが思ってるよりも呆気なく、 そして静かにくずれていくんだ。
2020-04-14 23:28:26
Part10 ーーーー 『ハァッ、ハァッ』 日課のランニング。 いつも夜にやるのは、 夜の空気感が好きだから。
2020-04-14 23:31:04
Part13 俺:えっ いつものランニングコースである橋の上にいたのは、至って普通の人。 普通じゃないのはその状況で。
2020-04-14 23:31:41
Part14 少し冷える夜には似つかわしくない軽めの服装。そして、手には封筒。 どうしても『それ』にしか見えない。 考えるより先に身体がうごいていた。
2020-04-14 23:31:58
Part15 俺:あー!!!!ちょーっと待ったぁ!!! ??:!? 俺:ちょっと待って!落ち着いて!ね! とりあえず座ろ?ね?
2020-04-14 23:32:26
Part16 何を血迷ったか咄嗟に声をかけてしまった。そして、その俺も中々にパニックになりかけている。 キャップにパーカー、そしてマスク。 顔は見えないが、女性であることは確か。
2020-04-14 23:32:43
Part17 俺:自殺なんて良くないよ… ??:……… 俺:正直さ『なんだこいつ?』 って思ってる? ??:………コクン 俺:(そりゃそうだよなぁ〜…)
2020-04-14 23:33:21
Part18 俺:確かにそうだけど…でも目の前でこんな事が起きててさ、もし止めなかったら俺が殺したみたいに感じちゃうじゃん。 ??:…意味わからへん。 俺:話聞くから ??:…………
2020-04-14 23:33:48
Part19 俺:あぁ… とりあえず、家帰ろ?場所は? ??:あの坂登った、□□ってところ。 俺:わかった。 通りがかったタクシーを止めた。
2020-04-14 23:34:02
Part20 俺:あの、□□までってどれくらいですか? 運転手:あぁ、ワンメーターだね 俺:よし! その名前も顔も知らない女の子を乗せ、ポケットに入っていた野口英世を渡した。 俺:よろしくお願いします
2020-04-14 23:34:55
Part22 ーーーー 翌日 俺:腹減ったぁ 澤村:買いに行けばいいじゃん 俺:昨日思わぬ出費で1000円使ってさ〜、絶賛金欠中…
2020-04-15 23:30:02
Part23 澤村:バカじゃん 俺:さ、さわ…むら…さん… 澤村:しゃーないな、明日返せよ? 俺:ありがたき幸せ…! 真っ直ぐ購買へと飛んでいった。
2020-04-15 23:30:36
Part25 そしてまたいつもじゃないものが。 校門の影に1人の女の子がいるのが見えた。マスクをして顔は見えないが。 澤村:誰か待ってんのかな 俺:さぁ?
2020-04-15 23:32:12
Part26 校門に差し掛かった時、 その子が俺たち2人の前に立った。 2人:おぉ…? 俺:えっとー…誰? 澤村:もしかして、俺に用とか?
2020-04-15 23:32:47
Part27 その子は澤村には一瞥もくれず、 何かを差し出した。 俺:おれ? ??:ん。 それを受け取るとすぐに帰って行ってしまった。
2020-04-15 23:33:34
Part31 わざわざ学校まで来るような子だから きっと根は真面目なのだろう。 俺:ってあれ…? 俺:なんで俺の学校知ってんの? それは解決されない謎のまま。
2020-04-15 23:36:39
Part33 いつものシューズ。 いつものプレイリスト。 いつものランニングコース。 そして再び、ひとつの非日常。
2020-04-15 23:40:58
Part35 しかし全く反応を示そうとしない。 俺:あのー!そこのー!! 敢えて大きな声を出してみた。 するとさっきのが嘘かのように、 すばやくこちらを向き…睨みつけた。
2020-04-15 23:42:24
Part36 俺:あ…、えっと…なにしてるの? ??:昨日ここで鍵落としてん 彼女の横にある自転車に目が止まり、 色々と察した。 俺:なるほどね
2020-04-15 23:43:11
Part37 僕も膝をついて屈む。 ??:…なにしとるん。 俺:何って探してるんだよ ??:頼んでない。 俺:頼まれてはないね ??:変なの 俺:知ってるよ
2020-04-15 23:44:09
Part38 探し始めて10分ほどたっただろうか 俺:あ!これ? ??:……うん。 俺:ほんと?よかったぁ ??:…………。
2020-04-15 23:46:27
Part39 俺:あれ… ??:どいてくれへん?帰るんやけど。 俺:あ、ごめん ってなんで俺が謝るんだ。
2020-04-15 23:47:10
Part40 その女の子は拾ってあげた鍵で さっさと自転車で帰っていった。 俺:ありがとうぐらいは言ってくれても迷惑じゃないのに
2020-04-15 23:48:01
Part41 ーーーー 翌日。 俺:デジャヴ? 澤村:いや、ちゃんと2回目だぞ 名前も顔も知らないその子は、 今日も俺たちの前に立っていた。
2020-04-15 23:49:18
Part42 俺:今日はなんですか? ??:昨日の。お礼。 渡された袋には、 この前と同じメモ用紙と野菜だった。
2020-04-15 23:49:41
Part43 俺:やさ…え?野菜? ??:要らんなら返してや。 俺:いりますいります!! ??:じゃあ。
2020-04-15 23:50:03
Part45 俺:君は…誰? ??:教える義理もあんたが知る理由もない。 ??:もう関わらないで。 それだけいうと再び帰っていった。
2020-04-15 23:50:48
Part46 美月:あれー? 俺:おお美月、どうした? 美月:あの子知り合い? 俺:いや、違うよ。 いや…うーん、違うのかなぁ… 美月:ふーん 俺:美月は知ってんの?
2020-04-15 23:54:43
Part48 俺:な、なんだよ 美月:あんまり人に聞こえるように 言わない方がいいかも… 俺:なんでだ? 美月:理由は……
2020-04-15 23:56:45
Part49 【プルルルルル】 俺:あ!いけね!母さんに早く帰れって言われてたんだった!ごめん!先いく!!
2020-04-15 23:57:02