陰陽寮が残っている現代で、記憶あり力ありの状態で転生し、当主として仕事してる晴(7歳)が、インチキ占い師としてアングラ系で働いていた記憶なしだった道(25歳)を拾って側におく話。 道による晴健やか子育て話。完結しました。
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どろあんこ @V4v7mV9cKzIIWs9

陰陽寮が残ってる現代日本の、代々陰陽頭を輩出してきた安倍家の長男として産まれてきた晴(記憶あり)が、若干7歳にして当主となって、インチキ占い師やってた道(25)を拾って側付きにする晴道がよみたいです。

2021-06-05 23:30:57
どろあんこ @V4v7mV9cKzIIWs9

この道はそれまで記憶なくて、力も前世の時の10分の1も出せてないんだけど、そもそもめちゃくちゃ強かったので、インチキ占い師(アングラ系)やってたら、島を荒らしたとかで反社に追われて、ビルからゴミ捨て場に飛び降りて逃げて気絶してたところを晴坊ちゃん(6歳)に拾われるやつです。

2021-06-05 23:35:37
どろあんこ @V4v7mV9cKzIIWs9

道がビルから落ちてきたのを、すぐそばで見てた晴坊ちゃん。 「落ちてきましたね。さすが私。座標ばっちりでしたね」 このような場所は危のうございますと諫言するじいやとSPに「これ、連れて帰ります」と言って、無理やりお屋敷に連れて帰る晴坊ちゃんがいます。乗ってる車、ぜってー黒リムジン。

2021-06-05 23:42:26
どろあんこ @V4v7mV9cKzIIWs9

安倍家、和風の大きな家と考えてましたけど、明治くらいの洋館要素も入ったお家でもいいような気がしてきた。松江の興雲閣のような建物。すごく素敵な建物なので、コロナ落ち着いたらぜひ一度見てほしい建物です。

2021-06-05 23:51:11
どろあんこ @V4v7mV9cKzIIWs9

北九州の旧松本家邸宅とか、そういう感じの明治時代に建てられた洋館に住んでる晴坊ちゃん。 道は気がついたら、めちゃくちゃ豪華なベッドに寝かされててびっくりするやつですよね。 起きたところをじいやが迎えにきて、ご当主がお待ちですとご案内されるやつください。

2021-06-05 23:57:58
どろあんこ @V4v7mV9cKzIIWs9

当主?当主とは?と思いつつ、まさか追ってきた奴らに捕まったのか?となる道。じいやが先導して、道の後ろからSPがいるので、なかなか逃げる隙がない。歯噛みしてると、凄く重厚な扉を開けて部屋の中に入ったら、子供がぽつんと高そうな革張りの椅子に座ってにこにこと笑ってる。

2021-06-06 00:16:16
どろあんこ @V4v7mV9cKzIIWs9

ばくばくと心臓が早鐘をうつ。呼吸が浅くなっていると、ばたんと扉が閉まり、大きな机に肘をついて子供が嗤った。 「やあ、道。千年ぶりだね」 「っ……?!せいめぇぇぇぇぇ!!」 襲いかかろうとする道を後ろに控えたSPが抑えつける。毛足の長い絨毯に上から押さえつけられ、ぐうと呻いた。

2021-06-06 00:19:06
どろあんこ @V4v7mV9cKzIIWs9

「思い出したかい?」 「おのれ、おのれ晴……!なぜ儂を連れてきた!またしても儂の首をはねるつもりか……!!」 晴坊ちゃんに出会って、一気に前世の記憶が蘇って、あまりの情報量に吐く道。それでもSPは抑えつける力を緩めない。げほげほと自分の吐瀉物に溺れかけていた。

2021-06-06 00:23:13
どろあんこ @V4v7mV9cKzIIWs9

「立ち上がらせて」 「晴様」 「大丈夫です。今の道ごとき私の敵ではない」 あっさりと今のおまえなんてどうとでもできますよと言われて、憎々しげに睨み付ける。確かに記憶こそ戻ったものの、前世の10分の1も力が戻っていない状態では、今のこやつの足元にも及ばなかった。

2021-06-06 00:26:41
どろあんこ @V4v7mV9cKzIIWs9

子供の言うことに大人が素直に言うことを聞くことにも不審が募る。抑えつけていたSPが道の上から退き、やっと肺に十分に酸素が満たされる。口の中に胃液の酸っぱさが残っており、その煩わしさにけほけほとむせた。 「ところで、道。おまえ、今まで随分あくどいことをやってきたみたいですね」

