今回は短めwだけど、表題の通り。
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加藤AZUKI @azukiglg

青くなりました(`・ω・´) blueskyアカ取れました。 Threadsとかにもいます。

twilog.org/azukiglg

加藤AZUKI @azukiglg

インディ・ジョーンズ3(最後の聖戦)で、インディのパパ(ショーン・コネリー)が「メモ魔だが、自分の書いたメモの内容を覚えてない。何故なら、覚えなくてもいいようにするためにメモを書くからだ」っていうのが出てくるんだけど、僕が怪談書く理由はそれに結構近くて。書くと忘れるから書く。

2022-12-02 17:52:08
加藤AZUKI @azukiglg

取材とか突然の告白とかメールだけ届くとか、まあ色々な形で怪談(体験談)を聞くんだけど、聞いてそのままにしておくと自分が祟られたり呪われたりしてそうで怖いから、「この話を聞いた最後の一人は僕じゃない」というアリバイが欲しくて怪談を書いている。

2022-12-02 17:53:21
加藤AZUKI @azukiglg

そして、僕もインディのパパと同じタイプで、「書く寸前までは内容を覚えているが、書くとすっきり忘れてしまう。書いた本を読み返せばいいのだから、覚えている必要がない」みたいな理由で。 なので、書店に並ぶ頃には何書いたか忘れているし、去年より前の自分の本を割りと新鮮に読み返せる。

2022-12-02 17:54:48
加藤AZUKI @azukiglg

それがよいかどうかは分からんけど、覚えているとしんどいのでできるだけ忘れるようにしているし、忘れられているので助かっている。「書いたら忘れる」というのは、その意味で【後ろめたさとメンタルのリミッター】とかブレーカーになってるんじゃないか、思わなくもない。

2022-12-02 17:56:40
加藤AZUKI @azukiglg

ここらへん、体験談を「抱えてる」側の人にも似た傾向があることがある。 それらは不幸な(或いは不謹慎な)記憶なんだけど、普通の社会生活を送っている人が、それを素面で、真顔で他人に話すとどうなるかというと、まあ大抵は正気を疑われるしどん引きされるし人付き合いが変えられてしまう。

2022-12-02 17:57:56
加藤AZUKI @azukiglg

そして、「正気で社会常識のある人」はどうするのかというと、誰かに話したりしないでしまい込む。「幽霊を見た自分」がまともな人間扱いされなくなることを恐れて、例え見ていても自分の経験を否定するか、そもそも誰にも話さない。

2022-12-02 17:59:09
加藤AZUKI @azukiglg

それで忘れっぱなしでいられる人はいいんだけど、夜中に大汗掻いて目が覚めるとか、自分が「それを体験したときも正気であった」ことを確かめる誘惑に駆られたりとかして、【告白】【告解】をしたくなるんだけど、滅多矢鱈にそれを話して狂人扱いされる訳にはいかない。

2022-12-02 18:00:47
加藤AZUKI @azukiglg

そんなときに都合がいいのが「怪談を生業にしています」みたいな職業の人で、こちらがそういうのを仕事にしているんですよ、と社交辞令的挨拶で話すと、「そうなんですか。実は――」と、いきなり告白されたりすることがたまに、いや割とある。

2022-12-02 18:01:52
加藤AZUKI @azukiglg

結構長い付き合いで、そんなこと今までおくびにも出したことなかった人に、「実は長年――」とか打ち明けられることもあって、そういう人達の多くは「打ち明けると気が楽になる」っていう。 「秘密を抱えているのが自分一人ではなくなったこと」が大いに【効く】らしい。

2022-12-02 18:03:03
加藤AZUKI @azukiglg

一期一会で知り合った人は、それっきり消息途絶えたりすることもあるのだが、語り終えた人達が「自分が最後尾ではなくなった」ことに安堵を覚える様子を見たのは、一度や二度ではない気がする。

2022-12-02 18:03:54
加藤AZUKI @azukiglg

「酒の席での持ちネタ」として繰り返し語った人の語り方と、「殆ど人に明かしたことがない話」を打ち明けるときの語り方は、これは割と区別が付く。 繰り返し語られた話は、理路整然と整理がされており、ブラッシュアップされており、構成がまとまっている。

2022-12-02 18:05:37
加藤AZUKI @azukiglg

一方、殆ど人に明かしたことがない話が語られるときは、高い確率で「オチ」から話が始まる。或いは、「一番怖かった(当人にとってショックだった)場面」から始まり、その一番怖かった場面についての感想が繰り返されるのだが、そこに至る経緯や背景がなかなか語られない。

2022-12-02 18:07:04
加藤AZUKI @azukiglg

結果、因果関係、人間関係、時系列がめちゃくちゃで、話の全体像が見えづらい。「組み立てていないジグゾー。しかもミルクパズル」みたいな状態でぶちまけられる。 そんな分かりにくい状態でも、「打ち明けてしまうと、憑き物が落ちたように楽になる」とかいる。

2022-12-02 18:08:18
加藤AZUKI @azukiglg

まあ、打ち明けたくらいじゃ楽にならないような現在進行形の話を抱えている人(大抵、聞き取りが一度では済まないような話はこれ)ケースもあるから、一概には言えないんだけど、「楽にはならなくても、秘密の共有者、共犯者がいる」だけでだいぶ気持ちが違ってくるものらしい。

2022-12-02 18:09:29
加藤AZUKI @azukiglg

そんなものを打ち明けられてしまったら、そしてその人と縁が切れたりした日には、自分がその話の最後尾になる。「ここが列の最後尾です」というプレートを持って、ポツンと一人きりになる、そういう心細さと不安とがあって、「早く誰かにこのプレートを渡さなければ」という焦燥感が湧き上がる。

2022-12-02 18:10:40
加藤AZUKI @azukiglg

だから、怪談を書くというのはそういう、厄落としとか禊ぎとか厄のおすそ分けというか、厄の付け替えというか厄逃れというか、まあそういうものかな、という気はする。 別に、祓ってる訳ではないし、慰めてる訳ではないし、救済の役にも立ててない。ただ、聞いたら書くだけ。

2022-12-02 18:12:14
加藤AZUKI @azukiglg

自分の場合はそんな感じなので、使命感でも好きだからとかでもない。 「逃げても付いてくるから、誰かになすりつけるため」 「書き終えたら頭の中からそのことに関する記憶が消えるから」 こうしてみると、怪談を書く理由が後ろ向きすぎる(´・ω・`)

2022-12-02 18:13:28
加藤AZUKI @azukiglg

にしても、「加藤さんの書いた○○に載ってた××の話が怖かったです!」と言われて、それがどんな話だったのか一瞬どころかもう読み返さないとまったく思い出せないということがままあって、それは本当に自分が書いた話なのか、と不安になってくることがある。

2022-12-02 18:16:23
加藤AZUKI @azukiglg

そんなわけで、ご家庭でご不要になった怖い思い出、人に信じて貰えず胸の閊えになっている体験談などございましたら、お気軽にお声をお掛け下さい。「超」怖い話、「弔」怖い話、恐怖箱、にてご紹介させていただきます。 chokowa.com/cgi/toukou/

2022-12-02 18:22:20
加藤AZUKI @azukiglg

あなたが最後の一人ではなく、僕も最後の一人にならない。 それを抱え込む孤独に耐えきれなくなったとき、他の誰かに押し付けちゃいましょうよ、僕も書いたら忘れるからさ。 というのが、僕が怪談を書く理由、ですた。

2022-12-02 18:23:58
加藤AZUKI @azukiglg

ただここらへんの、「怪談を書く理由」「怪談を集める理由」は、もうほんと怪談作家によって千差万別で、多数意見とか絶対的正解とかないし、「俺こそが正しい」みたいなことを断言するのも烏滸がましいし、誰かにそう言われても「僕とは違うなあ……」で結着付かないしで。

2022-12-02 18:25:44
加藤AZUKI @azukiglg

ただまあ、「体験談を明かした人が憑き物が落ちたような顔になるが、体験談を聞いた側は別に体験者を救済もしてないし、事態の解決に助力してもいない」という当たり、「レンタル何もしない人」にどこか通じるものを感じるw

2022-12-02 18:27:54
加藤AZUKI @azukiglg

怪談作家に体験談話してもたぶん何の解決にもならないとは思うんだけど、もしかしたら気が楽になるかもしれない。少なくとも頭ごなしに否定する人は怪談屋にはそんなにいないと思うので。 まあ、ものは試しで。

2022-12-02 18:29:17
加藤AZUKI @azukiglg

最近は怪談を生業にする人もずいぶん増えたので、明かす相手も選び放題ですヽ(◉◞౪◟◉)ノ

2022-12-02 18:29:53
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まとめたひと
文里💉x7 @wenly_m

松山市をこよなく愛する独り者。 第2の故郷は三田の山。 min.tのサービスは使う人が増えて欲しいと思っている人