2021-06-06 00:32:58
どろあんこ @V4v7mV9cKzIIWs9

「あくどいこと?はあ?拙僧は求められるままに占っただけにございますれば」 鼻で嗤えば、晴は呆れたようにはあと肩を落とした。 「それで、依頼人が望むままに相手を呪ってきた訳か。全く、記憶がなかったとはいえ、安倍家当主として見過ごせませんよ」

2021-06-06 00:37:33
どろあんこ @V4v7mV9cKzIIWs9

神秘は秘匿されなければならない。そういう晴に、道はハッと嗤った。そしてその力を一部の上流階級や政治家だけのために使い、本当に困っている下流域の階級には見向きもしない訳か。全く、千年前から変わっておらず反吐がでる。 「それで?拙僧をどうすると?また昔のように首をはねますか?」

2021-06-06 00:49:32
どろあんこ @V4v7mV9cKzIIWs9

「なぜ?昔のおまえならいざ知らず、今のおまえは精々一般的な陰陽師に毛が生えた程度でしょう?」 「…………ほう?」 どろりと空気が淀み重くなる。控えていたはずのSPが再度身構えた。 「よって、おまえを安倍家当主。私の監視下に置きます」 「……左様で」 つまり座敷牢に飼い殺しされるのか。

2021-06-06 00:52:20
どろあんこ @V4v7mV9cKzIIWs9

全くついてない。そう自嘲すると晴は子供特有の大きな目をぱちくりと瞬かせた。 「私の下でちゃんと陰陽道を学びなさい。記憶はあっても、今のおまえでは力を使いこなせない。きちんと使いこなせるよう、私が指導します」 「………………はい?」

2021-06-06 00:54:30
どろあんこ @V4v7mV9cKzIIWs9

「見て分かるとおり、私はまだ子供ですから色々手助けが必要です。よって、おまえを側仕えとして置きますので、しっかりと励むように」 「はあ?!あなた馬鹿ですか?!千年前対立した儂を教え導くと?!しかも側に置く?!馬鹿は休み休み言いなされ!」

2021-06-06 00:57:58
どろあんこ @V4v7mV9cKzIIWs9

激昂する道を余所に、晴はすぐそばに控えていたじいやに目をやった。 「これの躾は頼みましたよ。私の側に置いても恥ずかしくないように仕立てなさい」 「かしこまりました、晴様」 「話を聞け!」 声を荒げた瞬間、空気を切り裂く音がしてバチンと強い音がした。

2021-06-06 01:00:30
どろあんこ @V4v7mV9cKzIIWs9

道は尻を押さえ、膝をついた。余りの痛さに声すら出ない。 「主に向かって、その口のきき方はなんですか」 「っ、ぐ……」 じんじんと痛む。じいやの手には乗馬鞭が握られており、先ほどの衝撃は乗馬鞭によるものだった。 「晴様の側仕えとして恥ずかしくないよう、しっかりと躾て差し上げましょう」

2021-06-06 01:03:16
どろあんこ @V4v7mV9cKzIIWs9

「あははは。しっかり励むんだよ、道」 「っ、おのれ晴ぇ……!」 バチン。再びひるがえった乗馬鞭に、道はぐっと唇を噛んだ。

2021-06-06 01:04:42
どろあんこ @V4v7mV9cKzIIWs9

晴坊ちゃん、物心ついた頃にはすでに前世の記憶があったし、その時のご当主だったお祖父様が占いで、晴が記憶を持って産まれてくると予見していたので、5歳になったときにお祖父様から当主の座を譲られた。 なので物心ついた時には、実の祖父母も両親も自分に頭を下げていた。

2021-06-06 11:09:43
どろあんこ @V4v7mV9cKzIIWs9

それをちょっとだけ「寂しいものがありますねぇ。別に寂しくはないですが」と思ってたりしてた。 特に今世の母親はちょっと力のある普通の人間なので、力の強い晴を怖がり近付けば、震えあがりながら粗相しないように頭を深く下げるばかり。晴は母親のつむじばかり眺めている。

2021-06-06 11:17:26
どろあんこ @V4v7mV9cKzIIWs9

父親はそんな母親について「普通の人に近い妻にとって、あなた様の力は余りにも強過ぎるもの。どうかご容赦を」と謝罪する。安倍家の人間として、晴を産むためだけに妻を選んだらしいがちゃんと愛しているらしい。 「別に赦すとか何もありません。気にしてませんから」 晴は両親のつむじばかりみている

2021-06-06 11:24:46
どろあんこ @V4v7mV9cKzIIWs9

晴が産まれたときにはすでに祖父は陰陽頭の地位を父親に譲っていたけれど、まだ安倍家の当主。陰陽頭として多忙な父と、晴を恐れて抱くことをしない母親の代わりに祖父母が赤子の晴を育てた。晴が困らないようにと側付きにじいやもつけた。 そして5歳になった時、晴は祖父から当主の座を譲られた。

2021-06-06 11:31:18
どろあんこ @V4v7mV9cKzIIWs9

前世の記憶はあるけれど、まだ子供の晴に皆かしずいた。 当然でしょうね、私が祖のようなものですし。それが記憶を持って産まれてくるとなれば、皆かしずきますよね。わかります。人という生き物は、かくも弱き生き物。強い力を持つ私が守ってやらねば。 人のつむじばかりみている。

2021-06-06 11:36:31
どろあんこ @V4v7mV9cKzIIWs9

寝るときも大きな部屋に独りきり。恐らく近くで護衛が不寝番はしているだろうけど、物心ついた時からずっと晴は1人で寝ていた。 夜だけではない。朝ご飯も昼ご飯も夜ご飯も。全て安倍家お抱えの料理人が、晴のために用意したご飯を広い食堂で、じいやと護衛に囲まれて1人で食べた。

2021-06-06 11:40:09
どろあんこ @V4v7mV9cKzIIWs9

ご飯の時ですら、当主としての仕事は舞い込んでくる。各地の怪異に適任の陰陽師を送り込み、日の本中に晴の細い細い糸が張り巡らせられており、何かが起これば対処した。 私は最高最優の陰陽師。強い力を持つものなれば、弱き衆生を守るのも私の務め。 幼い晴に、国の大臣すら頭を下げた。

2021-06-06 11:44:23
どろあんこ @V4v7mV9cKzIIWs9

小学校にあがる年齢になった時、晴は明日の先を視る目で道をみた。ビルから飛び降りて、ゴミ捨て場で気を失っているのを視た。 ただひとり。 あの平安の世で、晴を恐れず、晴を真っ直ぐに見つめ、ひたすらに手を伸ばした存在。 「…………道、」 ぽたり、と。 なぜか涙が一粒こぼれた。

2021-06-06 11:48:23
どろあんこ @V4v7mV9cKzIIWs9

「晴様、一通り躾が完了いたしましたので、連れて参りました」 数ヶ月経って、じいやが連れてきた道は、ぴったりにしつらえたスーツを着ていた。拾った時に着ていた、安っぽい丈足らずのスーツではない。 にこりと笑って道以外は席を外すように言えば、初日の有り様を知っているSPたちは渋い顔をした。

2021-06-06 11:56:00
どろあんこ @V4v7mV9cKzIIWs9

それでも彼らが晴の命令に背くことはない。部屋の外に出る彼らを見送ってから、晴は道にソファーへ座るよう促した。 じいやの躾が行き届いているのか、少しだけ渋ったものの素直にソファーに腰を下ろした。そして、デスクから降りてその隣に座った。 「晴、様」 「あ、別に様付けしなくていいです」

2021-06-06 11:59:50
どろあんこ @V4v7mV9cKzIIWs9

なぜか、道に様付けはされたくなかった。しなくていいと言えば、少しだけ道は目を泳がせて、そしてきっとこちらを睨みつけてきた。 「晴殿はおいくつでいらっしゃいますか?!」 「……はあ、今年で7つでしょうか」 「学校は?!」 「行ってません。行く必要がありませんし、当主の仕事が忙しいので」

2021-06-06 12:02:26
どろあんこ @V4v7mV9cKzIIWs9

事実である。前世の記憶を持ち合わせており、勉学には家庭教師をつけている。小学校に通わなくても問題なかった。 「普段からこうやって部屋に籠もりきりなのですか?!」 「……そう、ですね。当主の仕事がありますので」 そう言えば、道はがばりと立ち上がった。 「なりませぬ!」 「はい?」

2021-06-06 12:04:32
どろあんこ @V4v7mV9cKzIIWs9

小脇に抱えられた。そのまま部屋の扉を開けて駆けていく道に、外で控えていたSPとじいやが慌てて追いかけてくる。平安の世でも思ったが、この男は健脚であっという間に館の外へと連れ出された。 安倍家の庭は庭師によって美しく維持されている。その一角に連れてこられて、小脇から下ろされた。

2021-06-06 12:09:54
どろあんこ @V4v7mV9cKzIIWs9

「実施に勝るものはございませぬ。どうせあなたのことですから、ここにアジサイが咲いていることすら知らなかったでしょう。かつて寺にいたころ、これの近似種であるアマチャという種類を栽培しておりましたぞ」 「アマチャ……灌仏祭に使われるお茶の名前と同じですか」 「そのお茶の葉です」

2021-06-06 12:14:02
どろあんこ @V4v7mV9cKzIIWs9

アジサイの近似種であるアマチャの若い葉を摘んで蒸したあと、揉みこみ乾燥させたものが灌仏祭で使われる甘茶となるという。へえと感心していると道は得意気に胸をはった。 「アジサイもそうですが、この種類には毒がありまするゆえ、お気をつけなされよ」

2021-06-06 12:17:24
どろあんこ @V4v7mV9cKzIIWs9

「なるほど。おまえが前世使った毒は寺で摘んだものでしたか」 「………………そうですが」 忌々しそうに顔を歪める道に、あはははと大きく笑い声がこぼれた。 慌てて追いかけてきたSPたちがようやく追い付く。じいやなど大笑いする私をみて、大きく目を見開いたあと、嬉しそうに頬を緩めた。

2021-06-06 12:19:06
どろあんこ @V4v7mV9cKzIIWs9

なんとなく。ええ、本当に気まぐれです。なんとなく、なんとなく抱き上げてほしいと思った。 「道、抱っこ」 「はあ?……仕方ありませんな」 抱き上げられれば、道の整った顔がとても近くなった。久し振り感じた他人の体温に、ふっと笑みがこぼれた。 「もう少しお庭を散策しましょう」 「はいはい」

2021-06-06 12:24:15
どろあんこ @V4v7mV9cKzIIWs9

晴は人の顔をまじまじと見たことがなかった。見るのはつむじばかり。子供の自分に深々と頭を下げる大人のつむじばかりである。同年代の子供と遊んだことがない。なにせ学校に通ってないので、知り合う機会もないのだ。広い敷地の中にある、大きな邸宅の中で常に1人。 「あなたのご両親は?」

2021-06-06 14:33:52
どろあんこ @V4v7mV9cKzIIWs9

「父は仕事で会うことはありますが、母とはここ最近会ってないです。あ、いや……会ってるかもしれませんが……」 「会ってるかもしれない?」 「母の顔は知らないのです」 つむじは知っている。恐怖で震える細い指先も。震える声も知っているが、顔は見たことがなくて覚えていない。

2021-06-06 14:36:53
どろあんこ @V4v7mV9cKzIIWs9

この邸宅は安倍家当主のものだ。祖父から当主を譲られた際に、私のものとなった。だから、この邸宅に祖父母も両親もいない。 「……あなたをお育てになったのは?」 「祖父母ですね」 記憶が完全になるまで祖父母は手を焼いたことだろう。何せ力のある幼児。祖父母は常に護符を身につけていたと聞く。

2021-06-06 14:41:58
どろあんこ @V4v7mV9cKzIIWs9

「5歳の時に安倍家の当主となって以来、祖父母とも両親とも一緒に暮らしてません。ああ、祖父と父は仕事関係でたまに会いますよ」 「……そうですか」 彼らから祖母も母も元気にしていると聞いているので特に問題ない。 「ああ、そういえば弟がいるらしいのです」 「……はぁ?」 「父が言ってました」

2021-06-06 14:51:50
どろあんこ @V4v7mV9cKzIIWs9

道の顔が険しさを増す。こてりと小首を傾げると、道は忌々しげに舌打ちした。 「弟君はどのような方で?」 「会ったことありませんから、詳しくは知りません。ただ、顔は母に似ているとか。私の2歳下だそうですよ」 「……弟君は、ご両親と?」 「でしょうね」 私を抱き上げる腕に力が入った。

2021-06-06 14:54:28
どろあんこ @V4v7mV9cKzIIWs9

「…………あなたは、ここで、ご両親とも離れ、養育された祖父母とも離れ、1人でずっと住んでいたのですか」 「護衛とじいやと、料理人、あとハウスキーパーがいますけど、家族と一緒かと言われると違いますね。1人で住んでます」 あと家庭教師が週3くらいで来ますかねと言えば、道は更に舌打ちした。

2021-06-06 15:00:39
どろあんこ @V4v7mV9cKzIIWs9

「寂しくはなかったのですか?」 「寂しい?どうして?」 忌々しそうな道に、晴は不思議そうに首をかしげた。 「私は最高最優の陰陽師、晴ですよ?どうして寂しいなんて思うんですか?」 きょとりと目を瞬かせれば、道は盛大に舌打ちした。後ろに控えていたじいやの眉間にしわが寄る。

2021-06-06 15:09:33
どろあんこ @V4v7mV9cKzIIWs9

なんとなく、ぎゅっと道の首にすがりつけば、道はぽんぽんと優しく背中を叩いた。ほうと心のどこかが安堵する。 「……忌々しい。拙僧が、なぜあなたの心配をせねばならんのか」 「道?」 「ええ、ええ!忌々しいことでございまするが!仕方なし!!拙僧が側にいてさしあげましょう!!」

2021-06-06 15:14:49
どろあんこ @V4v7mV9cKzIIWs9

夜になっても、安倍家当主の晴の元にはたくさんのことが運ばれてくる。22時になっても机から離れない晴に、ついに道がキレた。 「おしまいです!!本日の当主業務は閉店!!風呂入って寝ますぞ!」 「あ、待っ、仕事が」 晴を抱き上げて、小さな手かペンを取り上げる。

2021-06-06 18:19:29
どろあんこ @V4v7mV9cKzIIWs9

仕事を持ち込んだ人間が道を責めるような目つきで見ているが、道がぎろりと睨み付ければ慌てて目をそらした。根性なしめ。 「今度から当主は21時就寝!仕事は遅くても19時まで!それ以降は明日持ってきなされ!!」 「道、私は別に……」 「やかましい!!」 咆哮に近い道の声に、耳がきーんとなった。

2021-06-06 18:22:26
どろあんこ @V4v7mV9cKzIIWs9

「あなた様は前世の記憶があるから、前と同じように働こうとなさいますが、その体はまだ7つの子どもですぞ!!夜更かしはなりませぬ!!」 またしても小脇に抱えて執務室を出る道に、晴は目を丸くしたまま固まっていた。 「そこの方、さっさと帰りなされ。居座っても何も出ませぬぞ」

2021-06-06 18:24:54
どろあんこ @V4v7mV9cKzIIWs9

道はイライラとしながらも声をかけると、その陰陽師は慌てて部屋を出て行った。ふん、と鼻息荒く風呂場に連れてこられ、服をはぎ取られる。 「ぷは、道、道!これはいつものことなので……!」 「なりませぬ」 ぴしゃりと言われて、しゅんと肩を落とした。

2021-06-06 18:27:10
どろあんこ @V4v7mV9cKzIIWs9

「先程も申し上げました通り、あなたの体は7つの子供。このような生活をしては、成長や健やかな精神の妨げになりまする」 服を剥ぎ取られ、浴室へと促される。 「そこまでしなくとも、」 「拙僧を側に置くと決めたのはあなたでしょう?なれば、こうやって世話を焼かれると思いなされ」

2021-06-06 19:01:14
どろあんこ @V4v7mV9cKzIIWs9

ここでお待ちしてますので、早く入ってきなされという道に晴はしぶしぶ浴室へと入った。広い浴室。小さい頃から見慣れた浴室なのに、なんだか気恥ずかしかった。 風呂からあがれば、バスタオルをかまえた道に、それこそ猫の子のように拭き上げられた。

2021-06-06 19:08:17
どろあんこ @V4v7mV9cKzIIWs9

時計をみればまだ23時だった。いつもなら、これくらいの時間までペンを握って当主としての仕事をしているのに、こんなに早く床につくとは。まだ7つであるこの体にはおおきいベッド。後ろで控えている道をちらりと見れば、さっさと寝なされと言わんばかりに仁王立ちしていた。

2021-06-06 19:24:44
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まとめたひと
どろあんこ @V4v7mV9cKzIIWs9

腐垢。成人済。 その時々にはまったCP吐き出し用。現在fごの晴道にはまっています。晴道吐き出し中。 道受も道攻も好きですが、晴道固定派。 吐き出したネタは定期的にプライベッターやminへ移しています。

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